ひゃくえむ。のレビュー・感想・評価
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原作との違いもあったが、10秒間に込めた選手の緊張と爽快感があり、...
原作との違いもあったが、10秒間に込めた選手の緊張と爽快感があり、天候や会場の雰囲気、足音、疾走感、汗、笑い、感動、が圧縮されていた。
省かれていた部分も他の製作者の力を込めたかったパートへ情熱が注がれていた。
自分も走っていた時の爽快感を思い出した。
100Mに全てを賭けた
何度でもみたい。
原作未読です
原作を知ってる人だと感想が変わるかもしれませんが、あの短い時間に複数のキャラクターの人生が詰め込まれていています
シンプルな100m走るという行為で人生の強弱や思い入れや乗り越え方がわかりやすく詰め込まれていました
何かに懸命に取り組んでる人ほど自分の取り組み方や躓いた時を比べ刺さるかもしれません
特になにもしていない人でも、懸命に取り組むとはどういう事かをいろんなタイプのキャラの目線で見れて、ちょっと自分もなんか頑張ってみようかな?と思えるかもしれません
誰でも経験のある走るというシンプルな行動だからこそわかりやすく、つられてもう一歩ぐっと踏み込んで…!とか見てて力が入るのも躍動感あって楽しかったです
今年15本くらい映画観てますが、堂々3本の指に入る良さでした
天才像について考えさせられる
陸上にはあまり興味がない。世界陸上も結局観ないまま終わっていた。でも、100メートル走だけは観ていて面白いと思う。10秒で決着がつく世界。過酷な練習と鍛錬を積み重ねてきたのに、たった10秒で栄光と挫折が決まるってのはなかなかドラマティックだ。多くの人にとって、「速く走る」ことに対して強い憧れを持っていることもその魅力に影響しているかもしれない。私も足が速いわけではないので、かつて速く走れる友人への憧れを持っていた。
本作は、「速く走る」ことを追求する者たちの物語。100メートルを人よりも速く走るだけの競技が持つ高揚感と虚無感が描かれる。そこには自分よりも速く走ることのできる人間に対する嫉妬や羨望が入り混じる。なかなか濃くて熱い人間ドラマを楽しませてもらった。
天才と秀才の違いは何かと考えてしまう物語でもある。トガシは小中学時代はまぎれもない「天才」。それに比べ、小宮はあきらかに才能がないように見えた。そこがどう変わっていくのかが見もの。やはり「努力しつづけることができる」のも才能だということ。たとえそれが現実逃避だとしても。天才像について考えさせられる物語がまた一つ増えた。
ストーリーだけでなく、映像も結構楽しめた。スタート前の選手の動きは妙にリアルだし(人の動きをトレースして作成した?)、レース中の選手たちの走る姿はアニメ的で迫力があった。あのレース描写は、洗練されているわけではないが、無骨で躍動感があった。アニメってリアルなだけじゃダメなんだよな。アニメの表現の広がりを感じる映画だった。
人生の岐路に立つ時にまた観たくなりそうな作品
ストーリーの主人公は小学校の頃から走るセンスのあったトガシという青年です。
作中は100メートル走選手として走り続けるトガシの選手人生と、その道筋で関わる仲間の苦悩と自身の苦悩をこれでもかとぶつけられます。
これまでアスリートの「ア」の字もかすってこなった自分としては、アスリートの生きる世界はこんなに過酷なのかとちょっとおののきました。
印象に残ったシーンは、雨の大会のスタートのシーンです。どしゃ降りの雨の中、スタート直前にひとりずつ選手が呼ばれスタート準備をする時の選手の動きに個性がアニメーションから見てとれてまじまじと見てしまいました。
どのキャラクターも十人十色個性的ですが、特に万年二位のカイドウが好きで終盤の展開は特に熱くなりました。
100メートル走と、何年にもわたる2人の青年だけに絞ったストイックな作りが素晴らしい!
原作を見てみたいなと思わされました
100m走って映画化できるんだ
何のために走るのか
たしかに、何のために100mを走るのかっていうのは言われてみないと分からない。
それに人生をかける人達の狂気はすごい。
100mを駆け抜けた先にある幸福感のある表情はラストとしてとても良かった。
走る前の印象的な音楽と構図が良い。あんだけ溜めて、100mはたった10秒の世界。
特に好きなのは高校時代の4×200リレー。練習シーンから王道の展開でとても良かった。
心理描写をかなりカットしてポンポン進んでいた印象がある。3時間の映画にしてもいいからもっと登場人物の心情が語られても良い。
何のために走るのか、それは人それぞれ。それぞれの正解がある。たぶんどんな仕事でもそう。自分が納得できる正解をもっていれば、それで良い。
そして最後に全部持っていった感のあるヒゲダン。
やっぱりヒゲダンはすごい。
好きじゃないところはなかったです。
いいねー!
