アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師のレビュー・感想・評価
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大変面白く観ました!
(完全ネタバレなので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
今作を大変面白く観ました。
この映画『アングリースクワッド』は、主人公・熊沢二郎(内野聖陽さん)が、多額の10億円の脱税をしている橘(小澤征悦さん)から、詐欺師の氷室マコト(岡田将生さん)らと協力しながら納税のためのお金を奪い取るという物語です。
その橘からお金を奪い取るやり方や、主人公・熊沢二郎と詐欺師・氷室マコトとの出会いやビリヤードのトリックなど、今作は作品全体でどこかコミカルでポップな仕上がりになっていたと思われます。
その上で、主人公・熊沢二郎は、橘の脱税に関して元同僚で同期の岡本(矢柴俊博さん)を自殺で失っており、また詐欺師・氷室マコトは、父親が橘の捜査で逆に罪を着せられて逮捕されており、この映画には一方でシビアな根底が流れています。
このことは、今作の上田慎一郎 監督が、経験からも来る現実のシビアさを十分に体感的に知っている一方で、それでもそれだからこそ周りの人を信じている(信じたい)前向きな想いを持っている、ところから来ていると思われ、今作がコミカルとシビアさがしっかりと構成された映画になっている理由だと思われました。
そして、これまでの作品での重厚さを無くして気弱な主人公・熊沢二郎を演じた内野聖陽さんや、特に怪しい人物を演じさせたら光る詐欺師・氷室マコトを演じた岡田将生さんや、今回、本当は巨悪なのに作品に合ったどこか幅と軽快さと深みある人物造形として橘を演じた小澤征悦さんを初めとして、コミカルとシビアさの上田慎一郎 監督に応えた、それぞれの俳優陣の優れた演技があったと思われます。
そんな優れた俳優陣の演技の中で、特に(主人公・熊沢二郎の部下の)税務署職員・望月さくらを演じた川栄李奈さんが素晴らしいと、思われました。
川栄李奈さんが演じた税務署職員・望月さくらは、(主人公・熊沢二郎の家族を除けば)唯一と言って良い作中の私達に近い(少し勝気の面もありますが)普通の人物だったと思われます。
その普通の人物である税務署職員・望月さくらの、特に屋上での国税への移動が無くなった想いの吐露のリアリティある川栄李奈さんの演技は、今作の全体のリアリティを深める素晴らしさだったと思われました。
映画作品としての惜しむらくは、最後の地面師的な展開で、多くの私含めた観客がNetflixのドラマ「地面師たち」を見ているだろうで、リアリティの点でほんの少しだけの物足りなさを感じたのと、「コンフィデンスマンJP」的なラストの切り抜け方の既視感は、マイナスとしてはあったと思われます。
ただ、詐欺師・氷室マコトと父親との映画最後の面会場面や、主人公・熊沢二郎と橘との妄想含めた最後のやり取りの着地の納得感含めて、マイナス面を差し引いたとしても、俳優陣の演技の確かさと物語構成の分厚さ含めて十分面白く、上田慎一郎 監督のメジャー作品として次回も期待させる素晴らしさある作品になっていると、僭越思われました。
上田監督テイストは好きです
随所で上田監督っぽさを感じてカメ止めが懐かしくなったしこの感じは大好きです。
内野さんの演技がやっぱりすごくて最後の方のスマホの使い方もらしくてさすがでした。
岡田将生はハンサムすぎるからかこういった悪人役の方が際立ちますね。
ただもう全てにおいて先が読めてしまったのがとても残念。現金のすり替えも7人目がえみこさんであるのも
なんとなくわかってしまった。
見る前に期待し過ぎてしまったかも。
品行方正感?漂うエンタメ佳作
公務員と詐欺師がタッグを組むという、おそらく本邦初の設定。
監督があの上田監督。さて、どんな映画になっているのか、楽しみに観に行った。
エンタメとして良作、佳作。観て清涼感が得られる。
「脱税」、「癒着」、「詐欺」というアンモラルな行為満載の作品なのだが、邦画コンゲームの人気シリーズ「コンフィデンスマンJP」のようなぶっ飛び感やおちゃらけ感、同じ地面師詐欺を扱ったドラマ「地面師たち」のようなサスペンス、ハードボイルド感はなくて、フライヤーに書いてあるとおり、モラルを守って騙している感がした。
表現が不適切かもしれないが、品行方正感がした。
上に挙げた2作と比較すると。面白いんだけどね。
作品自体は、2時間きっかりの映画フォーマットでしっかり起承転結、テンポも良く、伏線回収も見事。
内野聖陽の税務署員ぶりはリアルだったし、ビリヤード姿も格好いい(もうちょっとあたふたする場面があったらよかった。決まりすぎ?)
