十一人の賊軍のレビュー・感想・評価
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十人じゃないの?いや、十一人だ!
前知識をあまり入れずに鑑賞。
まず、俳優さんの演技が素晴らしかった。山田孝之さん、仲野太賀さんをはじめ、新発田藩、同盟軍、官軍の男達、いや、漢達の命をかけて戦う姿に感動した。
ストーリーたが、罪人一人ひとりの描写がしっかりと作り込まれており、ラストの殺陣まで2時間半飽きることなる見ることができた。
映画館で、なぜこのタイトルにしたのかを体験してもらいたい。
殺陣カッコ良すぎた。過去一ハマった時代モノ。
楽しみすぎて久々に公開後すぐの土曜日に観に行った。
ここ最近で1番良かった。今のところ下半期1番。
ちょっとグロいのが大丈夫な人にはぜひお勧めしたい。
何よりも仲野太賀さんカッコ良すぎた。
自分は虎に翼の優三さんかなり大好きだった人で、自分の中で仲野太賀さんかなりきてるから贔屓目があるかもだけど、それでもよかった。
どうなるのかドキドキする展開にずっと前のめりで見ていたし、賊軍たちそれぞれのキャラがよくてみんな憎めなくて、活躍も胸熱で面白かった。
かなりハードなのにところどころポップなシーンが挟まってて見やすかったのも良かった。
時代モノでここまで気に入ったのは初めてな気がする。みんなに見て欲しい。
個性的な面々が団結する流れがいい
時代劇はあまり得意ではない。武士たちの考え方に共感ができないから。主君のために命を投げ出したり、理不尽と感じてもお上の命を守るメンタリティが受け付けない。それでも面白い時代劇はあるのでたまに劇場に足を運ぶことになる。本作を観ることにしたのは、山田孝之と仲野太賀が主演していたから。様々なタイプの人間が協力しながら敵と戦うって話は、使い古されているのにワクワクしてしまう。これは長い映画鑑賞の中で沁みついてしまったもの。
実際、死罪になる者たちが砦の防衛に駆り出されるという流れや、集められた面々が個性的なのがいい。詐欺師や放火犯だけでなく、ちゃんと辻斬りとかの犯罪者も入ってたりする。そして医者になるためにロシアに渡ろうとして捕まった者なんかも。今の感覚からすると、それで死罪?と驚く。
そんな彼らが無罪放免というエサで徐々に団結していく。もちろん各自思惑もあって簡単には団結しない。でもいつの間にか協力し合っていく流れがいい。ひどいことされた相手には力を合わせないと立ち向かえない。ある程度ご都合主義な設定もあったりするが、そこらへんは大きな問題じゃない。必死に戦う彼らの姿に感動した。その対極で、犠牲を出してでも新発田の地と領民を守ろうとする家老の姿も印象に残る。「賊軍」たちの立場だけでなく、新発田藩の立場もきちんと見せていく脚本がよかった。あの状況の新発田藩に何ができたのか、考えてしまう。
やはり山田孝之と仲野太賀が図抜けて印象的だったが、なつを演じた鞘師里保も存在感があった。地味な子だけどいいなと思っていたら、元モー娘。と判明。これはオファーが増えるに違いない。あと、芸人数名が出演していたのも驚いた。演技が下手というほどではなかったが、ナダルは話し方や声を聞いただけで「ナダル」と思ってしまう。シリアスな映画だけにもったいない。
名もなき訳あり賊(おとこ)たちに奮えろ
時代劇は失われゆくジャンル…と言われて久しいが、その都度その都度心掴まれる時代劇は生まれている。
今年なんてまさにそう。言うまでもなく、あのドラマとあの映画。
時代劇は決して失われたりしない。
この二つはちとイレギュラー。片やハリウッド製作、片やSFコメディ。
ここいらで、大和魂震えるような本格時代劇活劇が見たい…。
一本の“幻”が掘り起こされた。
戊辰戦争最中。藩の為に命を懸けて闘うも、藩の寝返りや裏切りによって、葬り去られた男たち。
驚く事に、実話…! いや、歴史の激動時、こういう秘話は他にもあったかもしれない。
アウトローたちの生きざま、権力への抗い…。
この史実を基に脚本を書き上げたのが、『仁義なき戦い』で知られる笠原和夫。
が、ラストを巡って脚本は却下された。
激怒した笠原は脚本を破り捨てたという…。
それから半世紀の時を経て。遺されたプロットを掘り起こした者がいた。
白石和彌。
