宝島のレビュー・感想・評価
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長い
字幕と用語解説つけてそれを売りにしても良かったぐらい
公開3日目の夜の都内の映画館としてはかなり寂しい20人いない感じの客入りの劇場にて鑑賞。
まず。戦後沖縄を舞台にこれだけの規模の映画を作ったことはすごい。その熱意、こだわりは充分伝わった。
でもこれは興収も伸びないだろうし人にもおすすめにしくいものになっている。
まず上映時間191分はどう考えても長い。もっと短くできただろ。
例えばヤマコが先生として生徒の名前呼ぶ時、生徒の声が聞きとれず「もうちょっと大きい声で」とうながすとその少年生徒が予想以上の大声で名乗りヤマコ先生びっくり!な場面があるがあのシーンはもっと短くできただろ。
「こんなに元気に返事をしていた少年も墜落事故で犠牲になったのです」ということをやりたいのは分かるが、ならばそれは点呼で使うもんではないだろ。
最初の「こういう状況になったわけ」の米軍基地で車に乗りながら逃げる場面もあまり緊張感がない。もっとアクションを派手にするかテンポを早めるかした方が良かったと思う。
同じく終盤の米軍基地内でのグスクとレイの大声のやりとりからの米軍に見つかり「毒ガスまくぞ!」のくだり。あそこもやりたいことは分かるが「暴動が起きた日に米軍基地内に侵入してる」状況で米軍があんなに待ってくれるか?ということが気になったのでせめて毒ガスから「フレンドだろ」(ここもフレンド感なかったろ)はもっと早く短くていい。
最後の「行方不明になっていたオンちゃんは実はこういう生活をしていたのです」ももっと早く短くていい。
気合い入れて作ったのは伝わるが191分と長いがゆえに視聴者側のハードルが無駄に高くなっている。
次に。バッドエンド感強いのをなんとかして欲しかった。
「みんなが探していたオンちゃんは既に死んでました」だけでもガッカリなのに「宝として、予定外の戦果として育てていた少年ウタも死にました」だから。3時間観てバッドエンドか〜感が強いのよ。
やりたいことは分かる。結局こういう基地問題は島の宝である子供の命を奪ってしまう、それはずっと続いているのだ、というメッセージだろう。このメッセージを重視するならウタ生存エンドができなかった意図は分かる。
でも自分としてはギリギリ生きてて次の時代に思いをつなぐみたいにしても良かったと思う。もしくは「ウタは死んだけど彼が育てていた花はやがて大きな花畑になりました」みたいな。なんでもいいから「問題はまだ続いてるけれど過去の人々が頑張ったから多少まともになったところもあるよ」的なエンドにしてくれてもいいと思うのよ。なんかデモも暴動も無駄だったのかな感がついた気がするのよ。ラスト数分で。
次、方言が聞き取れない問題。これは字幕をつけてむしろそれを売りにしてもいいくらい。やまとの人にはすぐ理解できないほどの本格的な沖縄方言!はそのこだわりゆえに分かりにくさにつながっている。分かりにくい用語をいちいち画面に意味表示してもいいくらい。
もし映画内に字幕を入れたくないなら公式が「映画を観る前の豆知識」として戦後沖縄の映画に関する出来事年表や用語集を積極的に発信するべきだと思う。公式サイト観たらキャラ相関図や方言は載ってるが、それじゃ足りないだろう。
自分は原作ファンの人が作った「映画観る前にこれは知っておくといい動画」を事前に観ていたので理解が進んだ部分があるがそれでも「今のシーンの意味は?」とか考える瞬間があった。全く予備知識なしの人が観ると「何言ってるかよく分からないし」みたいなネガティブな印象が強くなると思う。
