「光るセリフもあるのだが」宝島 sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
光るセリフもあるのだが
みんなで、アメリカ軍所有の車をひっくり返して気炎を吐いても、結局は届かずに潰されてしまう人々の思い…。
車の上に立って叫ぶ瀧内公美演じるチバナも、通りを泣き笑いしながら歩く妻夫木聡演じるグスクも、共にまとっているのは、どうしようもない哀しさだ。
基地内でのグスクとレイのやり取りは刺さった。
だが「予定にない戦果」の答えを見せただけの、その後のラストエピソードの展開には、個人的に気持ちが離れてしまった。
前述のグスクとレイのやり取りで浮かび上がらそうとした「人間らしさとは何か」や、金門クラブでの、グスクの「経済がよくなれば犯罪が減るっていうが、米軍のように金のある奴らがなんであんなにたくさん犯罪を犯すのか」という問いなど、原作にはない光るセリフもあった。
だが、あのラストの展開にしたことで、今作が決定的に欠いてしまったのは、原作が貫いていた「英雄」とは何かという柱だったと思う。
妻夫木聡も、窪田正孝も、広瀬すずもとてもよかったからこそ、残念でならない。
<追記>
だいぶ前に観た予告編で、「たぎれ、日本。」の言葉が出てきた時から心配していたが(いつの間にそのコピーは見かけなくなったが)、宣伝部は、そもそもこの作品にそうした煽りコピーをあてて、誰をターゲットに、どんなメッセージを伝えようとしていたのだろうというのも気にかかる。
同感です!たとえ観るのがつらく
楽しくない物だとしても、、
未来の為に、こういう作品にチャレンジしようというクリエイターを応援していく為にも、劇場に観に行かなければ!(><)
という、「観客側の意識の変革」も必要なのではないか、と感じました。
文化というのは創る側とそれを観る側の両者のマインドがあってこそ
形成されるものだと思いました。
m(_ _)m
暴動シーンは良かったですが、^ ^
コメントありがとうございます。確かに戦果アギャーたちが守ろうとしたのは命そのものだったということなのでしょう。それだけにその命が最後、奪われてしまうというのは苦い結末だと思います。原作にしても映画にしても表現しきれない部分はあるにせよ、現在の我々が受け止めなければならないのは命そのものが脅かされる状況が全く変わっていないこと。何故かこの作品が興収があまり芳しくないことを冷笑するようなコメントが多数見受けられるのですがでは何故観ない人が多いのか我々(沖縄県民以外の人達)は自問する必要があると思っています。
沖縄には以前から、高等弁務官なり民政長官なりの施政トップが沖縄女性を妊娠させ彼女は基地に駆け込んで子を産んだ、という都市伝説的な話があります。「予定外の戦果」とはオンがこの子供を基地の外に連れ出した、組織にとってはアメリカを脅す切り札になるという設定です。ただ原作ですらそこはぼかしてしか書いてありません。まして映画では手を出せるわけでもなく。中途半端に言葉だけ残してあるわけです。
ありがとうございます。
譲れないニュアンスの違い、感触の差、
ってありますね。
私は大赤字でも恥じることはないと思います。
「るろうに剣心」で儲けたお金を、
大友啓史監督が、どうしても撮りたい映画に
投資しても、我が儘を通しても当然だとおもいます。
たとえ失敗作でも私の心には傷跡が残りました。
(自分語りですみません、お許しください)
sow_miyaさま
共感とコメント、ありがとうございます🙂
舞台挨拶試写と劇場公開初日の2回観ましたが、1回目は熱量に圧倒される、2回目は放熱した後の心が伝わってくる、そんな作品でした。
レビューでの低評価が散見される長尺も熱量も沖縄の方言も、ウチナンチュとヤマトンチュ=沖縄と私達の間にある、いつまでも超えられない“フェンス”なのかな、と考えてしまいました。
日本本土にとっての沖縄の「空白の時代」と、その空白に確かに存在した沖縄の人達の心を、映画化した姿勢は大いに評価したいと思っています🫡
「たぎれ、日本」のコピーが消えた後、本公告のポスターが3種類も解禁になり、プロモーションはオールターゲットに舵を切って完全に迷走していました。
今年初めの頃の、ナレーションも台詞も無い30秒の特報(公式サイトとYouTubeにあります)は、映像だけで心が震えたのにと残念でした。
沖縄本土復帰50年の2022年の公開予定がコロナ禍で3年遅れ、製作費25億円回収のプレッシャーが重かったことも、本編編集と宣伝を見誤った原因かと思います🤔
コメントありがとうございます。
手紙の件のご指摘ありがとうございます。該当箇所の表現を改めます。
ラストに気持ちが離れたというお言葉、共感します。
そもそもどこを削るかの判断がとても難しい原作だったような気がします。
「たぎれ、日本」は私もいただけないと思いました。映画を見て改めて、本土目線の、繊細さを欠いたキャッチコピーだったなと思います。
おはようございます。
私もやはり「予定にない戦果」からは
〉心が離れた・・・とお書きですが、その通りで、
このラストはないだろう、とそれまでの高揚した映画が
冷めていくのを感じました。
惜しいですね。
ただ沖縄の戦後を描いた点で価値ある作品、
だと思います。
興収でも賞レースでもアチラの二文字が大躍進! 下手な煽りでは到底追いつかない。関係者は25億のコスト回収で頭が痛いのでは? まぁ、自分は無政府状態の沖縄を面白く観ました。