何と言う奇遇だろう。笠原脚本の『仁義なき戦い』を彷彿させる東映やくざ映画『孤狼の血』の監督。
いや、奇遇でも偶然でもない。必然であり、運命だったのだ。
俺の夢は叶わなかった。いつか誰か、叶えてくれ。
あなたの思いを受け継ぎます。
男たちの熱き思いと数奇な巡り合わせ。それは作品にも。
新たな時代を切り拓こうとする新政府軍と徳川幕府存続にしがみつく旧幕府軍との間で勃発した戊辰戦争。
その争いは各地で起き、新潟湊・新発田藩にも選択迫られるが、家老の溝口はどちらに付くか決めかねていた。
藩は旧幕府軍の同盟軍に加わり、出兵を求められていたが、溝口は密かに新政府軍への寝返りを企てていた。
そんな時、新政府軍が藩への進軍の報。同盟軍と鉢合わせてしまう。
進軍の心の臓とも言える砦で新政府軍を食い止めよ。
作戦の命を受けたのは、使い手武士と、十人の罪人たち…。
歴史というのは分からない。
その時の非となりそうな選択が、後年どういう結果をもたらしたか。
映画的に見れば、溝口は寝返った裏切り者だ。
作戦を命じるも、新政府軍の先発隊が藩に現れるや否や、目論見通り寝返り、忠誠を見せる為に十一人の決死隊を逆賊として討つ…。
劇中でも揶揄されていた“猿芝居”。非道な斬り捨て。阿部サダヲが巧い。
権力に与した許し難い奴だが、結果的に彼の選択が新発田の藩と民は守られた。
結果的には選択は間違ってなかったと言えるが…、
葬り去られた男たちの無念は…?
利用され、弄ばれ…。しかし、男たちの中にあった熱き思い、声…。
笠原和夫と白石和彌が吠えるほど代弁する。
確かに男たちは揃いも揃って悪人たちばかり。
殺し、イカサマ、放火、姦通、密航…。
が、望んでそうなった訳じゃない。社会の不条理やそうなってしまった事態。
人足の政。耳の不自由な妻を手篭めにした新発田藩士を殺害。
犯した罪は許されない。が、元凶である藩士の罪は…? 藩士なら身分の低い者への仕打ちを許されるというのか…?
権力の横暴は昔も今も同じ。そんな権力に抗うアウトローたちの姿を、笠原和夫は一貫して描き続ける。
にしても不条理だ。
政は新発田を許せない。藩がどうなろうと知ったこっちゃない。
なのに、その藩の為に決死の闘いに参加する。
勝てば無罪放免。ほとんどがそれに釣られて。
政もそうであろうが、ちょっと訳が違う。
妻の元に帰る。
それと、闘いを通じて、誰とも関わろうとせず、寧ろ逃げ出そうとすらしていた男が、やがて仲間意識を…。
山田孝之が野性味たっぷりに。
しかし大金星は、仲野太賀だろう。
終盤、討ちに来た溝口一派。共に闘った仲間が無慈悲に殺され、剣を手に抗う。見事な殺陣も披露。
もう一人。初老の罪人。死闘の中で、目を引く剣術を見せる。演じた本山力は東映剣会の殺陣師。是非、『侍タイムスリッパー』ともお手合わせを。
壮大なオープンセット。泥臭さとバイオレンスにまみれた迫力のアクション。
特筆すべきは、大音響。是非、音響設備のいい劇場で。
ハリウッドならオスカー録音賞もの。日本バカデミーなら無視されるけど…。
第一級の大活劇だが、不満点・難点も多い。
罪人十人、個性的だが…、全員に平等に見せ場が設けられていない。キャラ描写が薄っぺらかったり、もっとくっきり色分けが欲しかった。
導入部やクライマックスは盛り上がる。が、中盤中弛み感も…。2時間半、長さを感じてしまった。
しっかり整理すれば混乱する事はない。が、各派閥や名称、地名などが飛び交い、時々こんがらがったりも…。
暗い画面も多く、例え明るい場面でも泥埃浴び、誰が誰やら分からなくもなってくる。
台詞の聞き取りづらさは本作に限った事じゃないが、聞き慣れない時代劇ではちとキツい。
大活劇時代劇にしたかったのか、権力に抗う硬派な訴えをしたかったのか、どっち付かずの声も。
でも、大和魂には触れる。
どうしてもこういう設定が好きなのだ。仲間を集い、少人数で立ち向かう。
『七人の侍』『十三人の刺客』『三匹の侍』…漢数字の付く娯楽時代劇の例に漏れず。
そして、それらの作品では必ず描かれる。
アウトロー、はみ出し者、寄せ集め…。
そんな賊(おれ)たちにだって、譲れないものはある。
名もなき訳あり漢たちの武勇伝。目に、心に、焼き付けよ。
仲野太賀は私の見た中で過去一カッコ良かった。こんな役もできるんだな...
