ザ・バイクライダーズのレビュー・感想・評価
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一筋の愛を込めた眼差しが救いとなる
打ち切り寸前、滑り込んで鑑賞
期待以上の作品でした♪
実在した伝説のバイクライダーズクラブの誕生から犯罪組織へと変貌してゆく様を縦軸にして、ありがちなモーターサイクルマシンにまつわる男のロマンや憧れ、反骨心あふれるアウトロー達をタフなヒーロー化する事もなく、人としての弱さに容赦なく冷徹な視線を浴びせつつも、ベースとなった写真集、写真家と同じく、一筋の愛を込めた眼差しで間近でじっくりと見つめるスタイルが上質なドキュメンタリー作品のような風格をこの作品に与えていると私は思います
サブカルチャー史に名を残すライバルのバイカーズ「ヘルズエンジェルズ」とも共通な成り立ちで、バイク好きがつるんで走る同好者の集まりから暴走族化し、やがてFBIから監視対象の凶悪犯罪を行うギャング団へと変質し、倫理的に墜落してゆく端緒を描くこの作品は人間の本能が持つ弱点と愚行も浮き彫りにして、個人的にはとてつもなく興味深かった
バイクの魔力、若さの力、そして老いと生活……
かつてバイク乗りだった一人の人間として、なんとも複雑な感情で見ました。
ベニーやジョニーほどの入れ込み具合ではなかったですが、かなり長い時間バイクと人生を共にして、ヴァンダルスほどのチームではないですが、ツーリング仲間たちとつるんで楽しんでいました。
バイクには他の乗り物にはない魅力があるんですよね。
そして仲間たちとの絆も深まるし、その輪が広がれば、仲たがいして分裂したりすることもある。
私自身結婚して子供ができて、バイクに乗る時間が無くなり、結果的にバイクから降りてしまいました。できれば、エンジンのバイクが買える間にもう一回乗りたいと考えていますが、なかなか難しい。
ラストシーンでベニーとキャシーが見せるほんの一瞬の笑み。
その意味をしみじみと味わっています。
タバコを美味しそうに吸う
音がカッコいい
一応バイク映画の体裁ですが
バイカー集団の盛衰
監督のジェフ・ニコルズが、アメリカの写真家ダニー・ライオンの写真集「ザ・バイクライダース」(1965~73)に触発され、社会の枠外で生きるアウトサイダーたちの姿を映像で蘇らせようと試みた作品である。
実在した「アウトローズ・モーターサイクル・クラブ」は、映画の中では「ヴァンダルズ」という架空の存在に置き換えられている。。
物語は、キャシーのナレーションで進行する。ベニーとの出会いから結婚、そして、2人の運命にかかわってくる「ヴァンダルズ」のリーダーのジョニーについて語りはじめる。彼女は映画では主人公といってもいいほどだが、写真集には彼女が大きく髪を膨らませた流行のヘアスタイルで鏡の前にいるのを捉えた1枚しか収録されていない。
映画が描くのは、バイカーのライフスタイルに共感して集い合った男たちが、バイクが好きな仲間と時間を過ごすのを純粋に楽しんでいる60年代から、やがて、グループが麻薬密売や殺人に関与する犯罪組織へと変貌していく70年代までである。その頃になると組織が攻撃的で暴力的になり、みなが散り散りばらばらになっていく。象徴的なのが、麻薬中毒のベトナム退役軍人が仲間入りしたことで、グループの空気が荒んでいくところ、バイカー集団の盛衰は、アメリカの近代史を写す鏡でもあるのだ。
日本の暴走族とは異なり、アメリカのモーターサイクル・ギャングは、かなり年齢のいったメンバーも珍しくない。しかし、アウトローを標榜して自由にハイウェイを爆走しているだけでは生活が成り立つわけではないから、コミュニティを作って自分たちの居場所を確保しようとする。ただ、暴力で維持されている組織は、やがて先鋭化し狂犬化した若者たちに手ぬるいとみなされ凌駕されてしまう。
ニコルズ監督は語る。「一部のアウトサイダーはサブカルチャーに惹かれ、そこで面白いことが起こる。サブカルチャーは新しい芸術が生まれる場所だ。そして必然的に、そうしたサブカルチャーはメインストリームに吸収され、その影になる」
これはこれで良いと思う。
色々足りないと思う所もある。
でも一周回って「これはこれで良い」と思う。
