十一人の賊軍のレビュー・感想・評価
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アナーキー
うお!ええやん! 歴史時代劇チャンバラと思いきや、ロックでアナーキズムだ! 江戸時代戊辰戦争、政治や時代の流れに戦争へ駆り出される11人。 映画も終わってみれば正義も無く、勝者も居ない、誰一人も得をしない終幕、関わった全員が悲惨に無念に死んで行く。 じゃ、彼ら彼女らは何の為に生き、死んだのか? そこは自分の守りたい者だったり、自分自身の意思を強く貫いただけだったり。 ほら、僕らにも有るじゃん?自分の意思。絶対に譲れないライン。家族、恋人。 彼らもそれだけ守りたかったんだよ。 不条理な差別、貧困、暴力、政治。 虐げれれて来た弱者が、スーサイドスクワッドに魂をぶつけ燃やす。 そのままの絵に炎が描かれる様だった。 火薬の扱いを特殊能力とするヤツのチカラを生かし、小さな燃える火に、地の特性を得て世界を壊すほどの爆発を起こす。 これが俺たちの思い、怒りだ!とまんま絵にしたような大爆発シーンよ。 政治も、世界も、大人の都合も関係無い!俺たちの思いを知れ!! って絵にした爆発シーンじゃないか。 戦闘の落ち着きに小さな焚き火を囲む、中盤打ち上げシーンも人間の優しさ、小ささが火に描かれてて良かったね。 気持ちを火に描く。 ロックと芸術がやって来た事だ。 まんま描いてた様に、これは無政府主義、アナーキーな個人の思いを燃やす映画なんだよ。 さす白石ズム!
仁義なき戦い時代劇版
息つく間も与えられずに、迫力と血飛沫。 報われない生き方もある。 って白石監督ならではの世界 仲野太賀の底力を魅せられた 阿部サダヲは狂気がさすが 山田孝之が走る走る 配役がいい 殺陣がすごい 原作を読みたくなった
チェンジ、哀しいけど大切だと思った
侍の世が終わりを告げる戊辰戦争の片隅の戦いが罪人たちを上手く丸めこめ矢面に立たせ賢く世作りした侍の話でした。 白石和彌監督の映画らしくグロいシーンは目を伏せたくなったり演ずる役者はいつもエントリーされる白石ファミリーが多数いましたね。 阿部サダヲもその中のひとり、鋭い目力を感じさせられました。 山田くんや仲野くんの立ち回りが際立っていました。それに花火のお兄ちゃんの抜け加減の役の方も名演技でした。 観終えた感想として新発田藩の家老に共感持てそう
リアルな時代劇アクション
11人の罪人たちの生き様を描いた時代劇アクション。決闘シーンが非常にリアルで生々しく通常の時代劇とは一味違う。155分という上映時間の長さは気になりましたが要所要所で見応えあるシーンがあり終わってみればあっという間でした。 2024-183
日本には時代劇がある
ハリウッドのCGヒーロー映画と同じことは出来ないが、日本には時代劇というジャンルがある、という事を再認識しました。 主演の仲野太賀の男前っぷりに感動し、阿部サダヲの非道っぷりにドン引きでした。
家老が腹黒くて・・・因果応報
1868年、大政奉還後も徳川幕府の体制を維持したい旧幕府軍と天皇を立てて官軍として新たな日本を作ろうとした薩摩藩・長州藩を中心とした新政府軍の間で起きた戊辰戦争。そのさなか、新政府軍と対立する奥羽越列藩同盟に加わっていた新発田藩が同盟を裏切った史実を基に、捕らえられていた10人の罪人プラス1名が、新発田藩の藩境の川に掛かる橋のそばの砦を守る任務に就き、任務を果たせば無罪放免との約束で官軍と戦う話。 賊軍と言っても、妻をレ○プされた夫がその敵討ちをしたとか、犯罪者に復讐のため家に火をつけたとか、医者の勉強がしたくて藩の外に出たとか、正当な裁判が行われてたらそんなに重い罪にはならなかったかもしれないような人たちも居たし、剣の達人や怪力男や花火師などバラエティに富んだ人たちで面白かった。 罪人は10人のはずなのになんでタイトルは11人になってる?と思って観てたら、最後に種明かしが有り納得した。 騙されてた鷲尾兵士郎役の仲野太賀は殺陣も流石だったし、ほとんど役に立たなかった政役の山田孝之も存在感あったし、罪人役の尾上右近、佐久本宝、岡山天音、一ノ瀬颯など存在感有った。 元モーニング娘。の鞘師里保も出てて、キレも有ったし上手かった。 が、なんといっても家老役の阿部サダヲが腹黒くて大嘘つきで悪人ぶりが圧倒的。最後は因果応報だと思った。 そして、白石和彌監督らしく、殺陣のシーンはグロさも有り(褒めてます)、政の嫁の伏線回収もちゃんとしていて素晴らしかった。
戊辰戦争の新発田藩の動向が分かりました
奥羽越列藩同盟のことは、何も知らなかったので、歴史を知る上では良かったと思いました。 処刑シーンが多いので、そういうシーンが苦手な人は、注意した方が良いと思います。 囚人は、しょせん、騙されて、戦時には使い捨てにされるというのは、今も昔も変わっていないと思いました。
お笑い芸人を入れたらダメ!
