十一人の賊軍のレビュー・感想・評価
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根底に仁義なき戦い!
主演が山田孝之という事で、期待せずにはいられない本作!!
結論から言いますと、“主役”はノロとなつ、かと…笑
原案笠原和夫というのも納得で、当時の階級やムラ、イエ社会が背景にストーリーが展開していきます。
うーーん、鷲尾(中野太賀)もカッコ良いし、家老(阿部サダヲ)の狂気も良いんですが、いまいち響かなかった印象です。(唯一、序盤から「あれっ?動きおかしいぞ!!」の人物が、最期に活躍で…!w)
パンフレットでは、政(山田孝之)の刺青がメインですが、ストーリーでは全く触れていませんし、発端の手籠も、聾唖だと気付くのは、私は大分先でした。
とはいえ、戦闘のチャンバラは見応えありますし、音響も映画館ならではの迫力でした!!
是非、映画館でご観賞くださいませ!!
戊辰戦争は日本の内戦の時代
PG12+と思えないくらい血飛沫や首が飛びます。
内戦ではあるが「シビルウォー」とは違い民間人を巻き込まない戦さに、民間人である罪人が巻き込まれていくという、特異な設定が映画を面白くしています。
昔に書かれた脚本の時代は1時間半が平均的な映画の長さだったのではないかと思いますが、この映画は約2時間半でたぶん1時間尺を伸ばす中で最後まで飽きさせずに見せてくれます。
家老役の阿部サダヲの本音と建て前と裏工作が判りづらく、どうしてこうなった?というセリフ部分を逃すとモヤモヤってしてしまうが、昔書かれた脚本はきっと時代として善悪の部分はハッキリしていたのでしょう。
時間が延びたことで最初の人物紹介の部分で少しダレる部分はありますが、砦に着てからはジェットコースターです。
そして人物紹介の部分はラストで活きてきます。
明治時代を作る西と東で分かれて戦った戊辰戦争が現代の日本を作っています。
家老が先の世を観ていたかがわかります。
10人だった賊軍が、11人になるまで…
昨日、遅ればせながら『侍タイム・スリッパ―』を鑑賞し、今日また本作を鑑賞。シチュエーションこそ全く違う2作品だか、この週末は、幕末を生きた侍の魂にどっぷりと漬かった作品を堪能した。『侍タイム・スリッパ―』は、人情劇フィクションであるが、本作は、江戸から明治へと激動の時代に起きた官軍と幕府軍との間で起きた『戊辰戦争』を基にしながらの史実物語。
命を捨てても尚、幕府を擁護する同盟軍として立ち上がった最後の武士と共に、10人の死刑囚の賊人が加わって官軍との激しい肉弾戦が展開される本作。『孤老の血』や『凶悪』、最近では『碁盤切り』で、時代劇にもその手腕が光る白石和彌監督がメガホンを撮り、期待通りの血しぶき上げて、体ごと吹っ飛ぶような戦闘シーンを描いていた。テレビ時代劇で観るような殺陣ではなく、戦場の痛みまでもがリアルに伝わって来るような、泥臭く、血生臭い壮絶な戦闘シーンだった。
物語は、新政府の官軍が幕府を倒そうと起こした戊辰戦争が背景となっている。次第に官軍が幕府軍を討ち負かす中、官軍に敵対する奥羽越列同盟に加わっていた新発田藩が、我が身可愛さのあまりに同盟軍を裏切り、官軍への寝返りを企てる。その企てを成功に導く為のカギとなる、新発田藩のある砦を死守する命がくだる。
そして、その命に選ばれし者が、明日にも死罪が執行される10人賊人と気丈なる3人の武士。そこで、最後の武士としてのプライドと賊人達なりに人としてのプライドがぶつかり合いながらも、10人だった賊軍が11人となって官軍と対峙ていく。しかし、最後に彼らに待っていたのが、思わぬ裏切りと決して臨んでいた結末ではなかった。
本作では、山田孝之と仲野大賀のW主演を務め、山田は妻を手籠めにした新発田藩士を切り殺した賊人・政を演じ、仲野は新発田藩に忠誠を誓う道場主・鷲尾兵士郎を演じた。全く違う2人のキャラが、次第に分かち合い、その中で共闘していくクライマックスの姿には、胸を打たれた。特に仲野の壮絶なラストシーンは、来年のアカデミー賞候補もみえる程の奮闘振りだったと思う。
また、2人の間に入って、新発田藩の裏切りを企てた藩士・溝口内匠を務めた阿部サダヲは、山田と仲野の熱い演技に対して、『死刑に至る病』で見せたような、異様な冷徹さの中に腹黒さが見え隠れする演技が際立っていた。
ど迫力であっという間!!
昭和の時代劇
仲野太賀が100点!
江戸幕府から明治政府へと政権が移りかわる中で起こった戊辰戦争を背景...
