「カタカナの「オキナワ」をもっと知ってほしい」宝島 ROKUxさんの映画レビュー(感想・評価)
カタカナの「オキナワ」をもっと知ってほしい
クライマックスは、1970年に実際に起きたコザ暴動。
そこに至る沖縄の悲しい歴史を下地に、フィクションを絡めて熱く盛り上がるストーリー。
主役三人の演技の素晴らしさも相まって、何度も嗚咽をこらえて胸がつまった。
復帰前の沖縄住民には、憲法による人権の保障がなかった。このことが、米軍や米兵の横暴が野放しにされた遠因であるかも知れないと思う。
しかし、フィクションパートの組み立てはあまりうまくなかった。米軍が追っていた「秘密」の重要性について、観客は理解しにくかったのではないだろうか。また、レイがヤマ子の元を訪ねたとき、首飾りを受け取ったヤマ子はなぜすぐにレイの後を追わなかったのか。登場人物の行動に、ちょっと不可解な点が残る。
3時間に迫る長い映画だが、クライマックスまではそんなに長さを感じなかった。が、その後がものすごく説明的でいささか退屈だった。もう少しうまく整理することはできなかったのだろうか。観客がすべて理解するより、“察する”程度でもよかったような気がする。
でもまあこれで却って原作を読む楽しみが増えた。上述した点が原作ではどう表現されていたのかを知りたいと思ったのである。それに、脳内で登場人物を妻夫木聡や広瀬すずで想像しながら、感動的な台詞を追体験したい。
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