十一人の賊軍のレビュー・感想・評価
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失礼ながら、笑いながら楽しみました
フォローさせて頂いているレビュアーさんの2点台の低評価、非常によくわかります。 脚本が滅茶苦茶すぎる上に支離滅裂です。 大変申し訳ないのですが、作品としては絶望的な出来栄えと評価せざるを得ません。 振り返っても、最初から最後まで意味不明なお話でした…。 何でもかんでも爆発させ過ぎ。無駄なグロも不要です。 一方、何とか面白くしようとする俳優陣の努力が不思議な笑いを引き起こしてくれました。 お話には笑えるところは一切ないのですが、 「お客様にいかに楽しんで頂くか?」という気持ちが非常によく見えてきたのです。 こういう作品があるからこそ、「俳優さん」を好きになれるのかもしれません。 滿潮で泳いでいるとき(作品自体が優れているとき)は誰が皆順調に見えます。 しかし、潮が引いて初めて、誰が裸だったのか分かるというような。 この現場でも素晴らしい演技が出来る俳優さんは、本物なんだろうなと好きになってしまいます。 ※脚本家の方は、原油への着火がいかに困難か一度お調べくださいますよう、伏してお願いいたします。
日本映画のいいところと悪いところを併せ持つ映画
日本映画の悪い所:
・画面が暗い。見えねぇ。
・キャラがわからん。誰や、こいつ。見た目で個性を出せ。
・さらにリアリティを追求しすぎて全員どろどろ。さらに見分けがつかない。
・血しぶきぶしゃー。無駄にグロい。
・無言の睨みあいがあればいいってもんじゃねぇ。
・話がクドい。話のテンポをあげてくれ。
・無駄に顔の売れてる芸能人を連れてくりゃいいってもんじゃねぇ。
・しつこい。そのくだりはもうやった。
・お涙頂戴要素を盛り込みすぎ。その要素、本当にいりました?
日本映画のいいところ:
・きっちり最後まで話を作りこんでくれるところ。
・自己犠牲の浪花節。二枚目、超かっこいい。
・殺陣が最強にかっこいい。じじぃ、かっけぇ!
・無駄に顔の売れてる芸能人を連れてきたかなと思ってたら、そのキャストがちゃんと自分の役割をこなしてくれるところ。特に千原せいじ。
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全体的に画面が暗くて汚いです。
映画はファンタジーなので、そこらへんを無駄にリアリティ出さなくてもいいんじゃないでしょうか。
二枚目を描写するような時代劇じゃないんで!みたいな感性なのかもしれませんが、見た目に違いがわからないので「これ、だれだっけ…」ってなります。
中盤以降、ぐっと引き込まれます。
状況が状況だけにああなったりこうなったりはするのでしょうが、
もうどうしようもない状況を何とかしようとしているのはとても良い。
ここまで、ネタバレをオフにするつもりでぼやかして書いたのですが、
感想としてどうしても書きたかったので、やっぱネタバレオンにします。
「そりゃその選択するでしょ。何考えてんだアンタ」ってシーンがありました。
降伏したら官軍にするぞー、って宣言くらったら、そらアンタ。誰でも寝返るでしょ。
「おまえらの親がー」とか、国が地元がとか言って説得されますが、
その国に処刑されかかってる状況で、藩や地元に愛情を注げるものなのでしょうか?
政は嫁さんラブなのでまあわからないでもないですが、他のやつらはもう自分を殺そうとしたやつらがどうなろうと知ったことかな状況じゃないんでしょうかね?
なんでそこでほだされるんだろう、という点だけものすごくひっかかってもやもやしました。
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最後に一言。
「じじぃ。超かっけぇ。ものすごくかっけぇ!!!!!」
支持。仲野太賀の体躯全体から漲る気合。
橋に雨の映画に外れナシ。 支持。私的年テン入り当確。 仲野の体躯全体から漲る気合。 イイ顔イイ動きだ。 三池十三人での松方よりこっち。 大作にして粘らないエピローグの手際良さ。 群像全員に適量の見せ場。 本格アクション時代劇に未だ余地アリとは。 怒る時は怒れ、か。 泣いた。
長尺の割には人を描かないため、登場人物に思いいれが持てず。。。行き...
