十一人の賊軍のレビュー・感想・評価
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人として死ぬか、鬼として生きるか、その選択の外にいるのがアウトローかもしれません
2024.11.6 イオンシネマ高の原
2024年の日本映画(155分、PG12)
戊辰戦争下の新発田藩にて、砦を護るために遣わされた罪人と藩士を描いた時代劇
監督は白石和彌
脚本は池上純哉
物語の舞台は、1868年の新発田藩
戊辰戦争にて、新政府軍と旧幕府軍の対立を見守ってきた家老・溝口内匠(阿部サダヲ)は決断の時を迫られていた
同盟軍への恩義と時代の潮流を考えた結果、同盟軍につくフリをして、官軍に寝返ろうと考える
内匠は鷲尾(仲野太賀)にアイデアを募り、彼は「決死隊」にて峠の砦を封鎖し、官軍が藩に入るのを食いとめ、その間に同盟軍とともに偽の出撃をさせようと考えた
そこで鷲尾は、「死罪寸前の罪人」を10人集め、自身を含めた藩士4人で砦へと向かうことになった
同盟軍が藩から出るまでの時間稼ぎをする手筈だったが、一向に狼煙(合図)が上がる気配もない
そんな中、新発田藩のために死にたくない罪人の政(山田孝之)は勝手な行動を取り始める
そして、そこに予定よりも早く、官軍の先発隊が到着してしまうのである
映画は、そこでいきなり戦いが勃発し、数人の罪人が命を落としていく様子が描かれる
相手は戦の用意をしてこなかったが、立て直しの第二陣には砲撃隊まで加わり、さらに罪人たちの命が失われていく
そんな中、政の弟分のノロ(佐久本宝)は、砦にあった爆薬に油水を塗って殺傷能力を強化させ、反撃を果たしていく
物語は、純粋な侍である鷲尾が内匠の掌でで踊らされる様子が描かれ、その落とし前がラストで行われる
実質的な主人公は鷲尾であり、組織のために戦った者が裏切られ、無惨に命を落とす様子が描かれていく
侍の時代の終わりでもあり、武士道を嘲笑うかのような内匠の銃弾は象徴的であり、刀から銃へと戦い方が変わる瞬間だったように思えた
映画は、戊辰戦争自体を知らなくてもわかるように解説され、戊辰戦争が新発田藩を巻き込む過程も説明してくれる
策を弄した内匠が足元を掬われるものの、それを非道で切り抜けるのだが、その代償はあまりにも大きかった
とは言え、そこまできっちりと描いてしまったことで、155分の大作になってしまった感がある
アクションシーンが多くて、展開が早いと思うものの、政が抜け駆けしてピンチという流れが多すぎるようにも思う
また音声が非常に聞き取りづらいので、何を喋っているかわからないシーンが多いので、いつか上映されるかもしれない字幕版かノベライズで単語を補完するより他がない
動きだけ見ていても話の内容はわかるので、聞き取りづらさがストレスにならない人ならOKなのかもしれない
いずれにせよ、組織のトップの非道さと末端の言いなりの悲哀という構図があって、アウトローはその危険性をいち早く勘付いているという構成になっていた
それゆえに構図がわかりやすいので混乱することはないのだが、罪人の数人はあまり出番がないので、ふと見失ってしまうかもしれない
決死隊の侍の見分けはそこまで難易度が高くないが、新発田藩の藩士もろもろとか、先発隊の側近クラスになると意味不明な感じになってくるので、公式パンフレットの相関図を頭に入れて置いた方が楽かもしれません
十一番目の、、、
懐かしの東映集団時代劇。里見運動会といわれた十三人の刺客や大殺陣、もちろん公開時でなくリバイバルや名画座で観た作品だけど、黒澤作品とはまた違った意味で面白かった。その新作、それも笠原和雄が残したプロットを。
そして監督が白石和彌。もう期待しかない。
十一人の賊軍。メインがすでに十一人なのに登場人物が多すぎる。砦に十一人以上いるし、侍多いし、官軍も同じような顔の人いっぱい出てくるし。
メインの罪人たちのバックグラウンドが描かれてないから、ひとりまたひとりって亡くなっていっても同情できないし悲しくもない。(七人の侍の千秋実、宮口精二、三船敏郎の時なんて泣けたのに)
戦闘シーンや斬り合いの場面は迫力があった(DOLBY ATOMSで観てよかった)けど、知恵がないというか工夫がない。
そりゃ殺られるやろっていう殺られかた。
あれで助かるかっていう助かりかた。
それでは殺れやんやろっていう殺りかた。
あげくは敵の陣地の真上真後ろに油の井戸、ドラえもんのポケットかよ。(せっかく爆発させたのに中途半端)
前半の霧(煙)の中、そしてクライマックスの燃え盛る炎の中での斬り合い、絵面はいいけど、あまり意味がない。
敵にも味方にも不利。
吊り橋って真ん中で爆破しないと落ちないの?
