ひゃくえむ。のレビュー・感想・評価
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チ。なぜ走るのかについて
こんなに人生をかけて走った経験などないので、登場人物の考えを全部汲めたかというと、おそらくあまり理解できなかったでしょう。
しかしそれぞれの哲学で走り続ける彼らはみんな違ってみんないい。
アスリートがもつ哲学を言語化できる作者はすごいなあと思いました。
なにより部活動からプロアスリートまでみんな各々の立場で一生懸命なのが観終わった時に良い気分にさせてくれました。いい後味でした。
走るだけ、なんです
折角アニメにするのならば
我が家の二人は二人ともが十年間の学生時代を陸上部員として送っており、世界陸上が開催中とあっては、100mスプリントがテーマの本作を見逃す訳には行きません。前評判も上々の様です。
小学校時代から天才的スプリンターだった男と、鈍足の子供時代から努力でのし上がって来た男の物語です。
う~ん、ボンクラ陸上部員だった僕にはトップ・アスリートの気持ちなど知る術もありませんが、「なぜ走るのか?」をそこまで突き詰める必要があったのでしょうか。「1/100秒でも早く走りたいから」ではダメなのでしょうか。しかも、それをやたらと台詞で説明してしまった為に人物描写が浅くなってしまいました。
そして、僕が是非観てみたかったのは「10秒間にアスリートの眼には何が見えているのか」を表現した映像です。それは、スプリンターの頭に小型カメラを付けて撮影した映像とは全く異なるものである筈で、アニメーション(或いはCG)でしか表せない世界です。しかし、本作ではその映像は殆どありませんでした。
何だか消化不良のまま終わってしまいました。
何度も観返したい気持ちの昂りが湧いた
観終わって、すごいモノを観た衝撃。
頭を叩かれたようなこの感じは、『ルックバック』+岩井澤監督の前作『音楽』級。
その『音楽』同様に、「衝動=気持ち(情動)に突き動かされる、純粋な行動」の表現と。
『ルックバック』や『THE FIRST SLAM DUNK』に似た、「アニメーションならではの【動き】の視覚的感動」と。
『秒速5センチメートル』の「男女二人が離れていくのではなく同じ志で競いあっていたら?」とか、『ルックバック』の「京本がもしも生きていて、藤野の理解者ではなくライバルだったら?」とかみたいな"IF"感があるような、ワクワク。
なんか、何度も何度も観返したい気持ちの昂りが湧いてきました。
原作の漫画は未読なので、どれほどの違いがあるか興味が湧き、(電子で単行本出ているようなら)買って読んでみようかと思いました。
おそらく、アニメーションでは、動かすうえでの情報(呼吸や雨などすら)によって登場人物たちそれぞれの衝動、走る動機を見せることに力点を置かれていたので、原作ではもっとそれぞれのキャラのエピソードや思いが書かれているんではないか?と推測しました。
逆にアニメーションではいかに原作から情報を削ぎ落して、「トガシが走る理由を見つけるまでの全力疾走だけ」を描き切ったのではないか、と思わせてくれました。
桃李だったぁーー!!
そうだった!トガシ桃李だったぁー!
二宮も染谷君だった!
そうだったそうだった。
フライヤー見てたはずなのにすっかり忘れてて、気付かず観終えてクレジットで思い出す!
ああ〜!
ちゃんと2人って認識して観たかった〜orz
まぁ、違和感なく観れたので、バッチリだったという事なんだが、2人のファンなので、分かった上で観たかったぁ〜orz
で、チ。ですよ。チ。の
(「チ。ー地球の運動についてー」)
魚豊先生の連載デビュー作。
「ひゃくえむ。」
原作ファンです。
この隠れた名作が映画化とは!!
個人的にはド派手メジャー作品
「チェンソーマン・レゼ篇」よりも期待していました。
1つの事に命をかけて「ガチ」で向き合った事もなければ、陸上競技に熱心な訳でもない私ですが、この「スポコンx哲学」の世界観に魅了され、そして「10秒」という、言ってしまえば「一瞬」、儚いけど熱い!
「100mの直線を10秒で走るだけ」
この究ーーー極!シンプルな競技に身を置くキャラクター達の人生から目が離せなくなったのです。
当たり前だけど、どんな事でも"極める"って半端ない事で、そんな世界に身を置く度胸もなければ(勿論才能もありませんが)覚悟もない、38度ぬるま湯に浸かった人生を歩んでいるワタクシには無縁の世界過ぎて。。
だからこそ、惹きつけられるのかもしれません。
自分語りになるのでココは飛ばしてもらっていいのですが、私の通っていた中学校は、市だったか県だったかで一番広い校庭があった学校で、運動部が盛ん。
生徒6割が運動部に所属しているような学校で、毎日部活!休みなし!
