アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師のレビュー・感想・評価
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序盤のマッハなストレスに耐え凌げるか
導入、かなりキツい。悪役ラスボスに踏みつけにされ、詐欺師には騙され、コテンパンにされる公務員の主役を観ていて、こちらの胃袋がキリキリしました。
それでも、後でその怨みが晴らされることを願って、最後まで観るしかない。いやさ、最後まで観ずにおくものか。これが、この映画の仕掛けでしょうか。主役との共感が半端なかったです。
ちゃくちゃくと計画進行。蛇の道は蛇、悪者VS悪者の闘いだから、やっぱり不快に感じる人も多いでしょう。それでもサギの手口に舌を巻くほかは無い。計画の個々の段取りが上手すぎる。
そして至る結末。見事な起承転結といっても良いでしょうか。そういうことになるとは判っていても、主役達の不利な状況に絶望するほかは無かったのは、この映画の上手いところなのでしょうか。そうと判るまで主役達のトリックに気づけなかった。伏線も引かれていた偽札の発覚から雪崩れ込むような種明かしは、ルパンもカイジもビックリの大仕掛けだったと思います。
それで、こちらのストレスは晴らせたか。「世の中、こんな悪い連中ばかりなのか」と不安が残ります。主役の公務員がラスボスを殴りつける「本当にやってしまったか」という妄想にビックリするシーンにも共感一杯。それでも、税務署の職員に徹するあたり。やはり、身の上と家族を捨てきれない、凛々しく、強くなったお姿に拍手。
悪人ばかりが活躍する中、映画として「大事なのは家族の絆」という筋を通されていたと思う。この映画の唯一の良心でしょうか。ワインをかけられても愛想笑いをせずにはいられない。でも、自分には単純に怖いから逆らえないかも。家族が居るからとかいうよりも。
それでも世の中に対する不安とストレスは残る。特殊詐欺や闇バイトからの強盗が闊歩し、一般企業でも1円でも儲けることに奔走する。ラストのスタッフロールで流れる主題歌の絞り出すような歌声がとてもマッチしていたと思う。自分も不穏な世の中に対して絶叫したくなる。
自分にとって一番ヤバイのは女性の詐欺師かな。頂き女子とかいうのに本能を刺激されたら超ヤバい。モテ期だと・感じた自分は・既にカモ。御用心、御用心。
「怒りで手を組む詐欺師&公務員 vs 権力者」のハラハラ痛快コンゲーム
公開日直前に飛び込んだ岡田将生結婚というおめでたい報道に、私はライトファンでありながらしばらく目を閉じて横になってしまったのですが、起き上がって観てきました。
それはさておき。
内野聖陽はやっぱり素晴らしい俳優だ。
化けるなあ……少し前に「八犬伝」の北斎役を見たばかりなので、余計にそんな印象だ。公開前にメインビジュアルを初めて見た時は、光石研かな、と思ってしまった。「きのう何食べた?」「春画先生」ちょっと遡って「真田丸」など、毎回全く毛色の違う役柄に見事に馴染んでいる。
今回の熊沢役で見せた演技もまた見事だった。
序盤は卑屈な公務員、橘の非道ぶりや彼が友人の仇であることを知り、感情を抑えた中で怒りを溜めていく様子。作戦の一環でプールバーに潜入した場面での綱渡り感、部下の望月に橘や所長の悪事を見ぬふりする職員たちについて問われた時「生きるためだ」と返すその絞り出すような声と表情。ラストで橘と対峙した時、暴力(の空想)で放出した怒り。
最初は真面目と卑屈一辺倒に見えた熊沢が、犯罪グループと組んででも友人の復讐を果たそうとし、その過程でちょっと生き生きしてきたりする様子など、内野聖陽の表現する感情の機微はその起伏が楽しく、かつリアルだった。
展開自体はケレン味強めだが、熊沢の感情表現の説得力が作品の人間ドラマの部分を支えていたように思う。
小澤征悦の悪役もきちんと憎たらしくて、氷室と熊沢の怒りを引き立てていた。
詐欺師の氷室が橘を陥れようとする動機の根底には、父親の仇討ちがあった。最初から熊沢を巻き込もうとしていたのは、橘をリサーチする過程で熊沢の友人が死に追いやられたことまで知っていて、熊沢の怒りを目覚めさせて利用しようとしたのでは、なんて想像をしたくなる。
氷室が熊沢の家族と囲んだ食卓で、作り話を装って身の上話を口にするシーンが印象的。岡田将生の陰のある佇まいが、言葉の向こうにある本心を語る。2人を連帯させていたのは、胸の奥に燃える橘への怒りだった。まさに ” angry squad “ だ。
