「戦果アギヤーは自由をめざす」宝島 ピンボールさんの映画レビュー(感想・評価)
戦果アギヤーは自由をめざす
真藤順丈原作の映画化「宝島」太平洋戦争で本土防衛のための捨て石にされた挙句に戦後も見捨てられ、利用され、アメリカ統治下で苦渋を舐める沖縄。その沖縄で戦果アギヤーとして抗うグスク、ヤマコ、レイの青春映画であり、同時に沖縄の抵抗史の映画でもある。
戦果アギヤーのリーダーであり英雄だったオンが消えたあと、グスクは刑事、ヤマコは教師、レイはヤクザとしてそれぞれのやり方で抵抗を続けるが、共通する憤りは同じ。それだけにヤマコとレイが衝突するシーンは苦しい。
主演4人をうちなんちゅではないトップスターが演じたことや、沖縄の苦渋をエンタメとして消費するのかという批判もあると思うが、宮森小学校米軍機墜落事故や祖国復帰運動のシーンなど大友監督は真摯に沖縄に向かい合っていたなと思う。
英雄オンの行方の顛末が無理感があるが、これは原作でも弱点だったから仕方ないか。他にもコザの街の色彩とか一部の演出に不満もあるけど、主演4人はやはり魅力的で優れた青春映画になっていたし、ぜひ映画を観て判断して欲しい。この映画が沖縄が抱える問題は本土の欺瞞の責任だと気づく人たちが増えるきっかけになればと祈る。
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