顧問も熱血系でした。
(陸部も強かった)
私は器械体操部に入りました。
何の興味もなかったけど、主な活動場所が
「体育館」だったから。
だってさ。外ヤじゃん。
砂埃とか日焼けとか。。w
そんなやる気ゼロの私でしたが、何だか上手だったんですよね。
2年生になる頃には大会規定の技も出来たし、うるへ〜先輩よりも上手かった。
でも情熱も向上心もないのでサボるんです。
よくサボってましたねぇ〜。
こんなにサボる生徒ははじめてだ!
先生からも先輩からも呼び出され説教されてましたねぇ〜。
(私は出来るんだからいいじゃん。
自分達の方こそ頑張って練習しなよって思ってました。
嫌なヤツですねーー(°▽°)
(あ。
不良とかヤンキーじゃありませんよ。
図書館行って本読んだり、父のコレクションの角川映画とか見てましたからw)
だから本作の登場人物達の様なストイックさゼロで、こんな私でごめんなんだけど、この作品から伝わる熱気狂気が暑苦しく感じない。
イヤじゃないんです。
むしろイイナって思えちゃう。
原作ファンなので、大幅なシナリオ変更には残念な気持ちもありますが、伝えたいテーマをシンプルに、力強くストレートにぶつけてくる、原作をリスペクトした構成になっていたと思います。
尺の都合からもこの改変は英断だと納得出来ました。
ただ、1つだけ言わせて。
小宮についてはもっと掘り下げないとぉ!
彼の"狂気"が伝わりきれていない。
彼の"奥行き"が表現出来ていなかったかナァ〜と感じた。
(あれだとちょっと変わり者に見える??)
他のキャラ、仁神、海棠、財津、樺木らも、誰が誰だか名前と顔が一致したかな?とか、どの様な選手だか分かったかな?とか不安も。。
初見の方にどう映ったか不安もありますし、原作ファンからの評価も厳しくなるのかな?と心配な所ではありますが、とは言え、とても心に響く作品に仕上がっておりました。
作画が素晴らしかったです!
特に雨のインハイのシーンは鳥肌モノで衝撃が走りました!
素晴らしかったです!
鬼滅とかチェンソーとは違った最高の技術、プロの仕事が拝めます。
ロトスコも効いていました。
登場人物それぞれの、哲学者の様な、難しい、深い深〜い台詞が多いのも見所なんですが、難解すぎて、その意味を理解しようと頭の中で反復する。。
間もなく進んでしまうので(°▽°)
未読の方には是非原作を読んで頂きたいのですが、紙の本は現在絶版?!
新装版上下巻も入手困難のようデスorz
電子ならいけそうなので読んで欲しな。
けど映画も。
良い映画だったな。
しみじみと思う。
泣いちゃうけど心が温かくなる。
メリハリのあるアニメーションが、ドラマチックな物語と、名言集のような台詞の数々を盛り立てる
ロトスコープによる写実的で滑らかな作画に目を奪われる。
特に、中盤の、雨の中での競技会のシーンでは、入場からスタートまでの選手達の動きを長回しのワンカットで捉えることにより、まるで実況中継のような臨場感と緊張感を生み出しているし、遠くのスタンドは雨で霞んでいるのに、眼前のトラックはクッキリと浮かび上がっているなど、選手の心情を映し出したかのような演出も加えられていて、見応えがあった。
しかも、こうしたリアルで繊細な描写があるからこそ、デフォルメや「なぐり書き」のような作画の躍動感が際立つようになっていて、そういうメリハリが感じられるところも良くできていたと思う。
特に、小宮が最初にがむしゃらに走る場面や、トガシが小学生達に「走ることになんか人生を賭けるな」と泣きながら語る場面、あるいは、ラストのレースで2人が必死の形相で並走する場面では、アニメならではの誇張を楽しむことができ、どうせなら、こうしたダイナミックなシーンが、もっとあっても良かったのではないと思ってしまった。