長尺の割には人を描かないため、登場人物に思いいれが持てず。。。行きあたりばったりにしか見えない展開も含め、私には合わなかった。救いは仲野太賀だな。
キャラが立っていて長さ感じず
血しぶき舞い、首やら腕やら指やらが飛び交うのに、変だけど爽快感がある。 そもそもがほとんど侍じゃないのでイデオロギーなんか持ち合わせず、何だか自分の都合が良い匂いを嗅ぎつけてはあっちへフラフラこっちへフラフラするのがいですね。 まあ、なんだかんだあって、結局のところ一致団結へと向かうのはだれかれ関係なく「国(故郷)にいるおとう・おかあを危ない目に遭わせていいのか!」でした「最後に愛は勝つ~♪」かな。 全体的にストーリー展開がテンポよく、それを助けたのは賊軍(罪人)たちが銘々キャラ立ちしていたことだと思います。 拝啓とか詳しく描写されなくても、区別化されていたので見やすかったですね。 そして中野太賀さん!演者の中でも飛び抜けた存在感でした。阿部サダヲさんの奥が読めない無表情との対極にある「動」の演技が素晴らしかった。 暗い映像が多くて誰の顔なのか分かりにくかった以外は文句のつけようがありませんでした。
勝利者などいない
東映の時代劇
時代劇の中でも東映の時代劇は
・エンターテイメント全振り
・歴史考証なんざ知らん現代的ムード
・迫力重視のブレッブレのカメラワーク
・血みどろの斬れ飛ぶ腕や足などの残酷描写
・個人描写より命令に従って死んでいく登場人物
などの思い切った作風が特徴
これは基本的に勧善懲悪の時代劇しか
なかった時代に任侠映画等で勝負してきた
東映が時代劇でも同種のスタイルで
映画作りをしてきたところ
そしてこれは時代劇がどんどん
テレビ放送に移行していき
斜陽にあった時代劇映画を
再興させるための打開策で
あったとも言える
で今作は
「日本侠客伝」「仁義なき戦い」などの
脚本を書き上げた笠原和夫が
戊辰戦争で藩に官軍を食い止める
ためだけに新発田藩の罪人が駆り出される
「十一人の賊軍」のプロットを蘇らせたもの
この脚本は結末の展開に
当時の東映社長・岡田茂が激怒し
第1稿350枚が破り捨てられ
残っていなかったとか
このエピソードを知った
「碁盤斬り」「孤狼の血」等の
白石和彌監督が現代に合うよう
メガホンを取った作品
さてその結末はどうだったか
前述したような東映エッセンスを
ふんだんに組み込みながら
ド派手に散っていく罪人たちと
精錬に藩の為に散っていく者
迫力満点でした
東映の剣会の殺陣はあの
張り詰めた空気感まで伝わってくる
ようでした
人物描写が弱い
感情移入できない
という感想もよく見ますが
そんなもんいらないのです
ただ「使い捨ての罪人たち」
でほぼ全員死ぬからです
確かに最近
人の道を外れた者たちの
彼らにも事情があるんだ!
