「陸上どころかスポーツ全般に興味がなくとも楽しめる」ひゃくえむ。 sugsyuさんの映画レビュー(感想・評価)
陸上どころかスポーツ全般に興味がなくとも楽しめる
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多分、スポーツものとしては「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」の方が(見た目はアレだが)王道な作り。ライバルとの出会いで始まる物語だが、あくまでお互いは触媒に過ぎず、様々な思想を持った選手たちが孤独に、ひたむきに100Mを走り抜ける。少年、青年、大人の3時代を通して成長ではなく、怖いもの知らずの神童が、愛想笑いの上手いおっさんに成り果て、引退を迫られる過程を残酷なまでに描き出す。強い意志を持って王道を外し、一息には呑み込めない過剰な思想を宿し、それでいながら「陸上競技」しかも「100M短距離走」を描く必然に満ちた傑作として成立している。ロトスコープでリアルに描いた身体に対し、男たちが走りながらに浮かべる「表情」…いや「形相」はアニメ的迫力に満ちている。ブツリ、と断ち割ったような終劇を支える、あの2人の最後の表情!また、中盤の長回し風の「高校大会決勝」の一連のシークエンス、雨の中グラウンドに入場するところから、走り切ったその後までをじっくり描き切ったあのシーンは、BGM含めアニメ史に残る迫力で、必見。
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