物語としても、中学で出会ってから、高校と社会人でライバル同士となる2人のアスリートの因縁に引き込まれるし、彼らを取り巻く先輩や後輩との関係性も面白く、あるいは、100m走に居場所を見い出した者たちの覚悟やプレッシャーや焦燥といったものも、ヒシヒシと感じることができた。
人生訓に関する名言集のような台詞の数々も印象的で、中でも、「恐怖や不安は自然なこと」とか、「明日を生きるために今日は死んでいた」とか、「現実逃避は効果的だが、現実は直視しなければならない」とかといった台詞は、ずっしりと心に響いた。
その一方で、心のリミッターを外したことで、体を壊すことを危惧されていた小宮が、十数年に渡って故障もせずにトップアスリートで居続けられた理由や、1等賞になりたがっていただけの彼が、順位よりも記録にこだわるようになった理由などは説明されずじまいで、小宮のキャラクターの掘り下げについては、やや物足りなさが残る。
ただし、勝つことよりも、何かに本気(マジ)で打ち込むことの素晴らしさが描かれたエンディングには、心地よい後味を感じることができた。
10秒間の人生哲学
まさに旬‼️
って、世界陸上2025東京と重なったのもGOODだが、私は元々陸上競技が大好きである。だから好きなやつだろうなって想像はできていたが、やっぱり面白い。
当初は初日に鑑賞予定でチケットも買っていたが睡眠に負けて逃してしまった。買い直しは躊躇したが評価も良かったので再度購入。大満足の作品でした。
競技とか順位争いは大好き、面白い。更にこのアニメは部分的に哲学みたいな要素もあり勉強にもなった。
原作を知らない私はてっきり小宮が主人公なのかと勘違い。なのに何故かトガシを応援したくなる。何故?って思ったが、エンドロール観て気づいた。なんだ、トガシが主人公だったのか(笑)
色々と強くて主人公要素ある登場人物の面々も面白くさせた。まるでキャプテン翼の陸上版気分だった。最後はどうだったのか気になるが、夢を見させてくれたのかな。
続編があったらまた観たい。
加えて髭ダンのらしさ。最高にいい曲。最近ずっとヘビロテでした。やっぱりいい映画にはいい歌がついてるんだな。
手に汗握る
何のために走るのか
Official髭男dismの『らしさ』を聴くために鑑賞。
自分が文化系で、スポーツとか陸上とか興味なかったけど、そういう人でも心に刺さる映画だと思った。結構よかった。
原作は未読、事前情報はスポーツ系ということだけ。
またよくある学園青春ものかと思っていたら、全然違っていた。100m=人生そのものが描かれていた!
映像は、アニメなのに人間の動きが妙にリアルに描かれていて、話しているときの肩の動きとかまるで実写のそれですごいなーと思っていたら、ロトスコープっていう技法だった。初めて知った!競技自体も臨場感が溢れていたし、走り出す瞬間の緊張感が、映画館だからこそ感じられた気がする。
名言がいっぱいあったけど、自分的には小宮の質問に答える、財津のセリフが刺さったな〜。ありふれた耳障りのいいアドバイスじゃなくて、名言1つ1つに希望が持てるなにかがあった。原作も読んでみたくなった。
この作品に出てくる人たちはみんな熱いものを持っていて、人生を賭けていて、やっぱり情熱って強いし最高だなと感じた。私ももっと熱くなりたい!
最後のシーンの最後の表情に全てが詰まっていて、見終わって私も走りたくなった笑
そのままエンドロールで『らしさ』が流れて、この映画にぴったりの曲だと思った。(映画の中で、絶対的〜のセリフがあったときに、さとっちゃん、さてはひゃくえむ。熟読したな?と思った。『らしさ』の中にひゃくえむ。の要素がいっぱい詰まっていた!)
ルックバックby魚豊
フリー(水泳アニメ)も入ってるかな
今週枠は藤本タツキと魚豊の一騎打ち?と思ったら上映回数がめちゃ違ってた
しかし僅か100m10秒の世界でこんな緻密なストーリーが出来上がるとは!チといいやっぱり藤本タツキもですが御二方とも天才です この人何でもない話を感動作にしてしまうの凄いわ そしてツダケンはファンなの?