みたいのをジャンプ漫画でも
色々見ますがそこってあんまり
必要ですかね
バトル漫画で戦いの虚しさ
とかをやたら出してくるの
正直げんなりうんざりしてます
この映画みたいに
新しい時代に生きる新政府と
それまでの社会を作ってきた
徳川幕府が日本人同士戦って
決着を付けなければいけなかった
戊辰戦争
これ以上の虚しい戦いは
ないわけでですから
この映画は新発田藩の家老
溝口内匠から剣士鷲尾兵士郎
まで自分の立場に囚われて
戦っていきます
それでいいのです
作中の描写だけで
だいたいわかるくらい
配役で使い分けされています
山田孝之演じる政なんか
超わかりやすい
別に主人公ではない
新発田藩は憎んでいるし
隙あらば官軍に寝返る
1人でも逃げたら全員無罪放免は
ナシという条件は後に
嘘八百であることが
バレますが
そもそも罪人同士が自ら
協力する義理はない
展開が進むと自然と
結局そうなっていきますが・・
あとほんとね
仲野太賀素晴らしい
お父さんもまだバリバリ
だけど二世俳優ほんとすごいよ
個人的には期待通りの
東映時代劇感満載で満足でした
俳優陣は良かった
俳優陣が良かっただけに 芸人の悪目立ちが目についてしまって そこら辺が残念だった。 ナダルのシーンをもっと減らして その分で別の役者のシーンを増やして欲しかった。 ナダルのアップとかいる?
血肉飛ぶ娯楽映画
今まさに自藩の家老に斬りかかろうとする足軽、鷲尾兵士郎(仲野太賀)が、憤怒の鬼と化して叫ぶ。
「俺は11人目の賊だ!」
この映画の「義」の完成と言える場面。
仲野太賀の迫力に感動した。
しかし義というものは、いつの時代も政治やエラい人に踏みにじられるものなのです。(という最後に繋がっていきます)
登場人物10人の賊は、それぞれ個性的でおもしろい。
妻を手篭めにした侍を殺した政(山田孝之)、
医者の勉強がしたくてロシアへ密航しようとしたおろしや(岡山天音)、
檀家の奥さんと密通した坊さん引導(千原せいじ)など、
悪いと言えば悪いが、仕方ないといえば仕方ない、情状酌量の余地がある罪人ばかり。
政治がよければ犯さずに済んだ罪もある。
10人全員の過去が語られるわけではないが、
そこは推して知るべし。
全員根っからの悪いやつではないと思わせてくれる。
いや、だんだん彼らこそ人間として正しいように見えてきさえする。
この11人(罪人10人足軽1人)で砦を守る戦いをするのだが、戊辰戦争の東北は、なかなかわかりづらい。
2022年公開の役所広司主演映画「峠 最後のサムライ」も戊辰戦争の東北が舞台だった。
こっちは長岡藩の街も民衆もついに戦火に覆われた。
しかし歴史的には、新政府軍のターゲットは長岡でも新発田でもなく、元京都守護職の松平容保がいる会津。
松平容保は、鳥羽伏見の戦いで幕府軍が負けると、さっさと京都から会津に逃げ帰っていた。
新発田藩としては、どっちにもつきたくない戦いたくない、来ないでお願い〜って気持ちかもしれない。
藩主も若くてオドオドしている。
だから家老溝口内匠(阿部サダヲ)みたいな存在が必要になる。
この家老が大変イヤなやつ。
卑怯。
卑怯という言葉がぴったり。
自分の考えばかりが正しいと思う政治家。
人を使い捨てにする、嘘をつく、他人の命はゴミより軽い。
でも結局、最後の最後には、同盟を裏切ったおかげで新発田藩は戦火を免れ、民百姓は殿や家老に感謝するという幕切れになっていた。
…この最後のシーンに複雑な思いを抱いた。
歴史的事実とはいえ、阿部サダヲには最後の最後まで卑怯で腹黒で、憎まれものでいてほしかった。
同盟を裏切ったのも、賊たちを使い捨てにして殺したのも、みんな民百姓を守り国を守るため致し方なかったのだというふうに見せてほしくなかった。
善人面するなコラと思った。
ずっと卑怯で腹黒いイヤな奴でいてくれればよかった。
死んでいった賊たちを思えば、いたたまれない。
阿部サダヲの娘が自刃したのも、砦で死んだ恋人、入江数馬(野村周平)のあとを追っただけではなく、父の卑怯な行いを知ってからの絶望の自刃にしてほしかった。
