「心熱く涙した! 賊軍の十一人目、誠意ある覚悟に男気を感じた!」十一人の賊軍 The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
心熱く涙した! 賊軍の十一人目、誠意ある覚悟に男気を感じた!
白石和彌監督の最新作!
劇場予告を見て、1日も早く鑑賞したいと期待しておりました。
公開初日に休みとって行きましたが 期待通りの大変満足な仕上がりでした。
ありがとうございました。(*´ω`*)
良くこんな話を見つけたなっていうか、展開流れを創ったなと思います。
時代劇ってもう古い?? いやいやそんなことは無いね。
前作の”碁盤斬り”もそうでしたが 作り手が新しい風を吹き込む事で
ワクワク感が立ち起こります。
人としての思い行動、何故 今それをするのか、
どの様に生きて行くのか、スジのある人の心(仁義)を1本太く入れて描くことで
この新時代劇は完成されているのだと感じます。
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(話展開)
日本近代史上最大の内戦、1868年(慶応4年 / 明治元年)に起こった戊辰戦争。
新政府軍(官軍側)と対立する奥羽越列藩同盟(旧幕府軍ら賊軍側)。奥羽越列藩同盟へ渋々加入していた新発田藩が、新政府軍(官軍)への寝返りする流れ展開を描く。表向きは来藩した同盟軍へ同志を貫いている様に、戦に加担するかに見せかる。しかし殿の官軍側への御意志があり藩内を激しく動揺させることに。
官軍側が1日ズレ程の遅れで新発田藩に着いてしまうため、
領地果ての砦にて 長岡藩になりすまし 官軍側と交戦足止めさせる作戦を企てる。もちろん誰も敵わぬ官軍と戦うものはおらず、新発田藩にいた罪人を急遽藩命令により砦を守る役目を与える。それは無事に任務を終えたら無罪放免の特赦される約束でもあった。
砦にて集められた罪人たちの 壮絶な死闘が始まるのであった!
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(良かった場面)
・爆破場面全般。中々良い破壊っぷり。見ていて素晴らしい。
CGも多用しての絵ですが破壊の様、飛び散り方がイイですね。
・雨の日夜の橋の爆破。もう誰が誰何だか分かんねぇ事に成ってるけど
兎に角遣りたい事は分かった。あれは結構大変な撮影だったと思いました。
この吊り橋みてて感じたのは、映画”恐怖の報酬”を思い出しましたね。
あの ニトロ運ぶトラックが激流にかかるボロ橋わたるんですが あれとよく似た感覚を味わいました。
・湧き上がる井戸油を流して爆破炎上作戦。実際はある程度は燃え広がるだろうけど爆発炎上は無いと思うのよ。ダイハ-ドのビル爆破時みたいに逆流火炎で爆破場面入れてるけどあれは起こらないよね。でもその発想 見てて面白かったです。
・切腹?でも切腹しないw
溝口内匠:役 阿部サダヲさん、この人らしい役処。ありそうだわ。
最後まで 決断意思がフラフラで。藩内の民の事を思うと分からないでもないが この裏切り行為。 まさしく切腹モノですな。
・官軍側 水本正鷹:役 ナダルさん。お笑い系の人が出ているからとか とやかく言ってる人が居る様だけども それが一体どうしたのさ。スッゴク顔の険しい眼差しは良かったよ。前から役者向きの顔だと思ってた。ブラックレインに島木譲二さんも出てたし、鉄道員に志村けんさんも出てる。各場面に良い味が出てるならそれで良いのではないかな。
・さだ(政の妻):役 長井恵里さん
女郎屋に居たが、なつからお金を受けとる時の場面がよかった。
耳が不自由の表現と、夫の思いに触れる場面が良い。
(心熱くした所)
・入江数馬:役 野村周平さんの 命を擲ってでも必ず無罪放免特赦の約束を守る。騙すような恥ずべき行いをして本当に申し訳なかった・・・罪人達を前に頭を地面につけて謝罪する場面。人として成すべき事をする、真っ当な姿が心に響いた。
・爺っつぁん:役 本山力さんの戦い振りが凄い!
長州出身の剣術家で強盗殺人を犯した人って設定。とにかく殺陣がスゲ-!
他の連中の戦いをよそに一人バッサバッサと斬っていく姿がカッコイイ。
メッチャ頼れる活躍振りに心が燃えたわ。
・何と言っても ココ。
鷲尾兵士郎:役 仲野太賀さんの最後の活躍。
”俺が11番目の賊軍だぁ!” 刀を握った手を抜けないように紐で硬く縛って相手へ特攻して行くところですね。
あの場面は台詞含め心熱く涙しましたわ!
今 絶好調のアクション時代劇の決定版!
是非、ご家族揃って
劇場へどうぞ!