江戸幕府から明治政府へと政権が移りかわる中で起こった戊辰戦争を背景に、11人の罪人たちが藩の命令により決死の任に就く姿を描いた時代劇アクション。「日本侠客伝」「仁義なき戦い」シリーズなどで知られる名脚本家の笠原和夫が残した幻のプロットを、「孤狼の血」「碁盤斬り」の白石和彌が監督、山田孝之と仲野太賀が主演を務めて映画化した。
★勝てば官軍負ければ賊軍、、正しくそんな話!!
優しい賊軍
笠松和夫氏の幻の脚本を令和の時代に甦らせた十一人の賊軍。
もしもボツにならず当時の俳優でキャスティングされるとしたら、やっぱ山田孝之は菅原文太かな。仲野太賀は松方弘樹だな。そして阿部サダヲは金子信雄だ。
と、想像しながら鑑賞しました!!
いきなり戊辰戦争の真っ最中から始まりますが、所々でちゃんと字幕とナレーション入りの解説有り。これは仁義なき戦いのオマージュなのかもしれないけど、令和向きではないかな。時代背景は観る前からだいたい分かってるからね。それより賊軍一人一人の背景をもっと描いて欲しかったな…。何の罪で捕まったかはざっくり分かったけど、せっかく強いのに名前がよく分からなかったりするのがもったいない。しっかりちゃんと名乗ったのは剣士の爺さんだけだったかな…?砦を守るミッションが与えられてからとにかく賊軍が頑張って頑張って頑張るんだけど、もっと一人一人掘り下げて欲しかったし、何より賊軍みんなイイ人過ぎなんだよね。何とか逃げようとしたり、官軍に寝返ろうとしたりするのは山田孝之だけだからね…。罪人なんだからもっと狂気なワルとか、殺人鬼みたいなのがいても良かった気がする。
そんな孝之も最後は弟分を逃がして儚く散っていくのがまた良き。
心残りなのは一番の悪人、阿部サダヲが討たれなかった事。これは仁義なき戦いの金子信雄のように、一番悪い奴が死なないのと一緒。せめて片腕か片足だけでも仲野太賀に切り落として欲しかったけど…これが笠松和夫の脚本通りだとしたら納得する。
けしてハッピーエンドではない。
婚約者との約束を果たせなかった阿部サダヲの娘も自害する。
ラストで生き残った弟分と放火女が聾唖の孝之の妻へ会いに行って孝之の死を悟らせるところは恐らく味付けされた脚本だと思う。だがこれも良き。
白石監督が描きたかった世界観を感じた。
最後までよく戦ったよ賊軍。みんな優しかったね。
菅原文太と松方弘樹ならもっと凄い事になっていたはず!当時ボツにした人間達を恨みます!
基盤斬りに続いて
アクション時代劇
この仲野太賀も良かった
時間を感じさせないスピードで一気に観れた。
キャスティングも良かった。主役も脇役も、憎まれ役も。
新潟新発田藩の裏切りは、今まであまり表に出て来なかったが、、新潟では有名な話。
新政府軍が湊に上陸して、新潟町で最後の激戦地となった丘は、語り継がれ、訪れる人は少ないが、知る人ぞ知る公園になっており、今も掘れば銃や刀などの遺品が出てくる。
この丘が最後の焙烙玉のシーンの場所になったのかもしれない、と思いを馳せる。
新政府軍をもてなし金を渡して、町を戦場にしなかった大庄屋は、町では偉人として語り継がれているが、奥羽越列藩同盟からは現在もまだ裏切り者と言われている。
日本を二つに分けた戦争は、確かな形として、まだ近くに存在している。
個人としては、仲野太賀の新潟弁が聴けたのが良かった。
(新潟在住者)
アクション映画です。
汚い山田孝之が大好物
淡々と
役者さんは良いがあまりに冗長、2時間以内にまとめたら或いは面白かったかも
好きになれない映画はあるが、久し振りに金と時間を返せレベルでがっかりした。
良い役者と予算をふんだんに使った駄作。
仲野太賀さんのお芝居は好きだった。
兎に角冗長に過ぎる。
プロット自体は多分つまらないものではないのだと思う。
恐らく脚本段階の問題だ。
諸々の無駄なエピソードを切り捨てて
誰が主人公なのかはっきりさせて2時間弱にまとめたら
もしかしたら化けたかも知れない。
正義や信念がある人間が辛うじて鷲尾くらいで誰にも感情移入できず
気分良く見ることもできない。
鷲尾、加奈、なつは好きではあった。
山田孝之さん演じる政が主人公かと思いきや、
復讐までは良し、妻のさだの元に戻りたくて脱獄という訳でもなく
武士に従いたくないだけで、何度も脱走を試みるのが情けない。
なつがびしっと言ってくれて少し気分が良かったが、
その後も脱走を繰り返すしまともな台詞も大して無いのに
薩長軍に裏切られたと思ったら急にやる気になって戦う。
結局大事な妻はひとり残され幸せな生活を送れそうには見えない訳で、
独りよがりで何がしたかったのかわからない。