「すまなかった」と娘の亡骸に向かっていう言葉も薄っぺらい感じがした。
もっと後悔しろ!と思った。
(もう溝口家老と阿部サダヲの線引きがなくなってる!笑)
★いかさま賭博師の赤丹(尾上右近)は魅力的だった。
声もいい。甘さと精悍さが両立してる。
★謎に腕が立つ爺っつぁん(本山力)もカッコよかった。
「元毛利家槍術指南役」と、最後の斬り合いの場面で明かされる。
やっぱりねーっ!そうだと思ったー!かっこいいー!と、心の中で喝采。
★血も首も肉片も飛びまくる。
斬り結ぶ敵味方の真っ只中にいるような実在感ある戦闘シーンは見事
★ゆりあんリトリィバァの登場は何なんだ?あそこで映画への没入感が一気に引いた。
★娯楽映画として見よう。
良い作品になる可能性がいっぱい詰まった「佳作」
言いたい事は山のようにあるのだが、悪い作品であったかと言えば「否」
ただ、少しずつ「惜しい」が重なって、評価としては佳作どまりだった・・・
11人の賊たちの個性の表現、溝口家老の鬼気迫る感じの演出、脚本が「違う」感(阿部サダヲさんは最高なのだか彼の眼力やお芝居だけではカバーしきれていないのが残念)
原油はあんな燃え方しないのにとか、いつの間にか鉄砲隊が全くいなくなるとか
大砲は山道は運べないのにとか、ナダルだけはどうしても違和感しかなくて受け付けなかったとか・・・はみんな横に置いてもね
でも、官軍の将、二人と対峙する長州藩士の最後の殺陣や仲野太賀さんのラストの立ち回りとその絶命した時の表情は最高だった
あと、鶴瓶さんの息子さんは最近どんな役も見事こなしていて実は密かに「推し」である
あと、砦のストーリーはフィクションだと思うが奥州小藩新発田藩の辿った道は史実通りなのでこれで歴史に興味持った方は是非そちらの世界へもどうぞ
ストーリーについて行けなかったけど殺陣のアクションシーンに引き込まれた作品。 本年度ベスト級。
物語の背景や状況説明の字幕が所々で出るものの字幕が読める眼鏡を忘れ良く見えず(笑) 死刑囚が吊り橋の手前の砦を守り切れば無罪放免となる設定は理解出来た(笑) 新潟の方言が聞いていて心地好い。 死刑囚の山田孝之さん演じる政。 剣術道場の鷲尾兵士郎を演じる仲野太賀さん。 この2人を中心に展開するストーリー。 殺陣のシーンが半端ない! 首を落とされるシーンが多めなんだけどグロく目えない感じが好印象(笑) 阿部サダヲさんの役がいつもの良い人キャラじゃなくてビックリ(笑) 仲野太賀さんが素晴らしい! 殺陣のシーンが素晴らし過ぎた! 罪人でも無いのに本作のタイトルを叫ぶシーンに鳥肌が立つ(笑) ゆりやんレトリィバァが登場したシーンがツボにハマりました( ´∀`)
幕末エクスペンダブルズ
時代が大きく動いた幕末。
〜勤皇の新政府か幕府を助ける佐幕か〜
越後の一藩、新発田藩も難しいかじ取りを強いられた。藩論は早くから勤王にまとまっていたが、佐幕諸藩に包囲された状態にあり、同盟軍の圧力によりしぶしぶ奥羽越列藩同盟に参加することに。
しかし実際戦列には参加せず、出兵には応じるなど慎重に行動しつつ、新政府軍と連絡を取り合い、新発田に上陸すると直ちに同盟を離脱した。
これが奥州戦争の帰趨を決め、歴史に「新発田の裏切り」と呼ばれる出来事になる。
(新発田藩からすると裏切っていないが)
この間の権謀術数の駆け引きは、やはり史実の方がおもしろい。
長い割にスッキリしない。
ちょっとフィクションすぎた印象。
新発田城下を戦火から守るため、新政府軍と同盟軍が衝突しないよう、同盟軍が新発田を出るまで要の砦を守りきれば無罪放免とする言い渡し。
時間稼ぎに罪人を使う時点でコレあるか?と思うが、ここまではまぁ面白い感じ。
後にこの無罪放免が嘘で「守っても守らなくても処分」ということがわかるが、コレをひっくり返さないのが残念なところ。
十一人が賊軍として同時に揃わないので、なんだかなぁ…(八犬伝のあとだから余計に感じる)
しかも各キャラが薄いので感情移入しにくい、登場時に字幕でキャラ名出してもらいたかった。
御家老、
処分の仕置きは逃がしてもよかったのでは?
