劇場公開日 2024年11月29日

ザ・バイクライダーズのレビュー・感想・評価

全61件中、1~20件目を表示

4.0言い尽くせぬ儚さとノスタルジーが込み上げる

2024年11月30日
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鑑賞方法:試写会

ジェフ・ニコルズが創り出す映画にはノスタルジーを感じさせる映像の美しさとアウトサイダーの心理模様が同居する。私はバイクへの憧れなど微塵も持たない人間だが、それでも本作が描く60年代、疎外感を抱えた個々がバイクに思いを重ね、繋がりあい、価値観や居場所を共有する生き方には共振を覚えるし、一方でそれが制御を失い道なき道を暴走し始めた時の恐怖や危うさもわかる気がする。そうした目で見た時、この映画には何かしらの普遍性と、もう二度とはそこに戻れない儚さや痛みがあふれているのを感じた。まるで古いアルバムをめくるような感覚というべきか。ニコルズ監督流の落ち着いた語り口と構成、ベニー、ジョニー、キャシーが織りなす両者一歩も引かない人間関係も親しみを抱かせる要因となろう。特にトム・ハーディの役柄にはマッチョな体の中の繊細なハートを感じた。過去を美化するのではなく、現在地も含めて人を包み込む視点がここにはある。

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牛津厚信

4.0これは大好きだった

2025年1月7日
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鑑賞方法:映画館

1965年から70年代初頭、シカゴのバイクライダーたちの日常、そしてモーターサイクルクラブの栄枯盛衰を描いた傑作。

昨年公開ということで、2024年の「イケメン大賞」をオースティン・バトラーに、そして「いい女大賞」をジョディ・カマーに差し上げたい。

そう、トム・ハーディもカッコよかったけど、この二人が好き過ぎた。

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エロくそチキン2

3.5主役三人の魅力が堪らん

2025年1月4日
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鑑賞方法:映画館

マッドマックス的な?暴力要素もありつつ、主要三人物の関係性がいい塩梅で描かれている良作!

新年一発目。本厚木kikiで鑑賞。

トム・ハーディ演じるジョニーがハマり役。
口数が少ない無骨な役が似合う。

本作の語り部キャシー役のジョディ・カマー。クラブの外側からの(一般人のドン引き)視点、ベニーへの感情に翻弄されながら自身の強さもみせる魅力的な役。

そして主役のオースティン・バトラーはDINE2のフェイド・ラウサでしか知らなかったけど、紙を生やすと超絶男前。無口でケンカっ早いが魅力に溢れるベニーにフィットしてた。後半出番があまり無いのが残念。

演出面では、カットの繋ぎでの音楽の使い方が絶妙。これでシームレスに次の場面に繋がる。
サントラが欲しくなった。

実話ベースなので、結末はスカッととはいかないが、余韻を感じれるいい映画だった。

一点、自分が観た劇場の都合なのか、元々の映像がそうなのかは分からないが、スクリーン上下に余白が入ったのだけは残念。
画で魅せる映画なので、そこがノイズになるのは勿体無い。画面がとても小さく見える。

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Duchamp

4.0全てがカッコいい

2025年1月3日
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鑑賞方法:映画館

全てがカッコいい時代上手く描けてる。バイクチェイスシーン少ないの残念。ほぼ飲んだくれてる

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ムロン

4.5トム・ハーディの男臭さ

2024年12月31日
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鑑賞方法:映画館

 「俺は誰にも頼りたくないし、誰からも頼られたくない」ベニーが発した言葉にグッときた。世間の規範から自由でありたいと思って参加していたクラブがいつの間にかメンバーにルールを強制する組織に変容してしまったことへの苛立ちと決別の気持ちが固まった瞬間なのだろう。

 オースティン・バトラーのワイルドな色気がビンビンにスクリーンから伝わってくる。キャシーと付き合っていた彼氏が、尻尾を巻くように出ていってしまうのもよく分かる。どう見たって、勝ち目がない。デューンPART2といい、オースティン・バトラーが覚醒してきた。

 年末の見逃し枠として鑑賞したが、かなりの傑作でございます。

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bion

4.0バイクの魔力と陶酔感をシーン一つで理解させてしまう一作

2024年12月30日
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鑑賞方法:映画館

実在のバイク集団「ヴァンダルズ」の誕生から変質までを描いた作品。ヴァンダルズのリーダー、ジョニー(トム・ハーディ)と若きメンバーのベニー(オースティン・バトラー)、そしてベニーのパートナーであるキャシー(ジョディ・カマー)の関係を中心として物語が展開します。

タイトルやキービジュアルから連想するほどにはバイクを乗り回す場面は多いわけではなく、むしろヴァンダルズを構成するメンバーの人となり、あるいはグループとしてのやや粗暴で破天荒な行動原理の描写に重点を置いています。

