宝島のレビュー・感想・評価
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堂々たる大作
題材、20年に及ぶ年代記、エキストラの規模、と邦画に珍しいスケール感の大作で、3時間の上映時間も、長く感じるどころか寧ろよくここまで詰め込んだもの、と感嘆する。消えた男を探し求めるミステリであり、刑事もの、任侠もの、三角関係に政治劇、空手アクションまで!それでいて混乱なく見続けられるのは、主人公3人の物語としてまとまっているからでもある。広瀬すずと窪田正孝の目力の凄まじさに比べると、妻夫木聡は一段落ちるが、語り手も兼ねる物語中の役割にはハマっている。これだけ苛烈な物語を描きながら、自然や民衆の生活はまるで天国のようにまばゆく撮られていて、安易な理想化やノスタルジアを避けつつ、語らずしてこの闘争で「護られるべきもの」を示している。
余計なお世話かもだけど映画館で見れる間に見て!
元々観たいと思っていたのだが、社会派メッセージ強めの作品のため客足が伸びていないという事前情報を受け、(沖縄の方々の苦労をなんとなく見聞きしていたのだが、今まで自分ごととして捉えることが出来ずにいる自覚と罪悪感のあった)本州在住の自分は、観ると決めていたので重たそうな作品を自らお説教でも受けに行くような気持ちで見に行った。
そんな気持ちだったので、実際に見た後はエンタメ性が高い作品だった事にとても驚いた。アクションや自然など映像に見どころが多いし、テンポもよい。小説の映画化作品なので端折られた箇所もあるだろうけれど小説未読の自分にも物語やキャラクター描画も充分見応えがあった。この作品を映画館で観れてよかったと感じた。
そんなに予習はしなかったのだが、他の方のレビューで「なぜ主人公達がオンを英雄視し、いつまでもその行方を探すのか全く感情移入出来なかった」というものが目に止まった。そうなったら楽しめないから勿体無いなと記憶に残っていた。結果的にその方のリビューを事前に読んでいたおかげで私は主人公たちにより共感することができた。
オンが物語最初に繰り返していた活動は到底褒められるものではない。現代教育を受けた者としては命を賭す活動するならもっと効果的で合法的なやり方があるだろう!と突っ込みたくなった。嫌悪感さえ抱きそうになった。その時にあのリビューってこのことかな?、そう感じる人もいて当然だなと思った。でも少し寄り添ってみた。
今まで知ろうとしていなかった事にも同時に気がつけた。1959年当時の沖縄と日本の都市部に大きな格差があった事に。1956年に「もはや戦後ではない」と日本経済白書の序文に記され、日本がすごいスピードで豊かになっていたと授業で習った。でも沖縄では戦後20年以上経つのに洞窟の中の死体が放置されたままだったりと全然違う環境だった事を今回の鑑賞で初めて知った。はっとした。
圧倒的に社会インフラが足りていない沖縄。その中で無い知恵を絞り、今日を良くするためにできると思った事を続け、地域の英雄になったオンのすごさに気がついた。誰かが正直に発信してくれたリビューのおかげで、作品に寄り添い、なぜオンが慕われたか、その英雄性に共感する事ができた。あとはそれぞれが懸命に生きた主人公たちの物語が進み映画はあっという間に終わった。
思った事を発信してくれた投稿者さんに感謝したい。この鑑賞体験を通じて、新しい戦前とも呼ばれ始めた今のご時世、自分と違う者に違和感を感じても思いを馳せる努力を諦めないようにしようと思った。もし信じる事ができたら最高だ。沖縄に対して感じていた罪悪感は和らいだ。
私と同じような理由で劇場に足を運ぶのに二の足を踏んでいる人が多いのかもしれない。予習した方がより楽しめるだろうけど、小難しい事抜きにして楽しめた良い映画だった。コザの暴動知らなかった私にも。