あ、やっぱり端っこ切ったら落とせるのか。
終わったのに終わらない、ダラダラと続く日本映画の悪いとこ。エンディングに予告で流れてたイメージソングがかからなくてよかった。
豪華なのかしょぼいのかわかんないキャスト。
合っているのかいないのかわかんない音楽。
(「七人の侍」や「十三人の刺客」工藤栄一監督の方、はつくづくよく出来てたんだなぁと思いました)
あ〜おもしろかった〜。
「俺は、十一人目の、、、」からの仲野太賀のカッコいいこと。仲野太賀主演で集団時代劇アクション、仲野運動会シリーズ化してほしい。
御國に逆らい奉り致す
予告編の印象で、現代同様に、国会権力の横暴さに耐えきれず、反逆するストーリーと捉えてたけど……。
前半から中盤にかけての組み立てが酷かった……。
随所にトンデモ感じてたが……、終盤に入ってからの個々の心情が視えてくると、面白く感じてきた。
御家老始め、意外に凄腕剣客がズラリ。もっと活かせる話を盛ってたらより愉しめた様な…。
ラスト、こうしならない様にするにはどうしたら良かったのか?……たしかにやりようが無かった様な氣もする。
衆院選を終えたこの時期、今後の日本の在り方を重ねて考えてしまう。考えさせられてしまう作品となった。
監督は冒頭で氣づいたが、原作が冲方さんなのはエンドロールで初めて氣づいた。面白いはずだ。
好き嫌いが分かれるかもな映画でした
観終わった直後、救いのなさにちょっと唖然とした。
そうか,みんな死んじゃうんだなぁ、と。
せめて,妻のために生きようとした山田孝之くらいは生かしてあげてもいいかなと思ってしまった。
それにしても、若様と藩を守るためならどんな裏切りも汚いことも平然とこなす家老、これを冷静に演じるアベサダオも良かったが、仲野太賀の迫力ある演技が圧巻。
ストーリーにはやや無理がある展開だが、白石監督らしく、血とグロと暴力のてんこ盛りなのも私は好きで満足。
特筆すべきは,賊軍の中で1人見事な殺陣を演じる年配の役者さん、これは誰だと思わず調べてしまった。本山力さんの殺陣のシーンはそこだけ世界が変わると思うほど素晴らしかった。
少し時間が経って考えると,賊軍目線では救いはないのだけど、藩にとっては武士道には大いに反する家老がとった卑怯な作戦が結果的には人々を幸せにしてると思うと,歴史の面白さを感じた。
久々に時代劇でリピートしてます!
ネタバレしたくないので抽象的なレビューになりますが
個性有る11人の賊や全体のキャスティングが本当に素晴らしい!
仲野大賀さんからは主役の人柄が滲み出てきます。
元アイドルの鞘師里保さんの和服を着た佇まいの美しさにびっくりしました。
本山力さんの殺陣の迫力には驚きました。
阿部さんの狂気!
玉木さんの迫力!
千原さんの変態度(笑)
書ききれない・・・
そして全体を纏め上げているような山田孝之さんの深み・・・
全てを引き出した白石和彌監督!
もう一度、見に行こう!