オースティン・バトラーとトム・ハーディ、信じられないほどカッコ良いではないか。バイク乗り達が生きた古き良き60年代の世界観も素晴らしい。余計な台詞もなく、シンプルでストレート。実に潔いじゃないか。実は僕もバイク乗りだが、革ジャンとデニムジャケットの重ね着をこれほどカッコ良いと思った瞬間はない。バイクを見ても時代を感じる。
またストーリーテラーを妻のキャシー(ジョディ・カマー)がしたのも良かった。当事者じゃなく妻の第三者目線で語られた事で物語が「バイカーの寓話」として味のあるものに仕上がったように感じた。物語が全体的にほど良く「リアルじゃない」のが逆に効果的なのだ。ジョニーがトラブってると気づいたらベニーは何の躊躇なく相手に殴りかかる。今の時代では考えられないが、こういう「見る前に跳ぶ男」が魅力的なのも確かだ。それが良いか悪いかは別にして、迷いなく行く姿を見て仲間は絶対的に信頼するのだ。良いか悪いかは別にして(笑)
ラストは好みが分かれる所かも。僕は基本的に「破滅型」が好きなので散ってもらっても良かったのだが(笑)、こういう終わり方も悪くないと思う。激動の60年代が終わり、70年代の新しい生き方に変わって行ったという意味があるのかどうかは分からないが。
とは言え「バイク乗りの精神」なんて「生き方がロック」と同じくらい抽象的な話でもあるわけで、そんな映画が今のこの時代でも意外に評価されている事を少し嬉しく思う。
サラッとカッコ良い映画でした。
【”拳とナイフが時代と共に銃に変わった時、アウトローバイク集団はギャングに堕ちた。”今作は1960年代の時代の流れと共に変遷するバイク集団の姿を描いた切なき風合の作品である。】
ー 豪華キャスト、勢揃い作品である。アウトローバイク集団”ヴァンダルズ”のリーダー、ジョニーをトム・ハーディが演じ、孤高のバイク野郎ベニーをオースティン・バトラーが演じ、彼に魅了されたのちに妻になるキャシーをジョディ・カマーが演じ、更にはマイケル・シャノンも出演しているのである。吃驚!-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・孤高のバイク野郎ベニーが、格好良すぎる。キッパリ!あの髪型と絡まれても絶対にチーム名”ヴァンダルズ”が綴られたスタジャンを脱がない姿。イヤー、オースティン・バトラー君、格好良かったぞ!
・時代の変遷により巨大化する”ヴァンダルズ”の状況に、苦悩しつつもあくまでも、喧嘩は”拳とナイフ”に拘るジョニーを、オジサンになったトム・ハーディがいぶし銀の如き演技で魅せる。
仲間が、バイク事故で亡くなった時は、キッチリ花を贈り、両親から花を受け取られなくとも、葬儀にはビシッと棺の両側に整列し、両親から憎しみの目で見られ、唾を掛けられても姿勢を変えない姿は、アウトローとしての漢気を感じるのである。
・仲間とは、頻繁にバーベキューを開き、”ハッパは良いが、ヘロインは駄目だ。”(どっちも駄目だ!)などと真面目な顔で語っている。
だが、1960年代からベトナム戦争の影響もあり、ヘロイン、LSD、スピードと言った合成麻薬が流行したのは、ご存じの通りである。
・ベニーが、”ヴァンダルズ”のシマ以外の店で呑んでいて絡まれて、足の健を切られるも松葉づえでジョニーが誘う場に来たり、何だかんだ言いながら、アウトローバイク集団”ヴァンダルズ”の結束は固いのである。
だが、ベニーは変わりつつある”ヴァンダルズ”の姿を見て、何処かに消えるのである。妻、キャシーの家からも。
この一連の物語をキャシーを演じたジョディ・カマーがモノローグ風に語る手法も良い。
■だが、時の流れによりアウトローバイク集団”ヴァンダルズ”に且つて入りたがっていた若造が、ジョニーに戦いを申し入れ、若造は卑怯にもジョニーに対し拳銃をぶっ放すのである。このシーンは一時代の終焉を表し、アウトローバイク集団が只のギャング集団になった事を示しているのである。
<その事を知ったベニーが、急遽キャシーの家に戻り、足の健を切られた時には涙一つ見せなかったのに、キャシーの隣で涙を流すシーンは沁みたなあ。
そして、彼は”ヴァンダルズ”を抜け、キャシーが兼ねてから望んでいた車修理工場をキャシーの従弟と新天地で始めるのである。その時のベニーの表情には柔和な笑顔が浮かんでいるのである。
今作は1960年代の時代の流れと共に変遷するバイク集団の姿を描いた切なき作品なのである。>
単車版グッドフェローズ
モーターサイクル・エンプティネス
面白かったよ
写真集にインスパイアされて作ったというだけあって、 本当に日常を切...
