「【今作は美人ホラー映画検閲者が、幼い頃のトラウマによりホラー映画の世界に取り込まれて行く様を、検閲されるべきシーン満載で描くブラッディ&1980年代の雰囲気バッチリのイギリスホラー映画である。】」映画検閲 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【今作は美人ホラー映画検閲者が、幼い頃のトラウマによりホラー映画の世界に取り込まれて行く様を、検閲されるべきシーン満載で描くブラッディ&1980年代の雰囲気バッチリのイギリスホラー映画である。】
■1980年代のイギリス。
ホラー映画検閲を生業とするイーニッド(ニアフ・アルガー)は、毎日、ホラー映画の検閲にいそしんでいる。
だが、彼女は幼い時に一緒に遊んでいた妹、ニーナが森で失踪していた。
その自責の念が、彼女を徐々に狂気の世界に誘って行く。
◆感想
・年代を表すかのような、ざらついた画像が不気味で良い。更に言えば、1980年代のイギリスは労働党の鋼鉄の宰相サッチャー政権下にあり、様々な締め付けが行われていた。
その中の一つが、有害なビデオを排除する”ビデオ・ナスティ”である。
・ホラー映画検閲を生業とするイーニッドを演じるニアフ・アルガーが、暗い雰囲気を漂わせた美人である所が良い。
ホラー映画には、美人が殺されてしまうシーンが多いのはご存じの通りであるが、この作品ではそれを逆手に取っているからである。
■イーニッドは、仕事をする中、フレデリック・ノースと言う監督の「血塗られた教会」を見ている中で、幼い時に妹を見かけなくなった場所、建物と酷似する場面を見て、フレデリック・ノース監督の他作品を観る。
その過程で、彼女はフレデリック・ノース監督が、ニーナ失踪の鍵を握ると妄信し、更には出演している女優、アリス・リーがニーナであると、更に妄信を深めていくのである。
<イーニッドは、フレデリック・ノース監督の撮影現場に駆け付け、”役者”として、”狂気の演技”を披露するのである。
振り下ろされる鉈。飛び散る血潮。阿鼻叫喚の地獄絵図である。アワワワ・・。
今作は、美人ホラー映画検閲者が、幼い頃のトラウマにより、ホラー映画の世界に取り込まれて行く様を描いた、サイコスリラー&ホラー映画なのである。>