余計なお世話だろうけれど、あまり難しい事を考えず、まだ映画館で上映しているうちに是非多くの人に体験してほしいと思った。
9/30自宅そばのシネコンで見たのだが、何ヶ月前からヒットしてる国宝は1日4回上映しているのに、まだ3週目の宝島は1日3回のみの上映スケジュールだった。
ちなみに長い映画なのでトイレに中座する人は一定数いた。でも私は大丈夫だった。
オンちゃんの存在があまりによく分からない
3時間以上という、国宝を凌ぐ大ボリュームという作品です。
自分は映画好きで、だいぶ前から広告でよく耳にする作品だったのでとても期待していました。
その実、オンちゃんという村の英雄が最初の30分程度に姿を現し姿を消し、残りの2時間半をオンちゃんを探すような作品です。
しかもその顛末も、"えー、、"って個人的には思う作品です。風呂敷広げといてそれなん?って感じです。
ぶっちゃけ私の理解不足もありますが、作品見終わったあともよくわかってないオンちゃんの話は以下です。
・"予想外の、、戦果、、"とか言ってた病人の点。
いやいや、オンちゃん以外この戦果そんな気にしてなさそうだったじゃないすかw
・ガスマスクが唐突に送られてきた点。
※これは自分が理解不足だったら申し訳ないのですが、正直見終わった後もよく解ってないです。〜意味ありげな手紙も添えて〜
・ウタが途中で酒場でみたオンちゃんみたいな人は何だった点。
気のせいだったってパターンですかね?
・「オンちゃんはいきてるっ!(キリッ)」って言ってた人の点。
→車ひっくり返されて災難でしたね、、
オンちゃんという人物が正直腑に落ちない点が多くて、登場人物みんなの人生を揺るがすほどの人物だったかと、あまりに伝わってこない感じです。(それが全てですかね)
最初の30分くらいのエピソード、もっと尺とったほうがよかったんじゃないですかね?
オンちゃん以外の、コザの暴動の件なんかは歴史的にこんな事があったんだと映画で知れるいい機会だったと思います。
その点では見るに値する作品だったんですが、長時間の尺と、かけた金額の割に、、と思って⭐︎1でお願いシャス(。>人<。)
オンちゃんに話を広げないで、コザ話だけで2時間くらいにコンパクトに収めてくれればよかったかなぁって感じです。
テンポが悪いし、米兵がどうしてもテレビの再現VTRに観えてしまいます。
過剰演出と思う
原作を数年前に読了済み。映画化と聞いて楽しみにしていたが、評判があまりによくないので、その秘密が知りたくて劇場に足を運んだ。
原作を読んで面白くないわけがないからね。
映画としては、よくできていたと思う。
ただ気になったのは、沖縄の悲劇や矛盾を描こうとするあまりに、過剰演出になってしまって、全体に話しが重すぎるところ。
これでは、沖縄は、テロリストの島、暴動の島になってしまうではないか。
確か原作では、知的に冷静に現状を分析し、行動する、本物の島のリーダーの姿がきちんと描かれていたはず。
映画の冒頭数秒間で描かれた、レイの刑務所での暴動騒ぎのあたりに、登場したと思うのだが、読んだのが数年前なので、記憶はあいまいであるが、かなり重要な場面だったと思うのだが…。そのあたりが、完全にスルーされているのはいかがなものだろうと思う。
酷評されるのは心外であるけど、原作を知らない人には、ある程度は仕方がない気もする。
もう一度、原作を精読してみようと思う。
精読してみた。
なんか少しがっかりした。後半はプロパガンダ小説の印象。反米、反日、うらみつらみで、映画と同じに感じてしまった。
なぜに作者は、ウタとキヨを死なせてしまわなければならないのか納得できない。悲惨さを強調する手段としてはいかがなものか。
前半の疾走感はとってもよかっただけに、少し残念に思ってしまった精読でした。
「島ぬ宝」
映画の世界観にどっぷり!