岡田将生の終始スマートでクレバーな詐欺師っぷりも決まってます。
小澤征悦の外連味のある悪党っぷりも嫌な感じがしないのは、脚本と演技力のなせる技か。酒(ワイン)を頭の上からぶっかけるという古典的な芝居を久しぶりに見たが、「あ、一度これやってみたいし、やられてみたい」と思ってしまった私は異常?
その他の登場人物も個性的だけど主人公や話の筋を邪魔しない非常にバランスのとれた出番と演技だった。
展開はおおよそ見当が当たったが、7人目の詐欺師は、私は見抜けなかった。
まんまと心地よく騙されました。
(2024年映画館鑑賞33作目)
軽快に痛快、爽快、ラストはガッツポーズ(内心)
元々コンフィデンスマンJPが大好きなので、詐欺師ものだ〜!と楽しみにしておりました。
軽快にテンポ良く話が進み、橘や署長へのフラストレーションが溜まっていってからのラストのかっさらっていくサマは観ていて気持ちよかった〜。
橘が負けに気付いた瞬間は本当に気持ちよかった。でもそれだけではなく、ラストに熊沢さんが橘のところへ行って、負け(過ち)を認めさせる過程も良かった。安心した。あそこまでやる熊沢はいなかった…。ただ、そう思わせる程の怒りを伝えられたのは良かった。高校時代に気に入らない教員の胸ぐらを掴んでいた熊沢は死んでいなかった。
望月は正しいんだが、ずっと観ていてヒヤヒヤしてた。
でもやっぱ人として、誰が正しいか見極めた結果が署長の尾行なのは嬉しかったなぁ。
氷室の母親についてその後の言及がないので何でだ?と思ってはいたけど、もしや、と気付いたのは終盤の氷室が橘に殴られた時に止めに入ったとこだなぁ。よく止めに入ったな?流石に見てられなかったってこと…?弁護士なら行政書士の資格も取れるなそりゃ…!と思ってたら案の定。
最初っから橘は負けてたのだと思うと気分が良いです。
ネタバラシ、種明かしが大好きなので、橘が負けに気付いてからはずっと気持ちよかった〜
「家族3人でご飯に行こうよ」も氷室が暖かい熊沢家を思いつつ言ったんだろうな…と思うと…良い…。「今何時?」もとてもよかった。それを熊沢に聞いたのも良かった。
警察に連行されるところは、警察官の着てるチョッキが薄くて軽くてビックリした。それは詐欺師だから?まじもん?
あと熊沢家に危害がなくて本当に良かった…娘が傷つけられたら話が変わる。
そういえばオープニングの入りも良かったなぁ。格好良かった。
あのチームで一番いいやつなのは村井。絶対村井。
いや全員詐欺師だわ、騙されたらダメだわ。
そうはならんやろ
なっとるやろがい
の応酬を楽しむエンタメなのは分かってるつもりだけど…
今の日本なら、脱税よりも、税金をチューチューしてる議員センセイとNPOをやっつける方がリアリティが有るのでは。
「視察」の名目で親類一同を引き連れた海外旅行をしておいて、報告書を出さないとか、書籍代50億とか、ネタがいくらでも提供されるのに。
マルサになりたいとか、今どきの娘さんがかたるの夢じゃないだろ。
マジメだけが取柄の典型的な公務員が、分不相応なくらいのスーツで決めて、VIPルームに居て、時計を見せつける時点で怪しさ大爆発。
何かの罠を疑うところなのに…
格下と見下した相手だと、機器察知レーダーが作動しなかったか…
すり替え、よくもまあ、失敗しなかったものだ。
現金の箱詰めに気を取られて、偽札の補充を忘れそうなのに。
最後の最後。
バイクの人の正体にはびっくり。
詐欺を仕掛ける相手の所に潜り込んでたとは。
この人だったかな?