ひたすらバイクを乗り回す映画を予想しているとちょっと意外な方向性に思うかもしれませんが、時間的には短いバイク場面の迫力は尋常ではありません。白眉はキャシーがベニーとともにヴァンダルズのメンバーと並走する場面。

キャシーがこれまで全く興味を持っていなかったバイクの魅力に目覚める重要な場面なのですが、鳴り響くエンジンの鼓動は、4DXでもないのに全身を揺らすほどの迫力で、キャシーの陶酔感を観客もダイレクトに共有できます。ごく短いこの場面で、「もう料金分の体験できた!」と思ってしまうほど。

バイカー達の、ほんとに拳しか語る言葉がないんかい、と言いたくなるような粗暴だが妙な明るさのある振る舞いは、その後の変質を踏まえると妙な寂寥感にも満ちてもいました!原案となったヴァンダルズの写真集もぜひ見てみたい!という気にさせてくれる作品です。

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yui

2.5よくできた雰囲気映画

2024年12月19日
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鑑賞方法:映画館

単純

寝られる

とにかく、オースティン・バトラーが部屋の隅やバーカウンターで格好つけてるだけで地蔵のように動かない。真の自由を愛する男だからという設定なのだが、たまにキレる以外特に何もしない存在なので、主人公としての魅力がまったくない。完全にトム・ハーディに喰われてしまってる。

かたや、そのトム・ハーディもいかにもトム・ハーディくさい演技しかしないし、ノーマン・リーダスもしかり。クラブのメンバーたちについても、各々経歴が語られたりするのだがどれもキャラ立ちせず薄い。演出にはかなり欠点があると思うが、ジョディ・カマーにインタビューしてクラブの過去を語ってもらうという構成はそこそこ成功していたと思う。

音楽は既成曲ばかりだが、なぜこのシーンでこの曲なのかはまったく分からなかった。バイク乗りの人なら分かるのかもしれないが。

ウェルメイドなそこそこよくできた映画だと思う。が、テンプレートに乗っかった雰囲気だけの本当に退屈な映画でもあると思う。

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エリセ

4.5俺はこの世界観、好きやな。 必要以上にはなく、全てが当然の形で。 ...

2024年12月19日
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鑑賞方法:映画館

俺はこの世界観、好きやな。

必要以上にはなく、全てが当然の形で。

かっこよかった。

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Daichi Kitakata

4.5この映画『ザ・バイクライダーズ』のサブタイトルは「駆け抜けた、儚い...

2024年12月17日
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鑑賞方法:映画館

この映画『ザ・バイクライダーズ』のサブタイトルは「駆け抜けた、儚い永遠」だ。

なのに勝手に考えたサブタイトル
「オッサン達の青春」
「男が涙を流す時」
「バイク乗りたちの黄金時代をえがく」
「このクラブは俺が築いた家族だ」
「妻の愛情か 男同士の友情か?」
「俺は誰にも従わない」
「死ぬ時はバイクに乗って死にたい」
「いつか抜けて白バイに乗るんだ」
「本当は支部なんて、作りたくなかった」
「拳か?ナイフか?」
「あたい 5週間後には結婚よ! ね!」

・架空のモーターサイクル・クラブである「ヴァンダルズ」の栄枯盛衰をえがいてるが、モデルは実在の「アウトローズ」と言う巨大バイクグループ。
・ノーマン・リーダスは「ウォーキング・デッド」のスピンオフ・ドラマ「ダリル・ディクソン」の撮影と重なってる為、パリとオハイオを行ったり来たりして撮影したそうな。

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ナイン・わんわん

5.0ベニーも良いけどジョニーもね!

2024年12月16日
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鑑賞方法:映画館

元祖暴走族のお話でしょうか?
暴走族のバイクはハンドルが高くてふんぞり返って乗るものだと思っていました。
元祖は違うんですね。
普通に座っていて、ハンドルがやけに低くて。
何かに似ていると思ったら乗馬の姿勢ですよね。かっこ良いです。
バイクに釘付けでした(^_^;
ベニーの若さに嫉妬しながらも(奥さんのキャシーが可愛いんだわこれが)
ジョニーの渋さにおじさんも捨てたもんじゃないぞと、組織を束ねていくのは大変なんだぞと、元中堅管理職は小さくガッツポーズしてしまいました。
然し、ジョニーの危機になんでヴェノムは来ないんだ、、、
若造なんかにやられて世代交代なんて、なんか悔しかったです。(~_~;)

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亀

3.5ヘルメットという概念がない

2024年12月16日
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鑑賞方法:映画館

くらいの古き良き?法令非遵守な時代の物語。バイク乗り(ハーレー)なので見たくてしょうがなかった。ルポライターの本に基づいているらしく、ド派手なアクションや奇抜な脚本ではないところが興味深く見れた。

