「うたかたの夢に死す」鬼平犯科帳　でくの十蔵　しゅうへいさんの映画レビュー（感想・評価）

　"鬼平犯科帳 SEASON1" 第３弾。

　Leminoで鑑賞。

　原作（唖の十蔵）は既読。

　同心・小野十蔵の迷い揺れる心と覚悟を体現した柄本時生の演技が沁みました。過去に父親（柄本明）が演じていた役と云うことでプレッシャーがあったのではないかと想像しますが、おふじへの情にうたかたの夢を見ていることを告白するシーンの、幸福と悲壮が入り混じった複雑な感情の表現が見事で、父親に匹敵する十蔵をつくり上げているなと思いました。

　おふじ役の藤野涼子も良かったです。和風美人な顔立ちが、おふじのか弱さや思わず守ってあげたくなる感じにぴったり。

　ついに小房の粂八が登場し、長谷川平蔵密偵軍団が揃い始めました。本作で平蔵の人柄の一端に触れた粂八が、どう云う経緯で平蔵の「犬」となるのか。次回が楽しみです。