宝島のレビュー・感想・評価
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全てのポイントはスタッフ・キャストに
原作未読、沖縄返還を覚えている還暦のマタゾウすらうろ覚えの沖縄戦後史と、それらを背景として主人公たち数名の十数年にわたる物語をつづる、3時間越えの大作。まずは全編にわたる美しい映像は、スタッフの努力が忍ばれ、見ていて嬉しい。またそもそも沖縄の戦後史について一つのエンタメ作品として広く留めることの意義は評価されるべきであり、近過去をきっちりエンタメ化してきている韓国映画にも比する価値がある。役者陣は窪田正孝が最近こんな役が続いていて可哀そうな気がするが、妻夫木聡、広瀬すずも含め皆安心して見られた。ポイント3点は絵作りにかかわった皆さんに。
一方で脚本・演出は残念だったと言わざるを得ない。冒頭の基地内での銃撃戦、トラックにジープが追い付かずバンバン座席を銃撃するのには興覚めだったが、その後約2時間は「アイリッシュ・マン」のように(言い過ぎですが)遷移する物語を楽しむことができた。
問題は暴動後の基地内から海岸にかけて。とにかく現実味がない無理筋が連発で、これまで積み上げた骨太っぽい物語がガラガラと崩れる。映像や演技が勿体ない。突然でてきた妊婦話に驚いていると、その子供がウタで、近くにいるみんなが探しまくってるオンの消息をバリバリ知っていると…。君ら刑事になったりヤクザになったりして何年も探してたんじゃないのか?第一あんなオープンなところに死体が何年も放置されてたら白骨化の前に台風で散逸してしまうよ!ネックレスだけが爺さんのところに流れてったの?(なお当方、前半でオンちゃんのネックレスに気づいていなかったので個人的には伏線回収されず。失礼)
繰り返しになるが、あまりに重い史実を踏まえた暴動までの展開には満足が行っていたのに、しめくくりの30分で台無しになったというのがマタゾウの率直な感想である。
ヒットした「るろ剣」はドラマ部とアクション部の乖離が激しかった。評価されたのは「ドラマを背負ったアクション」だと思っている。「レジェンド&バタフライ」は木村拓哉と綾瀬はるかという豪華すぎるキャストが活かせず間延びしていた。そういうわけで大友監督はまだ信頼できていない。今作が3時間越えと聞いてまた間延びを危惧していたが、その点は問題なく、長期間にわたるドラマを飽きることなくつないでいた。それだけにスジの練り不足が残念だ。(追記:大友監督、時間的制約があるTVドラマの方が向いているのでは?)
なお当方が確認した多摩から埼玉の劇場はどこも最大キャパのスクリーンではなく中小スクリーン、しかもかなり余裕がある状況。当方はミニツーリング込みでイオンシネマ大井へ、17時からの回で観覧者は7-8人でした。
字幕欲しい
今年ナンバーワンの超大作映画!
戦後の米軍統治下に置かれた沖縄という「日本」でありながらも「日本」とは異なる政治的立場に置かれた、その複雑さと孤独感が、作品全体に流れる静かな怒りや悲しみと相まって、強く印象に残りました。歴史を知識としてではなく、「感じる」「考えさせられる」機会を与えてくれた映画だったと思います。
舞台セット、映像美や音楽も素晴らしく、重いテーマを扱いながらもエンターメント性として最高の作品だと感じました。特に、ラストシーンは涙なしでは見られませんでした。あの瞬間に込められた祈りや決意は、観る者の心にしっかりと残るはずです。また、その製作者のメッセージに共感を覚えました。
大好きな沖縄の歴史や戦争の記憶に向き合うだけでなく、「人がどう生きるか」を真正面から問いかけてくる作品です。観終わったあと、自分自身の在り方や、今の社会の中で私たちが見落としているものについて、じっくりと考えさせられました。
まだ観ていない方には、ぜひ一度足を運んでいただきたい映画です。心に残る一本でした。
沖縄については特に戦後の状況やら米軍基地の件から結構本を読んでいた...