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maku1

3.0黄金時代の終わり

2024年12月15日
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悲しい

他とは少し違う荒くれ者のベニーと出逢いスピード婚をしたキャシーが、ヴァンダルズとメンバー達についてのインタビューを受けながら、これまでの物語を見せていく作品。

ベニーに惹かれ結婚したものの、やはり彼の危うい生活に不安を覚え…。わかっていたことではなかったか。

かくいうワタクシも男の子。ワルな感じに憧れる気持ちはまぁ分からなくはないですね(笑)
そしてピクニックって、何かの隠語かと思ってたら割とホントのピクニックなのねw

そんなこんなで、酒にタバコに喧嘩に暴走。でも、ホントにヤバいことは仲間の為だけだし、彼らも彼らでやはり何か思う所があった人生だったのでしょう。時折見せる淋しげな彼らの瞳にはそれぞれに過去が隠されているのかな〜と。

そして、いつの時代も親御さんは大変。
ジョニーに対する思いもわかるが…彼はクラブを家族と思っていたわけで。。

何ともやりきれない気持ちになる。

また、強き漢が不安定になっていく様も印象的。やはり組織は大きくなりすぎても問題は起こるし、誰にも見せない繊細な一面を唯一みせれたのが…。
結局彼はヴァンダルズをどうしたかったのだろう。

バイク黄金時代の終焉…。バイクに乗らないワタクシにも、強くも1人では生きられない荒くれ者達の日々を通し、深い郷愁を感じさせてくれる、そんな作品だった。

しかし、鉛筆おじさんは流石に可哀想すぎた。
あの場面だけはヴァンダルズを少し嫌いになってしまったw

エンディング曲も良い感じでしたね。懐かしき時代のパンクフレーバーが感じられ、本作にピッタリでした!

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MAR

4.5一筋の愛を込めた眼差しが救いとなる

2024年12月13日
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鑑賞方法:映画館

打ち切り寸前、滑り込んで鑑賞
期待以上の作品でした♪

実在した伝説のバイクライダーズクラブの誕生から犯罪組織へと変貌してゆく様を縦軸にして、ありがちなモーターサイクルマシンにまつわる男のロマンや憧れ、反骨心あふれるアウトロー達をタフなヒーロー化する事もなく、人としての弱さに容赦なく冷徹な視線を浴びせつつも、ベースとなった写真集、写真家と同じく、一筋の愛を込めた眼差しで間近でじっくりと見つめるスタイルが上質なドキュメンタリー作品のような風格をこの作品に与えていると私は思います

サブカルチャー史に名を残すライバルのバイカーズ「ヘルズエンジェルズ」とも共通な成り立ちで、バイク好きがつるんで走る同好者の集まりから暴走族化し、やがてFBIから監視対象の凶悪犯罪を行うギャング団へと変質し、倫理的に墜落してゆく端緒を描くこの作品は人間の本能が持つ弱点と愚行も浮き彫りにして、個人的にはとてつもなく興味深かった

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あさちゃん

4.0バイクの魔力、若さの力、そして老いと生活……

2024年12月11日
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鑑賞方法:映画館

かつてバイク乗りだった一人の人間として、なんとも複雑な感情で見ました。

ベニーやジョニーほどの入れ込み具合ではなかったですが、かなり長い時間バイクと人生を共にして、ヴァンダルスほどのチームではないですが、ツーリング仲間たちとつるんで楽しんでいました。

バイクには他の乗り物にはない魅力があるんですよね。
そして仲間たちとの絆も深まるし、その輪が広がれば、仲たがいして分裂したりすることもある。

私自身結婚して子供ができて、バイクに乗る時間が無くなり、結果的にバイクから降りてしまいました。できれば、エンジンのバイクが買える間にもう一回乗りたいと考えていますが、なかなか難しい。

ラストシーンでベニーとキャシーが見せるほんの一瞬の笑み。
その意味をしみじみと味わっています。

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よして

3.5タバコを美味しそうに吸う

2024年12月10日
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オースティン・バトラーがかっこいい。
タバコを美味しそうに吸う。

ドキュメンタリータッチで淡々と進むので、諸行無常を感じる。
ポスターが100点なだけに、ハードルを上げすぎてしまったかなというのが素直な感想。

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モロもろきゅう

3.5音がカッコいい

2024年12月10日
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興奮

バイク好き集団からギャングへの転換期が舞台。初っ端のバイク音にため息が出そう。迫力ある排気音がバイク好きにはたまらない。ネイキッド派なんだけどアメリカンに乗り換えたくなりました。酒飲んだりノーヘルだったり、危ないけどカッコいい憧れのスタイル。

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ショカタロウ

3.5100

2024年12月9日
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幸せ

渋くて儚くて硬派

バイクで集結した時、マッドマックスかと思った笑

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yougo!!!

