「男っていくつになっても子供な生き物」ザ・バイクライダーズ regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
男っていくつになっても子供な生き物
60年代のアメリカに実在したバイク集団「アウトローズ・モータサイクル・クラブ」の日常を架空のバイク集団「ヴァンダルズ」として映像化。
序盤こそ単なるバイク好きなヒャッハーで陽気な連中のパーソナリティな面を垣間見れるが、次第に道程が危うくなり人数が増えていくにつれて統率が取れなくなり、知らず知らずのうちに“道を踏み外して”しまう。「こんなはずじゃなかったのに…」と離れていくメンバーは、ベトナム戦争を機に社会への不満を爆発させる70年代以降の若者達を投影しているのかも。そのあたりは、メンバーの1人を演じるマイケル・シャノンがイイ味出してた。
ヴァンダルズのリーダー役のトム・ハーディもハマっていたが、何よりもオースティン・バトラー扮する喧嘩っ早い若者ベニーがギラギラしてた。そんなヒャッハーな男共に振り回されるのが、ベニーの恋人キャシーを筆頭とする女性達。口に出さずとも、「男っていくつになっても子供」な生物なのだ。
ちなみにエンドクレジットで流れる曲「Bikeriders」は、ベニーとキャシーの関係をそのまま表したもの。歌っているバンドであるルセーロのヴォーカルのベン・ニコルズは、本作の脚本兼監督であるジェフ・ニコルズの実兄。
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