走る哲学者たち
小学生の時から禅問答を繰り返す主人公たち。
「たいていの問題は100mだけ誰よりも速ければ全部解決する」
このシンプルな真理を友人に語れる小学生はすごいです。
作画が斬新です。
ワンカットの長尺で描く雨中のレース。
空を見せて足音だけでスタートからゴールを描くレース。
世界をリードしてきた日本のアニメが立ち止まることなく、更なる進化を見せていることはうれしい限りです。
クライマックスのレースで医者に止められながらも出場を強行する主人公と東京世界陸上に出場した北口選手を重ねてしまいました。北口選手もケガ明けで本当は出場できるような状態ではなかったでしょうに、スポンサーを多く抱えてしまうと欠場も簡単にできなくなってしまうんですね。
トップアスリートに憧れていましたが、こういうのを見てしまうと自分はスポーツ選手になれなくてよかったなと思います。
この濃密なストーリーにハマってしまったので、原作も読み始めました。
楽しめました
"走る"ことを通して形成される彼らの価値観
もうこれで終わってもいい…
チ。や、ようこそFACTへの魚豊。これがデビュー作なのかというくらいおもしろい、ひゃくえむを映画化。バクマンを観てマンガ家になったというから、若い人ですね。
原作を改変して106分に仕立てあげたのはいい判断。アスリートの活躍できる時間は短い。特にメジャーではない競技はより華々しさは一瞬だ。それを100m走を題材にすることによって、その儚さがより際立つ。10秒足らずで世界が決定づけられるから。
音楽演出もとても良く、走っている時、観てるこちらちも疾走感が駆け抜けてゆく。アニメでは珍しくスポーツメーカーの協賛もあるところもプロデューサーががんばったのかな
ラストのキレは最高でした。松坂桃李くん、めちゃうまいな
最近映画にハマっています。アニメは見ないのですが、陸上競技や箱根...
最近映画にハマっています。アニメは見ないのですが、陸上競技や箱根駅伝が好きなので、9月東京開催の世界陸上をきっかけにこの映画を観たいと思いました。事前のレビューでただのスポーツ漫画ではなく、人生を考えさせたり、登場人物が発する言葉の重みがなかなか感慨深いと書いてあったので、早速見に行きました。日曜日の昼で若い人で満席でした。陸上好きには必見の映画でした。登場人物が、現在頑張っている実在の100メートルの数名の選手と重なってしまいました。人生は一筋縄ではいかないとつくづく思いました。
エンディングで流れる髭男の「らしさ」の歌詞がストーリーと重なり、余韻をさらに高めてくれました。走るのは10秒ですが、人生の長さに匹敵する長さでした。
94点/☆4.4
『チ。―地球の運動について―』で鮮烈な印象を残した魚豊の連載デビュー作『ひゃくえむ。』がアニメ映画化。
あまりに評判が良く、終了前に観なければと衝動に駆られた。
陸上競技の王者・100メートル走に全てを懸ける若者たちの狂気と情熱が、スクリーンで炸裂する。この映画は、たった10秒のレースに人生の喜び、苦しみ、希望を詰め込んだ、魂を揺さぶるスポーツドラマだ。観終わった後、思わずトラックを走り出したくなるような高揚感に襲われた。
物語の中心は、天才ランナーのトガシと、過酷な現実から逃れるように走る転校生の小宮。
生まれつき足が速く、友達も人気も当たり前に手に入れてきたトガシは、小宮に走る技術を教え、放課後のグラウンドで汗と笑顔を分かち合う。
ライバルであり、親友でもある二人の絆は長い年月を掛け描かれる。その姿は観る者の胸を熱くする。
この映画の最大の衝撃は、映像の革命的な美しさ。ロトスコープ技術と、AIの魔法すら感じさせるアニメーションは、まるで生きているかのよう。
光がきらめき、風が髪を揺らし、空気が選手の息づかいとともに震える。すべてのカットがヌルヌルと動き「これ実写じゃん!」と叫びたくなるほど。
従来のアニメの「見せ場だけ動く」枠を超え、全編が息をのむような躍動感で溢れている。
それでいて、アニメならではの誇張や感情の爆発が、100m走の「一瞬の全て」を鮮烈に描き出す。特にラストレースは圧巻。
選手の筋肉の動き、汗の一滴、観客の歓声まで、まるで自分がトラックに立っているかのような臨場感に全身が震えた。
物語は、トガシと小宮の成長と挫折を軸に、群像劇の要素を織り交ぜる。原作の長編を2時間に凝縮したため、脇役の掘り下げがやや駆け足に感じる瞬間はある。
だが、そんな小さな欠点を吹き飛ばすのが、二人の魂のぶつかり合い。出会い、別れ、再会のたびに、彼らの顔つきや信念が研ぎ澄まされていく様子に心を奪われる。100mという「たった10秒」に、人生の喜び、恐怖、闘争心を詰め込む二人の情熱は、観る者の心を鷲づかみにする。
94点/☆4.4
特に忘れられないのは、ラストの日本選手権。勝ち続けるプレッシャーに押しつぶされ、挫折を味わったトガシが、走る喜びを思い出し、全盛期の輝きを取り戻す瞬間。
怪我の恐怖に縛られ、限界を超えることに怯えていた小宮が成長し、走る意味を見出し、無我の境地でゴールを目指す姿。
二人が全てを懸けてトラックを駆け抜けるシーンは、まるで時間が止まったかのよう。勝敗を超え、自分を超えた瞬間、彼らの目には新たな世界が広がる。
この高揚感は、観客席にいる我々も一緒に走っている錯覚を覚えるほど。エンドロールが流れる中、顔が熱くなり頬が濡れる。
確かに、100m走でなくとも描けるテーマかもしれない。だが、この作品は「100m」だからこその疾走感と緊張感を見事に捉えている。
たった10秒に人生を賭けるシンプルさが、情熱や人間の脆さをこれほど鮮やかに浮き彫りにする。
苦難を乗り越え、等身大の自分を受け入れ、前に突き進む二人の姿は、私たちの心を奮い立たせる。走ることは喜びであり、苦しみであり、生きることそのもの。
アニメの新境地を切り開く映像美と、魂を燃やす物語で、心を完全に奪った。
二人の走りを見たら、きっとあなたも人生を駆け抜けたくなる!
原作見てると…
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