「不器用な優しさに涙」傷 ユミンさんの映画レビュー(感想・評価)
不器用な優しさに涙
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舞台で幅広く活躍中の実力派俳優橋本全一さんの初主演映画という事で関西から足を運んで観に行きました。
橋本さん演じる寡黙な主人公仁の要所要所に垣間見える不器用な優しさと家族愛に心が震えました。倉本琉平さん演じる弟の文也とのすれ違いやぶつかり合いに、こんなにも大切に想っているのに、戻れない過去と過酷な現実に心が苦しかったです。
反社会組織メンバーの井口役の佐田正樹さんや北野役の川瀬陽太さんの迫力が凄くて、暗く重苦しいバイオレンスなシーンでは手に冷や汗をかく緊張感が走り、仁が身を置く世界の怖さを感じました。
アクションシーンでは舞台でも殺陣に高い定評がある橋本さんの動きや蹴りが圧巻でした。
183cmという高身長に長い手足、抜群のスタイルと存在感に目を惹かれます。
最後の兄弟の抱擁シーンでは、今まで表にあまり出さなかった仁の感情が一気に溢れ出ていてその表情に胸が締め付けられ涙しました。
心も身体も傷だらけでボロボロで、最後まで何もかも全部1人で背負ってしまう、そんな仁の信念の強さと根底にあるあたたかさがとても魅力的でした。
傷は消えないかもしれないけど癒えていく。
困難な状況に立ち向かう勇気、人は何度でも変われるという希望、仁の生き様に心が奮い立ち胸が熱くなります。
地方の映画館でも是非上映して欲しいと思いました。
何度でも観たい作品。
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