「難しい映画ではないが見方が難しい映画」宝島 うえぽんさんの映画レビュー(感想・評価)
難しい映画ではないが見方が難しい映画
終戦後から沖縄返還くらいまでの期間を、沖縄の史実をふんだんに織り込みつつ、行方不明になったリーダーとその彼が手にした「戦果」とは何だったのかを追うミステリー仕立てになっているのだが、史実があまりにも暗く重くシリアスなため、ミステリーをミステリーとして純粋に楽しむことができず、心をどこに置いて見たらよいのか迷う、見方が難しい映画だった。
とは言え、心配してた沖縄弁も恐らくマイルド沖縄弁になっていて聴き取りやすかったし、映画のセットやエキストラの数も圧巻で、オールディーズと沖縄民謡が並行して流れ、当時の沖縄の雰囲気や熱量を十分に感じることのできる映画だった。演者の演技も凄まじく、特に窪田正孝の演技がもっとも心に響いた。一方で、ちょっと荒いなあと感じる映像も特に終盤に所々あり、原作の小説を超えることの難しさもやはり感じてしまった。
戦後80年、沖縄の基地問題が根本的に何も変わっていない未来を知っている我々に、主人公たちが語る明るい未来が心に刺さった。
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