次、演出にも関わるがセットな感じな場面がまあまああった。これは邦画の限界でもある。25億円かけてもセット感がなあ、という場面は街や飲み屋などの場面でちょいちょい感じた。頑張っているNHKドラマ感。ただこれももっとスピード感あったら気にならなかったんじゃないかとも思う。
というような「もっとこうだったら」感が強い作品ではある。あの客入りも納得できてしまう。もったいない。
ただ。それでも!よく戦後沖縄を舞台にこの規模で映画を作ってくれたと思う。その一点だけでも自分はこの映画に意味があると感じた。
Aがついてる店はアメリカ軍用のマークというのもコザ暴動もこの映画ではじめて知ったし、この時代の沖縄に焦点をあてた作品というのが今までなかったはず。
あと、コザ暴動までの展開自体はツッコミどころはありつつも結構面白い。エンターテイメントにしようという心意気は感じた。
主要キャストはかなり当時の沖縄感を出そうとしてくれていた。特に窪田正孝はやはり只者ではなかった。その熱演ゆえに沖縄方言がうますぎて一番何言ってるか分からない瞬間が多く、やっぱり俳優の演技の頑張りを伝える為にも字幕はあったほうが良かったと思う。
そのこだわりゆえに長く分かりにくく更にバッドエンド風味にまでなってしまった感がいなめないが熱意は伝わった。
語られなかった「日本」の盲点をあぶり出す、“不快”で“誠実”な物語
いわゆる“戦後沖縄”をテーマにした作品としては、非常に政治的で、かつ誠実な映画と感じた。だが同時に、極めて視聴者を選ぶ「不快な映画」でもある。つまりこれは「良い映画」ではなく、「重要な映画」だということ。
本作が描くのは、米軍統治下の沖縄で「戦果アギヤー」と呼ばれる少年たちが、基地から物資を盗み出し、貧困に喘ぐ人々に分け与えていたという物語であるが、その核心は、単なる義賊譚ではない。むしろそこに潜むのは、国家と記憶、暴力と沈黙、そして“語る権利”の問題にある。
アメリカ軍の知性派として登場するアーヴィン、日米の橋渡し役である通訳の小松、そして情報統制と暴力装置の象徴であるダニー岸──この三者が象徴するのは、「外から来た支配」と「内側からの共犯」であり、戦後日本が“沖縄の痛み”にどう向き合ってこなかったかの集約でもある。
特筆すべきは、「予定のない戦果」という形で登場する赤ん坊=ウタの存在。彼は、性暴力と国家的隠蔽の果てに生まれ、英雄オンの命と引き換えに生き延びる。結果的に、ウタは「語られざる歴史そのもの」であり、語ることを覚えた時点で「排除される存在」になってしまう。この構造はあまりに示唆的だ。
本作には“正義”も“救い”もない。ヤマコ、グスク、レイはそれぞれ別の形でオンの喪失と向き合い、正義と暴力、国家と市民、自分と他者の間で迷い続ける。ウタはその象徴として現れ、そして最後には撃たれる。それでもなお彼の存在が「語り」を続ける意思として描かれるところに、この映画の倫理性がある。
ただし、万人向けではないことも確か。沖縄方言が字幕なしで飛び交うことへの不満も多く、情報量の多さ、メッセージの多層性、登場人物の変遷と心理の曖昧さは、一定の鑑賞スキルを要求する。“わかりやすさ”を排した本作の姿勢は、今の時代にはむしろ異質である。
それでもこの映画が強烈な印象を残すのは、“国家の都合で語られない歴史”を、明確なプロパガンダではなく、個人の選択と葛藤の積み重ねによって描いているからだと考える。『宝島』は、戦後日本が見て見ぬふりをしてきた“沈黙の声”に、ようやく焦点を当てた映画であり、その重みから我々は目を逸らすことができない。
25-110
演出が過剰
戦後80年経っても苦難のままの沖縄を描く渾身作