失礼ながら、笑いながら楽しみました
フォローさせて頂いているレビュアーさんの2点台の低評価、非常によくわかります。
脚本が滅茶苦茶すぎる上に支離滅裂です。
大変申し訳ないのですが、作品としては絶望的な出来栄えと評価せざるを得ません。
振り返っても、最初から最後まで意味不明なお話でした…。
何でもかんでも爆発させ過ぎ。無駄なグロも不要です。
一方、何とか面白くしようとする俳優陣の努力が不思議な笑いを引き起こしてくれました。
お話には笑えるところは一切ないのですが、
「お客様にいかに楽しんで頂くか?」という気持ちが非常によく見えてきたのです。
こういう作品があるからこそ、「俳優さん」を好きになれるのかもしれません。
滿潮で泳いでいるとき(作品自体が優れているとき)は誰が皆順調に見えます。
しかし、潮が引いて初めて、誰が裸だったのか分かるというような。
この現場でも素晴らしい演技が出来る俳優さんは、本物なんだろうなと好きになってしまいます。
※脚本家の方は、原油への着火がいかに困難か一度お調べくださいますよう、伏してお願いいたします。
日本映画のいいところと悪いところを併せ持つ映画
日本映画の悪い所:
・画面が暗い。見えねぇ。
・キャラがわからん。誰や、こいつ。見た目で個性を出せ。
・さらにリアリティを追求しすぎて全員どろどろ。さらに見分けがつかない。
・血しぶきぶしゃー。無駄にグロい。
・無言の睨みあいがあればいいってもんじゃねぇ。
・話がクドい。話のテンポをあげてくれ。
・無駄に顔の売れてる芸能人を連れてくりゃいいってもんじゃねぇ。
・しつこい。そのくだりはもうやった。
・お涙頂戴要素を盛り込みすぎ。その要素、本当にいりました?
日本映画のいいところ:
・きっちり最後まで話を作りこんでくれるところ。
・自己犠牲の浪花節。二枚目、超かっこいい。
・殺陣が最強にかっこいい。じじぃ、かっけぇ!
・無駄に顔の売れてる芸能人を連れてきたかなと思ってたら、そのキャストがちゃんと自分の役割をこなしてくれるところ。特に千原せいじ。
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全体的に画面が暗くて汚いです。
映画はファンタジーなので、そこらへんを無駄にリアリティ出さなくてもいいんじゃないでしょうか。
二枚目を描写するような時代劇じゃないんで!みたいな感性なのかもしれませんが、見た目に違いがわからないので「これ、だれだっけ…」ってなります。
中盤以降、ぐっと引き込まれます。
状況が状況だけにああなったりこうなったりはするのでしょうが、
もうどうしようもない状況を何とかしようとしているのはとても良い。
ここまで、ネタバレをオフにするつもりでぼやかして書いたのですが、
感想としてどうしても書きたかったので、やっぱネタバレオンにします。
「そりゃその選択するでしょ。何考えてんだアンタ」ってシーンがありました。
降伏したら官軍にするぞー、って宣言くらったら、そらアンタ。誰でも寝返るでしょ。
「おまえらの親がー」とか、国が地元がとか言って説得されますが、
その国に処刑されかかってる状況で、藩や地元に愛情を注げるものなのでしょうか?
政は嫁さんラブなのでまあわからないでもないですが、他のやつらはもう自分を殺そうとしたやつらがどうなろうと知ったことかな状況じゃないんでしょうかね?
なんでそこでほだされるんだろう、という点だけものすごくひっかかってもやもやしました。
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最後に一言。
「じじぃ。超かっけぇ。ものすごくかっけぇ!!!!!」
支持。仲野太賀の体躯全体から漲る気合。
キャラが立っていて長さ感じず
血しぶき舞い、首やら腕やら指やらが飛び交うのに、変だけど爽快感がある。
そもそもがほとんど侍じゃないのでイデオロギーなんか持ち合わせず、何だか自分の都合が良い匂いを嗅ぎつけてはあっちへフラフラこっちへフラフラするのがいですね。
まあ、なんだかんだあって、結局のところ一致団結へと向かうのはだれかれ関係なく「国(故郷)にいるおとう・おかあを危ない目に遭わせていいのか!」でした「最後に愛は勝つ~♪」かな。
