「戦中そして米軍統治下における沖縄の痛ましさに憐憫する」宝島 ヘマさんの映画レビュー(感想・評価)
戦中そして米軍統治下における沖縄の痛ましさに憐憫する
米軍基地に忍び込み、日夜、彼らの倉庫から武器や生活必需品を盗み出す「戦果アギヤー」の面々が、ついに米軍から反撃を食らって敗走。首謀者・オンが行方不明になってしまい、彼の行方を探すため、主人公・グスクが奔走していく物語。
オンはなぜ失踪したままなのか? 生きているのか? 死んでいるのか? それとも何かの企みが…?
米軍統治下の中、住人との軋轢を抑えたい米国の思惑、本土復帰に向けて米国と事を構えたくない日本の思惑、しかし度重なる米軍側の不祥事の数々に、ついに暴動は勃発してしまい……。
戦後まもない沖縄を舞台に、実際に起きた米軍による事故・事件を点として置き、フィクションとなる物語をその上から線で描き出した本作。
いかに米軍統治下における沖縄は、日本国から切り離され、米国から主権を蔑ろにされた、屈辱にまみれた生活を強要されていたかが浮かび上がってくる。1972年の本土復帰後も、米軍基地負担は変わっていないので、彼らの憤りも改めて理解できるだろう。
しかし時代は進み、周辺国の力関係も大きく変動した昨今、痛ましい過去を受け止めたうえで、どういった未来を築いていくのが最良か。民主主義の脆さも鑑みて、現代政治の難しさを改めて痛感した。
今から鑑賞される方は、公式webの方言集の予習は必須。最低でもこれだけは知っておいて。
「戦果アギャー」米軍基地の倉庫から備品を盗む、ねずみ小僧的な一味
「オン」リーダー
「グスク」主人公
「ヤマコ」オンの恋人
「レイ」オンの弟
そして上映時間191分! めっちゃくちゃ長い…! 上映中にトイレに行く人、結構いました。
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