「ロトスコープの採用は大成功」ひゃくえむ。 alfredさんの映画レビュー(感想・評価)
ロトスコープの採用は大成功
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アニメは、実際の動きを省略化したものといえるが、逆に実際の動きをトレースすることでアニメ本来の動きとの異化に成功する事例がある。いわゆるロトスコープの採用だ。
戦前の「白雪姫」(37年)でも使われたこの手法が、本作でも効果的につかわれている。
どの場面かは特定はできないが、スタート位置に向かう選手たちの動き、ゴール直後の動きなどは、実際の選手の様子を撮影してからロトスコープ化しているようだ。
一方でレース中の選手の視線などはアニメ従来の手法で描かれている。
映画は、全体的に禅問答のような哲学が散りばめられ、そういった映画を趣味とする向きや、本流のアニメにやや食傷気味には新鮮に感じられると思う。
約10秒で決する、呆気ないほどの切ない競技である100メートル走。その競技に没入し継続していく者たちとは如何なる者なのか。
スポーツが得意ではなかった私にはついぞ関わることのなかった世界ではあったが、その一端を本作で感じ取れたかもしれない。
それにしても、トカジはなぜ「トカジ」とカナ表記なのだろ? 小宮などは漢字表記なのに。
参考までに、宇多丸さんの「アフター6ジャンクション2」の9/25放送にて取り上げられています。ポッドキャスト配信やYouTube配信などがあります。
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