「アウトロー・ダイアリーズ」ザ・バイクライダーズ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
アウトロー・ダイアリーズ
1960年代~1970年代、シカゴを拠点とした実在のバイク乗り集団“アウトローズ・モーターサイクル・クラブ”。
彼らの姿を捉えた写真家による写真集からインスパイアされた作品。
モデルとなったバイク集団も知らない。作品の基となった写真集も知らない。そもそもバイクにすら興味ない。
ただただ旬のキャストに釣られて鑑賞。
そんな私でもこのバイクに乗れるのか…?
不良やバイクとは無縁の生活を送っていた真面目なキャシー。
ある日、クールなバイク乗り、ベニーと出会う。彼は地元のバイク乗り集団の一員で、束ねるジョニーの右腕的存在。
が、群れる事を嫌う一匹狼。そのワルな魅力ある惹かれたキャシーは、僅か交際5週間で結婚。
やがて集団は“ヴァンダルス”という本格的モーターサイクルクラブに発展、勢力を拡大していくが…。
ハイ、ズバリ、日本のヤンキー映画まんま。
ワルな男たち。
いけないと分かっていても、危険な恋に落ちてしまう。
熱い生きざま。孤高の生きざま。
勢力が拡大する一方、内部は分裂。ライバルグループとの抗争。
ジョニーとベニーの友情も…。
キャシーとベニーの関係も…。
走り続けた彼らの終着点は…?
旬のキャストが60年代~70年代のアメリカを疾走する。
後のキャシーの回想インタビュー形式。キャシーの視点で語られていく。
ジョディ・カマーの美貌光るが、本作はやはり男たちが魅力を放つ。
トム・ハーディの男臭さ。
何よりオースティン・バトラーのワルな魅力と色気は同性でもKO級。こりゃ惚れるなというのは無理。
トム・ハーディはマッドなアクションのタフなイメージ、オースティン・バトラーは伝説反骨児のイメージもあり、バイク乗りアウトローはぴったり。
古き良きアメリカへの郷愁。
アウトローたちの何処か切なく儚い栄光盛衰。
キャスト(特にオースティン)もしびれるほどカッコいい。
それらはいいのだが…、
話や作品の作りはちと乏しかったかな、と。
もっとバイク・アクションがあるのかと思いきや、そうではない。
そもそもバイク・アクションがメインの作品ではなく、バイク乗りのシーンもそう多くなかったような…。
監督がジェフ・ニコルズなので、エンタメを目指した作品ではない。
インディーズ・シーンで活躍し、本作は1960年代や1970年代の米インディーズへのラブレターのようにも感じた。
抗争や友情の亀裂などドラマチックな面もあるが、アートの雰囲気漂う。
バイクの魅力より、若者たちの姿にフューチャー。
バイク・ファンには様々なオールド・バイクが登場して唸らせる一方、もっとバイクを見たかったという不満もあるだろう。
バイクに興味無い私から見ても、つまらなくはなかったが、結局何を特に見せたかったのか、今一つピンと来ず…。