沖縄、日本の歴史、戦争というものがよく分かる素晴らしい映画!
大好きな沖縄の歴史を知らなさ過ぎて、申し訳なくなった…。あの美しい沖縄の海や自然に魅せられ毎年のように行っているが、日本人として、今まで沖縄の辛い歴史を知らなかったことを恥ずかしく、心が苦しくなった。
『戦争』というものの現実と国の政策に翻弄される生活者の心の叫び、とにかく、日本の歴史を知る上で1972年に日本に返還されるまでの沖縄、日本の歴史が良く分かり、現在の世界の状況を踏まえ、考えさせられる映画で、キャストの演技力、その時代に生きた人々の想いがそのまま伝わってくるような本当に素晴らしい映画でした!
3時間30分という長い映画ですが、あっという間です。
戦後80年に相応しい、日本人全員に観てもらいたいと思う映画でした。このような映画を制作してくださった大友監督に感謝感謝です。
沖縄は今もまだ「戦後」なのかも知れない
‟遠い山なみの光”に続く広瀬すず出演作。“遠い・・・”と本作、全く同じ1952年に始まり、方や長崎、方や沖縄というどちらも戦争で大きな傷を背負った地が舞台、さらにはそれぞれ30年と20年という長い時の流れが描かれる。すずファンにとってはこんなにも共通点の多い作品が同時に上映中という偶然に不思議な感慨を覚えながら、観賞を楽しみにしていた。
【物語】
物語は1952年から始まる。終戦後もアメリカの統治下にあった沖縄、住民は戦後も大きな精神的抑圧を受け続けていた。そんな生活の中でアメリカ軍嘉手納基地などから物資を奪い、生活困窮者らに分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれた若者たちがいた。その中心に居たオン(永山瑛太)、グスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)は幼なじみで、オンはこの地の若者の英雄的リーダーだった。しかし、ある夜いつものように嘉手納基地に侵入して物資を持ち帰ろうとしていた彼らは、アメリカ軍に追われて散り散りに命からがら逃げる羽目になる。仲間を先に逃がしたオンは彼らの下に帰って来なかった。
数年の時が流れ、グスクは警察官、ヤマコは小学校教師、レイはヤクザになっていたが、彼らはそれぞれオンを探し続けていた。一方、依然としてアメリカ軍に支配され続ける住民の不満はくすぶり、鬱憤は溜まり続けていた。
【感想】
知らなかったわけではないが、沖縄は戦後27年にも亘ってアメリカ統治だったことを改めて見せられると・・・
本土が復興を経て、高度成長・東京オリンピックに湧いていた頃、沖縄はまだまだアメリカで、札幌オリンピックの頃にやっと祖国復帰と聞き、「言われてみれば確かにそうだった」とそのことが忘却の彼方にあったことに気付かされた。 劇中島民の会話に「本土に見捨てられた」とあるが、「本土から忘れ去られていた」というのがより正しい表現なのかも知れない。本土の人間も戦後しばらくは生きるのに必死だったはずで、他地域の人のことを考える余裕は無かったのは当然だろうが、高度成長で意気揚々としていた頃には大半の国民は沖縄住民の苦渋は意識の彼方に追いやっていたのでないだろうか。
そして1972年の返還で沖縄の長かった「戦後」は終わったと思いがちだが、劇中のセリフで「基地はそのままなのか!」で、基地がある限り彼らが背負って来た荷はまだ下ろされていなかったことを知った。
そういうことに(今更ながら)気づかされ、思い出しただけでも本作を観た価値はあった。
また、過去のこととしてではなく、考えさせられ、刺さることシーンも有った。
終盤、俺にとってはクライマックスと言える基地の中でのグスクとレイの口論、いや思いを吐き出す咆哮の応酬。武力で対抗しようしなくとも、いつか人は今の理不尽さに気付き真の平和が訪れる日が来ると「人間」を信じようとするグスク、武力のバランスでしか対等な平和は実現しない、「それが人間だ」と主張するレイ。グスクの考えに賛同したいが、50年後の世界情勢を見ればレイの考えが正しかったように思えてしまう、残念だが。