全体的にストーリー展開がテンポよく、それを助けたのは賊軍(罪人)たちが銘々キャラ立ちしていたことだと思います。
拝啓とか詳しく描写されなくても、区別化されていたので見やすかったですね。
そして中野太賀さん!演者の中でも飛び抜けた存在感でした。阿部サダヲさんの奥が読めない無表情との対極にある「動」の演技が素晴らしかった。
暗い映像が多くて誰の顔なのか分かりにくかった以外は文句のつけようがありませんでした。
勝利者などいない
東映の時代劇
時代劇の中でも東映の時代劇は
・エンターテイメント全振り
・歴史考証なんざ知らん現代的ムード
・迫力重視のブレッブレのカメラワーク
・血みどろの斬れ飛ぶ腕や足などの残酷描写
・個人描写より命令に従って死んでいく登場人物
などの思い切った作風が特徴
これは基本的に勧善懲悪の時代劇しか
なかった時代に任侠映画等で勝負してきた
東映が時代劇でも同種のスタイルで
映画作りをしてきたところ
そしてこれは時代劇がどんどん
テレビ放送に移行していき
斜陽にあった時代劇映画を
再興させるための打開策で
あったとも言える
で今作は
「日本侠客伝」「仁義なき戦い」などの
脚本を書き上げた笠原和夫が
戊辰戦争で藩に官軍を食い止める
ためだけに新発田藩の罪人が駆り出される
「十一人の賊軍」のプロットを蘇らせたもの
この脚本は結末の展開に
当時の東映社長・岡田茂が激怒し
第1稿350枚が破り捨てられ
残っていなかったとか
このエピソードを知った
「碁盤斬り」「孤狼の血」等の
白石和彌監督が現代に合うよう
メガホンを取った作品
さてその結末はどうだったか
前述したような東映エッセンスを
ふんだんに組み込みながら
ド派手に散っていく罪人たちと
精錬に藩の為に散っていく者
迫力満点でした
東映の剣会の殺陣はあの
張り詰めた空気感まで伝わってくる
ようでした
人物描写が弱い
感情移入できない
という感想もよく見ますが
そんなもんいらないのです
ただ「使い捨ての罪人たち」
でほぼ全員死ぬからです
確かに最近
人の道を外れた者たちの
彼らにも事情があるんだ!
みたいのをジャンプ漫画でも
色々見ますがそこってあんまり
必要ですかね
バトル漫画で戦いの虚しさ
とかをやたら出してくるの
正直げんなりうんざりしてます
この映画みたいに
新しい時代に生きる新政府と
それまでの社会を作ってきた
徳川幕府が日本人同士戦って
決着を付けなければいけなかった
戊辰戦争
これ以上の虚しい戦いは
ないわけでですから
この映画は新発田藩の家老
溝口内匠から剣士鷲尾兵士郎
まで自分の立場に囚われて
戦っていきます
それでいいのです
作中の描写だけで
だいたいわかるくらい
配役で使い分けされています
山田孝之演じる政なんか
超わかりやすい
別に主人公ではない
新発田藩は憎んでいるし
隙あらば官軍に寝返る
1人でも逃げたら全員無罪放免は
ナシという条件は後に
嘘八百であることが
バレますが
そもそも罪人同士が自ら
協力する義理はない
展開が進むと自然と
結局そうなっていきますが・・
あとほんとね
仲野太賀素晴らしい
お父さんもまだバリバリ
だけど二世俳優ほんとすごいよ
個人的には期待通りの
東映時代劇感満載で満足でした
血肉飛ぶ娯楽映画
今まさに自藩の家老に斬りかかろうとする足軽、鷲尾兵士郎(仲野太賀)が、憤怒の鬼と化して叫ぶ。
「俺は11人目の賊だ!」
この映画の「義」の完成と言える場面。
仲野太賀の迫力に感動した。
しかし義というものは、いつの時代も政治やエラい人に踏みにじられるものなのです。(という最後に繋がっていきます)
登場人物10人の賊は、それぞれ個性的でおもしろい。
妻を手篭めにした侍を殺した政(山田孝之)、
医者の勉強がしたくてロシアへ密航しようとしたおろしや(岡山天音)、
檀家の奥さんと密通した坊さん引導(千原せいじ)など、
悪いと言えば悪いが、仕方ないといえば仕方ない、情状酌量の余地がある罪人ばかり。
政治がよければ犯さずに済んだ罪もある。
10人全員の過去が語られるわけではないが、
