「そろそろ起きれ」宝島 jfs2019さんの映画レビュー(感想・評価)
そろそろ起きれ
クリックして本文を読む
主役級の俳優が何人も出てくる大作。再現された当時のコザの街並みや用意された数々のクラシックカー、小学校に墜落する輸送機、コザ騒乱、各シーン見応えがあった。広瀬すずが立つ教壇の後ろの黒板に書かれた字がとても美しかった。そのシーンの10分後には米軍機の墜落事故で学校ごと燃えてしまったが。そして、妻夫木聡はいつの間にか眉間のシワが似合う俳優になった。
それにしても、主役3人と米軍が必死で探していたオンちゃんは何年も前に海岸で野垂れ死にしてるし(確かに英雄ではあったのだけど)、基地内の従業員に箝口令を敷き、軍の記録を消去してまで隠蔽していた秘密というのが、米軍高官のやんちゃな下半身の不祥事だったというのが、なんともしょうもなくてバカバカしくて悲しくて腹が立った。
どうにもスッキリしないモヤモヤした終わり方だったけど、これはスッキリしてはいかんのだろう。米国の意に沿わない首相の首はあっさり飛ぶし、羽田発着便の航路は遠回りさせられるし、パレスチナの国家承認は取り下げさせられるし、ほんとに米国から国家承認されてるのかなと疑いたくなるような国に住んでいる身としては他人事ではない。モヤモヤをモヤモヤのまま考え続けないといけない。なんくるないで済むか、そろそろ起きれ、はわれわれ観客に向けられたメッセージだと受け取った。
あと、世間を騒がせている排外主義者の皆さんにはホンモノの外人特権がどういうものか見てもらいたいものですね、この映画で。
コメントする
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。