なんじゃあの煙は
「碁盤斬り」が記憶に新しい、白石和彌監督の時代劇。あの作品は落語演劇だったため、ドラマがメインの完全なるエンターテインメント作品だったわけだが、本作は戊辰戦争と実際にあったものをモチーフにしたアクション大作であるため、白石色がより濃く出た作品になっている。まさに、幕末版「孤狼の血」といったところ。旧幕府軍vs新政府軍という構図は「ソウルの春」と似た部分もある。
キャストもキャストだから、かなり期待値高かったんだけど、んもうやばかった。ラスト20分がとんでもなくて心の中で大騒ぎ。「福田村事件」の時に味わった感覚と酷似。いやぁ...すごいなぁ...。
旧幕府軍vs新政府軍という時代を変化させた大きな戦いにもかかわらず、今回スポットが当たったのは両者からの板挟み状態に苦しむ新発田藩の罪人たち。こんだけのスケールでメインとなるのは武士ではなく、ただの落ちぶれた平民というそのギャップが既にたまらなく面白い。
ボロッボロの山田孝之は想像通り最高。昨年公開された「六人の唄う女」の時からさらに磨きをかけた感じ。すごく筋の通った人物で、周囲は苦しみを共にした仲間をも大切にしたいと考える一方で、彼は妻を助けたい、妻に会いたいとその一心。協調性のない人物と片付けることも出来るが、戦乱の世でこう考えれるのは最もらしいし、こういう人物こそ武士になるべきじゃないかとも思った。
一般的な時代劇よりも淡々とし、物静かでジメッとしているのも特徴のひとつ。本来、失われるはずだった命。いま、生きていることが彼らにとっては奇跡も同然で、おかげで死ぬことに対しての恐怖心はまるでない。恐れを知らず猪突猛進で敵に立ち向かう姿は、すごく生々しくて人間臭い。しかし、徐々に生を実感し、生きることに喜びを覚えていく11人。いつもの時代劇なら不死身のように感じてしまう戦士たちも、本作では残機1しかなく、たった1回の人生を必死に生きているんだということを強く感じる。命を軽く扱われている人々が主人公だからこそ、命の重さを訴えかける作品になっている。
155分と邦画にしてはかなりの長さだが、全くもって感じさせず、終始前のめりになってしまうほど没頭できた。豪華キャスト、と言いながらも、若手・新人の俳優をかなり起用しており、若干地味に映ってしまっているがとても臨場感溢れるリアリティに特化した作品にもなっている。キャスト全員の魂の叫びが聞こえる、最高のアンサンブル。チョイ役の人達もしっかりと爪痕を残していて、邦画好きとしては画面を眺めるだけですっごく楽しかった。柴崎楓雅の佇まいには驚いた。玉木宏の使い所もいい。佐野岳とナダルが兄弟役はめっちゃ笑った笑笑 最初全くわからんかったし笑笑
罪人たちの罪を互いに報告し合うところとか、両軍が新発田藩に迫ってくるところとか、シンプルに聞き取りずらかったり画面が暗いせいか分かりにくい部分が多く、大きな動きがあると毎度粗があってそれがかなり悪目立ちしていたけれども、中盤に山を作るのではなく終盤にドンッと一撃爆発させる構成はあっぱれで、次第に面白くなっていく右肩上がりの映画だったから夢中になって見ることが出来た。もうひとつ、何かぶっ飛んだものが欲しかった気もするが、インパクトはバツグンだし、これで十分大成功していると思う。やっぱ白石和彌はやめらんねぇ....。
個人的に仲野太賀という俳優があまり好きではなく、「今日から俺は」の今井は愛おしいほど好きだけど、それ以降も以前も彼にハマったことはなかった。今回もいつも通り、特に期待もせず見に行ったんだけど...これがビックリ。ラストで一気にぶち壊し、今後のキャリアに響くと思われる想像を絶するほどの最高の演技を見せてくれた。全身が沸きあがる。セリフでも声でもない。凄まじい目の演技。なにかに憑依されたようなその表情に、とんでもなく惹かれてしまった。身体が硬直してしまったもんね...。最後の最後に、全てを食ってしまっていた。素晴らしかったです。