賛否両論なんて言葉が本作公開後に飛び交っております。支持する派と支持しない派の二手に分かれるって趣旨ですが、私は猛烈に支持するけれどダメなところは厳しく糾弾したい。だからと言って、テーマの素晴らしさを持ち上げその高潔性だけで評価なんてのはご免こうむりたい。どれ程立派なお題目唱えたところで映画なんて面白くなければ箸にも棒にも掛からない。
原作はいざ知らず、脚本も兼任したベテラン監督・大友啓史がどうしてしまったのか? エンタテインメント性の強い指向の彼がテーマの重さに揺らいでしまった? 3時間超えの191分なんて、結果的に映画的に要約しきれずを露呈としか思えない。20年間を描くのに3時間なんて必ずしも必要ではないはず。1970年のコザ暴動を沸点に据え、一種の青春群像を描きたかったのは誰の目にも明らか。しかし、その精緻を指向する欲により決定的にぼやけてしまった。
なにより「戦果アギヤー」って言葉で引っかかる。要するに一種の義盗のようだとは画で分かるけれど、併せてグスク、ヤマコ、レイそしてオン、この名前が私の頭には入ってこない。あくまで方言に忠実過ぎて、まるでセリフが耳で聞き取れない、心底字幕が欲しかった。しかしそれは沖縄県に対し実に失礼と思われるかもしれませんが、厳しい東北弁に対し字幕がついたこともありました。苦難の沖縄に失礼は許されないのは本作の基調ですが、過度に忖度し過ぎたってところでしょう。
そして画面が絶望的に暗い、その上登場人物皆が汚れたメイク揃いで、誰が誰やらさっぱり。で、話についてゆけずおいてけぼりをくらう羽目に。さとうきび畑の中でのシーンなんぞ、まるでアマゾンのジャングルのシチュエーションのような光景で、違和感しかなかった。翻って救いとなるべき海が希望の持てるブルーでなく、どんよりとした重いブルーにしか見えないのも辛い。
冒頭の1952年って終戦からわずか7年。ってことは第二次世界大戦末期の1945年の沖縄戦に彼ら主人公達は皆対峙していたわけで。あの日本軍による集団自決の強要もあれば、爆薬を体に括り付けられ米軍の戦車の下に潜り込ませられ自爆させられた少年の友達だっていたはず。だから「やまとぅんちゅ」なんか端から信用出来ない。そうした精神性の認識格差により観客の受け止めも変わってきてしまう。しかしそこまでカットバックで描いてたら、4時間あっても足りないですよ。せめて会話が背景を伝える試みは叶わなかったか。
永山瑛太扮する首領のオンの行方が全体に流れるベクトルのはず。なのにどっ散らかったエピソードにミステリー要素は希薄で、そもそも主人公達は探そうともしてないのに、見えないカリスマがいるかのように描き続けるのには無理がある。そこへ唐突にウタなる若造が登場し主役がスイッチするかのように錯覚してしまう。壮絶なクライマックス後に米軍敷地内での大団円でもウタは画面の中央にあり、米軍の銃弾にあう悲劇のヒーローのよう。そこで何故か病院に連れて行かず、まるで死に場所に導かれるように、海岸線に到着し、ここで肝心のオンの結末が明かされる。相当に無理があり過ぎですよ。で、彼の葬儀がフィナーレで映画は終わる。米国の存在悪のテーマが霧散してしまいかねない。
小学校米軍機墜落事故、糸満轢殺事件、毒ガス漏洩事件そしてコザ暴動と、史実に正確に描かれます。うちなーんちゅの困惑なんぞ表面しか分かってない大多数のやまとぅんちゅに、衝撃を与えるための本作。よくぞ創ったりですよ。これらの諸問題は前後80年も経った今も、全く解決していない現実に震えてしまいます。EU諸国が次々とパレスチナを承認しているのに、アメリカの「ポチ」を臆面もなく受け入れる日本政府ですから、沖縄の苦難はこれからも続きます。
