劇場公開日 2005年2月5日

「【”一夜限りの恋のワルツ。あの日の事は、決して忘れない・・”9年振りに再会した男女の”抑制した”恋の物語。】」ビフォア・サンセット NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”一夜限りの恋のワルツ。あの日の事は、決して忘れない・・”9年振りに再会した男女の”抑制した”恋の物語。】

2021年11月8日
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ー あの日から、9年。ジェシー(イーサン・ホーク)は、あの日の出来事を本にして、作家になっている。そして、パリの書店でサイン会をしている。
 そこに現れた、セリーヌ(ジュリー・デルビー)。
 驚きつつも、飛行機の出発まで、セリーヌと過ごすジェシー。
 セリーヌもそれを断らない。
 だが、9年の間に二人には、夫々の生活が出来ていた。ー

◆感想
 ・9年振りに会った、ジェシーとセリーヌの会話は、あの一日と変わらない。
 だが、二人には家庭と、恋人が出来ている。
 ー セリーヌは、半年後にウィーンで再会するという約束を果たせなかった事を詫びる。愛する祖母が亡くなったしまったから・・。
  けれど、ジェシーは笑いながら、ウィーンに来ていた事を口にする。
  間違いなく、当時は深い落胆に包まれた筈なのに・・。
  9年という歳月が、その哀しみを表面上、消し去っている。ー

 ・飛行機の時間が迫るジェシーだが、セリーヌを誘い、カフェに行きお互いの9年間を語り合う。二人の関係性、会話は、9年という月日を感じさせない。
 ー セリーヌが96-98年、NY大に在籍していた事。それを彼女は”貴方に会えるかもしれないと思った”と微笑みながら語る。
  その事実に驚きながらも、ジェシーも又、家庭を持ち、4歳の息子が居る事を語る。
  そして、妻を愛しつつも、上手く行っていない事も、サラリと喋る。
  ジェシーも、写真家の恋人の話や、今まで付き合ってきた男の話をサラリと語る。
  二人が、お互いに様々な人生経験を重ねてきた事を、語り合うシーン。
  9年という歳月が、二人を成熟した人間にしたことを表している。ー

 ・けれど、去りがたき想いを持つジェシーは、セリーヌの家を訪れる。
 セリーヌも又、ジェシーとの忘れ難き一日を、今でも大切にしている事を語る。
 そして、ギターで奏でた次作の”一夜限りの恋のワルツ”
 もう一曲聴かせて・・、と願うジェシーの願いをセリーヌは断り、ジェシーはCDラックから、”ニーナ・シモン”の”Just in Time"を選び掛ける・・。
 ー セリーヌのジェシーに対する想いは、”一夜限りの恋のワルツ”の全てに込められており、それに対する答えが、”Just in Time"という事なのであろう。ー

<二人の男女の忘れ難き一日の、9年後を描いた作品。
 リチャード・リンクレイターの、作品制作スタンスの優しさが素晴しい。
 そして、イーサン・ホークとジュリー・デルビーが演じた、相手に未練がありつつも、相手の生活を尊重し、一線を越えない姿も素晴らしき風合を感じさせる作品である。>

NOBU
ミカさんのコメント
2021年11月8日

ニーナ・シモンのJust In Time、めちゃくちゃ良いですよね。ふたりの離れがたい余韻がサイコーでした。今思い出してもロマンチックな気分になります。

ミカ