白石和彌が撮った時代劇はどんな形であろうと好きになっていたと思うけど、この時代にこんなにも真正面からぶつかってくれる、昔懐かしい東映時代劇が見れて大満足だった。やっぱ時代劇はいいなぁ。作品の持つメッセージの重さが段違い。白石監督の愛が日々強まるばかり...☺️
史実を知ってたらもっと面白かったんじゃないかなぁとかって思った。
・元々の前提である歴史の史実を良く知らないまま観たので所々わからないままだった。おおまかな所は理解できたけれど、砦を守るために決死隊を結成して官軍が同盟軍とがバッティングしないようにという事だったけれど、まずは伝令係が来るだけだから何で決死隊を結成してまで?とかっていう疑問が最初に沸いてからぼんやりとしてしまった。改めて史実とかをググって理解が徐々にできてきた気がする。元々、新発田藩が官軍寄りの状況下で同盟軍が新発田に押し掛けてきた。そこに官軍が伝令?で来るっていう形でもかち合うと町が戦火になってしまうのを避けるにはっていう事だと思うのだけど、そこへ官軍が来るのを妨げるために罪人を通り道の砦にあてがったというところが最初わからず、藩主が何か別の方法で止めればいいんじゃ?とかと思いつつ、何で罪人をあてがったのだろうと疑問がわいて話が入りにくくなった。とはいえ最初から攻め入るっていう話だとしたら、思いっきり誤解したまま観ていた事になるけど、伝令?って言ってたと思うのだけど。
とはいえ殺す以外に止める手立てがないっていう判断の溝口と攻め込んでくるから止めなければならないと思っている罪人たちっていう構図で長岡藩の残党の振りをさせて殺させるという算段だったのかな、とか、わかった感じとわからない感じの間という感触。推理ドラマとかで犯人が動機とかをペラペラしゃべるけど、あれって嘘くさいなぁとかって思ったけどこういう策謀がややこしい話だと是非説明してほしいと思った。単純に自分の無能のせいだけれど。官軍が最後、新発田藩に到着して長岡藩の旗を持ってきて新発田藩の策謀だったよな?って話になって首を持って行って許されてたっぽいけど、どんな理由で許されたのだろうと思った。どう見ても新発田藩が城下を守るために官軍を殺したっていうことになるだろうと思ったしそれをどうやったら回避できるもんなんだろう。彼らが勝手にしたことでしてとかだろうか。
正直、理解できてない事のモヤモヤもありつつも新発田藩や官軍、奥羽越列島同盟ってこういう感じだったんだ(かもしれない)!と物凄く勉強になったし、殺陣や大砲の威力の感じとかがとても良かった。素人の寄せ集めが切りあったら即死な気もするけど、当時みんなが持ち合わせた能力だったのかな、とかと思ったり。最後の最後で逃げようとしたものの戻ってきて自爆した政がそのまま逃げて、ずっと後悔しつづけるっていうのもありだったんじゃないかとかって思った。
正義とはナニか。を問われる映画。
登場人物の誰もが、それぞれの正義のために戦い、誰も幸せになれない結末は、納得感◎
奥羽越列藩同盟の主軸である長岡藩のお隣、新発田藩の家老溝口(阿部サダヲ)の、神経をすり減らしながらのタヌキっぷりもヨシ。
山田のクズっぷりも良い。
仲野の最期は見応えあった。
ナダルは(賛否あるものの)キレキャラとしては、ハマり役かな。
ゆりあんはナンで出て来たのか、よくわからなかった。
スカッと行くぜ、賊軍!!