写真集にインスパイアされて作ったというだけあって、
本当に日常を切り取ったような映画だった
この頃のバイク乗りの日常、
その他大勢の人たちにとってはあんまり普通じゃないかもしれないけど
大きなことも小さなことも淡々と進んでいくのが良かった
プラピにも迫る色気
人のつくる組織の強さと弱さ
ダニー・ライオン(「Lyon」なのでこの発音が正しい。本サイトの概説は過ち)の写真集にインスパイアされた作品。エンドロールで表示される実際の写真を見ると、本作では、当時のファッション、風物が再現されるとともに、写真集に現れる人物の多くがモデルとして意識されているようだ。写真家自身も映画に登場して撮影し、またインタビューする姿が描かれている。他の人からもインタビューしているシーンはあるが、ジョディ・カマー演ずるキャシーのインタビュー部分が多く、数回に渡る彼女からのインタビュー=彼女の視点がそのままクラブの歴史を物語る構造となっている。
1953年の映画、マーロン・ブランドの「乱暴者」(あばれもの)を観たジョニーたちが地元のバイク乗りたちを集めてつくった「クラブ」が映画での「ヴァンダルズ」のもとであって、少なくとも60年代の終わりくらいまでは疑似家族的な集団だった。リーダーのジョニーが父親であり、キャシーをはじめとするメンバーの妻や恋人たちが母親的な役割を果たす。ベニーのようなメンバーたちはいわば「キッズ」の位置づけで、父親に盲従し、母親には巧みに手なづけられ、家族=組織としての規律は保たれる。
しかしながら、組織が大きくなるにつれ、父親や母親の管理は行き届かなくなり、より功利的な方向に組織論理が進み始める。元々が社会からはみでかけている者たちの集まりだから、犯罪に手を染めるようになるのは必然であった。こうして実際の歴史でも各地のモーターサイクルクラブがギャング化するようになったようである。
このあたり組織の変化や人の心の動きが私にはとても面白かった。
ジョディ・カマーのみならず、トム・ハーディ、オースティン・バトラーもそれぞれの存在を巧みに演じており見事である。
バイクに関心がない人でもいろいろな観方ができて面白いと思う。おすすめ。
イケオジ祭はココで開催中‼️
バイク乗りの男たち……タイトルはそう。
だけど一括りには出来ない。
バイク乗りにもそれぞれ考えがあったり熱量の違いがあったり家族があったり実際には様々。
そこに時代の流れとか他との兼ね合いとか外部要因も重なってくるとヒッチャカメッチャカ。
でもそれって普通のこと。誰もが経験してるはず。
それをバイク乗りそのものではなく、間近で(巻き込まれながらも)ずっと見守ってきたキャシーの目線で語られる本作。その語り口のセレクトがめっちゃ良き✨
そして、とにかく渋いっ!トムハぁぁぁぁぁ!トムハぁぁぁぁぁ!トムハぁぁぁぁぁ!!声の高さが少し高めに調整されたみんなのアニキ。良き良き💜
そして、オースティン❤ というかジミー❤ ❤
いや、どっちも素敵過ぎた❤ ❤ ❤
ジミーの風貌は学生のときに付き合ってた彼氏を思い出させた。
でも変だな。当時はテリー伊藤みたいだと思ってたはずなのに……
往々にして想い出ってのは美化されがち、ってことね😂
👇️👇️👇️
最後の最後でキャシーとジミーがニヤっとしたように思えたけど違う……あたしの見間違いよね??
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