「沖縄の苦悩が全編から伝わる」宝島 むっ、むいちろうさんの映画レビュー(感想・評価)
沖縄の苦悩が全編から伝わる
テレビなどで紹介されていたので早速見ました。太平洋戦争で市民を巻き込んだ唯一の地上戦となり多くの犠牲を払った沖縄の戦後、占領下を返還されるまでを妻夫木、広瀬、窪田を中心にドラマティックに描いた作品でした。なぜ返還後の今でも沖縄の人たちが日本政府に強い要求を突きつけ続けるのか、その根底に凄まじい苦悩を背負い続けている歴史があるからとよく理解できます。そして映画最後の言葉「~生きる」はこの先も戦い続けるという誓いにも似たメッセージと私は受け取りました。
日本の経済繁栄にはアメリカの庇護という名分のもと「占領」「駐留」という犠牲があってこそとも言えます。今までの沖縄を舞台にしたエンタテーメントの中で、大きな資本を入れた映画の中で、これだけアメリカ、日本政府への批判をしたものはないのではないかと思いました。語り継ぐというステージに入った戦後80年の節目だからできたのではないでしょうか。「戦後」についてあらためて考えさせられる作品でした。
全体の長さは少しお尻が痛くなる191分という長大作です。とてもわかりやすく表現してくれいるのでわりと楽に見ることはできますが。構成もわかりやすいです。テレビドラマ的に多くの人に受けるための工夫がなされていると思います。妻夫木、窪田、広瀬、瑛太、中村蒼それぞれが素晴らしい演技で役割を見事に演じ切っていたと思います。
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