通報したの。
警官まで用意しておいて偽の逮捕を演出するのと、二点だけ予想からハズレてた。
キレイにまとまった快作。上田印はやや薄めか
テンポもキャラ立ちも良くて、気持ちよくダマされる、コンゲームものとして秀逸な作品。
コロナ禍のせいで制作期間が引き延ばされた分、構想6年も掛けて脚本を練り、上田監督×内野さんが二人三脚で造り上げた成果は出ていました。
ただ、それは諸刃の剣で、正直シナリオの出来が良すぎて、ちょっと丸くなり過ぎと言いますか、上田印は薄まったような気がしてなりません。
内野さんの、しがない公務員の哀愁から熱血漢時代の狂気までを内包したくど過ぎない演技と迫力。
岡田さんの、無邪気さと軽薄さと実直さを兼ね備えた、気持ちの良い詐欺師っぷり。
脇役もキャラが立ってて、スターキャスト相手でも、上田監督の演者配置の辣腕が発揮されていたのは素晴らしかったです。
惜しいなと思うのは、3点ばかり。
①悪役がやや弱い
小澤さんには申し訳ないですが、コメディ色が強くて、憎むべき脱税王としては怖さが足りなかったです。
怒りを貯めるのがこの作品のテーマですが、ワインをかけるシーンも、ビリヤードで対峙するシーンも、内野さんに役者としての格で負けていて、巨悪に挑む感が出ていません。
片岡愛之助さんや、谷原章介さん、渡部篤郎さんあたりくらいが、怖さと爽やかさと、最後に負けた時の惨めさのバランスが取れる配役だったかと思いますね...
②詐欺師集団の能力と見せ場
キャラ立ちはしていましたが、策略に役立っていない能力も多く、メンバー紹介も流れ作業のようでした。
特に当り屋とトンカチ姐さんは、ただの賑やかしと力仕事のみ(笑)
お母さんを1年以上前から潜入させていたくらいですから、小澤さんをハメるクラブ×闇ビリヤードは既に乗っ取った状態にして、そこで内野さんを次々と罠に掛ける流れを1ショット風でしてしまえば、上田監督らしさを発揮しつつ、メンバー紹介とそのチームワークからクラブに仕込んだギミックまでをダイナミックに魅せられたはずです。
③日常への回帰
バイクの乗り手が実はという下りは鮮やかで気持ち良く、内野さんが小澤さんに追加徴税完了を告げるシーンもキレイな終わり方でした。
しかし、できれば、しがない公務員が詐欺師という別世界に入り込んで戦うのが今作の魅力ですから、またしがない公務員の日常へ戻る、いわゆる「行って帰ってくる」が欲しかったです。
税務署の仕事風景でも良いですし、警察仲間と吞むでも良いですし、家族団欒でも良いですし...
個人的には、娘を誤魔化すためについた嘘の個人演劇を実際に公開して、妻子を招くというような流れがあればと思いました。
内野さんが日常に戻るだけでなく、活き活きとした姿を見せられた上で、今度は詐欺師がシャバの世界へ降りてくるというエモさとともに、司法書士が実は仲間だったという下りや、本編のトリックの種明かしをここですると、見せ方があり来たりではなくなったように思いますね。
色々書きましたが、最近の邦画では中々ないケレンミと鮮やかさのあるエンターテイメント活劇として、非常に楽しませてもらいました。
上田監督の次回作に期待です!
ちょうどよくフェイク、ちょうどよくリアル
「カメラを止めるな」の上田慎一郎監督の作品。
本作は原作リメイクということもあり、前作とはやや雰囲気が異なるところもあり。
キャストは、内野聖陽、岡田将生、吹越満、小澤征悦など、演技が上手い俳優が揃っているので、どんどん物語に引き込まれる。
特に内野さんの演じる激情を秘めた真面目な公務員、岡田さんの天才詐欺師はハマり役!
詐欺師たちのコンゲームが題材の映画なので、様々なフェイクが入り乱れ、フェイクとリアルの境界を行ったりきたり。
氷室が話す父母のエピソードは、熊沢を利用するためだけに作られたフェイクで、詐欺師は所詮詐欺師ということであれば、観賞後にもやもやが残ったかもしれない。全てがフェイクではなく、共感できる氷室のリアルがあったからこそ素晴らしい作品だった。
蔦谷さん&峯田君の主題歌も最高!
よく出来てる!
内野さんはさすがの演技力で、これまでのどの役とも違う、抑圧された退屈さの中に影と小さな怒りの種火を感じさせる、いかにも公務員のつまらないおじさんだった。
何であんなペライチのチラシ信じるかなぁ。
調べないで進めるかな個人取引なんて。
とかちょっとツッコミどころはあるものの、あれだけ家庭内での力関係が弱かったら言われた通りにするのかもしれない。
詐欺師は“話の中に本当のことを織り交ぜてリアリティを出す”とか聞くけど、氷室の不動産屋の部長としての生い立ちを話してるときの感じが、何となく変な設定で具体的すぎるなぁと思っていたら、ソレだった。
熊沢は途中でそのことに気づきながらも言わない。
かつて胸ぐら掴んだ攻撃的な部分や強い性格が、全て消えたわけではなかった。
ただ、家族のため・生きるために隠していただけ。
全てが明らかになったときの2人の晴れやかな笑顔は、作戦成功そのものよりずっとアッパレな気持ちに。
こういうエンタメ作品、好きです!
