ひゃくえむ。のレビュー・感想・評価
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作画は良いが脚本はひどい
まず、良い所を挙げるとすればアニメーションや演出がすごく良くて、作画を凝っているのがよくわかった。特に雨の中の大会のシーンなんかはとても良かった。しかし、原作を読んでいる身からするとかなりがっかりする所が多かったように思う。1つは、声優ではなく俳優も起用しているからか、明らかに棒読みなキャラがいくつかいて最初はうまく作品に没頭できなかった。そして、最も酷いと思ったのは106分にまとめているせいか、そもそもの物語の改変や原作だとすごくアツかったシーンが変にカットするせいでただのシーンとして流されている場面が多かった。そのせいで「ひゃくえむ。」らしさがでていなくてただ「ひゃくえむ。」を模倣した別の作品のようだった。映像にお金をかけているのはわかるので予算的な面もあるのかもしれないが、そうだとしてもそこまで改変されるならもっと上映時間を伸ばすとか、原作としてそのまま放映して欲しかった。「ひゃくえむ。」が好きでかなり期待していただけにかなりがっかりでした。
極上の(ほぼ)10秒を完璧に体現
原作大ファンです。公開初日に映画観たのは初めてかも。
結論からいうと想定以上の原作レイプ。アメフト部ないので、浅草さんを評するあの大好きなセリフが無くなってました。
まっさらな状態で観てみれば最上級のスポーツアニメです。100メートル走なんてものを映像でどう描くんだよと思ったら、なんとほぼリアルタイム、スローモーションを用いても長くても20秒くらいで、文字通り駆け抜けます。極上の(ほぼ)10秒が完璧に体現されていました。
ちょっとコミカルな表情、会話劇も原作ファンからしたら新鮮で、色んな層から受け入れられそうな作品です。初日にも関わらず一番小さいスクリーンでしか観られなかったのは残念ですね。もっと大ヒットしてほしいです。
距離に懸けてきた男達の熱に圧倒された
小学生の時や高校生、成人した時でトガシと小宮の関係がどんどん逆転していくが、最後は二人とも小学生の時みたいにガチで走っていて、すごく見ごたえがあった。
トガシも小宮も、最初はただ全力で走っていたが、歳を重ねるにつれ段々純粋な気持ちで走れなくなっていく。新記録が出せないプレッシャー、記録のために計算をしたりスポンサーに見限られないか不安になったり。だからこそ、ただ自分を信じて記録を気にせず走った海棠の姿が響いたし、それはきっと財津も同じだから引退したのかなと思った。
「不安は対処すべきではない」とか、「100mを誰よりも速く走れば全部解決する」とか、「現実は逃避できる」とか彼らのこれまでの人生が詰まっている言葉の数々がすごく心に残っている。生きる上で大事な事を教えてもらえた気がする。
陸上どころかスポーツ全般に興味がなくとも楽しめる
多分、スポーツものとしては「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」の方が(見た目はアレだが)王道な作り。ライバルとの出会いで始まる物語だが、あくまでお互いは触媒に過ぎず、様々な思想を持った選手たちが孤独に、ひたむきに100Mを走り抜ける。少年、青年、大人の3時代を通して成長ではなく、怖いもの知らずの神童が、愛想笑いの上手いおっさんに成り果て、引退を迫られる過程を残酷なまでに描き出す。強い意志を持って王道を外し、一息には呑み込めない過剰な思想を宿し、それでいながら「陸上競技」しかも「100M短距離走」を描く必然に満ちた傑作として成立している。ロトスコープでリアルに描いた身体に対し、男たちが走りながらに浮かべる「表情」…いや「形相」はアニメ的迫力に満ちている。ブツリ、と断ち割ったような終劇を支える、あの2人の最後の表情!また、中盤の長回し風の「高校大会決勝」の一連のシークエンス、雨の中グラウンドに入場するところから、走り切ったその後までをじっくり描き切ったあのシーンは、BGM含めアニメ史に残る迫力で、必見。