身も蓋もないことを言うと、氷室の母親が橘の組織に潜り込んでいたのであれば、熊沢を巻き込まず詐欺師チームだけで橘を地面師詐欺にかけ、手に入れた帳簿を匿名で税務署に渡すことで彼から金と社会的地位を奪うことも出来たように思えるが(所長も邪魔な存在だが、そこも小細工の方法はあるだろう)、それではメッセージ性が弱い。
エンターテインメントのためであることはもちろん、権力を持つ者の理不尽な横暴やそれに対する強い怒りを描くためには、熊沢にモラルの壁を越えさせる必要があった。
ネットフリックスのドラマ「地面師たち」にはまって森功氏のノンフィクションも読んでいたので、地面師詐欺のシーンはスキームの復習をするような気分だった。
偽地主との対面や現地実見のシーンでは、周辺住民に人相の確認をしないの?と思ったが、種明かしされてみれば酒井(神野三鈴)がスパイだったので納得。
橘が現実の積水ハウスより賢かったので笑ってしまった。まあそりゃそうだ。
現金強奪のために床に穴を開けてあれだけの量の偽札とすり替え、その金から脱税分の税金を徴収、というくだりはさすがにファンタジーの域だったが、ルパン三世鑑賞時のノリに切り替えて楽しんだ。
タイトルに「7人の詐欺師」とありつつ6人チームのまま進行していたので、隠し玉の7人目を推理し、その登場を期待しながら見ることになる。
ポスタービジュアルやパンフレット、途中までの展開では望月(川栄李奈)や熊沢の娘が仲間入りの気配を見せる瞬間があったがブラフ。ラストは素直にスカッとした気分になれた。
原作の韓国ドラマ「元カレは天才詐欺師 38師機動隊」が2016年、上田監督にとっては6年越しの企画で、コロナ前に書いた当初のプロットでは2020年オリンピック開催、それに伴うインバウンドの増加、国内カジノ、といった要素が盛り込まれていたそうだ。
個人的には時事ネタ抑え目の完成版の設定の方が好みかな。
絶妙なサブタイトル
真面目な税務署員熊沢が、中古車詐欺にあってしまう。刑事の親友の助けで犯人の氷室を追い詰めた熊沢。しかし氷室は、脱税王の橘から税額10億円を騙して徴収する手助けをしてほしいと言われる。戸惑う熊沢だが、橘に復讐したいことがあり。
楽しくて、面白かった。橘に詐欺がバレるところは予想がついていましたが、そこからどうするのかワクワク。そしてサブタイトルの七人目は、うーんやっぱり。このサブタイトル、実は絶妙。確かに「公務員と7人の詐欺師」だぁ。
内野聖陽は、役者やのお。
コンフィデンスマンで地面師でマルサの男!
『カメラを止めるな!』がミラクルを起こして一躍時の人となった上田慎一郎だが、その後の作品はいまいち精彩に欠け、どうしても一発屋のイメージが…。
あの練りに練られた快作はやはり面白く、その後の作品も期待や比べてしまう。
何だかM・ナイト・シャマランのキャリアと似ている。
シャマランも『シックス・センス』の大成功の後、賛否両論。『シックス・センス』がキャリアの頂点とは言いたくないが、あれを越えるのはなかなかに難しい。
でも、『シックス・センス』の後の作品だって面白いのはある。
上田慎一郎もそう。『カメラを止めるな!』の壁は高いが、それほどのインパクトは無いが、『スペシャルアクターズ』だってなかなか面白かった。他は結構賛否多いみたいだけど…。
あのどんでん返し劇、『カメラを止めるな!』より前に発表していたらあちらが話題になっていたかも?…なんて。
そして今回ズバリ、『スペシャルアクターズ』より面白かった。『カメラを止めるな!』以降、出色の出来。
ちゃんと面白いものを作る。才はある。後は見る側が『カメラを止めるな!』と比較するか否か次第。
強いて言えば、オリジナル作品だったら…。
韓国ドラマの映画リメイクだが、しっかりと面白い。もう一つの“コンフィデンスマンJP”。
元ネタの韓国ドラマは未見だが、内野聖陽演じる主人公はマ・ドンソク兄貴。
全然イメージ付かない。だって…
真面目に生きてきたのに…。
税務署職員の熊沢は不運が続く。
正義感の強い部下・望月に促され、脱税疑惑のある大物・橘に接触し、こちらに否は無かった筈なのにひと悶着。
上司の計らいで何事も無く…と思っていたら、上司に連れられた先は、橘の元。
謝罪を要求される。上司は橘の息がかかっており…。
信念貫く男だったら拒否しただろうが、熊沢は…。挙げ句、橘に頭からワインを掛けられてしまう。
頭を上げた熊沢はそれでも笑顔を返すしかなかった。
そうするしかなかった。家族や生活がある。
家庭でも妻や娘の尻に敷かれ…。
調子の悪い車を買い換えたい妻。頼まれ、SNSで注文。
電話やり取りで指定された場所で代理人から車を確認し、入金。
だが、代理人も車もその場から姿を消した。
騙された!