これ程の大作も見事なもので、クライマックスの暴動シーンは流石にすさまじい。いまとなっては貴重なクラシックカーを思う存分ぶっ壊す豪快シーンが邦画で見られるなんて。ただ、妻夫木聡扮するグスク自身が暴動のリーダーとも言えず能動的ではなく、ただただ放心状態で笑ってしまうのみは、映像として弱いし勿体ない。入魂の演技は見事なもので、レイに扮した窪田正孝は剃刀のようなリスキーを全身で発し圧巻です。
そして広瀬すずですよ、家でレイが帰った後の1人芝居の長廻し、感情の乱れと思考の変遷を僅かな表情の歪みで完璧に観客に伝える、実にたいしたものです。前作(撮影は逆でしょうかね)「遠い山なみの光」での大女優の風格をここでも感じさせました。ふとしたアングルで広瀬アリスに見える時があった。それだけ破天荒な素地のある役だったわけですね。
これ程に沖縄愛のある作品のメインに沖縄出身役者がいない事は、しかし何の意味もないでしょう。同時期の「風のマジム」だってそうですから。「国宝」で邦画への素晴らしい流れが出来て「宝島」に繋げる目論見が少々厳しく。「国宝」は海外でも戦ってゆけそうですが、「宝島」はやまとぅんちゅにすら苦戦してしまっては、悲しいですね。
知らなかったら、知ろうとするべきで、映画できっかけを作って頂いたら、深堀りし問題を共有する。本土決戦の防波堤にさせられた悲惨な歴史の事実から目を背けてたら、いつまでたっても「やまとぅんちゅ」から脱せない。知ろうとしない事は恥です。
観て良かった
自分の無知ぶりを痛感・・・
戦後、アメリカの統治下であった沖縄が舞台。
米軍から物資を奪って島人に配っていた集団「戦果ヤギー」。行方不明となったリーダーの存在を軸に、メンバー達の人生が描かれる。
登場人物こそフィクションではあるものの、作中で起こる事故事件は、史実に基づいた内容である事を、後でネットで調べて初めて知る。
沖縄返還は、そう昔の話ではなく出来事として表面的には知っていたが、詳細を何も分かっていなかったと痛感。
明るく楽天的でゆったりとした生活を送っているイメージのある沖縄の方達ですが、その裏で米軍との因縁は想像を絶するものがあったのだと感じた。
191分という超大作ですが、その長さ故に世界観にどっぷりハマれます。
歴史的背景だけでなく、当時の暮らしぶりなどとても興味深かったです。
あえて言うならば、会話が聞き取りにくい部分があった事。
方言とかでなく、音声として聞き取りづらかったのが少し気になりました。
でも、とても見応えのあるいい作品なので、多くの方に観てもらいたいですね。
本土の人たち(わたし)こそ観た方がいい映画。
確かに3時間超で長い。だけでなく、言いたいことが詰まり過ぎていて、上手く伝わってない部分もあるような気もする。 でもね、でもね、やっぱ見る価値はあると思うんだ。 特に、本土で生まれて、ろくすっぽ、沖縄の歴史も知ろうともせず、戦後の平和の良い部分だけを享受して来たわしら、戦後世代は、、、。 「あー、こんな事があったのか!そりゃあ、沖縄の人たちが怒るのも当然だわ。」と、少しでも心を寄せるためにも。
おりしも、トランプ政権の元で関税やら、基地負担やらが話題にのぼっても、アメリカ軍基地の縮小を議論することさえできない政治家達、、、。 こうやって、沖縄への過重負担は、増す事があっても減る事がない。
瑛太さん、福田村事件以来、「リーダー役」が板についていて素晴らしい!若いのに、リーダーの風格があって、オレは好きだな。妻夫木聡、窪田正孝、広瀬すず、、、。皆さん素晴らしい熱演でした!必ずもう一度劇場で観ます!「国宝」より、「宝島」が、わたしを呼んでいる。
最後に映画館に愚痴。(イオンシネマ津南) この3時間超の映画の前に地元CM、映画予告をフルスペックで付けるのはいかがなものかと思うよ。上映時間に合わせて、CMを短くするとか融通をきかせてほしい。生理現象が大変です!
