「闘う意志がないままの賊軍認定」十一人の賊軍 だるちゃさんの映画レビュー(感想・評価)
闘う意志がないままの賊軍認定
どこまで事実なのか判らないが、何か乗り切れない感がありました。
調べてみたら、新発田の裏切りとして、今でも新潟県内の県民感情としては、新発田市に対するわだかまりが残っているそうです。
なので、創作意図としては、その歴史的事実を描く事にあったのだと、後から知りました。
砦の攻防を描いた映画としては、十三人の刺客が有名ですが、その要因としては、トリッキーな宿場町の仕掛けがあったと思いますが、この映画にはそのよう様な要素はありません。
かと言って、魅力的な登場人物がいるかと言えばそうでもなく、所詮はいやいや投入された罪人ばかりで、イデオロギーとか戦う意思とかが元々ないので、どの登場人物に感情移入して良いのか判らないままストーリーが進んでゆきました。
唯一感情移入出来そうな登場人物は、仲野太賀が演じる実直な若侍ですが、彼も阿部サダヲが演じる家老に翻弄される哀れな立位置で、戦略的には他の罪人と変わりは無いので、直情型の人間特有の哀れさの方が先に立ってしまいました。
山田孝之の演じる町人も、その場その場で立位置を変えるので、本心はどのような行動原理なのか掴みかねて、感情移入する事は出来ませんでした。
結局は、ずる賢い家老への後味の悪さだけが残りました。
まあ、史実を基にしているということなので、創作のアクション時代劇だと思い込んで鑑賞した自分が間違えていたのですが、爽快感は殆どありませんでした。
今も昔も変わりなく、現実はこんなもんだという事を訴えたかったのかもしれませんが、あまり心には響かない作品でした。