絶対観ようと思って、鑑賞しました。
全く長さを感じさせないくらい、引き込まれて一気にラストまで突っ走って見てしまった。
それぞれブレない人物のそれぞれの生き様が気持ち良かった。勿論、黒澤明の時代とは違うので、女性の扱いなど表現を制限したんだろうなという感じもあったが、それでも、これぞ時代劇という骨太な愉快さを堪能させてもらって満足でした。途中からあれ?モノクロだったか?というほど色が無くなったのも時代劇の雰囲気。
仲野太賀、山田孝之はじめクセ強の賊軍に対して、直接対決する官軍の現地指揮官が印象が薄い。玉木宏や阿部サダヲくらいそっちでも良かったような…特に玉木宏、ほとんどナニもして無いし。
コレでもかと斬り合って、スカッとしました✨
期待したほどじゃないかな
いい人vs悪い人
風見鶏
白石和彌監督の時代劇、二作目
前作よりもアクションよりで戦闘が無くとも
残忍なシーンを入れたりと飽きさせない工夫があるものの、全体的にバランスが悪いと思いました。
スタートから騒がしいのですが、村が襲われたり、謀反で殿様が殺される一大事かと思いきや
大した事は無く拍子抜けしてしまいました。
キャストも前作よりも数は多いものの、質は前作の方で阿部サダヲがいくら残忍な役で人の首を何度も斬り落とそうと他の大御所の一発には敵いません。
大御所では無くとも「十三人の刺客」の稲垣吾郎も一人斬っただけで顔面に血を浴びずとも残忍なのが伝わりましたし。
後半の戦闘シーンも同様に印象が薄く
刀を持った切込みシーンで定番のスローモーション。この後はお決まりの鉄砲(阿部サダヲ)で撃たれます。敵を斬り倒して行くシーンはありましたが敵の鉄砲隊を全滅させるシーンは無く、何処いった?と刀で勝負しない阿部サダヲを際立つ為とは言え他含め無理矢理感が強く出てしまいました。
流れ的に自爆も原田眞人監督の「関ヶ原」を見ている人ならば想像出来てしまい、チープな音楽が余計に残念な気持ちにさせられます。首や指をそう何度も斬らなくても良いので他の工夫が欲しかったです。
前作もあった時代劇に洋物、今回は城にローマ字で方角が書かれた風見鶏
時代的に伝わっていたかもしれませんが不自然な物をあえて映すのはソフィア・コッポラの「マリーアントワネット」にコンバースが登場するのと似た様な表現なのかもしれません。
ここは、ウォリーを探せ!みたいで
次回作も時代劇ならば注目して見てみたいと思います。
キャストや音楽を少し変えたり
主人公が逃げてばかりで戦わないので
鷲尾兵士郎を主人公にするなど
かなり印象は変わっていたと思います。
新潟だけに花火を武器にしたりとユーモアも有り
時代劇が減る中で若い人にも見てもらう為に時代背景をナレーション入りで説明したり色々と試行錯誤も見られます。
好きな監督だけに次回作にも期待したいです!
面白かった。
孤狼の血の監督、あとはCMで見られる情報しか知らずに役者さん目当てで鑑賞。
他の方の感想がけっこう低評価なのが意外なほど、わたしは楽しめました。
孤狼の血は見てないんだけど、「彼女がその名を知らない鳥たち」「死刑にいたる病」などでわたしの最推し、サダヲを起用してくれてる監督でしたか。
今回もサダヲを堪能できました。ありがたや。
映画全体の感想としては前半がなかなかキャラクターをつかめず、画面も暗く、誰が誰やらわからないところから、キャラクターをつかんでからは物語にぐいぐい引き込まれました。
とはいえ、キャラクターがどこかでみたことあるようなステレオタイプの感じもあり。
芸人さんたちの起用は完全な悪手ですね。
芸人さんでもうまい人やコメディシーンなら納得できるけど、シリアスな展開に芸人さんがでてくると悪い意味で緊張が途切れてしまう。
うまい役者さんばかりだったので、目立ちますしね。
それから、ナレーション。
わたしのような無知な者にはありがたいけど、キングダムのような英雄譚ばりの壮大なナレーションは映画の雰囲気に合ってない。
たとえば出演者の誰かが役としてではなく、抑えめにナレーションするくらいでよかったと思う。
タイトルの出し方も大げさすぎる。
予想以上にグロかったのには驚きましたがわたしには許容範囲。グロいの苦手な夫と見なくてよかった。
印象に残った役者さんたち。
仲野太賀……殺陣も違和感なく、表情も気迫があっていつものお調子者のイメージとは違う一面が見れました。罪人たちと違って小綺麗なのもあるかもしれないけど、正義感のあるヒーローも似合うし、目を引く華があるなと思う。
