宝島のレビュー・感想・評価
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『怒り』における泉(広瀬すず)の咆哮に繋がっている
世の中には知っておかなければいけないはずなのに、何も知らないままのことが山ほどあるが、沖縄における戦争や戦後史もそのひとつ。
昭和20年(1945年)6月6日付け電文で、沖縄方面特別根拠地隊(陸戦隊)司令官大田実少将は海軍次官あて電文で「県民は青壮年の全部を防衛召集に捧げ、残る老幼婦女子のみが相次ぐ砲爆撃に家屋と財産の全部を焼却せられ、一木一草焦土と化せん」と記し、沖縄戦においていかに県民が忍耐我慢の極限において軍に協力し、困難をものともせず沖縄防衛のために働いたかをきちんと報告し、最後に「沖縄県民斯く戦へり。県民に対し後世特別の御高配を賜らんことを」と結んでいます。大田少将は、自身も圧倒的な戦力比の絶望的な状況にありながら(この1週間後、自決)、沖縄の非戦闘員に対する美しい心遣いを示していたのです。
しかしながら、実際の日本軍(本土の人間)は沖縄を本土の盾とし、沖縄県民は軍の盾にされていたのです。『沖縄大観』によると、県民の1/4にあたる約15万人が死亡したことになっています。正確な数字については不明のようですが、(勝算などない)本土決戦の準備のためのあまりにも大きな犠牲だったのです。
(以上、半藤一利「戦争というもの」(PHP文庫)」から部分的に引用して構成)
この映画では戦後間もない頃から1972年の沖縄の本土返還までがグスク、レイ、ヤマコを中心としたクロニクルとして語られ、返還されれば「基地はなくなり、沖縄人(ウチナンチュ)の人権も回復するかも」という期待も描かれるが、大きな基地はなくならないし、辺野古移設問題も(沖縄県における基地の固定化)現在進行形。
自分はあまりにも不勉強で政治的見解を持てるほどの知見はないけれど、米兵による諸々の事件も含めて、戦果アギヤーとなる心情を少しでも理解したいと思います。
見れば見るほど、、
広瀬すず「一択」の映画
芝居と美術に頼りすぎ
沖縄の苦難を描きつつ、3時間超の物語を十分に魅力的なものに仕上げた一作
原作は未読のまま鑑賞しましたが、一つの映画作品として十分に楽しむ、という点で全く問題なかったどころか、3時間超の上映時間を通じて十二分に感情移入できる内容となっていました。
タイトルから連想できるような、血沸き肉躍る冒険活劇というよりも、激動の戦後沖縄に生きる人々を、時に泥臭さも厭わず描いた作品です。そのため爽快感を求めて本作を鑑賞すると、ちょっと期待外れに感じる可能性も。クライマックスの一つであるコザ暴動の描写すらも、長らく蓄積していた鬱屈がついに爆発したような、それでいて暴れたところで現実は何も変わらない、という悲痛さと虚無感が入り混じっています。
行方不明となった男を探す物語として、戦後沖縄史について特段の知識がなくても物語を追うことができるほどに配慮の行き届いた作劇となっています。とはいえやはり、米軍に経済依存せざるを得ない状況にありながらも抗議の声を上げ続けた沖縄の人々の鬱屈や苦しみを知るためにも、本作クライマックスの一つであるコザ暴動とそこにいたる周辺事情について、ちらっとでも確認しておくことをおすすめ。
クライマックスは観客にしか知りえない情報で登場人物が真相を理解する、という点がやや引っ掛かりとして残りましたが、全体で見ると些細な問題かと。
主人公グスクを演じた妻夫木聡ら俳優陣の沖縄方言を交えた台詞回しは、ところどころ聞き取りにくい箇所があるといえばあるのですが、それもまた、登場人物にできる限り沖縄の人々としての実在感を付与したい、という役者としての熱意と感じました。むしろ後半では耳も慣れて、彼らのイントネーションに親しみを感じるほど。
台詞は状況説明の要素も多々含んでおり、当時の状況について詳しくない観客にも現状把握ができるように配慮しているうえ、日本映画にありがちな、説明過多に陥るぎりぎりのところで踏みとどまった感があります。誰に台詞を言わせるのか、そしてその表現の仕方は、といったところで細かい調整が効いているところも、しゃべりすぎ、と感じさせなかった要因かも知れません。
言葉だけでなく、当時の沖縄の都市景観の変遷、さらには葬送儀礼など、娯楽作品という枠組みの中ではあっても、様々な沖縄の社会的・文化的要素を入れ込んでおり、その点でも稀有な作品であると感じました。
と言っても沖縄の生活経験が極めて浅い観客による感想なので、それぞれの描写については沖縄出身の方、沖縄の文化習俗研究の専門家による講評をぜひとも聞きたいところ。
確かに本作の結末は痛切です。しかしそこからは、グスクらが生きてきた時代から現在までの現実の経過を踏まえ、娯楽作品とはいえ安易な物語的着地で収める訳にはいかない、という、作り手側のテーマに対する真摯さを感じました!
島ぬ宝
米軍統治下の沖縄で、時勢に抗う人たちの話。
1952年、米軍基地に侵入して物資を盗み、配ったり安く売ったりする義賊的若者集団「戦果アギヤー」が、武器まで盗んだことで米兵に追われ銃撃されて巻き起こっていく。
撃たれたり、捕まったり、命からがら逃げ出したりなメンバーが、行方不明になったオンを気にかけつつ、そして米軍統治下の処遇に翻弄されつつ、その後の沖縄で暮らして行く様を、実話ベースの出来事も交えつつみせていくけれど、良く言えばめちゃくちゃ丁寧で、悪く言えばこれいりますか?なシーンが多くて…。
それなりには面白いなとは思っていたけれど、終盤のネタばらし的流れが妙に御伽話だし、予定にない戦果ってそれ?