時間稼ぎに藩士を使いたくないから罪人まではわからなくもないが、
女を入れてたった10人、罪人に武器をもたせてたった3人の藩士で押さえられるわけもないだろうし
たった13人で短時間とは言え砦を守れる訳がない。
設定から効果音からなにもかもにリアリティが無さすぎる。
慶応四年の段階で尊王攘夷などと言っていた人間などいないだろうに、攘夷の言葉を言わせているのが鼻持ちならない。
双方見張りもまともに立てていないし、味方が死ぬシーンも
なぜ橋を落とすのに橋の真ん中で焙烙玉に直に火をつける必要があったのか
手の火傷で夢を諦める局面なのか、
味方を逃がすでもなく隠れ場所から這い出したのはなぜなのか、
疑問だらけ。
取り敢えず鷲尾が自分が十一人目と言い出すタイミングはもっと早くて良かっただろう。
言い出した時は既に半分ほど死んでいてもう十人もいないではないか。
せめて鷲尾と政の絆が深まるエピソードでも入れるなりできなかったのか。
史実上新発田藩は裏切者だと自分は思っている。
同盟に参加はしておいて出兵せず、裏で薩長と話し合って指示を仰いでいたら
裏切者の誹りは免れまい。
同盟に参加を迫られて困っているならまだわからなくもないが。
藩士が暗躍して領民を蜂起させるところも卑怯極まりない。
そんな中にも新発田藩にも事情があった、というような内容が描かれるのかと思った。
実際史実にあった、あちこちから金や米を貸せと言われて窮したり、
民たちが出兵を邪魔してどうか薩長軍と戦わないでくれと言ったとか
柵を作って竹槍まで作ったとか
田畑が今荒らされたら困るとか、尺を使うならそのエピソードを持ってきて
折角育っている稲を前に嘆願される溝口が
なんとか国内で戦が起こるのは防がねばならないと思うであるとか
そんな作りでは駄目だったのか。
この映画だと、結局やっぱり新発田はクズでしかなく、
家老が一番クズ、藩主もクソガキ、まともな藩士もいなくはなかったが
総じて全体的にクズ、でしかなかった。
地元の協力があってこの描かれ方というのは、
地元の方々はこれで納得しているのだろうか。
あまりに酷くて吃驚してしまった。
芸人さんの多いキャスティングも、芸人さん本人が悪い訳ではないが
画面に映る度現実に返ってしまいノイズになった。
時代を生きた人々
何度も訪れる戦闘シーンは盛り上がりがあった。誰にもスポットが当たっていない気がして、見終わった後に気づきました。これは起こった出来事を見せたいだけでは?と。観る側が中立でいるため?皆それぞれに正義とか守らなくてはならないものがあったり、何もなかったり。幕末の混乱期に戦った人間が国のひとつを救った事。家老は民に崇められが手を汚している事は知られない。(鷲尾との戦いインデージョーンズかと思った)しかし彼が悪なのか?武士とは面倒な仕事だ。特に幕末の武士の必死さは胸に刺さる。仲野太賀の殺陣シーンは迫力があった。白髪老人の立回りはシビれた。
今後が楽しみなエンタメ作品
「碁盤斬り」に続いて、白石和彌監督の時代もの作品。
集団抗争劇として世に出なかった作品を見事に再現。
上映時間の長さは感じざるを得ませんが、最後はしっかり盛り上げてくれるので、気持ちよく劇場を後にしました。
岡本喜八「斬る」へのオマージュか。
とても面白く楽しませてもらいました。白石和彌監督の良い点でもありましょうが、生真面目過ぎてちょっと固苦しい感じがした。戊辰戦争での官軍と旧幕勢力との狭間で揺れ動く弱小藩の苦悩という設定がされているが、大まかなプロットは岡本喜八監督の「斬る」に良く似ている。あの作品は岡本喜八監督独特の軽やかさと反骨精神が程良い調和で娯楽作品として絶品でした。仲野太賀は岸田森を彷彿とさせ、立て籠もる砦に駆けつける武家の良女の木竜麻生は星由里子を思わせた。山田孝之は高橋悦史と、これまた岡本喜八監督が幕末の奥羽列藩を取り上げた「吶喊」の伊藤孝敏、それにメキシコ革命に巻き込まれ知らぬ間にヒーローに祭り上げられたセルジオ・レオーネ監督「夕陽のギャングたち」のロッド・スタイガーを足して三で割ったようなキャラクターだった。十分に面白い作品だったが、カラッとしたカタルシスがあれば満点だったと思う。やはり時代劇は自由な設定が出来て、活劇には持ってこいの舞台、もっともっとこのような活劇調の時代劇を作って欲しい。後は余計な心配だが、コンプライアンスが叫ばれるこのご時世、差別用語だらけの台詞で、はなから後々のテレビ放送は眼中に無いのかな。とてもじゃないが無理だろうなと思って見ていた。
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