若い人に観てもらいたい
今の若い人たちは戦後1972年まで沖縄がアメリカの統治下にあったことを知らない人が多いのではないでしょうか?
コザ騒動や宮森小学校米軍機墜落事故などは史実に基づいて描かれているので、若い人たちにはぜひ見て欲しいと思いました。
映画としてはコザ騒動がクライマックスになるのでしょうが、グスクをリンチにかけたアメリカの手先の小悪党が騒動に集まった民衆にやられるぐらいで、カタルシスが小さく盛り上がりに欠けていました。
米軍基地への毒ガス散布も失敗して、宝も失って、なんか、もやもやだけが残る結末でした。
その、もやもやが続いているのが、今の沖縄ということでしょうか。
観終わった瞬間、真っ先に込み上げたのは「観てよかった」という思い。...
あの重厚で濃密な原作からして、かなり難しい映画化になるだろうと予想...
戦後の沖縄
沖縄のちむぐくるに感動した! なんくるないで済むかぁ!なんくるならんどぉ!!
この作品は長い、とにかく長かった!! 堂々の191分
3時間まわっとるやないか~い 上映する劇場側も必死の覚悟。
予告トレ-ラの時点で半泣きするぐらい引込まれてた私。
今日は期待していた「宝島」の鑑賞です。
原作:真藤順丈氏
監督:大友啓史氏
---------熱い演技が光る俳優陣-------
グスク(オンの親友、元アギヤ):妻夫木聡さん
ヤマコ(オンの元恋人、学校教師):広瀬すずさん
オン(戦果アギヤーのリーダ格で島英雄、失踪):永山瑛太さん
レイ(オンの弟、ヤクザ):窪田正孝さん
小松(米側通訳):中村蒼さん
ウタ(コザの孤児):栄莉弥さん
タイラ(反米闘争の労働者):尚玄さん
チバナ(夜飲街のホステス):瀧内公美さん
徳尚(グスクの相方刑事):塚本晋也さん
アーヴィン・マーシャル(米側調査員):デリック・ドーバーさん
他、多くの役者の方々
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(時代背景と 話展開)
舞台は1952年の沖縄、沖縄戦直後から始まった米軍統治下時代。
沖縄が日本に1972年復帰するまでの島民に揺れ動く心の熱い願いを描いてます。
何故、沖縄なのか。第二次世界大戦の沖縄地上戦(1945年3月26日から始まり、6月23日まで)で米軍と戦って負けた日本軍。本土から遠く離れたこの島はアメリカ軍に占領されたのです。そして終戦降伏は1945年8月15日。
この事を 念頭に置いて観て頂きたいです。
1945年以降も沖縄は米軍が占領したまま統治下時代となり島民や孤児たちはいつもアメリカ軍の無謀な暴力に耐えて怯えて暮らしていました。アメリカの制裁を受けながら、日本本土からも見放されて。その深い悲しみがこの作品の根底に描かれています。
日本からも見放された沖縄島民が頼るのは米軍基地しかなくて。
その沖縄米軍基地(嘉手納)に忍び込んで物資を奪う”戦果アギヤー”として活躍していた孤児たち4人のそれぞれの生き様を、米統治下に暮らす島民の心と絡めながら話展開して行きます。
或る日、戦果アギヤーとして米軍の倉庫に忍び込んだ彼等。何処から情報が漏れたのかいつもは無視する米軍が一斉に追いかけてきます。
理由はいつもは薬屋や食料だけを盗むのに、その日は誰かが誰かに頼まれて武器を盗んでしまったからでした。訳が分からず逃げまどうが、仲間の何人かは米軍に撃たれます。その場で必死に逃げバラバラに別れたアギヤー達。