狙い過ぎで白々しいし、今更オンちゃんをそんな風にみせられても思い入れがないから何も響かないし…そしてプロ市民へという感じだし…がっかりが過ぎた。
力は入ってます
沖縄の知らなかった歴史の一部を勉強させて頂きました。俳優陣の演技、かなり力が入っていて良かったですが、ちょっとした場面でその後伏線になるのかと思いきや意味が無かったり、終盤出演者達が「えっ?」「なんで?!」というセリフの場面がありましたが、出演者達の発言の意味とは違う「え?!」と私は思わず発してしまいました。
沖縄の訛りが中途半端なところも気になりました
。オバア達だけが現地の方々だったのかな。
せっかく芸能界に沖縄出身者の方々がいらっしゃるのでその方々の誰かが出ていても良かったのでは?
国宝、鬼滅の刃、と続けて鑑賞した後だったからか「うーん」となってしまいました。
多分どの作品を観てもそうなってしまうのかな。
映画作りの大変さ、難しさを感じた作品でもありました。
戦争はまだ、終わっていない。
圧巻!知って欲しい沖縄の歴史!
理由ではなく混乱をみたかった
退屈
つまらない
セリフがチンケ
内容の割にキャラクターが面白くない
葛藤もエピソードも事件も十分なのにそれら全てがサラッと通り過ぎていくので、映画を観ていても何も積み上げられておらず、感情を途切れ途切れにされて何を観ているのか分からなくなる
瑛太に会いたい理由が欲しいわけではないのに、あまりにも露骨にあからさまに堂々とみんなが瑛太に会いたがってるから、「なんでそんなに会いたいん?」ってなった
別に瑛太に会いたい理由なんていらなくて、みんなの行動理由の根底に瑛太がいるっていうのを垣間見れたらそれで十分だと思う。それなのにまあ全員が恥じらいもなく、会いたい会いたい探してるって、正直な本音を表に出す。
堂々と「会いたい」って言われたらこっちも野暮だとわかっていても「なんで?」と疑問を感じざるを得ない。
この「なんで?」は、「何そんなに熱くなってんの?」の「なんで?w」って感じです。つまり全くキャラクターの熱量についていけない。感情が飛び級し過ぎている。そこに至るまでの葛藤や構築が上手く描けていないから、「え、何がそんなに?w」てなる。
答えや理由や結果を描かれるよりも混乱を観たい。
この映画の混乱は安っぽい。感情を安売りしているから。葛藤に焦点を当てない。正直な台詞だけ捉えようとして、言いたくない感情にカメラを向けない。
窪田が花をあげようとしてあげられなかったあのシーンは素敵でした。
でもそれくらいでしょうか、
そもそもこの映画には(面白みのない)ナレーションがついているし、音楽も説明的でテンプレートのよう。
全部言うから、考える余白がなく、飽きる。
瑛太はどこにいるのか。
答えや理由や結果へ続く道にトリックや工夫がないので興味を失いどうでもよくなる。
脚本と演出が嫌でした。
窪田は凄かったです。
今の沖縄があるのはね・・・
3時間飽きなかった
素晴らしかった。
主要キャラでは広瀬すずと窪田正孝。
本当にハラハラした。
ラストのコザ騒動は丁寧に描かれており、沖縄の人々がイキイキと暴れてた。
イキイキと暴動っておかしいけど、怒りと悲しみをぶつけまくってた。一般市民役の人々が。ただのエキストラではなく役者さんなんでしょうか。実際の現場もこうだったのだろうか。見てるうちに涙がこぼれました。
更にラストの基地内での妻夫木と窪田のやりとり。妻夫木がこんなことがいつまでも続くわけないと言うのだが、映画見てる自分、観客は、50年経っても続いてると知っているわけで…涙がまたこぼれました。
評価のマイナス0.5点は言葉がわからなすぎでした。字幕入れてもいいのでは?
戦後沖縄史の勉強になります。
この上映時間だから作られる感情があるのではと感じた。
一番の問題は、自分達が宝物と本人達に 自覚をもってもらうことの大変さ
沖縄戦が終わり、つまり日本の敗戦後の沖縄の本土復帰までの混沌は、隣県で過ごした私にも、正直言えば遠い場所のことだった
それは二十数年続いた
社会的に心が癒えないまま異国人に蹂躙された魂が安らげない時代だったのだ
私はそれからまた15年位経ってから、沖縄で社会人デビューしたわけだけれど、うちなんちゅの人々の優しさに甘えて、戦後のすぐの社会の在り方に違和感も感じなかったし、むしろ外国の方の明るさに、心を魅かれた毎日だったかもしれない 恥じいるばかりだ
戦争と人間って、何を言おうが何をやろうが、本質はエゴに基づく力と力のぶつかり合いなのだから、グスクやヤマコが味わう悲嘆を生み出す装置に間違いはない
このように毎日を必死に生きていけば矛盾や社会の壁に涙を流すしかなくなるのだ 大友監督が今回の映画にかけた情熱がほとばしるのを感じた
次回以降も期待しています
悲惨
戦後沖縄の苦難に面した若者たちの熱い戦い
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