シリアスな作品に、
お笑い芸人を入れたらダメですね。
アクション時代劇に芸人1人なら良いですが、それ以上になるとバラエティーかコメディかコント演芸に思えて緊張が緩んで締まらない。
ただでも展開力が弱く間延びしてキレがなく見飽きてしまった。
尺が長過ぎて暇を潰され過ぎた。
ところで、この映画の誰を、何を観たのかと振り返ると、
家老の溝口と仲野太賀の行政官と武道家の違いを見せ、娘の自刃は異質な感動をした。
他の人は人物背景が希薄で稚拙な戦術乱闘シーンばかりで…
砦の闘いは、爆音と破裂した残骸が凄いだけで、カメラワークが単調だった。
それにしても、気になるのが時代考証とあの時代の言葉遣いだ。
武士と農民、官軍と奥羽地方の言葉が実に並列的で重みがなく映画全体も軽々しいものになってしまっている。
それが、死に物狂いで生き残る凄まじい執着感が全く落ちて来なかった。
つまり、無駄な流血が多過ぎだなぁ
生きるより殺す、死の美学ではなく、殺す美学が強まったようだ。
(o^^o)
十一人の賊軍
劇場公開日:2024年11月1日 155分
江戸幕府から明治政府へと政権が移りかわる中で起こった戊辰戦争を背景に、11人の罪人たちが藩の命令により決死の任に就く姿を描いた時代劇アクション。
「日本侠客伝」「仁義なき戦い」シリーズなどで知られる名脚本家の笠原和夫が残した幻のプロットを、
「孤狼の血」「碁盤斬り」の白石和彌が監督、山田孝之と仲野太賀が主演を務めて映画化した。
1868年、江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜を擁する旧幕府軍と、薩摩藩・長州藩を中心とする新政府軍(官軍)の間で争われた戊辰戦争。
そのさなか、新政府軍と対立する奥羽越列藩同盟に加わっていた新発田藩(現在の新潟県新発田市)で繰り広げられた、同盟への裏切りのエピソードをもとに、捕らえられていた11人の罪人が、新発田藩の命運を握る、ある砦を守る任に就き、壮絶な戦いに身を投じる姿を描く。
山田孝之が、妻を寝取られた怒りから新発田藩士を殺害して罪人となり、砦を守り抜けば無罪放免の条件で決死隊として戦場に駆り出される駕籠かき人足の政(まさ)を演じ、
仲野太賀は、新発田の地を守るため罪人たちと共に戦場に赴く剣術道場の道場主・鷲尾兵士郎役を務める。
彼らとともに決死隊となる罪人たちを尾上右近、鞘師里保、佐久本宝、千原せいじ、岡山天音、松浦祐也、一ノ瀬颯、小柳亮太、本山力が演じ、
そのほかにも野村周平、音尾琢真、玉木宏、阿部サダヲら豪華キャストが共演。
十一人の賊軍
劇場公開日:2024年11月1日 155分
白石監督にハズレなし
時代劇って基本的には明治維新までの時期を言うらしいんだけど、この物語の舞台である慶応4年(1868年)7月はは一応明治じゃないってことで、時代劇ってことかな。ただ、大砲やピストルが出てくるのは時代劇じゃないって感じもしますが。 役所広司主演の「峠 最後のサムライ」は長岡藩の話で、この「十一人の賊軍」に続くってことです。史実的には新発田藩は官軍側に寝返って、住民を守ったわけで、そこに至るまでに、こういう話があったんじゃ?って感じのフィクションですが。 新発田・・・私の母の郷の近所なもので、新潟弁がどこまで頑張れてるかな?ということも期待して観に行きました(笑)火付けの罪で死罪となった、賊軍の紅一点を演じた元モー娘。の鞘師里保は広島出身なんだけど、一番見事な新潟弁でしたね。ちなみに阿部サダヲ演じる家老の姫を演じた木竜麻生はまさに新発田出身らしいので、本当はこの役を演じたかったかも。 レイティングはPG12だけど、あまりにも残酷なシーンが多いのでR15にしても良かったかも。ただ、内容は相当面白く、白石監督にハズレ無しって感じもします。
どいつもこいつも面構えが最高