その日以来、リ-ダ-格のオンの消息が分からなくなる。
やがて 刑事になったグスク。彼は刑事の立場(情報)を使いオンの消えた足取りを追うのであった。そんな中、理不尽なアメリカ軍の制裁に耐えきれない島民は沖縄を本土復帰のデモを一丸となって起こす。
果たして消えたオン探しと、沖縄本土復帰と、都民の心の叫び願いは叶うのか・・・
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(ちょっと やな-点)
・何と言っても上映時間は迫力あったけども長いと感じた。そして終わった後疲れた。100分で一旦休憩タイム入れても良かったかと(”沈まぬ太陽”みたいに)
・沖縄弁がわからん。メインキャストのセリフはまだ訛りがましだが、沖縄系俳優?のネイティブ沖縄弁はアクセント含め本物リアル。聞き取り理解が難しい点が在った。しかしその熱意ある台詞吐きに情が込められていて大体は分かった。
・訛りによって大事な所がうまく伝わらず、モドカシイ点が見られた。
特に反米闘争グル-プの武器を盗むよう指示したとか、レイの成り下がって行く辺りの流れが分かり辛さを少々感じた。
・グスクと米側との会話、私達 ”トモダチ” ・・・うーん 中々素直に受け取れない心情かなと感じた。
・大きく成ったウタの銃撃受けて瀕死の場面。なぜ 車で一緒に基地から逃げてあの場所へ直ぐ行けたのか。ちょっと都合良すぎ。そして 探してた問題の彼との対面だけど有り得ないと思う。
ここは 沖縄の怒りの頂点 初暴動が炸裂してメッチャテンション爆上がりしたのに 一気にあの出産場面で静まり返ってしまった。
ここの 流れ展開は正直恨みますね。構成を見直すべきで良くないと感じました。
(い-むん点)
・クラシックカ-を数台も走らせ当時を再現。沢山のエキストラ含めた圧巻の初暴動場面。本土復帰デモ行進場面といい、今でも島民に宿っている怒りや悲しみ、地上戦にされた場所ガマ、米軍基地滑走路の場面等々、それら総てを丁寧に描けている所は非常に素晴らしいと思います。 深い想いにとても感動しました。そして撮影も凄く大変だったと思うのですが、色合いも非常に上手く表現出来ていて良かったと感じます。
・ウタの尋ねる”僕のお父さんは何処ね、誰か教えてよ” 戦後混乱で孤児と成って育った彼がいう 虚しさや、どうして自分がこんな人生を歩まなくては成らなかったのか、そこの問いに現われていたと思います。
とても悲しい心の訴えで有ったと感じます。
・そして一番は暴動最中のグスクの吐き捨てる言葉!
”なんくるないで済むかぁ!なんくるならんどぉ!!”
ここは一番熱い思いが島民と一緒に込み上げてきて
素晴らしい感動の所でしたですね。
これ程のシーンをお目にする邦画作品はチョット無いかなと思いますね。
・賛否両論が湧き起るのは仕方がない事ですが、この映画を通じて 今も残る米軍基地と沖縄島民(ウチナーンチュ)への理解が本土国民の皆さんへもっと届ければと願うばかりです。
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邦画にしては巨額製作費(25億円)。かかちゃいましたけども
皆さんの思いひとつで何とかなると感じます。
どうか、是非
ご家族、ご夫婦、ご友人、
お揃いに成って
劇場へお越し下さいませ!!