感情の揺れ、0.の動きの表現が、作画が崩れたようになったり特に雨の描写が面白かった リズム系の効いた効果音みたいなBGMも良かった 選手の皆さんもう仰ることが...まるで走る哲学者のようでした 個人的には小宮はあら!北九州、2時間掛けて通学 高倉山って言ってたようなが気がしたけど気のせいかな
素晴らしい映画体験でした
新しいアニメ表現
「足の速い少年」の人生を覗き観た
圧倒的映像と上から目線のありがたいお言葉の数々
まず、主人公のトガシと小宮の小学生時代から描かれるが、最近公開されたリアルな小学生を多数起用した映画『ふつうの子ども』を観た後だと、この2人が小学生に見えないのが少し気になった。
トガシは100m走で小学生の日本一という設定だが、練習シーンがほぼないのは不自然に感じた。
いくら足が速いからといって、普通の小学生生活を送るだけで日本一になれるのか疑問。
クラスの人気者と周りから孤立した存在という対照的な立ち位置で、同じ趣味を通して絆を深めていく展開は、去年公開の映画『ルックバック』を連想した。
個人的に物語に引き込まれたのは、2人が高校生になってから。
トガシ編は、廃部寸前の弱小陸上部に元天才選手が入部し、チームを立て直していくストーリー。
一方の小宮編は、底辺にいた人間が陸上との出会いで人生を変え、強豪チームの中でトップを目指すという物語。
どちらもスポーツものでは王道の展開で、自然と話にのめり込んだ。
高校入学時、トガシは陸上を辞めており、その理由は明かされない。
しかし、観客に理由が明かされないまま彼の心が癒やされ、陸上部に入部。
その後、ようやく辞めた理由がわかるという構成は少し不思議に感じた。
小宮の高校にOBとして登場する、100m走の日本記録保持者の場面が印象的。
全校生徒の前で演説する姿は、アスリートというよりミュージシャンに見えた。
深そうな発言をしているが、いまいちピンとこなかった。
この映画に出てくるトガシ以外の陸上選手も皆同じような雰囲気で、ハツラツとしたアスリートのイメージとはかけ離れていた。
物語は中盤から説教じみたセリフが増えてくる。
100m走はわずか10秒ほどで終わるため、スポーツ自体の駆け引きでドラマを生み出すのは難しい。
その分、対話シーンが多くなるのは理解できるが、それが説教くさく感じられるのは残念だった。
数年ぶりに再会した高校生のトガシと小宮が対決する大会の場面は、間違いなくこの映画最大の見せ場。
小雨の中、選手がレーンに登場してから走り出すまでを長回しのワンカットで描写。
高揚感を煽る音楽も相まって、レース前の緊張感が伝わってくる、凄まじい映像。
レース終了と同時に画面を掻き消すほどの大雨になる演出は、心理描写をうまく表現していて見事だった。
その後、物語は一気に10年後へ飛ぶ。
プロの陸上選手になったトガシが全盛期はとっくに過ぎていて、クビ寸前の状態から物語が始まる構成は面白いと思った。
公園で落ち込むトガシが、運動会の練習をする小学生たちに走り方を教える場面。
物語の序盤、小学生だったトガシが小宮に走り方を教える場面を思い出した。
彼には指導者の才能があり、この後指導者を目指す話になるのかと想像し、もしそうなったら素敵だなと思った。
しかし、競技への未練を捨てきれないトガシは目の前の小学生たちが逃げ出すほどの見苦しい姿になり、個人的には残念だった。
スポーツにドラッグ的にのめり込むことを肯定するような内容に違和感を覚えた。
最後、幼なじみの2人が人生をかけた勝負の最中に子供時代に戻る演出は、他の映画などでもよく見るため、正直古臭く感じてしまった。
「感動」を超える「圧倒」
終わってみれば、一度も涙は流すことはなかった。感じたのは「感動」よりも「圧倒」だった。この映画は、すべてがラストの「10秒」に向かって収斂していく。
まずストーリーについて。スポーツ映画の多くは、対戦と勝敗が生む高揚や挫折で観客の感情を揺さぶる。しかし本作は、競技を「なぜやるのか」という理性の部分を徹底して問い続ける。そこには、栄光の高揚や敗北からの挫折のようなドラマはない。ただ理想と現実を突き合わせ続ける。いわば「人生哲学」ならぬ「スポーツ哲学」の映画だ。そこで発される言葉は、時に誰かの生き方を変えうる“名言”として響く。
正直、その言葉の密度は一度の鑑賞では咀嚼し切れないほど早く流れていく。だが、数あるフレーズのうちひとつでも心に引っかかれば儲けものだと思う。
演出面では、競技シーンを中心にロトスコープを用いた表現が冴える。派手な展開もなく数秒で終わってしまう100メートル走は映画的に“絵”にしづらい。だが、この技法がスタート前の張り詰めた緊張感とゴール後の脱力感を生々しいまでに可視化し、熱の質量を伝えてくる。アニメーションとしても一見の価値があるだろう。
私自身、個人競技の経験があり、鑑賞前はどこかで「共感」や「涙」を求めていた。はっきり言って泣きに行くつもりだった。けれど、彼らほどストイックに打ち込んだわけではない私には、その情熱と苦悩はあまりのも遠く、涙はおろか共感すら難しかった。
ただし、あの「10秒」だけは別だ。100メートルを走った者にしか届かない領域に、確かに触れられた気がする。それを演出し切ったこの映画には、ただただ圧倒された。
全100件中、61~80件目を表示
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