年間ベスト5に軽く入る面白さ! 存分に楽しめました。 砦を守る数日間を1日ずつ描くので、昼の合戦シーンと夜の静かなシーンが交互に現れます。冗長と感じた人もいるかもしれませんが、私は戦場のリアルさを感じました。また、黒澤明「七人の侍」へのオマージュでもあります。 本作も白石和彌監督らしく、常に誰かが叫んでいる。全ての役者さんが全身全霊、生き生きと演じていて魅力的でした。 これまで地味な役ばかり演じてきた仲野太賀は実直な剣士をめちゃくちゃ格好良く演じ、一方、カリスマ役が多かった山田孝之は下っ端の人足風情を全力で見せる。野村周平、尾上右近は流石の存在感。ナダルも良かった。誰もが流暢に口上を唄いあげ、各地の方言が温もりをもたらす。そんな役者陣を観られただけでも劇場で見てよかったと思いました。
仲野太賀のキャリアで生涯誇るべき作品
ストーリー自体は良くも悪くも最後まで安心して観れるよくある話といった感じ。
だがしかしこの作品を語る上でそんな事は全く関係ないくらい映像と演者が素晴らしかった。
CMでも使われてる爆破シーンは映画館で体感した方が絶対に良いし、冒頭の侍の時代が終わりを迎えることを説明するかの様な銃撃戦の大音量は背筋を伸ばされた。
見所として本当に殺陣のシーンが最高でじーさんの長槍を持った時のあの感じはカッコいい通り越してズルいとすら思えた。
そして表題でも書いた通りで仲野太賀の演技と殺陣のシーンだけでも観る価値があるそんな映画だと私は思った。
是非劇場で体感して欲しい。
演技が素晴らしい
俳優陣の演技力圧巻でした。 芸人達は、悪くないけど俳優陣がよすぎて、、、 特に ノロ役(佐久本宝さん)は 精神、口調に不自由ある役ですが、ほんと素晴らしい演技でした。 溝口役(阿部サダヲさん) 悪者役、憎らしいほど素晴らしい演技でした。いい人とは言えないかもしれないが、国の民に被害は出さないという見方を変えるとヘイトを引き受けたいい家老だったかもしれません。自分かわいさも多かった気もしますが。。 鷲尾役(仲野太賀さん) 爺っつぁん役(本山力さん) この、両名はくそカッコいい配役でした。キャラに埋もれず演技も素晴らしかったです。 原作は読んでないのですが楽しめました。この時代によくある報われないストーリーで胸が苦しくなりますが。。 誰もがことごく選択肢の悪手を選んでなるべくして窮地に立たされた感じはいなめないですが。。 捨てゴマにされたままでたまるかと奮起してからは義の心はないですが忠臣蔵のような熱さを感じます。 義を感じたのは鷲尾ぐらいかな。 捕虜の武田を射ったのは悪手だしちょっとついていけなかったですが、、 きっと原作にはいろんな心情、葛藤の描写があるんだろうと勝手に想像しました。
時代劇、そして戦争映画としての傑作
時代劇に多い、義を貫き通して最後に報われる、 本懐を遂げて美しく散る、という描写はほとんどなく、 憎まれっ子世に憚るで、現実の苦さ、残酷さを容赦なく見せられるので、 鑑賞後は清々しい気持ちにはならなかった。 興奮するカッコイイ殺陣やスカッとする部分もあるが、 それよりも容赦なく提示される戦場の音響、傷跡、肉塊、死体、 そして手持ち撮影やクローズアップ気味のスピード感あるフレーミングによって、 自分が戦場にいるように錯覚させられる。 だから戦争映画という印象も強く受けたし、 いつもなら時代劇や戦中を描いた映画を別の世界、別の時代の話として第三者的に見て、 勇ましさ、心の美しさ、ときに悲劇に感動していたものが、 現実はこうだと否定、圧倒させられ、我が事として何かズシリと突きつけられた気分になった(最近シヴィル・ウォーを観た影響もあるかな…) 間違いなく新しい時代劇の傑作だと思うし、 キャッチコピーの”リアル”を体感するために、ぜひ映画館でみてほしいです。
血生臭い時代劇ですが超面白かったです。
「凶悪」「孤狼の血」の白石和彌が監督という事で見てきました。 久しぶりに生々しく血なまぐさい時代劇でとても楽しめました。 戊辰戦争を舞台にしてはいますがスケール感より臨場感を優先したカメラワークが素晴らしかったです。 上映時間も155分を心配しましたが全く無駄なシーンはなく最後まで全く飽きずに楽しませてもらえる作品でした。 山田孝之も良かったですが仲野太賀の実直で真面目な侍が心を打ちます。相変わらず阿部サダヲは何を演じても上手。 名脚本家の笠原和夫が残した幻のプロットを原案にして今風の娯楽時代劇にした貴重な作品です。 若い人に時代劇の面白さを知って欲しいのでお勧めします。
MVP 阿部サダオ
