「タイトルなし(ネタバレ)」宝島 hiroishiさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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長く生きていますので沖縄の苦悩、声はそれなりに見聞きしています。が、それをこの映画は伝えたかったのか、それともそれに振り回され、反逆した若者の姿を描きたかったのか、私は後者のつもりで観に行きました。が、オープニングの米軍からの逃走シーンがこれはコメディ?と思う演出。物語の鍵となるウタについても米軍の高官らしき実父が映像で出てこないので重要感が薄く、ウタの出産も「基地内」ですが施設外。また、オンが襲われるシーンもヘリの音だけで、ヘリ自体の映像が無い。など、史実に無い話は米軍、米兵の映像を「濁す」というお約束でもあったのか、演出に違和感を覚えました。(原作は文字で書き表せますが)
コザ騒動が自然勃発ではなく、実は計画的に実行されたものであり、基地から物資を盗むことで恨みを果たしていた若者たちが、やがてはその首謀者だったという話だったら面白かったのですが、それも史実の捻じ曲げですものね。出演者それぞれの演技は見入ってしまう好演でしたが、オンという英雄を三人の仲間が探し求めるという、史実に影響しない範囲のシナリオにおいて、オンが英雄視される前日譚が薄かったからか感情移入ができず、沖縄という地を「借景」で留めてしまった印象が残ります。
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uzさんのコメント
2025年9月25日
自分はコメディとまでは感じませんでしたが、やはり冒頭の語りは軽いですよね。
あれで作風を誤認してしまいました。
仰るとおり「濁す」部分も多く、いわゆる“時代の犠牲者”も実体を伴わず…
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