肝心な部分がセリフのみ…
ダークヒーローに必要なのは闇堕ちしたきっかけと流れ、そこに説得力があれば観客は悪者でも共感したくなると思うのですが、この作品ではセリフのみではしょってしまい、何となく察してくださいみたいな作りにしてしまっていましたが、これって結構重要な気がします
そもそもコメディ的な詐欺作品なので失敗はないだろうと言う事と冒頭シーンで岡田将生氏にもう1人女性の仲間がいる事が判明していたので、彼女が誰なのかがわかってしまうと何となくオチが見えてる感じは気になりましたが、まずまず面白かったので平均的な評価にしました
面白かった!
やはり悪い奴が懲らしめられるのは後味が良い。
タイトルに7人の詐欺師って入っていたから、
最初集まったときに、あれ?6人?と思いつつも、
忘れちゃうぐらいにお話しに引き込まれていきました。
みんな良いキャラ!で上手い!!
猿時さんもカッコ良い!!!
猿時さんが写メ見ながら、
ひとり祝杯?の缶ビール開けるシーンは、泣けたな…。
スッキリまとまっていて、テンポも良く、あっという間に終わってた。
7人目、氷室が捕まって殴られたところまで判らなかったー。
いちばんカッコ良いかも~!!!
サブタイトルがどうでしょうか?
期待した以上に面白く鑑賞できました😀
あえて気になったことを少し🙇♂️
前宣伝などでバッドエンドはありえないと想定できるため先が読めてしまうのがどうなのかとは思いました(個人的には分かりやすくていいのですが)
偽札への入れ替えについては最高の謎解きの場面なのですがあまりに非現実的かなと
最後に明らかになる最大のサプライズにしても数えたら1人足りないので早々に7人目があの人だと分かったり(笑)するのでサブタイトルに人数はいらなかったのに
面白かったけど
内野聖陽の真面目な税務署職員は似合わないというか、笑ってしまいますね。彼はTVドラマの伝説の刑事ゴンゾウの頃のコミカルな演技が良く似合います。今回もハマってましたね。
面白かったけど最後のピンチを切り抜けたトリックは観客も騙してるような見せ方にしたかったのでしょうけど演出が足りなかった気がします。最近のドラマに多く見受けられますけど。
岡田将生は最近よく映画に出演してますね。
ちょうどいい緩さと温さ
「カメラを止めるな!」の上田監督作品ですが、オリジナルは韓国ドラマなのでそういう意味ではちょっとオリジナリティに欠けたかもしれません。ただ、ちょうどいい具合に「緩く」また、決して斬新な映像ではなく安定した映像&お話でした。
そうなんです、いい意味で「古く」いい意味で「王道」でしたね。
決して2時間無駄にはさせませんし、気持ちの良い詐欺事件でした。
ただ、私がおしゃれに感じるのはお金を盗むのではなく、「使えなくする」という風にしても良かったかな。もちろんそれでは復讐にもなりませんが。あの機械で「透かし」だけを変えるっていうのもありかと。
それにしても神野三鈴のエロチックさは・・・やはり私が還暦過ぎのジジイだからでしょうか(自爆)「アンチヒーロー」での東京高等裁判所 判事役もなかなか良かったですが。
天才・上田慎一郎監督が仕掛ける、コンゲーム映画の極み。
原作未読です。
内野聖陽✖岡田将生バディの見事な融合!!
一見、配役が逆ではと思わせるキャスティングが、これまた絶妙でした!!
上田慎一郎監督としては珍しい?リメイク作品ですが、元になる韓国ドラマ全16話を約2時間の映画に見事にまとめ上げました。
大変困難な作業が伴いますが、そこは天才上田監督の技量の凄さが光ります。
多少の説明不足、ご都合主義は御愛嬌?それを上回る緻密な脚本とテンポの良さ、私もまんまと騙された💦ラストの大どんでん返しも爽快で秀逸でした。
泣いて、笑って、ハラハラ・ドキドキ…映画好きならば納得できる、コンゲーム映画の優秀作です👍
面白かったよ!
ファーストディ 観る予定無かったけど時間がありましたので。良かったよ!面白かった。カメラをの上田監督らしい。地面師たちも入っていて。オチもありましまし。
楽しめました!
仕事きっちり
映画の時間をきっちり使って色々な形で喜ばせてくれた。上田監督は観客目線を見失っていないところがいいのではないかと思った。原作は韓国ドラマとのこと、映画にするにはおそらくかなり大胆に改変したんじゃないか。原作ドラマも見てみようかな。
最初に森川葵がバイクで出てきたんで、後半の9番のキーホルダーがついたバイクも森川葵かと思ってしまった。ヤラレタ。
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