首なんか似た奴でいいのでは?
銃で解決するところも小物感。
同盟軍を煙に巻いた策士はどこへ?(怒)
最終戦は剣の勝負で家老斬ってもよかった。
(史実上生存した人物は殺せないのか)
ナダルの演技に驚いた。
普段の大げさな感じがむしろ大河に合うのではないか(笑)
義を貫き、仁を棄てる
ご家老の乱心ぶりには、恐れ入ります。最前線に囚人兵を送るし、知られたくない情報は、確実に始末するし。(実際に、そういうことするヒトいるし。)…そこまでして、ご家老が守りたかったものは、何かな?。その代償として、ご家老は許される者なのか、許されざる者なのか…。 子、曰く人として最も大切なのは、仁。仁、言葉で表し尽くすこと能わず。されど、仁の裡に義あり、礼あり、節あり、忠あり、孝あり…。 つまり、義は仁の一部ではあるものの、全てではない。どんなに自らの正しき義を貫いたところで、隣人の義とぶつかるだけ。争うだけ。傷つけ合うだけ。 義を貫徹、仁を棄てた御仁に見える世界とは、どんなものですかね。 大勢の幸福の為には、少数の犠牲はつきもの。よくある主張です。しかも、自分がその大勢の側にいると、賛成はしなくとも、黙認してしまうのが、ヒトの性(さが)。そして、少数を犠牲にしたヒトを責め、犠牲にされたヒトに同情する。しかも、自分は安全なエリアから、一歩も踏み出さない。あ、そうだ。戊辰戦争のひとつ、上野会戦を見物していた江戸っ子が、いたとか。江戸無血開城のおかげですね。映画館まで足を運んだ私は、その末裔かもね。 ところで、そのご見物の談話だと、刀で斬り合うと、初めの一合で生死が決まることが多く、何合も斬り合うのは、お互いの腰が引けて小手先を斬り合う場合。こうなると、腕周りの失血が多く、体力低下した方が討ち取られたそうです。斬るか斬られるかは、映画のようにかっこ良くないそうです。ちなみに私、斬られたくないので、転生したら、新政府軍の兵隊だった、は、遠慮させて下さい。 どうにもこの映画、11人の怒れる者達だけでなく、クニの為、大多数の為に、凄まじい罪と罰を背負わされた方が、気になります。官も賊も、関係ない。同じ藩、同じクニにいても、守るべきものが違う。大切にすべきものが違う。その結果があの結末だとしたら…。 皆様は、何を守りますか?。 何を大切にしますか?。 追記) 阿部サダヲ、いい役者さんになりましたね。この先、柄本明や、イッセー尾形に匹敵する名優になりそうな気がしました。 「推しの子」ドラマや、映画になるそうですが、いっそ、「推しのサダヲ」してみる?。
新発田藩新政府軍へ恭順までの日々
感想 期待を持って映画館に向かう。東映のタイトルロゴも昔のままでオープニングを迎えた本作。話は1868年7月戊辰戦争時、越後地方新発田藩の奥羽越列藩同盟脱退、新政府軍への恭順を示した藩の政変時に発生した駆け引き的な局地事変を描いた話であった。 日本侠客伝、仁義なき戦いの脚本で有名な、笠原和夫氏の温めていたプロットを元に狐狼の血の白石和彌監督が映画化した。 出演俳優陣全員の文字通り身体を張った演技は素晴らしい。特に仲野太賀さんが目覚しい活躍であった。東映時代劇の復活を掲げて制作したという触れ込みであったが、正直な感想としては脚本が今一つの印象を受けた。賊軍十一人全員に焦点が上手くあてられておらず性格や個性を観る側に説明出来ていないように感じた。