その一方で、レイの考えに基づいて現在の世界情勢を考えれば、米軍を追い出したかったレイの希望とは真逆の結論になると思う。沖縄の米軍基地は日米安保的に考えれば、日本にとっての最大の軍事脅威である中国、ロシアに対する軍事拠点として非常に重要なはずで、米軍基地は存続必須になると思うからだ。なんとも皮肉な話だが。
もし、日米安保を放棄し、独力で国を守ろうとすれば今の何倍もの国防費等々国民の負担増加は計り知れない。 ただ、国家的に考えればそうだとしても、過去も現在も沖縄県民の負担と犠牲が圧倒的に大きいということを本土に住む人間は認識し、理解することが必要なんだと思う。 例えば辺野古基地問題で、沖縄県知事等が強硬な態度をとるニュースを見ると、俺自身「我がままではないか。国家的視点で考えれば我慢すべきではないか」とついつい思ってしまいがちだが、沖縄県民からすれば「今までどれだけ我慢してきたと思っているのか。未来永劫沖縄だけに我慢を強いるのか!」ということになるのだろう。恥ずかしながら本作を観てやっと実感。 沖縄の声を理解し、国家として必要な負担・我慢は本土も含めて平等を目指すように配慮することが必要なのだと思う。
そんなことを日本国民に伝えようとする監督、キャスト他、制作者サイドのとてつもなく熱い思いがビシビシと伝わって来る作品だった。また、それだけでなく妻夫木、広瀬、窪田の熱演も光り、人間ドラマとしても楽しむことができた。
ただ、「25億円の製作費」を感じることが出来たかと言うと若干疑問符がつくかも知れない。なんでかなと考えて気づいたことが一つ。一番金が掛かっているのはコザ騒動シーンと思われる。 おそらく大友監督が本作で一番描きたかったのは沖縄の人が強いられた“我慢”であり、コザ騒動は鬱積した不満の大きさを示すシーンとして、監督的にはクライマックスなのだと思う。ものすごい数のエキストラの動員で確かに迫力が有った。しかし、コザ騒動はストーリーの軸であるオン・グスク・ヤマコ・レイ、4人の物語と直接関係が無い(彼らが意図したものでも望んだものでもない)。つまりストーリー的なクライマックスではないのだ。ストーリー的クライマックスは前出のグスクとレイの対峙だと思う。 さらに、言えば宣伝文句の「消えた英雄の謎」を解くミステリーのクライマックスはまた別にある。 つまりクライマックスが分散してしまった感は否めない。観客はやっぱりクライマックスで一気に高揚する気分を味わいたい。その点、製作費ほど盛り上がり切れなかったところがあったかも知れない。
鑑賞前、本作を応援したい俺としては「25億円の制作費」と聞いて興行的にも成功することを期待していたが、初動を見る限りどうやら興行的には失敗(大幅赤字確実)が見えてしまった。初動は出来の良し悪しにはあまり関係せず、作品イメージとかプロモーションに依存するわけだが、本作しかり、“遠い山なみの光”しかり、「戦後」を描いた作品は「重いテーマ」を想像させ、現代の映画ビジネスでは厳しいのかも。本作は若者にこそ観て欲しい作品だが、自分の周囲を見回す限り鑑賞者の年齢層はかなり高く、若者に興味を持たれていないことは明らかだったのは残念。
不満も書いたが、25億円の制作費に応じてチケットが高額なわけではないので、沖縄県民の負担を理解し、平和の維持について考える機会を持つことができることに加えてエンタメ性も兼ね備えている本作は十分観る価値がある作品だと思う。若い世代にも是非観て欲しいと願う。
受け止め方はそれぞれでも、それぞれの心に一石を投じる
行方不明になった反骨の男を中心に、それぞれの立場で回り続けるコマのように止まれない若者たち。
(窪田正孝にこんなに骨太な血まみれが似合うとは!)