個人的には大満足の190分でした。
ストーリー、俳優さんの演技も素晴らしいです。
なにより当時の沖縄の置かれた状況、人々のやりきれない気持ち、怒り…
これらが痛い程伝わってきました。
シーンの展開が早く、聞き慣れないグループ名や方言の理解が難しい部分もありますが、それも関係ないほど、没頭できました。
何より映画として、極上の作品だと思います。
近年まれにみる凄いいい映画だよ?評価が低すぎる謎
レビューが悪いので見るのをためらったが、主人が沖縄の史実を知りたいので見たいと一緒に鑑賞。
、、え、
、、、、すっごく中身ある面白い映画✨
役者もみな演技がうまい。確かに沖縄語はわからんかったけど、前後みればなんとなくわかるし。
なんでこんなにバッシングされてるの?と不思議になると同時に監督の不運さが気の毒になった。
たくさんの細かい綺麗な絵を張り合わせた、ストーリーがぶつ切りの国宝が評価されて(宝島以上に原作読まないとわからないことばかり。あんなにつくした森菜々緒は突然どこに消えたんだ?!、、こんなことだらけ。)宝島の評価が低いのかわからなかった。
時間については
国宝の3時間もまあ大丈夫という感覚。
宝島の3時間はあっというまに終わっちゃったと言う感じ。3時間もたったの?、、という感じだった。
たのしかったなー。
歴史も知れたし、
ストーリーも美術もよかった。
久々にいい映画に出会えた。
凄いんだから、監督がんばれ!
生きる!!とは
沖縄、日本のまだ続いている物語です。沖縄の人が置かれていた状況、どうあがいても抗えない社会のあり方、平和に生きたいだけなのに報われない気持ち、それに我慢して我慢して爆発したコザ暴動。いろんな登場人物の感情が刺さり辛く、苦しくなりました。
それがまだ続く問題として残っていることをやまとぅんちゅも考えないといけないと感じました。
見終わったあと頭の中で反芻しては涙が出て、、また見たいという気持ちになっています。
他にも書いてる方がたくさんいらっしゃいますが、エキストラの方の迫力がすごかった。
おばぁたちの優しい笑顔も素敵です。
主要人物の幼少期のシーンを少し入れてもらえると理解が深まるなとは思いました。
作り手の方の沖縄を思う気持ちが伝わる映画でした。
いまだにGHQに洗脳されている
全ての日本人にとって避けられない問題に言及
何かが足りない
つくられた皆さんの渾身の思いが感じられました
敗北感と反省
シネマイレージデイ、朝(08:15)から1日1本だけ上映の『遠い山なみの光』の後の『ひゃくえむ。』の後、ランチ後に午後の上映を鑑賞しました。
沖縄の方言は、かつて野球漫画『わたるがぴゅん!』の愛読者でしたし、今作の公式サイトで紹介されていたものを予習したため、観る前は余裕だと思っていましたが、いざ観てみると知らない方言が沢山飛び交っていました。ですから、残念ながら100%の理解ができていません。
台詞の意味がわからなくても、怒ってるなあとか指示してるなあとか、なんとなく観るという敗北感がありました。
画面の解像度の粗さは意図的でしょうか、序盤から眠くて堪らなくなってしまいました。超絶格好良いワイルドな若者オン(永山瑛太)が行方不明になってから、急に内容に引き込まれました。
それでもやはり暗めの映像の都度、睡魔が襲ってくるのは、ランチで食べた物の影響もあると反省するのでした。
グスク(妻夫木聡)視点の他に、ヤマコ(広瀬すず)視点もあり、当時の再現度も満足するクオリティでした。クレイジーな言動に見えるレイ(窪田正孝)の本氣具合が凄く好きです。
今作に出演している好きな俳優は、格闘能力の高さを感じる窪田正孝さんと生憎出番が少なかった瀧内公美さん。
今となっては昔の話ですが、沖縄の真実に触れた作品が大ヒットして話題になるのは、日本人として嬉しいです。近代史ですら謎だらけなのですから、200年以上前の江戸時代や大航海時代はファンタジー、歴史はロマンだと思います。
すごい映画だった
すごい映画。