電話の主は双方に巧みに。
仕事ではコケにされ、プライベートでは金を騙し取られ…。
ついてない、冴えない、うだつが上がらないの三拍子。
だから元がマ・ドンソクなんてイメージ付かない。
親友の刑事に助けを乞う。
意外やあっさり探し出す。
最近出所したばかりの天才詐欺師、氷室。若く、イケメン詐欺師なんてその界隈では呼ばれている。
氷室を監視していたら、あちらから接触。
やはり一筋縄ではいかないその世界の人間。監視していた事も熊沢が抱える問題も承知。
返金と「ゴメ~ンね」。
許せない熊沢に、氷室はある提案。
橘を詐欺にかけ、脱税分の10億円以上を騙し取る。その代わり、被害届は取り下げ。
無論、了承などしなかった熊沢だったが…。
国税局に栄転が決まっていた望月だが、突然白紙に…。言うまでもなく、奴の圧力。
熊沢は再び橘の元を訪ね、望月の栄転取り消しを考え直して欲しいと頭を下げ懇願。
了承する橘。誰かに嗅ぎ回れるのは勘弁。
そう言う橘は語り出す。数年前にもいた。俺の周りを嗅ぎ回ってた奴。
あいつ、どうしたっけ? 名前、覚えてないや。
熊沢は忘れない。同期で親友だった。橘の脱税を摘発しようとしたら、収賄の容疑を掛けられ、クビに。周りと同じく保身に回ってしまった熊沢は助けてやる事が出来ず。そして同期は飛び降り自殺した。
再び顔を上げた熊沢は笑顔を絶やさず。
しかし、その腹は決まっていた。
熊沢は氷室の元へ。
何か、怒ってる…?
開幕して約30分、ここでメインタイトル。話も目的もターゲットも決まった!
氷室に連れられ熊沢は、スリに遭う、詐欺に遭ったSNSやチラシを知る、当たり屋に遭う。
皆、氷室の仲間。元女優のスリ、メカニックや偽造のプロ、当たり屋。
さらに、氷室と訳ありの闇金母娘も引き込み。
橘の情報収集。橘は土地を欲しがっている。土地を買って巨大複合ビルを建て金儲け。
詐欺の方法も決まった。地面師詐欺!
詐欺のプロたちによる大博打が華麗に…いや、トラブル続出?!
各々その筋のプロだが、個性的過ぎて時々チームとしてバラバラ。
何より一番の問題は、熊沢。詐欺のド素人で、性格はド真面目。詐欺に向いてない…?
そんな熊沢に大役。餌になる。
橘は高級クラブのシークレットルームでビリヤードをするのが趣味。
闇金母が手を回し、ルームへ。顔を知られてる事を活かして接触。ビリヤード勝負をし、そこで土地の話を…。
怪しまれずに、自然に。普段の冴えない雰囲気から一転、実はもう一つの顔を持っているという芝居をしなければならない。
しかし、熊沢はビリヤード未経験者どころか、そんな度胸も無い。
ならば、特訓特訓、役に成りきれ。
熊沢。を詐欺師プロデュース!
真面目で平身低頭。気弱でびくびくおどおど。
内野聖陽のリアクション王のようなコメディ演技が面白い。
全くの足手まとい役立たずから、ビリヤードをマスターし、次第に度胸も見せ、いっぱしの詐欺師になっていく様の巧さ。
望月に同期の死を話す悲しみと悔しさの熱演には心揺さぶられた。
脚本から製作に携わり、内野聖陽ショーとでも言うべき巧さが光る。
近年『ゴールド・ボーイ』や『ドライブ・マイ・カー』で悪役や不遜な役で印象残す岡田将生が本作でも。彼もイケメンより個性派だ。
演技に定評ある川栄李奈や森川葵も魅せるが、ちと出番少なかったのが残念。各々がスキルを活かして華麗に活躍するチームプレーがちょっと乏しかった気も…。
出番は僅かでも皆川猿時の人情味ある刑事は良かった。
皆の巧演や熱演を受けて、小澤征悦が憎々しさ爆発。
無名素人役者で巧みだけどちょっと緩い作品を撮ってきた上田慎一郎だが、一流役者を揃えて上々のエンタメを撮れる事を証明。
上手く餌に掛かり、土地も下見。気に入る。
神社のような広い敷地で、古ぼけた屋敷を祖父から譲り受けた占い師の孫娘…なんて、『地面師たち』であったような…?