沖縄の歴史の暗さと沖縄人の苦渋は、戦後生まれで、島人じゃない私には想像し尽くせないに違いない。(本州人じゃないけどね。沖縄の人は本州を本土と呼び、北海道の人は本州を内地と呼びます。)
何度も行ったあのきれいな海の底には、抑圧と戦った沖縄人の生血と、理不尽に耐えた沖縄人の胆汁が沈んでいるのかと、初めて気づいた気がする。
「沖縄」を知ったのはまだ子どもの時、本土復帰のニュースに釘づけになっていた両親の後ろ姿を覚えている。テレビでは車の車線が右側から左側に変わったと現地レポしていた。
2度目の「沖縄」は友達との旅行。鉄道がないことをその時知った。そして幹線道路に沿って延々と続く金網の威圧感に驚いた。
その後、仕事で1泊2日で行くこともあった身近な沖縄だけど、明るさと爽やかさが私が持つイメージの全てで、だから、この重い映画が沖縄を代表してるとは思わない。
不屈の明るさが沖縄にはあると思う。
映画の中には沖縄風土や習慣を丁寧に描写するシーンもあって、この映画に関わった人がどんなに沖縄を大事にしているかもわかる。
特に葬送のシーンなどは細やかに描かれていて感心する。
賛否はわからないが、とにかくものすごいエネルギーで描かれた戦後沖縄
予備知識が乏しくて想像の域を出ませんが、戦後(アメリカ統治)の沖縄をリアルに描こうとした映画です
描かれたのは恐らく現実にあったいくつかの出来事に着想を得た架空の登場人物達の人生。この物語が映画の背骨には違いない。しかし観終わった印象としては、描かれた登場人物達の具体的なストーリーが、むしろ背景として描かれた戦後沖縄の情景、状況、史実をリアルに感じさせるための"舞台装置"だったという感じ、です
描かれたストーリー自体にリアリティがあったかと言えば「?」ではあるものの、そこにはものすごい"熱量"があり、この映画が描いた戦後沖縄には確かにリアリティがあって、それこそが作り手の見せたかったモノだと理解しました
ちなみに、同時期に公開されている「遠い山なみの光」も、ほぼ同時代の戦後日本(人)を描いた映画です。フォーカスしているテーマやストーリーは全く異なりますが、太平洋戦争を始めた国に住む、戦争被害者のどうしようもない苦しみやキズを描いている、というところに共通点があります。
(広瀬すずさんが出ている、というところも)
あちらは"静"、本作は"動"という感じで全く違うスタイルの映画ですが、対比しながら観てみるのもオススメです。どちらにも違う良さや味わい(考えてみるべきテーマ)があって興味深いです
戦果
あの圧倒的な熱量の予告からしてとても期待していた本作。
初日に観たかったのに191分という長尺の為時間が取れず、本日よ〜やっと鑑賞。
公開から4日、朝9時過ぎからの回でも大入りでした。
今年は戦後80年という事もあり、個人的にもNHKの特番や、本・映画を通して戦争について考える時間が多かった。
今年の8月9月は正直キツい。
沖縄のコザについては「遠いところ」を観てから少し調べた事があったが、本作で描かれるアメリカ統治下の沖縄の事は詳しく知らなかった。
通過がドルだったり、日本の法律は適用されなかったり(アメリカ優位)沖縄県民は理不尽な立場だった事位しか知らなかった。
生活の為に米軍から物を盗んでいた人々の存在は何となく聞いたことはあったが「戦果アギヤー」と呼ばれていた事も知らなかった。
太平洋戦争末期、本土決戦への時間稼ぎとして沖縄を見捨てた日本(軍)
大きすぎる犠牲を出しボロボロにされた沖縄と沖縄の人々。
終戦を経て1972年、沖縄の本土返還までの、沖縄に生きた人々の姿を生々しく描いた作品でした。
どうしようもない怒り。
絶望し尽くしても尚沸々と湧き上がる枯れる事のない怒り。
武器を持つ事が抑止力になるのか。
やられたらやり返してはダメなのか。
平和なんて一度も見たことがない。
厳しい時間でした。。
良かったんだけれども…
オンちゃんのいない喪失感や沖縄人の我慢や痛みや怒り、支配され虐げられ無視されてきた歴史の重さが、どこか表面的。
もっと、喪失感、我慢、痛み、怒りの爆発を感じられる構成を期待していた。
なんか、沖縄の中から物語を見ているのではなく、外から見ている感じがずっとするのは、描写が外から視点で、渦中ではなく結果の傍観で、ずっと遠くから眺めている感じがするからなんだろうな。
上映時間を抑えて、分かりやすさを重視してしまって、結構大事なところまで削ってしまったような…。
『国宝』はエグい部分をかなり削ったけど、違和感はなかったけど、『宝島』はそこ削っちゃうと、沖縄人のどうにもならないって怒りが薄れてしまうよな…。
もっと映画ならではの表現をして欲しかったなぁ。
期待が高すぎたせいか?