そこは推して知るべし。
全員根っからの悪いやつではないと思わせてくれる。
いや、だんだん彼らこそ人間として正しいように見えてきさえする。
この11人(罪人10人足軽1人)で砦を守る戦いをするのだが、戊辰戦争の東北は、なかなかわかりづらい。
2022年公開の役所広司主演映画「峠 最後のサムライ」も戊辰戦争の東北が舞台だった。
こっちは長岡藩の街も民衆もついに戦火に覆われた。
しかし歴史的には、新政府軍のターゲットは長岡でも新発田でもなく、元京都守護職の松平容保がいる会津。
松平容保は、鳥羽伏見の戦いで幕府軍が負けると、さっさと京都から会津に逃げ帰っていた。
新発田藩としては、どっちにもつきたくない戦いたくない、来ないでお願い〜って気持ちかもしれない。
藩主も若くてオドオドしている。
だから家老溝口内匠(阿部サダヲ)みたいな存在が必要になる。
この家老が大変イヤなやつ。
卑怯。
卑怯という言葉がぴったり。
自分の考えばかりが正しいと思う政治家。
人を使い捨てにする、嘘をつく、他人の命はゴミより軽い。
でも結局、最後の最後には、同盟を裏切ったおかげで新発田藩は戦火を免れ、民百姓は殿や家老に感謝するという幕切れになっていた。
…この最後のシーンに複雑な思いを抱いた。
歴史的事実とはいえ、阿部サダヲには最後の最後まで卑怯で腹黒で、憎まれものでいてほしかった。
同盟を裏切ったのも、賊たちを使い捨てにして殺したのも、みんな民百姓を守り国を守るため致し方なかったのだというふうに見せてほしくなかった。
善人面するなコラと思った。
ずっと卑怯で腹黒いイヤな奴でいてくれればよかった。
死んでいった賊たちを思えば、いたたまれない。
阿部サダヲの娘が自刃したのも、砦で死んだ恋人、入江数馬(野村周平)のあとを追っただけではなく、父の卑怯な行いを知ってからの絶望の自刃にしてほしかった。
「すまなかった」と娘の亡骸に向かっていう言葉も薄っぺらい感じがした。
もっと後悔しろ!と思った。
(もう溝口家老と阿部サダヲの線引きがなくなってる!笑)
★いかさま賭博師の赤丹(尾上右近)は魅力的だった。
声もいい。甘さと精悍さが両立してる。
★謎に腕が立つ爺っつぁん(本山力)もカッコよかった。
「元毛利家槍術指南役」と、最後の斬り合いの場面で明かされる。
やっぱりねーっ!そうだと思ったー!かっこいいー!と、心の中で喝采。
★血も首も肉片も飛びまくる。
斬り結ぶ敵味方の真っ只中にいるような実在感ある戦闘シーンは見事
★ゆりあんリトリィバァの登場は何なんだ?あそこで映画への没入感が一気に引いた。
★娯楽映画として見よう。
良い作品になる可能性がいっぱい詰まった「佳作」
言いたい事は山のようにあるのだが、悪い作品であったかと言えば「否」
ただ、少しずつ「惜しい」が重なって、評価としては佳作どまりだった・・・
11人の賊たちの個性の表現、溝口家老の鬼気迫る感じの演出、脚本が「違う」感(阿部サダヲさんは最高なのだか彼の眼力やお芝居だけではカバーしきれていないのが残念)
原油はあんな燃え方しないのにとか、いつの間にか鉄砲隊が全くいなくなるとか
大砲は山道は運べないのにとか、ナダルだけはどうしても違和感しかなくて受け付けなかったとか・・・はみんな横に置いてもね
でも、官軍の将、二人と対峙する長州藩士の最後の殺陣や仲野太賀さんのラストの立ち回りとその絶命した時の表情は最高だった
あと、鶴瓶さんの息子さんは最近どんな役も見事こなしていて実は密かに「推し」である
あと、砦のストーリーはフィクションだと思うが奥州小藩新発田藩の辿った道は史実通りなのでこれで歴史に興味持った方は是非そちらの世界へもどうぞ
ストーリーについて行けなかったけど殺陣のアクションシーンに引き込まれた作品。 本年度ベスト級。
物語の背景や状況説明の字幕が所々で出るものの字幕が読める眼鏡を忘れ良く見えず(笑)
死刑囚が吊り橋の手前の砦を守り切れば無罪放免となる設定は理解出来た(笑)
新潟の方言が聞いていて心地好い。
死刑囚の山田孝之さん演じる政。
剣術道場の鷲尾兵士郎を演じる仲野太賀さん。
この2人を中心に展開するストーリー。
殺陣のシーンが半端ない!
