「受け止め方はそれぞれでも、それぞれの心に一石を投じる」宝島 バーバヤガーさんの映画レビュー(感想・評価)
受け止め方はそれぞれでも、それぞれの心に一石を投じる
行方不明になった反骨の男を中心に、それぞれの立場で回り続けるコマのように止まれない若者たち。
(窪田正孝にこんなに骨太な血まみれが似合うとは!)
沖縄の歴史の暗さと沖縄人の苦渋は、戦後生まれで、島人じゃない私には想像し尽くせないに違いない。(本州人じゃないけどね。沖縄の人は本州を本土と呼び、北海道の人は本州を内地と呼びます。)
何度も行ったあのきれいな海の底には、抑圧と戦った沖縄人の生血と、理不尽に耐えた沖縄人の胆汁が沈んでいるのかと、初めて気づいた気がする。
「沖縄」を知ったのはまだ子どもの時、本土復帰のニュースに釘づけになっていた両親の後ろ姿を覚えている。テレビでは車の車線が右側から左側に変わったと現地レポしていた。
2度目の「沖縄」は友達との旅行。鉄道がないことをその時知った。そして幹線道路に沿って延々と続く金網の威圧感に驚いた。
その後、仕事で1泊2日で行くこともあった身近な沖縄だけど、明るさと爽やかさが私が持つイメージの全てで、だから、この重い映画が沖縄を代表してるとは思わない。
不屈の明るさが沖縄にはあると思う。
映画の中には沖縄風土や習慣を丁寧に描写するシーンもあって、この映画に関わった人がどんなに沖縄を大事にしているかもわかる。
特に葬送のシーンなどは細やかに描かれていて感心する。
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