想像以上
沖縄の怒りと悲しみ
妻夫木聡、窪田正孝、永山瑛太、広瀬すず…役者さんの素晴らしさは分かっていたけれど、まさにそれに尽きます。
広瀬すずは、実は前は少しクセのある喋り方(広瀬すずでしかない感じ)が好きではなかったのですが、遠い山なみの光もそう感じたのですが、この喋り方がすごく作品に合っている気がして…いや彼女が様々な作品を通して、良い役者さんになられたのでしょうね。
妻夫木の泣き笑いの表情が、たまらなく好きです。何とも言えない感情を、とても上手に表現できる役者と思います。
窪田正孝の演技が、また素晴らしい。怒りを目でみせるというのかな。
3時間越えの映画で並べられる国宝も素晴らしい映画でしたが、より私に響いたのは宝島です。
終戦後の日本は、東京オリンピック、新幹線、万博…高度成長の素晴らしい復興を遂げてきました。
しかし、沖縄の人々はその時もアメリカの支配下にあり、現在でも理不尽な状況にあります。
そんな怒りや悲しみや理不尽を、ここまで見せてくれたことにこの映画の意味を感じます。
ゴザ暴動の前後の映像は、一瞬リアル?と思えるくらいに真に迫っています。
終盤のシーンでグスクとレイが、言い争うシーン。どちらの意見も、あるよなぁと思って見ました。
だけど、武力vs武力で更に争いが起きる。
オンが「撃ち返したら戦争になる」みたいな言葉を発してました。
まさに、それが真理だと思う。
この国は、今こんな僅か数十年の記憶を忘れたかのように戦争に向かおうとしてるとしか思えない状況に進んでいます。
戦争が起きて悲しい思いをし死んでいくのは、いつも弱い立場の人たちです。
絶対に2度と戦争をしてはならないと。
もう一度、見たい映画です。
疲れる作品でした
戦後の沖縄返還期を背景に、1人のヒーローを探し求める若者たちの数十年を描いた作品。原作は未読。沖縄方言もあり、聞き取れない部分が多々ありました。戦果アギャーと言う言葉は初めて知りましたが、実在していたのですね。
沖縄と言えば人気のリゾート地。きれいな海と大自然、食事も美味しい。しかし、沖縄は常に蹂躙されて来ました。古くは薩摩藩、無理やり日本に組込まれ、戦後はアメリカにいいように利用され。今だって沖縄のホテルや飲食店、コンビニ。多くは本土資本で現地の人にはどれほどの利益になっているのか。
「小遣いもらったら、殺されても犯されても何も言えないのか!」グスクの怒りはダイレクトに伝わりました。かなり前ですが、卒業式で日の丸を引きずり下ろした女子生徒がニュースになりました。
沖縄を知る意味ではいい映画だと思いました。
映画自体はキャストが多く、メイクもかなり濃いめなので主要人物以外は誰が誰だかわかりませんでしたし、皆さんがおっしゃる瀧内さんも何者なのか私にはわかりませんでした。
コザ暴動のシーンは溜まりに溜まった県民たちの怒りがよく理解できたし、今だって同様の事件が起きていることに怒りを感じました。自分の近くにも米軍基地があるので。
広瀬すずはすっかり演技派の女優になりましたね。
あんなに泣いても美しいって、どれだけ土台が整ってるのでしょう。海街diaryが大好きで何度も観ているので余計に成長を感じました。
最後に基地でグスクとレイが揉めてましたが、ヤマコはあのスカートで鉄柵を乗り越えたのかなとか、あんなにライフルぶっ放して見つかっちゃうじゃんとか思ったし、ウタが撃たれてから(韻は踏んでない)最後までが長かったかな。
結局みんながあんなに探していたオンちゃんはとっくのとうに亡くなっていたわけで、その描写が長すぎた。ウタはオンちゃんの最期を知っていたのだから何故それをヤマコに話さなかったのか。原作を読めばわかるのかな。常に怒鳴り合い暴力描写が多く、嫌煙家は見てるだけで嫌になるほどタバコの煙が漂っていて作品そのものに正直感動はありませんでしたが、奇しくも今夏、沖縄尚学が優勝旗を沖縄に持ち帰りました。沖縄の歴史をもっと知ろうと思うきっかけの作品になりました。
蛇足ですが、あの時代「ハーフ」とか言ったのかな。混血児もしくはあいの子だったのでは?あいの子はコンプライアンスに引っかかるのかも。
真の外国人特権を見るべき
数年前から外国人排斥の動きがだんだん大きくなり、今年の参院選ではそれが爆発した感じ。SNSには、普通に仕事をしている人、通勤している人、観光している人まで「外国人」というだけでさらし者にするような写真があふれている。具体的なデーターはあやふやなまま、外国人特権という概念が日本を飲み込もうとしているように見える。
しかしこの流れの中で、映画に描かれている在日米軍という「真の外国人特権」については、ほとんど触れられていないことに非常に疑問を感じる。沖縄の問題だから?他人ごとに思えるのか?沖縄もまた、日本の領土の一つなのに?