首を落とされるシーンが多めなんだけどグロく目えない感じが好印象(笑)
阿部サダヲさんの役がいつもの良い人キャラじゃなくてビックリ(笑)
仲野太賀さんが素晴らしい!
殺陣のシーンが素晴らし過ぎた!
罪人でも無いのに本作のタイトルを叫ぶシーンに鳥肌が立つ(笑)
ゆりやんレトリィバァが登場したシーンがツボにハマりました( ´∀`)
幕末エクスペンダブルズ
時代が大きく動いた幕末。
〜勤皇の新政府か幕府を助ける佐幕か〜
越後の一藩、新発田藩も難しいかじ取りを強いられた。藩論は早くから勤王にまとまっていたが、佐幕諸藩に包囲された状態にあり、同盟軍の圧力によりしぶしぶ奥羽越列藩同盟に参加することに。
しかし実際戦列には参加せず、出兵には応じるなど慎重に行動しつつ、新政府軍と連絡を取り合い、新発田に上陸すると直ちに同盟を離脱した。
これが奥州戦争の帰趨を決め、歴史に「新発田の裏切り」と呼ばれる出来事になる。
(新発田藩からすると裏切っていないが)
この間の権謀術数の駆け引きは、やはり史実の方がおもしろい。
長い割にスッキリしない。
ちょっとフィクションすぎた印象。
新発田城下を戦火から守るため、新政府軍と同盟軍が衝突しないよう、同盟軍が新発田を出るまで要の砦を守りきれば無罪放免とする言い渡し。
時間稼ぎに罪人を使う時点でコレあるか?と思うが、ここまではまぁ面白い感じ。
後にこの無罪放免が嘘で「守っても守らなくても処分」ということがわかるが、コレをひっくり返さないのが残念なところ。
十一人が賊軍として同時に揃わないので、なんだかなぁ…(八犬伝のあとだから余計に感じる)
しかも各キャラが薄いので感情移入しにくい、登場時に字幕でキャラ名出してもらいたかった。
御家老、
処分の仕置きは逃がしてもよかったのでは?
首なんか似た奴でいいのでは?
銃で解決するところも小物感。
同盟軍を煙に巻いた策士はどこへ?(怒)
最終戦は剣の勝負で家老斬ってもよかった。
(史実上生存した人物は殺せないのか)
ナダルの演技に驚いた。
普段の大げさな感じがむしろ大河に合うのではないか(笑)
義を貫き、仁を棄てる
ご家老の乱心ぶりには、恐れ入ります。最前線に囚人兵を送るし、知られたくない情報は、確実に始末するし。(実際に、そういうことするヒトいるし。)…そこまでして、ご家老が守りたかったものは、何かな?。その代償として、ご家老は許される者なのか、許されざる者なのか…。
子、曰く人として最も大切なのは、仁。仁、言葉で表し尽くすこと能わず。されど、仁の裡に義あり、礼あり、節あり、忠あり、孝あり…。
つまり、義は仁の一部ではあるものの、全てではない。どんなに自らの正しき義を貫いたところで、隣人の義とぶつかるだけ。争うだけ。傷つけ合うだけ。
義を貫徹、仁を棄てた御仁に見える世界とは、どんなものですかね。
大勢の幸福の為には、少数の犠牲はつきもの。よくある主張です。しかも、自分がその大勢の側にいると、賛成はしなくとも、黙認してしまうのが、ヒトの性(さが)。そして、少数を犠牲にしたヒトを責め、犠牲にされたヒトに同情する。しかも、自分は安全なエリアから、一歩も踏み出さない。あ、そうだ。戊辰戦争のひとつ、上野会戦を見物していた江戸っ子が、いたとか。江戸無血開城のおかげですね。映画館まで足を運んだ私は、その末裔かもね。
ところで、そのご見物の談話だと、刀で斬り合うと、初めの一合で生死が決まることが多く、何合も斬り合うのは、お互いの腰が引けて小手先を斬り合う場合。こうなると、腕周りの失血が多く、体力低下した方が討ち取られたそうです。斬るか斬られるかは、映画のようにかっこ良くないそうです。ちなみに私、斬られたくないので、転生したら、新政府軍の兵隊だった、は、遠慮させて下さい。
