劇場公開日 2024年9月20日

「親近感こそミステリー」あの人が消えた サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0親近感こそミステリー

2024年9月30日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

もう、多くは語らないでおこう。
まだ見てない人は、そのままなんの情報も頭に入れず、早急に劇場に向かって欲しい。面白かった、面白くなかったすら言いたくない。
予告では『この結末は誰にも話さないでください』と言ってるけど、結末どころか概要そのものがネタバレになるような、世にも奇妙なとんでもミステリー。そのため、同時にレビュアー泣かせ映画でもある。ネタバレなしでは何にも書けない。断片的でふわっとした感想になるけど、とりあえず書く。1ミリも知りたくない人は、ここで読むのをやめてください...。

「ブラッシュアップライフ」で演出を担当した水野格監督による、オリジナルミステリー。ただ、あのドラマはバカリズムの脚本が秀逸なのであって、傑作なのは監督の力ではないのでは?と失礼ながら思っちゃっていた。だけど、この映画を見てあの作品はバカリズムだけでなく、水野監督のおかげで傑作になったんだと、今更だけど気付かされた。しかも脚本までも書けるのだからすごい。これまでに見たことないミステリーで、ものすごく新鮮な気持ちになれた。今後とも監督・脚本兼任で映画を作り続けて頂きたい。邦画を見てこんな感情になること中々ないからね☺️

随所に「ブラッシュアップライフ」の監督だなぁ、と感じるところが。テロップや人物の捉え方、特に俳優への向き合い方が監督らしい。高橋文哉にしか出来ない、田中圭にしか出せないといった、それぞれ独自の魅力を監督はよく知っており、その魅力を存分に生かした、見事な映画に仕上がっている。
高橋文哉や田中圭、その他出演者全員、彼らが居なければ成立しないと言っていいほどの脚本。もちろん、個性的な演技を見せてくれる俳優たちも凄いんだけど、その個性を把握して、完璧に作品に反映できる監督もまたすごい。この手の映画で、そしてこのスタイルで、役者だよりになっていないところが、個人的にはいちばん驚いた。

ストーリーは触れるな危険なので書かないが、演出的な観点から興味深い要素が多く、出演者の誰のファンでも楽しめる作品になっているのがすごいなぁと思った。だから、役者目当てで見て欲しいな。高橋文哉と田中圭、そして染谷将太好きの自分からしたらかなり大満足。お話がどうだったのかは...あなたのご想像におまかせします。
ただ、もうこの映画にしかできない。この映画で最後。そう意味合いでこのくらいの点数にしときます。

サプライズ