日本映画業界のシステムの悪さが出た映画
原作読了済で鑑賞しました。
全5巻の尺を106分にかいつまんでいるのでアッサリした印象を受けましたが、アニメーション作品としての強み、劇中曲の素晴らしさで概ね満足でした。
しかし、声優ではなく俳優を主人公の声に選んだ事、
企業の都合で所属グループの曲を起用。この2つは本当に悪手なんだな…としみました。
劇中曲が良かっただけに「♪ら〜しさ」とか間の抜けた曲でガッカリ…
トガシは思ったほどは気にならなかったのですが、小宮の舌っ足らずな感じが幼稚に映りとても気になりました…小宮はほとんど喋らないのに話すたびに気になるので尚更マイナスと感じました。
アニメーション部分は動きが素晴らしくて走るさまが美しく一年をかけた長回しのシーンも圧巻でした。
アニメ部分がものすごく頑張ったのに結局この2点でマイナスになってしまうのは本当にもったいないと感じました。
アニメの映像表現の可能性。
魚豊さんの『チ。』をアニメで
全話拝見していたので、
予告が出てから必ず行こうと
決めてました。
絶対面白かろう。
そして最高に面白かった、
今年は⭐︎2から⭐︎5まで
アニメ映画が良作そろいで
2025年は幸せです。
暗い、不安なニュースが多い中
日本のアニメ業界が力を発揮している
事が素直に嬉しい。
あの『音楽』という映画の監督さん
が抜擢されていることも、
興味を惹かれたもう一つの理由。
鬼滅の刃、チェンソーマン、チャオと
アニメ表現の素晴らしさを見せつける作品の
中、また別のベクトルで観客の
頭と心を芸術、技術、表現力で殴りつけてくる。
このままでは良い意味でバカになってしまう。
声優は俳優陣も起用。
しかし、個人的には違和感なく入ってきて、
素晴らしい。それぞれ主人公以外の登場人物も
リアルな感情の流れやドラマがあり
多少間延び間があった部分もあるが
中盤近くからそれ以降は目が離せない流れが
続く。
学生時代の雨の中大会の走るシーンの
流れのアニメ表現は本当に素晴らしかったし、
音楽も音楽の使い方も最高で興奮する。
それぞれの登場人物の言葉が
観客側に蓄積されて
最後の勝負であの2人が並んで走っていた
シーンは急に込み上げてきて
今まで読書しているようなじっくりと
人間ドラマを読み上げる時間からの
最後の10秒。
あの10秒がとんでもなかった。
沢山の方に見てほしい、
間違いなく面白い。
現実逃避の扱い方
「現実が何かわかってなきゃ、現実からは逃げられねぇ。現実に対して目を塞いで立ち止まるのと、目を開いて逃げるのは大きな違いだ。」
現実逃避で2強を追い抜いた海棠が一番存在感を感じた。
現実との向き合い方とメンタルケアの参考になった。
100mに狂わされた人たちの物語
生まれてから元々足が速かったトガシと、足は遅いけど走るのが好きだった小宮を中心に、100m走に狂わされた人たちの話。
天性のセンスで勝つのが当たり前な熱意はないトガシ。
現実から逃れるために走りまくる小宮。
子供・高校時代はスポ根漫画のような展開で熱くなった。
ただトガシが挫折した大人時代から、「なぜ自分は100mを走っているのか?」という哲学がメインとなる。
本作、地動説にまつわる漫画「チ。」の作者であるので、人生の意味を問うテーマは変わらず。
あらすじをほとんど知らない状態で観たのもあって、ここからの話がとても好き。
色んな人と出会い対話し、トガシが掴んだ100mを走る意味。ラストはなんだか二人が羨ましくなった。
別の映画ではあるが、2025年公開の「国宝」にも通ずるところがあった。
ひたすらに自問自答し何かを極める人は美しい。
でも正直、一番刺さったのはサングラスに髭面のおっちゃん。あんた生き様カッコ良すぎるよ。
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