劇場公開日 2025年9月19日

「フラストレーションの爆発」宝島 吹雪まんじゅうさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 フラストレーションの爆発

2025年9月20日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

驚く

原作未読。

今年は終戦80年ということで、多くの反戦映画や戦争絡みの作品が公開されました。私もリバイバル上映、配信等も含め何作か観てきましたが、本作は他の作品には無い魅力とメッセージで溢れていました。

本作も戦後の沖縄の惨状を描くことで反戦的メッセージが込められていたかと思います。しかし、本作の最大の魅力は、沖縄県民の「怒り」であり、現代社会にも通ずる「不屈」の魂の物語であるということ。本作を観た後、自分は何か大事なことを諦めてはいないか?何か行動に移すべきことがあるんじゃないか?と、激しく心を突き動かされました。

俳優陣の演技がとにかく素晴らしく、一人一人のキャラクターに込められた熱意を感じることが出来ました。刑事という立場から見えるグスクのアメリカへの怒り、夢を破壊されたヤマコの無念、不器用な生き方しか出来ないレイの苛立ち、そしてオンの未来を見据えた真っ直ぐな瞳。それらが複雑に絡み合い、怒涛のクライマックスへと雪崩込みます。

このフラストレーションが爆発するクライマックスの凄まじさ。本作エキストラは総勢5000人にもなったそうで、このコザ暴動のシーンではセットも含めかなり大規模な撮影になっており、見応え抜群でした。各々の思いが交錯する中、物語は思いもよらぬ結末へ…。伏線回収には驚かされました。

戦争関連の映画は不謹慎にならないよう、細心の注意が払われるであろうため、エンターテインメントとして撮るのは難しいと思います。しかし、本作においてはエンターテインメントとしても非常に見応えがあり、沖縄で起きたことを知るだけでなく、各キャラクターに感情移入し、胸が熱くなる作品になっていました。

吹雪まんじゅう
ゆきさんのコメント
2025年9月23日

コメントありがとうございます。
私は涙出なかった。。
それより怒りの感情が上回り、気持ちの行き場がなかったです。
無関係の私ですらこの怒りを消化出来ないのに、当事者の島民達の思いはどれ程だったか。。
暴力や盗みに走るのも否定出来ず心が混乱しっぱなしでした。
ウタが米軍に射殺されてしまうのも大きなメッセージでしたね。

ゆき
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