撮影もリアリティ重視なのは分かるが暗がりが多く演出なのか、アクションが優先され、勢いはあるのだが登場人物の顔のアップは余り無くカット割によるアップも限られた役者しか撮られていない。もっと十一人の個性をデフォルメした方が話が面白くなったと本当に感じる。笠原氏のプロットは話としては興味深く上手く制作すれば名作誕生を予感していたので真に残念である。 また配役と脚本の問題だと思うが、山田氏は始まりは素晴らしい滑り出しで期待を高めたが、主役級なのに役柄が脱走を繰り返し台詞も少なめで印象が薄い。小柳氏は役どころとしては面白かったのだが顔のクローズアップが余り無く印象が薄い。また松尾氏に至ってはもっと活躍するのかと思いきやすぐ爆死してしまう役どころである。尾上右近氏は役どころが町人賭博師役なのでそこそこ面白い役柄であった。野村氏、田中氏、一ノ瀬氏は見た目からして現代人そのもので申し訳無いが時代劇には合っていない印象を受けた。繰り返し言うが演技は本当に全員素晴らしいのだ。本作に大きな期待を賭けていたので残念で仕方がない。 本作を観た印象として21世紀の今時の日本人に江戸時代の日本人を演ずる事自体が難しくなってきているのかもしれない。出自そのものや社会的生活的に考えて見ても人が負う人生の苦労度が桁外れに違う。当然顔付きも変わる。例えば和装で山や道を走る。又は歩く。というこの簡単に感じる所作一つでも江戸時代と現代は違っていたような気がするのである。俳優さんは悪くないのだが、期待している顔付きがもっと眼光が鋭いというか、どうしようもないのだが気迫というものを感じられないのだ。気迫を劇中に感じたのは仲野氏、本山氏、松浦氏くらいの印象なのである。時代劇の制作期間は俳優陣を含めてそれなりに長く取らなければいけなくなってしまったようだ。残念だが自分には本作が合っていなかった。 🌟2.5
スッキリしない。暗いのが、偉いのか?痛快時代劇じゃいけないのか?
仲野太賀好きです。
本作では、真っ直ぐさが良かった。
そこは絶対報われてほしかった。
全体として、面白かったのですが、もっとスカッとした痛快時代劇が良かった。
理不尽な結末を、すでに予告編でネタバレするのもどうかと思ったし(最初から無罪放免にする気はなかったって)、何か、悲惨な末路や暗い話にした方が、作品の格が上で、明るい面白さは格が下だとでも思ってるのではないか。
『八犬伝』の馬琴の言葉「現実はそうはいかなくても正しいものは報われる世の中であってほしい」を思い出した。
リアルさを出してる映画!何を守り何を犠牲に!
まず、リアルを追求してる時代劇って感じだった!(少しは突っ込みどころはあるよ) 戦シーンでも普通は 味方を斬ったり自分はほぼ無傷とかありえないことがよく見かけるけど 少しはちゃんとヤラれる。(笑) ホントの戦って感じだった! あれ見たら 俺も逃げたくなるかも(笑) 現代でもある地位の高い人の理不尽さ 昔なら尚更だ!人を信じてしまう純な人達 敵でもそうなるのが、現代との違い(笑) 何を守り 何を犠牲に…それぞれの立場で 難しい 考えさせられる映画だった 人によって感じ方が違う映画だと思う 俺は、良い映画だったと思う 個人的にナダルじゃ無くて普通の俳優さんの方が良かったなぁ〜 コントに見える(笑)
迫力娯楽時代劇!