勝手に期待しただけなのですが、テーマが散らかりすぎた感じ。イマイチ共感できないまま、別のテーマが入ってきて迷子になったまま時間が過ぎた。
大事なシーンで聞き取れないこともあり、多分こんなことだろうと、補完しながら時間が過ぎた。
Netflixで観たドラマ「フェンス」は、同じく沖縄米軍が問題になっているが、テーマが絞られていてよかった。
【追記 2025/09/25】
もう一度、観た。最初の感想と同じだ。方言も含めて、肝心なセリフが聞き取れないまま脳内の「?」が増えて行くだけだった。
尿意との戦いが記憶に残った
クライマックスがコザ暴動(1970/昭和45年)なんだろうなーと予想して観ていて、果たしてそうで、「光州事件」や民主化直前の政変を描いたいくつかの韓国映画を思い出しました。
あの辺の作品に刺激を受けて作られたのかもしれないと思うくらい、印象が似ていました。
映画賞を狙うにはいい感じの文芸系に振った印象が強く、エンタメ性は薄い。
失踪のミステリー要素が少しあるだけ。
右や左に偏らず、日本本土もアメリカも、沖縄の人間たちを利用だけして実質見下し、見放して人間扱いしてこなかったことによる悲しみの連鎖を描く、という趣旨はわかる。
わかるがしかし、登場人物たちが現実と同じく「わかり合おう」という努力を誰もせずに勝手なそれぞれの「正義」「平和」を求めることしかしないから、一時的感情爆発な衝動事件が散発的に発生するだけ。
長い小説をこれでも短くまとめたとは思うが、事象の発生した西暦がテロップで出る程度で、区切りが分かりにくく、脚本&演出的に平板。
3時間を超える中で、3〜4章に分けてわかりやすく1章ごとにそれぞれ落ちをつけるなどの緩急の工夫がほしかった。
もしくは、1エピソードくらい省略して、2時間半くらいにまとめてもらわないと、観る側の集中力持続がもたず、尿意との戦いしか記憶に残らない。
一番辛かったのは、沖縄の方言だらけで聞き取りにくいセリフが、複数の人間が被せ合う演出で、全く何言ってんのかわからないところが多発してたこと。
『るろ剣』大友監督のはずだが、原田眞人監督かなこれ?とネットで確認したくなることがしばしば。
字幕上映で観たかった。
ただ、沖縄が今意固地になって、政府のいうことにNOを突きつけることが多い原因となっている基である、「怒りの歴史」を知るのには役立ちますし、また民衆から自然にテロや暴動が発生するケースの原因についても気づかせてくれます。
・飢え(酷税や収入格差含む)
・法治なき混沌とした状況
・理不尽な抑圧、弾圧
によって、民衆の不満が爆発するのが大半なのだよなと。
どう受け取ればいいのか不明瞭な映画
戦後の沖縄統治、米軍基地問題を背景にして、生きる者たちの物語です。
嘉手納基地に侵入し、物資を略奪していた少年グループのメンバー⋯
・リーダーのオン(永山瑛太さん)
・グスク(妻夫木聡さん)
・レイ(窪田正孝さん)
・オンの恋人ヤマコ(広瀬すずさん)
達の、20年間くらいの人生を軸に話は進みます。
