「サンダンス映画祭のベスト作品に選ばれた?」映画検閲 病人28号さんの映画レビュー(感想・評価)
サンダンス映画祭のベスト作品に選ばれた?
そうざんすか。
映画を検閲して、残酷描写のどこをカットするのかを生業にしている検閲官の女性。
彼女には少女の頃、突如として行方不明になった妹がいて、その事が理由で両親とも不仲になってしまって仕事以外に何もする事ができないでいる。
ある日、ホラー映画を見ていると行方不明になった赤毛の妹にそっくりな女優が出演しているのに気づく。
仕事のツテを頼って、その映画を撮影した監督を探し出す。行方不明になった妹に会う事はできるのか?というお話し。
検閲する映画のソフトがDVDではなく、ビデオカセットテープで、連絡手段は固定式電話で、主人公の検閲官の愛車が今はあまり無いセダンなので、映画の舞台は80年代だという事が分かる。
80年代は安っぽいゴア描写のホラー映画がたくさんあって、宮崎勤がピーターの悪魔の女医さんを持っていたとか、ホラー映画に影響されて犯罪者になるからホラーを規制しろとかいう運動が盛んで、レンタルビデオ屋からそのホラー映画が撤去されたりしてホラー映画ファンには居心地が悪い時代でした。
さあ、そんな時代にホラー映画の検閲をしすぎて、若干病んでしまった主人公が自宅にかかってくる匿名の脅迫電話に怯えて精神のバランスを崩してしまい、奇行に走ってたりしつつ行方不明になった妹を探し出したのだがぁーーーー!?
普通のドタマがついているならば、今まで積み重ねてきた話しに沿って、ラストに向けて話しを進めていくのだが、ラスト直前になって何の伏線も無く、
今までの話しは映画の撮影で、検閲官はホラー映画の主人公に突如変わってしまうのだ...。
え?何それ?
で、妹を襲う殺人鬼役の役者をオノで腹を切り裂いて殺してしまう。傷口からは殺人鬼の顔が埋まっていて、一言、二言、喋って動かなくなる。
妹を助けようとした検閲官は、妹に駆け寄るがそんな姉を見て妹は逃げ出す。
呆然と立ちすくした検閲官。と、その画面にノイズが走ってビデオデッキから映画のタイトルが表示される。これでタイトルの伏線か・い・け・つ🎵
って、おい!
この映画は80年代がテーマだけど、映画のオチまで80年代なら何とか通用した安っぽいオチって、そりゃないぜ?世にも奇妙な物語でも、やらねーよ!こんな陳腐なオチは!
野球の試合見てたのに、いつの間にバスケットの試合が始まってダンクシュートで試合終了してしまうのと同じじゃん?
斬新なラストと評価する人もいるかもしれないが、いいか?これは斬新じゃない!?
誰しもが一回は思いつくオチだけど、あまりに陳腐だから誰もやらないオチなんだぁーーー!?
イトカワに、はやぶさが到着するこの時代に、高校生の自主制作の映画のような陳腐なオチを思いつく、監督の頭の中がどうなっているのか不思議。
結婚式で
「 人生には、大切な三つの袋があります。一つは堪忍袋、二つ目は知恵袋、三つ目は胃袋です!」
と、言わなきゃいけないのに最後に
「 三つ目は金玉袋です!」
と、口を滑らせてしまったくらい取り返しのつかない事をしてしまったのと同じ事だぁーーー!?
これが、サンダンスのベスト作品だって?君達は、過去のホラー映画を一本も見ていない人ですか?この映画のどこを見てベストと思いましたか?これが面白いと思うんだったら、何見ても楽しめて幸せでござんすなぁ?
怖いもの見たさで、見てもいいけどさ?この映画とホラー映画のサユリが同じ料金で見れるのは納得できない。この映画を見ようと思うなら、その料金をホラー映画のサユリに使った方が良いです。
Z級のつまらない映画。見なくていいよ?