迫力の時代劇。 なかなか複雑な設定もわかりやすく説明し、若者も取り入れようという意欲作。 細かい設定のご都合主義を許せるかでだいぶ評価が分かれる作品かと思うが、そのユルさを忘れさせてくれる程の俳優陣の激しいアクションは魅力的だった。 「〇人の〇〇」と来るとどうしても「七人の侍」を思い浮かべてしまうが、こちらは「侍」ではなく「賊」。つまりは戦力的に弱いのだ。課せられたミッションが砦を守ることなのに、ほぼ半数が大して戦えないor戦わない。この難局をどう乗り越えていくのか、目が離せず面白い。 ただ惜しむらくはメンバーの連携や、一人一人の必要性が乏しい点。あいつ必要だったかと思わせる一員もいる為「後で重要な活躍をするはず」といった間違った期待をしてしまう。 娯楽大作としてとても楽しめたが、もう一歩、烏合の衆が集まった時の大きなカタルシスがあると嬉しかった。
どっちが賊軍なんだか
事前にチラ見したレビューで、グロ描写の事があったので止めようか迷った。でも仲野太賀さん主演だし、と少し覚悟をしていたけれど、心構えのなかった『死刑にいたる病』より平気だった。 『狐狼の血』は、たまたまCSで数分チラ見して脱落。 時代劇の中では近代史に近い年代のせいか、チャンバラに加え爆破多めだからスクリーン映えする。 大砲への対抗手段に花火は、映画のためのフィクションなのだろうけど、火花から爆発そして炎と、夜の奇襲シーンにも効果的だった。 良い奴から憎たらしい奴までキャラクターも多彩で豪華なキャストの中で、爺さん超強くてカッコよかった。 この爺さん何者だ⁈と思ったら、そういうことなのね。 オープニングの音がちょっと大きすぎて出鼻挫かれた感があったけど、2時間半超えでも長く感じることなく、最後まで面白かった。 史実ベースだから多少スッキリしない部分もあるけれど、そこは仕方ない。 そして太賀は今回もいい役者だった。 『アイミタガイ』後のハシゴだったので、午前西田と午後西田。 どっちも良かった。
時代劇にしては最後がスッキリしない
戊辰戦争のなんたらは解るのだが、百歩譲って突っ込み処満載なのも許せるのだが...アベサダの大老役が最後にやられない(殺されない)のは賊軍側の武士役の仲野太賀の無念極まり無い為、時代劇としては全くNGである。特にアベサダの大老は農民達をあんなに殺生しておいて最後迄生き残ってはいけない。(史実であったとしても…)
監督は時代劇が何たるかを理解していない。史実を元に大老が殺されていないとかなら別の老中を創ればよかっただけなのに…。
これでは観た者達が納得出来ないし、胸のすく思いがしない。
アクション映画としては良いが、設定が時代劇なので最後は皆スッキリしたいのだ‼︎
鑑賞動機:予告の熱量9割、「みてろよ下郎(外道?)ども1割。
『侍タイムスリッパー』で時代劇の凋落が取り上げられていたが、少なくとも劇映画に関しては、踏みとどまっているように思う。ということで本作。 要するにスーサイドスクワッド。ただそれぞれの思惑の絡み合いで複層的なストーリーになっているので、誰の目線でみるかによって、印象が変わる。どこまでが想定内だったのかは、判断が難しいところ。 ものすごい至近距離で殺陣を撮っているところがありびっくり。演者にカメラを付けた映像には見えなかったのだけれど、どうやったのだろう。 佐久本君(『怒り』『3年A組』)が立派な役者になってて、つい、久しぶりに会う親戚目線で見てしまう。人数のいる群像劇で正直よく存じ上げない方もいたが、脇役まで総じてきちんとはまっていたように思った。 小汚さにリアリティを感じた。
全402件中、201~220件目を表示