ある日、基地からの略奪行為が失敗し、それ以後、オンが失踪してしまい、
グスクやヤマコはオンのことを想い続ける。
血の気の多いレイは、アウトロー路線へ。
とゆうような「物語」が進む他方で、沖縄の人たちはアメリカによる圧政に我慢ならず怒りが湧き起こっている。
感想としては、この映画は、物語を魅せたいのか、それとも沖縄基地問題に重心を置きたいのか、よくわからず、どのように受け取ればいいのか少し困惑しました。
沖縄基地問題と、物語がそれぞれ絡み合わずに、独立して足し算されているような印象です。
「沖縄がこうであったから、グスクたちはこうである」とか、
「グスク達の物語を通して、沖縄基地問題をもっと見て欲しい」
のどちらかだったら、わかりやすかったと思います。
最終的に、終盤で、この映画のテーマは明らかになるのですが、
そのテーマがあまりに普遍的すぎて、
「普遍的なテーマを語るために、沖縄基地問題やグスクたちが使われた」
とゆう、あまり良くない印象を受けました。
よかった点は、
メインキャストの役者さん達がみなさんナチュラルかつ、熱演されていて感動しました。
また、群衆シーンも、リアルで迫力もありました。
沖縄基地問題に関しては、ただただ、耐え忍ぶ苦しみ⋯解決できないような難しい問題があると気づき、
沖縄の方々の基地負担について、再考すべきだと思いました。
なんくるないさー、では済まない現実。
レビューは賛否ありましたが、私も面白かったです。集中力が切れることもなかったし豪華な役者陣、圧巻の演技に終始圧倒され続けました。広瀬すずさんも瑛太さんも素晴らしかったです。沖縄のことをリアルに知るのは少なくなってきた時代。だからこそ作品が取り上げられてもっと知れ渡って欲しい。それくらい悲壮感、残虐的さに追い詰められた沖縄の人たちの思いが伝わってきました。映像も綺麗でしたし妻夫木聡さんと窪田正孝さんのラスト辺りのやりとりは胸が締めつけられました。なんくるないさ、という言葉は、なんくるないさ、では済まされない厳しい現実があったからこそ。そのことを忘れてはいけないのですよね。
二つ難点が…一つは「字幕の必要性」です。(字幕版を上映されているところもあるのかもしれませんが私のところではなかった)沖縄の方言やアクセントなどが所々聞き取りにくくて、大事な場面であろう時に何を言っているのか分からない、ということが何度かありました。リアリティを再現するのも良いことですが、難しい内容、時代の流れなどを伝えるのであれば、観客側にわかりやすくして欲しかった。もう一つはラスト。ネタバレはしたくないのですが、ちょっと無理があるのと詰め込み過ぎで感情移入がしにくかった。オンちゃんの経緯について原作は未読なのでわかりませんが…どうなんだろう。劇中はここを肝としてずっと追ってきた背景があったので最後の最後になんだか中途半端感でリアルが薄れたこと。せっかくここまで追求してきた事が不完全燃焼。あぁもったいないと言わざるをえなかった。原作通りならラスト変えても良かったかも?