クライマックスでは「この映画はこの人の映画だ!」と思わされました。
あと、初めてお父さんに似てるなと思う瞬間がありました。
山田孝之……仲野太賀の映画だ!と思った数分後、弟分に向かって微笑むシーンで、やっぱり山田孝之はすごいなぁと思いました。
役としては剣の腕が立ち、見せ場があって感情移入しやすい清廉潔白な仲野太賀の役と違って、妻に会うためとはいえ、周りを引っ掻き回してまで何度も逃げようとする役は自己中心的に思えて、感情移入しにくい。損な役だと思う。
それでも主役として成り立たせられるのは山田孝之だからこそかもしれない。
阿部サダヲ……裏主役ですね。視点を変えてこの人を主役にしても映画が出来ると思うくらい、多面的な役でした。最後までこの人は悪役なのかわからなかったし、悪役ではないんだと思う。
為政者として彼のやったことは間違っていないから。領民や若殿からの信頼を見れば彼が人々の幸せを守ってるのは間違いないと思う。
あくまでも主人公たちは罪人で、いずれ処刑される身だったわけだし。
とはいえ、最終的に一番の不幸が彼に降りかかるのはやはり、やっていたことが正義ではなかったからで。
それと、悔しいのは殺陣が見れなかったことですね。
登場人物として、仲野太賀に語る「政治家であっても剣の腕を磨くのも大切と指導されてきた」(意訳)と伏線張っといて、結局剣を抜かないという展開……。
うまいなぁ。まんまと「え〜!!」と思いましたもの。中の人としても運動神経抜群だから、殺陣見せてくれると思ったら、見せてくれないの〜!と思いました。
若手注目株の一ノ瀬颯くん、実力と人気を得てる岡山天音くん、歌舞伎界のプリンス右近さん、知名度ある野村周平くん、いろんなので見かける松尾諭氏……豪華なキャスティングなのにテンポよく(?)パタパタ死んじゃうのがもったいないと思うのと、贅沢な使い方だなと感心したり。一番贅沢なのはすぐ退場した音尾琢真さんかな。
支えの役者さんで印象に残ったのは駿河太郎さん。
悪役のイメージがなかったので、嫌味な役も上手いなと感心しました。役作りか、いつもより声が高かったような。
女性陣も若手2人は存じ上げない方たちだったけど、上手でしたし、西田尚美さんも切腹の時は気丈に耐えていたのに娘の死に直面した時の夫への拒絶の対比が見事でした。
侍タイムスリッパーもよかったけど、お金をかけた実力派俳優さんたちの時代劇もやはりよかったですよ。
わたしの好きな劇団☆新感線ぽい雰囲気でしたしね。
ドッカン、ドッカン、新潟弁炸裂
■サマリー
1868年、旧幕府軍と薩長を中心とする新政府軍の間で争われた戊辰戦争。
新政府軍と対立する奥羽越列藩同盟に加わっていた新発田藩で繰り広げられた、
同盟への裏切りのエピソードをもとに、捕らえられていた11人の罪人が、
新発田藩の命運を握る砦を守る任に就き、壮絶な戦いに身を投じる姿を描く。
■レビュー
賊軍=旧幕府軍でした。
舞台は新潟・・・私の生まれ故郷。
長岡藩が官軍=新政府軍に負けた後のお話。
2年前に「峠 最後のサムライ」で長岡藩の戦いを見ていたので、
その後の話としてつなげながらの鑑賞。
ストーリーはベタといえばベタなのだが、結構ハラハラ、ドキドキ。
血は飛ぶ、首は飛ぶ、肉片も飛ぶ、ちょっとグロい。
さらには、たった十一人で官軍相手に持ちこたえちゃうところが意味不明。
ありえない笑
そして、推測通りといえば推測通りなのだが、最後はやはり悪者扱い。
なんとか時間稼ぎができ、救われたと思いきや、やはりおぬし、悪よのう。
新発田藩の重臣を演じた、阿部サダヲさん。
藩のためとはいえ、ひどいわ。最後は不幸になってしまったけどね。
賊軍の主役は山田孝之さんだったのだろうか、でも仲野大賀さんの役回り、
そして殺陣シーン、最後のシーンなんかはこちらが主役だ、と思った。
(ダブル主役かな、エンドロールでは名前が並んでいたような)
官軍には玉木宏さんがいたけど、出番が少なく。。。
ゴールデンカムイと被ってしまった笑
それにしてもドッカン、ドッカン、爆撃もすごく、
Dolby Atmosで見たので、なおさら音がでかかった。
そして、俳優陣はみな新潟弁を話していたんらてー
面白かったんらてー
(語尾は「らて」)
そういえば、「あんにゃ」(=兄)も新潟弁だ。
火力と殺陣
11人のヒーローが戦争ごっこする話
それぞれの価値観が錯綜するチャンバラエンタ
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