そして、基地は沖縄以外にもある。さらに日本に領空権はなく、集団的自衛権が認められてしまった今、地球の裏側のアメリカの戦闘に巻き込まれる可能性すら出てきている。これは沖縄ではなく、日本全体の問題なのだ。
さて、そんな中コロナによって延期が続き、結果的に戦後80年の年に公開となったこの作品は、本来日本の「反米」機運を高めても仕方ないような危険性すらはらんでいるように見えた。特にクライマックスのコザ騒動で、民衆の怒りが爆発するシーンは、ある種「ジョーカー」のクライマックスで感じたのと同じような一種のカタルシスがある。これは、実は結構危険な感情で、本映画ではグスクの自制心によって直後のシーンで「こんなことして何になる」と否定されているが、騒動の中にいた瞬間は、確かに彼自身も飲み込まれそうになっているように見えた。
ところが、公開数日の現在、本作の盛り上がりは、世間的にいまいちで、しかも、Xでの監督のコメントがどうとか、電通がらみだとか、変なノイズが多い。
勧善懲悪ものでも、すっきりしたエンディングがあるわけでもない。歴史的背景を知らないと難しいところもあるかもしれない。しかも、結末はバットエンドに限りなく近く、オンが守った「宝」は騒動の中で結局失われてしまった。「こんなことが続くわけがない」というグスクの言葉は、とてもむなしく聞こえる。
でも、これが沖縄と日本の現実で、しかも現在進行形。単なるエンタメで終われるはずがない。そういう意味でとても完成度は高い映画だし、ストーリーだと思う。私は原作を読んでいないが、ぜひ原作も、と思わせる出来だった。むしろこの映画の言いたいことが分からないといわれると、なんだか悲しくなってしまう。
満点とはいいがたいのは、確かに、方言に寄せたセリフは絶叫しているにもかかわらず聞き取りづらいところはいくつかあったし、展開的に分かりづらい部分もあったところ。完璧な映画とは言えないかもしれない。でも、3時間半見る価値はある映画だった。私は気に入った映画は応援の意味でパンフレットを買うが、この作品は「買い」。今年はパンフレットを買う映画が多くて嬉しい。
個人的、字幕が欲しい映画部門ノミネート
戦後7年、1952〜1967?年に渡る沖縄の話。
戦争末期の沖縄戦は有名だけど、
戦後、アメリカに統治されていた時代のことは何も知らなかった。
日本返還を社会の授業でさらっと学んだ程度。
沖縄からベトナムに飛行機を飛ばした、と作中で語っていた。
ベトナム戦争はあまり日本に関わりの無い戦争かと思っていたが、沖縄があったことで飛行機の航路的に楽にベトナムに行けてしまったと考えると悲しくなった。
妻夫木、窪田正孝、瑛太もすごい良かった…。
語尾が伸びる沖縄の言葉かわいいし、全体的に柔らかい口調ですき。
うーたーかと思いきや、うた君だった。
もっと語りたいが頭痛いので後日!!
25.9.23 映画館
全399件中、41~60件目を表示
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