とは言えども、これだけのスケールをしっかり盛り込んだものを映画館で観られたのは満足。製作費も凄いですが、良い映画に出会えました!ぜひ私はおススメしたいです♪そこまでバイオレンスはひどくはないです。
ノンフィクション寄りのフィクション
改めて、やはり"争いは愚かである"
という事を学んだ。
と、同時に恥ずかしながら私は沖縄人でありながら
航空機の墜落事故や子供が"戦果アギャー"と宣われ
盗みでもしないと食い扶持が無かったんだという事を
知らなかった。
私の方こそ愚昧で無知であった。おかげで学べた。
歴史から学ぶ事は多い。
この場合、こう言っちゃあなんだが反面教師としてである
今となっては発達した文明のおかげでネットが普及し
誰もが携帯を手にし、それ一つで何でも出来て
分からない事があると調べれば直ぐに分かる。昔よりも
生きやすい世の中になった反面、携帯が無くなったら
どうなるんだろう?いつの間にやら最早、体の一部
と言っても過言ではないのもまた事実。顔認証が良い例。なのに対し先代の偉人たちは何もないまま
分からないまま、出来うる限りの知恵を振り絞り
それが知識となって今日の我々に紡がれているのだと
足を向けて寝れないほど尊敬に値する。
しかし、分からないが故の文明が発達していないからこそ
人間の本能に従って取られたら奪い屠られたら屠り
争い、ひいては戦争へと繋がるのだと思う。
争いは争いを生み、それしか生まない。言ってしまえば
アホだったのだなと感じながら観ていた。
その思いを体現するかの如く
"やられたらやり返す"の流儀で
"人間を信じない"悪の道へ進んだレイ(窪田正孝)と
恨みを抱きながらも憎きアメリカ人と協力し、どこまでも
"人間を信じる"警官として真っ当に歩むグスク(妻夫木聡)
この2人がコントラストになっている点も面白いし
終盤、互いの歩んだ道を、生き様を、ぶつけ合うように言い争うところが2人のレベチな演技も相まって
より印象に残っている。
その際グスクの言い放った「人間はそんなバカじゃない」
というセリフが、先刻の自分の所感「アホなのだな」が
如何に愚蒙な思い違いであったかを思い知らされた。
そして実際にあった事を、そのまま映画として具象するのではなく嘗ての"英雄"が忽然と姿を消す、という如何にも興味を惹く設定と、その英雄を"探し出す"という事を
マクガフィンに展開していくストーリー。
それぞれが同じ目標を胸にしながらも道は違えてしまう
切なさや苦しさ。誰にでも感情移入が出来て観ていて
心が忙しなかった。いい意味で
沖縄の宝と言ってもいい辺り一面の海と
その向こうに沈む太陽を絶妙なところで差し込み
終盤のウータの骨を拾うシーンでは、あえてBGMを消し緩やかに聞こえる波の音で悲しみを表現したりと至る所で
工夫が巡らされていて本当に素晴らしかった!
最後に、当たり前だけど全員拍手喝采レベルで上手すぎる
最高でした。
p.s関係ないようなあるような少なくとも私にとっては
別の『怒り』という映画で米軍に犯される役を
広瀬すずが演じていたのが今作でアメリカ人の反対運動を行うシーンがあった事に妙に説得力があった。
韓流の真骨頂追い。支持だが惜しい。
基地反対派の人は喜ぶ作品なのかも。
左右どちらでもない、史実に基づいた群像劇ということですが、
映画にする際の切り取り方が悪いのか、
群像劇と言うには思想が強く、かといって史実ものとしては浅い、
どっちつかずな中途半端な作品でした。
沖縄の方言に加えて、
3人の主人公たちの視点や回想が入り乱れるので、
1回見ただけでは特に内地の方々は内容を追いきれないと思います。
かといって複数回見たからといって感想も変わりません。
※俳優目当てに複数回鑑賞しました。
祖父と祖母がちょうどアギヤーの世代ですが、
この映画を見ただけでは、
なぜ沖縄の人がコザ暴動を起こすまでになったのか、
何がなんくるならんのか、伝わり切らないように感じました。
なので、コザ暴動のシーンもただ酔っ払いで気がデカくなった
騒ぎたいだけの人が騒いでいるようにしか見えず、
私ですら思うので沖縄に縁のない方は特に感じるのではないでしょうか…。
ドキュメンタリーや歴史系の作品はよく好んで見ますが、
これに25億か、という印象です。
大友監督のちゅらさんはとても好きだったので、残念でした。
監督や妻夫木さんの、
各地の舞台挨拶でのコメントを拝見すると、
彼らの満足感としては満点なのかなという印象です。
よかった点としては、
俳優の皆さんの演技は非常に熱量高かったです!
また劇版も佐藤直紀さんで、サントラが欲しくなりました。
総論、基地反対派の人は喜ぶ作品だと思います。
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