劇場公開日 2025年9月19日

「究極の空回り」宝島 luna33さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 究極の空回り

2025年11月24日
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鑑賞方法:映画館

沖縄に対する熱量だけはギリギリ伝わった。と言うより本作の制作意図や多くの思いを無駄にしてはいけない、とこちらが全力で歩み寄った気がする。3時間の長丁場もあるが、見終わった後は何とも言えない失望感で嫌な疲れ方だった。

なぜこんなにも空回ったのか。
結局のところ何を一番伝えたかったのかさっぱり分からない。ストーリーも話としては分かるが、さんざん風呂敷を広げておきながら全てがとっ散らかって全く回収できていないとしか思えなかった。登場した誰にも感情移入できず「なんでこうなるの?」ばかりだったが、それでも最後にきっと回収するのだろうと思っていたら、ちょっと理解しがたい着地。これならいっその事シンプルなドキュメンタリーで見せてくれた方が100倍マシだったというのが本音だ。

そして最も重要な場面であろう「コザ暴動」の迫力の無さ。暴動に発展するまでの点と点が線に繋がっていく描写が絶望的なほど雑で、「群衆の怒り」が全然伝わらず映画のクライマックスとしてまるで成立していないように感じた。暴動と言えば、かつて観たキャスリン・ビグロー監督の「デトロイト」という作品を思い出す。ここではデトロイト暴動が描かれており、黒人と警察の小競り合いから火種が徐々に広がっていき、やがて激しい対立に発展していくまでの様子を凄まじい緊張感と共に見せてくれる。あまりの迫力に言葉を失うほどで、ビグロー監督の手腕が冴えに冴えている。それと比べるのも何だが、「宝島」のコザ暴動の描写は何もかもチグハグで、申し訳ないが正直「見るに堪えない」ものだった。

沖縄の重い歴史の大切さを痛感するし、作品自体は熱を帯びている。役者もみな素晴らしい。なのに全体を通して観るとびっくりするほど響かない。一体どういう事なんだ!あんなに楽しみにしてたのに。期待値が高かったのも良くなかったかも知れないが、基本的に脚本や演出にかなり問題があったように個人的には思ってしまう。

期待からの落差があまりに大きすぎて、このままだと今年一番ガッカリした作品になりそうだ。

luna33
ひなさんのコメント
2025年11月27日

luna33さま
『爆弾』にコメントありがとうございます😙

ドS編集者が売れない作家に新作を書かせようとする、ドラマやコミックみたいな関係が不思議で仕方ないです(笑)

『国宝』『鬼滅の刃』、『宝島』『スカーレット』。今年SONYグループが出資製作した4本の大作映画は、歴史的な大ヒットと記録的な大コケに明暗を分けました。

『国宝』は4時間半を3時間に泣く泣く「カットさせられた」、『宝島』は「たしなめられた」、長尺の件一つでも、それぞれ監督の説明が違います。

監督が予算と時間を好きなように費やしたら、良い映画ができるとは限らない…『宝島』の究極の空回りの原因は、プロデューサーと監督の関係性にあると思います。

「本作の制作意図や多くの思いを無駄にしてはいけない、とこちらが全力で歩み寄った」
レビューにこんな言葉を残してもらえただけでも、この映画が制作された意味があると思いました。

※実は『フロントライン』『ワンバトル』にも、コメントしたいと思ってました。
レビューを書いてない言い訳をしたくなかったので、luna33さんが1年前の話を忘れてることをちょっとだけ期待しました🤭

ひな
えーじさんのコメント
2025年11月24日

そうなんですよ‼︎ がっかり感が拭えません‼︎ これならNHKの映像の世紀の方が全然良いと思うのです。

日本のエキストラは演技が出来ていません!よく観ると角の方で笑っている者とかが居るのです。この辺が米国映画との差だと思います。我々は鬼気迫るシーンが観たいのに!

えーじ
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