「面白かった!(原作は全く知りませんが)」ひゃくえむ。 はなてんさんの映画レビュー(感想・評価)
面白かった!(原作は全く知りませんが)
「足が速い、という才能が無条件に評価される時代」に生まれた男達の苦悩と歓喜が味わえる最高の映画だった。
「10秒」という短い時間の中で競い合う陸上競技に、小学校から中学、高校、社会人というライフステージの中でそれぞれの選手がそれぞれの人生を掛けて向き合っていく姿に胸が熱くなった。
(スラムダンクと比較しての感想)
スポーツ競技と向き合う気持ちは年齢によって変わっていく。
生まれ持っての天才と遅咲きの努力家が一つの競技の中で、それぞれの人生のある場面を交錯させてドラマを作っていく醍醐味を「ひゃくえむ」は感じさせてくれる。
「ひゃくえむ」はスポーツ競技に対する愛憎の気持ちや、他には得られ難い歓喜の瞬間の記憶、それらを自分の人生にどう重ねて生きていくかを描こうとしているように僕は感じた。
「ひゃくえむ」を観ながら、(スラムダンクの愛すべき登場人物たちは、あの後どういった人生を歩んだのか)ということが非常に気になった。
連載終了後は、バスケットを高校卒業後も続けている選手達のバスケット人生はどのようなものだったのか知りたいと思ったものだが、「ひゃくえむ」では社会人の頃まで描いてくれていたので、観ていて清々しい気持ちになった。
「天才」と呼ばれる選手に立ちはだかるのは競技だけでは無く社会生活にも存在し、それに立ち向かっていくことも競技人生の大きな意味だと「ひゃくえむ」は教えてくれていた。
「作画について」
今回、作画が各場面でガラリと変わる事が多く、それが観ていて面白かった。
高畑勲や大友克洋っぽいな、と思える場面もあったりして、画面が画一的な印象ではなくなり(人の手が作っている)という生々しさが感じられた。
陸上シーンも臨場感のあるシーンも多かったし、映画版の「スラムダンク」もこんな感じで作画するとCG感が少なくて良かったかもしれないなと思った。
僕は原作を全く知らないが、この映画だけでも楽しめた。映画では描ききれていないであろう人物描写も、こちらの想像を膨らませて観る感じで十分に楽しめた。
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