戦果アギヤー(米軍から物資を奪い貧者に戦利品を配る若者達)、小学生11名を含む19名の死者と210名の負傷者を出した宮森小学校米軍機墜落事故、米兵による性被害や交通事故、ひいては殺人事件までもが不起訴になる事案、コザ暴動、弾薬庫への毒ガス貯蔵事件、等戦後沖縄で実際に起こった米軍起因の事件をモチーフに物語は進む。
沖縄、米軍、戦後直後…と聞けば「反日なの?」「説教じみてるの?」とよぎるヒトもいるかもしれないけれど、そう言う類の映画ではない。政治信条を主張する映画でもない。
フィクションではあるけれど沖縄の人達が何に怒ってきたのか、というのがひしひしと伝わる。謎解きに関わる内容の会話が方言で理解不能な部分が多々あるのだけれど、そのせいでラストの衝撃、痛みと慈愛が一気に押し寄せた。
※こっからネタバレ
190分と長編だけど、俳優陣の演技も見事で緊張感緩む事なく最後まで駆け抜けた。
怒りを向けられる対象の横暴を強調すれば、ともすればヘイトに繋がる昨今、巧みなバランスで描かれていたと思う。本土への政治批判も然り。
とにかく心が痛い。窃盗や暴力は犯罪だけど、皆そこに至る、戦争や戦勝国からの不平等な占領に起因する深い傷を抱えている。だから主要登場人物全員の幸せを願ってやまないのだけど「この流れからじゃ幸せ無理?破滅?」とずっとハラハラしっぱなしだ。
喪失した事で、主要人物それぞれの中で大きくなったオンちゃんの存在感もすごかった。
統率力があり何より前向きで窮地でも歯を剥き出して「笑え」と皆を鼓舞するオンちゃん。そして学校を作るのだと語るオンちゃん。戦果アギヤーのリーダーとは言え、ただの不良青年ではない。未来を前向きに見据える青年だったのだ。
炎を多用した暴動がこれでもかと丁寧に描かれていたけれど、積もりに積もった怒りの暴発をじっくり表現したかったのだと思う。
熱気に浮かされ高揚する様、願いが叶ったような気持ちで漏れる笑み、そして解決ではない事や暴力に対する虚しさ…妻夫木くんの1人演技で見事に表現されてましたな。高揚はするけれど決して爽快ではない複雑な心境。
これな、個人的に、多くの人に観てもらいたいな。
戦中多くの県民が戦火に巻き込まれ、戦後本土と同じタイミングでは戦後にならず、長年戦勝国に支配される占領地であった沖縄。その戦勝国から受けた仕打ち。単純な優越的支配だけでなく、自国における兵士達のフラストレーションの捌け口にもされてきた沖縄。
フィクション映画なんだけど重い。個人的には、救われた子供には助かって欲しかった。困難さの象徴としての死なのだろうけれど。
そして辛いし重いけど、迷いながらそれぞれの道を征く3人それぞれの傷と強さと。
グスクはきっと、オンちゃんのテロ関与を疑っただろうけど、彼の優しさと強さを再確認して、存命ならそんな事はしなかった、と確信しただろうしそれが救いになったろう。
ヤマコは強い。強さ故の頑なさでこれまでオンちゃんの示した道を自身の夢として進んで来て、益々確信を得ただろうけれど、できれば自身の幸せも顧みて欲しい。
そしてレイ、レイよ、どうかどうか自身の命を大切にする生き方を見つけて欲しい。いや、きっと見つけると信じてる。
晴れやかな大団円とはいかないけれど、今後も紡がれるであろう生の在り方が、ほのかな希望として心に灯る終わりだった。
引き込まれた
ある意味、恐ろしい映画。
なんとも言えませんが
原作は読まずに鑑賞しました。
正直、半分以上が血まみれの暴力シーン
ばかりでした。観ていてまたか?と思う
場面が多かったと思いました。
沖縄、こんな感じだったんでしょうかね。
役者さんたちの演技は良かったです。
特に中村蒼さんの通訳は本当にびっくり
しました。最初誰だかわからなくて、
役作りを沢山されたんでしょうね。
沢山、勉強をされたのかと思います。
観ていて、オンが居なくなって時が
経てば、男たちみんなヤマコ狙いだった
とは…そうか。
下りも、あーそうなんだって感じの
映画でした。
全730件中、181~200件目を表示
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