どうにもこの映画、11人の怒れる者達だけでなく、クニの為、大多数の為に、凄まじい罪と罰を背負わされた方が、気になります。官も賊も、関係ない。同じ藩、同じクニにいても、守るべきものが違う。大切にすべきものが違う。その結果があの結末だとしたら…。
皆様は、何を守りますか?。
何を大切にしますか?。
追記)
阿部サダヲ、いい役者さんになりましたね。この先、柄本明や、イッセー尾形に匹敵する名優になりそうな気がしました。
「推しの子」ドラマや、映画になるそうですが、いっそ、「推しのサダヲ」してみる?。
新発田藩新政府軍へ恭順までの日々
感想
期待を持って映画館に向かう。東映のタイトルロゴも昔のままでオープニングを迎えた本作。話は1868年7月戊辰戦争時、越後地方新発田藩の奥羽越列藩同盟脱退、新政府軍への恭順を示した藩の政変時に発生した駆け引き的な局地事変を描いた話であった。
日本侠客伝、仁義なき戦いの脚本で有名な、笠原和夫氏の温めていたプロットを元に狐狼の血の白石和彌監督が映画化した。
出演俳優陣全員の文字通り身体を張った演技は素晴らしい。特に仲野太賀さんが目覚しい活躍であった。東映時代劇の復活を掲げて制作したという触れ込みであったが、正直な感想としては脚本が今一つの印象を受けた。賊軍十一人全員に焦点が上手くあてられておらず性格や個性を観る側に説明出来ていないように感じた。撮影もリアリティ重視なのは分かるが暗がりが多く演出なのか、アクションが優先され、勢いはあるのだが登場人物の顔のアップは余り無くカット割によるアップも限られた役者しか撮られていない。もっと十一人の個性をデフォルメした方が話が面白くなったと本当に感じる。笠原氏のプロットは話としては興味深く上手く制作すれば名作誕生を予感していたので真に残念である。
また配役と脚本の問題だと思うが、山田氏は始まりは素晴らしい滑り出しで期待を高めたが、主役級なのに役柄が脱走を繰り返し台詞も少なめで印象が薄い。小柳氏は役どころとしては面白かったのだが顔のクローズアップが余り無く印象が薄い。また松尾氏に至ってはもっと活躍するのかと思いきやすぐ爆死してしまう役どころである。尾上右近氏は役どころが町人賭博師役なのでそこそこ面白い役柄であった。野村氏、田中氏、一ノ瀬氏は見た目からして現代人そのもので申し訳無いが時代劇には合っていない印象を受けた。繰り返し言うが演技は本当に全員素晴らしいのだ。本作に大きな期待を賭けていたので残念で仕方がない。
本作を観た印象として21世紀の今時の日本人に江戸時代の日本人を演ずる事自体が難しくなってきているのかもしれない。出自そのものや社会的生活的に考えて見ても人が負う人生の苦労度が桁外れに違う。当然顔付きも変わる。例えば和装で山や道を走る。又は歩く。というこの簡単に感じる所作一つでも江戸時代と現代は違っていたような気がするのである。俳優さんは悪くないのだが、期待している顔付きがもっと眼光が鋭いというか、どうしようもないのだが気迫というものを感じられないのだ。気迫を劇中に感じたのは仲野氏、本山氏、松浦氏くらいの印象なのである。時代劇の制作期間は俳優陣を含めてそれなりに長く取らなければいけなくなってしまったようだ。残念だが自分には本作が合っていなかった。
🌟2.5
スッキリしない。暗いのが、偉いのか?痛快時代劇じゃいけないのか?
仲野太賀好きです。
本作では、真っ直ぐさが良かった。
そこは絶対報われてほしかった。
全体として、面白かったのですが、もっとスカッとした痛快時代劇が良かった。
理不尽な結末を、すでに予告編でネタバレするのもどうかと思ったし(最初から無罪放免にする気はなかったって)、何か、悲惨な末路や暗い話にした方が、作品の格が上で、明るい面白さは格が下だとでも思ってるのではないか。
『八犬伝』の馬琴の言葉「現実はそうはいかなくても正しいものは報われる世の中であってほしい」を思い出した。
全406件中、201~220件目を表示