不条理の極みだらけ、嘘裏切りなんでもありの戦国時代。こんな時代に生まれなくてよかった。 黒澤明の時代の戦国映画に戻ったような、いやそこを目指したのかな?合戦シーンの迫力は圧巻。 阿部サダオのクソ殿様ひどすぎですよね。でもこの役にピッタリで実に上手い!陰のMVPだと思います。史実的にはこの人名将なんですか? 逃げちゃう山田孝之にはビックリでしたが仲野太賀もこんなに良いとは。映画自体は面白かったです。 それにしても生首ゴロゴロの全編スプラッターが凄すぎて正直引きました。いや、血 苦手なんですよね。
東映集団抗争時代劇、復活の狼煙
ドルビーシネマで鑑賞。
ノベライズは未読。
かつて東映が仕掛けた路線の復活請負人となりつつある感の白石和彌監督が、「孤狼の血」に続き良い仕事をしている。
東映集団抗争時代劇の要素を継承しつつアップデート。血沸き肉踊るアクション時代劇を、令和の世に見事蘇らせた。
たとえ不条理に踏み潰されようとも、生きるために足掻く十一人の「賊軍」が迸らせる命のエネルギーに、心が震えた。
個性的な登場人物が入り乱れる本作だが、中でも仲野太賀と阿部サダヲの演技に目を奪われた。クライマックスの仲野太賀の理不尽への怒りはこちらにも伝染し、唇を噛み締めた。
阿部サダヲは「死刑にいたる病」の時とはまた違ったベクトルの「イカれた奴」を演じていて、だんだん空洞に見えて来る瞳と、全身から発散される正義と言う名の狂気が怖かった。
東映剣会の本山力の熟練の技が炸裂する殺陣もすごい。長州藩槍術師範を名乗るシーンから始まる2対1の死闘は、手に汗握ると共に殺陣の見事さに溜息が出、興奮の涙が溢れた。
敢えて苦言を呈するならば、何人かのキャラに英雄然とした最期が用意されていたところだろうか。東映集団抗争時代劇の醍醐味として、物語が一貫してドライで、たとえメインのキャラであっても、その死は全く劇的ではなく、なんともあっさり死ぬ。そこがリアリティーを生み出す要素だと思うが、本作では一部を除いて散り際がカッコ良く演出されていた。現代風のアップデートと言われればそれまでなのかもしれないが、もう少しドライに徹してくれていたら良かったのに、と思った。
※修正(2024/11/09)
音が大きい
主演のお二人はもちろん素晴らしかったが 野村周平なんかお久しぶり! 尾上右近が良かった。さすが腹から出る声が違うなって。 ドッカンドッカン音が大きいのが苦手ですが 素晴らしい迫力でした。 長いの観たなー良かったなー。
大軍vs小軍のリアルな戦い
砦を守る10名+αの賊軍(とは言い切れない)と官軍の直接的な戦闘と 幕府軍と新発田藩の心理戦の2軸で描いた作品です。 白石和彌監督作品とあって、血飛沫や首が飛んだり手足が飛んだり指が飛んだりは 割と頻繁だったりして、下手なホラー映画よりもグロいので苦手なかたは注意が必要ですね。 ただ、それがリアルだと感じました。 実際の戊辰戦争のリアルをこの映画で感じ取ることができました。 大河ドラマなど幕末の戦闘を描いた作品はあれど、ここまで痛々しい演出は白石監督ならではだと思いますし、 見どころのひとつでしょう。 それから、 吊り橋に仕掛けをするシーンにおける豪雨と焙烙玉への火付けが困難なリアリティも素晴らしかったですね。 そして何よりも私は仲野太賀の殺陣には息を呑みました。 特にラスト近くの戦闘シーンはすごいのひとこと。 仲野太賀の動きも殺陣では終始キビキビしていてかっこいいんですよね。 ラストは見事としか言いようがないくらい素晴らしかったです。さすが時代劇の東映といったところでしょうか。 山田孝之が演じている役もリアル。 あわよくば逃げてやろうと常に考えていて、即行動に移すところがリアル。 彼の状況ではそうするキャラクターで間違いないし、筋が通っているなと思いましたね。 阿部サダヲを難しい役を見事に演じたと思います。ラストは痛々しかったですね。 というわけで、面白い作品ではありますが、いかんせん上映時間が長いのはキツいなと感じました。 もうちょっと短い方がより集中できるし、スピード感のある展開でよかった気はしますね。 大軍に対して小軍がいかに戦うのか、これが本作の見どころかと思います。
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