3.5一応バイク映画の体裁ですが

2024年12月9日
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悲しい

怖い

興奮

1960年代中〜後半、シカゴのバイク集団「ヴァンダルズ」をめぐる、ちょっと年のいった不良達の青春残酷物語。
主人公ベニーとクラブリーダーのジョニーのブロマンス、そこにベニーの妻キャシーが加わった三角関係を軸に、インタビューに答えるキャシーの回想という形でストーリーは進んで行くが…
もうぶっちゃけ、ひたすらオースティン・バトラーを愛でる映画ですよね、これ?
なのであまり深く考えず、ジェームズ・ディーンばりに繊細さと狂気と色気を振りまくオースティン・バトラーを堪能するのがよろしいかと。
当時のバイカーズ・ファッションもカッコ良いです。

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黒猫グロム

4.0バイカー集団の盛衰

2024年12月9日
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鑑賞方法:映画館

怖い

監督のジェフ・ニコルズが、アメリカの写真家ダニー・ライオンの写真集「ザ・バイクライダース」(1965~73)に触発され、社会の枠外で生きるアウトサイダーたちの姿を映像で蘇らせようと試みた作品である。
実在した「アウトローズ・モーターサイクル・クラブ」は、映画の中では「ヴァンダルズ」という架空の存在に置き換えられている。。
物語は、キャシーのナレーションで進行する。ベニーとの出会いから結婚、そして、2人の運命にかかわってくる「ヴァンダルズ」のリーダーのジョニーについて語りはじめる。彼女は映画では主人公といってもいいほどだが、写真集には彼女が大きく髪を膨らませた流行のヘアスタイルで鏡の前にいるのを捉えた1枚しか収録されていない。
映画が描くのは、バイカーのライフスタイルに共感して集い合った男たちが、バイクが好きな仲間と時間を過ごすのを純粋に楽しんでいる60年代から、やがて、グループが麻薬密売や殺人に関与する犯罪組織へと変貌していく70年代までである。その頃になると組織が攻撃的で暴力的になり、みなが散り散りばらばらになっていく。象徴的なのが、麻薬中毒のベトナム退役軍人が仲間入りしたことで、グループの空気が荒んでいくところ、バイカー集団の盛衰は、アメリカの近代史を写す鏡でもあるのだ。
日本の暴走族とは異なり、アメリカのモーターサイクル・ギャングは、かなり年齢のいったメンバーも珍しくない。しかし、アウトローを標榜して自由にハイウェイを爆走しているだけでは生活が成り立つわけではないから、コミュニティを作って自分たちの居場所を確保しようとする。ただ、暴力で維持されている組織は、やがて先鋭化し狂犬化した若者たちに手ぬるいとみなされ凌駕されてしまう。
ニコルズ監督は語る。「一部のアウトサイダーはサブカルチャーに惹かれ、そこで面白いことが起こる。サブカルチャーは新しい芸術が生まれる場所だ。そして必然的に、そうしたサブカルチャーはメインストリームに吸収され、その影になる」

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ミカエル

3.5これはこれで良いと思う。

2024年12月7日
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鑑賞方法:映画館

色々足りないと思う所もある。
でも一周回って「これはこれで良い」と思う。

オースティン・バトラーとトム・ハーディ、信じられないほどカッコ良いではないか。バイク乗り達が生きた古き良き60年代の世界観も素晴らしい。余計な台詞もなく、シンプルでストレート。実に潔いじゃないか。実は僕もバイク乗りだが、革ジャンとデニムジャケットの重ね着をこれほどカッコ良いと思った瞬間はない。バイクを見ても時代を感じる。

またストーリーテラーを妻のキャシー(ジョディ・カマー)がしたのも良かった。当事者じゃなく妻の第三者目線で語られた事で物語が「バイカーの寓話」として味のあるものに仕上がったように感じた。物語が全体的にほど良く「リアルじゃない」のが逆に効果的なのだ。ジョニーがトラブってると気づいたらベニーは何の躊躇なく相手に殴りかかる。今の時代では考えられないが、こういう「見る前に跳ぶ男」が魅力的なのも確かだ。それが良いか悪いかは別にして、迷いなく行く姿を見て仲間は絶対的に信頼するのだ。良いか悪いかは別にして(笑)

ラストは好みが分かれる所かも。僕は基本的に「破滅型」が好きなので散ってもらっても良かったのだが(笑)、こういう終わり方も悪くないと思う。激動の60年代が終わり、70年代の新しい生き方に変わって行ったという意味があるのかどうかは分からないが。

とは言え「バイク乗りの精神」なんて「生き方がロック」と同じくらい抽象的な話でもあるわけで、そんな映画が今のこの時代でも意外に評価されている事を少し嬉しく思う。

サラッとカッコ良い映画でした。

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luna33