後は司法書士も同席させ、正式な契約。印や現なまやり取り。
相手の“罠”もクリアし、全て順調…そんな時、
些細な事から詐欺である事がバレる。
橘は騙されてるフリをする。印を捺した時、一網打尽に捕らえる。
手玉に取ったつもりが、こちらが手玉に取ってやる。
雲行きが怪しくなる中、決行日数日前から熊沢と連絡が取れなくなる。恐れをなして逃げ出したか…?
しかし、熊沢は戻ってきた。
騙し通せるのか、返り討ちに遭うのか。
いよいよ決行の日…。
ビルの一室で、橘は騙されたフリして手続き。
部屋やビルの外には手下どもが待機。
熊沢はそれに気付き、連絡しようと思ったら、手下どもや熊沢の上司が奇襲。そこに、熊沢を怪しんでずっと尾行していた望月が割り込んでくる。
ゴタゴタあって、望月を連れてその場を脱出。連絡をする。
連絡を受けた氷室らは印を捺す直前に理由をつけて退室。
しかし、橘は逃がさない。警察に通報。
氷室らは警察に捕まり…。
勝ち誇ったように笑う橘は改めて金を確認したら…、
偽札!?
一体何処で、どうやって!?
現なまやり取りの際、入札機で計上。
入札機の下に穴を空け、そこから本物と偽札をすり替えていた。
本物は段ボール箱に詰めて運び出し。熊沢と望月がビルの外で手下どもに追われた時、ぶつかって道を防いだ配達業者が伏線になっている。
伏線は他にも。橘の通報で駆け付けた警察。声をよ~く聞くと、実は…。
『コンフィデンスマンJP』ほど鮮やかではないが、どんでん返しは幾つも。
実は橘の傍に、こちらの内通者が一人。まさかの人物で、まさかの正体。だから“7人”。
どんでん返しは敵だけにじゃなく、味方にも。
氷室が熊沢を詐欺に引っ掛けたのは偶然だったのか…?
熊沢が橘に復讐しようとしていたのを氷室は知っていた…?
それを利用して…?
何の為に…?
氷室が熊沢の夕食に招かれた時話したある芝居の話。
ある男の子に刑事の父がいて、弁護士の母がいて。刑事の父は悪党を捕らえようとしたが逆に罠で濡れ衣を着せられ服役中。弁護士の母は助けてやる事が出来ず…。その時、息子は…?
何ともセンチメンタルでベタな“作り”不幸話。
だけど、そういうのが本当の話だったりする。
多くの人たちが苦しめられ、一矢報いたかった。
その絶好のチャンス。
一世一代の復讐と大逆転。熊沢や氷室、その他苦しめられた皆の大一番。
見事、大勝利。痛快スカッと!
大金を騙し取られ、敗北し、激しく動揺する橘の前に、熊沢が訪れる。
愚行を続ける橘を、熊沢は…。それは妄想だった。
納税を報告。
コンフィデンスマンで地面師でマルサの男!
(正確には“マルサの男”ではないんだけど、言葉に箔を付けたかったので…)
熊沢は最後まで熊沢だった。
またそれは、どんでん返しエンタメを作り続けていくであろう上田慎一郎の信念にも見えた。
何も見てない聞いていない
やはり法律には不備がある。
上手く潜り抜けて得する奴もいれば、
盾に取られ窮地に追い込まれる者もいる。
そこに命が関わると気持ちも逡巡する。
憎ったらしい小澤征爾の橘、
いろんな人を落とし入れ、
脱税して私腹を肥やしている。
が、犯罪者とならない。
権力者橘に媚びる情け無いを通り越し
悪者の税務署長。
税務署員の熊沢は部下の望月と
滞納している税金の督促に権力者橘の元に行くが、
驚いたことに二人は処分を受ける。
税務署員としての仕事を遂行しただけで。
ひょんなことから知った
イケメン天才詐欺師の氷室という男、
橘の金💰を取ろうと持ちかけられるが、
一度は相手にしなかったが、
あまりの橘の暴虐無人に熊沢は決意❗️
詐欺師集団に堂々と姓名と職業を言う様子に
大丈夫なのか、と心配したが杞憂であった。
画面には出て来ず後の種明かしでわかるが、
着々と準備が進められていく。
途中で橘たちに気づかれたが。
優秀な集団の者たちの働きで見事に成功できた。
時折氷室の背景が映し出される、
彼も被害者だった。
橘の納税がなされる。
キチンと納税する者たちにとってはホッとする。
三人で写った写真、
友人の八木が見ざる🙈聞かざる🙉
橘が人を虐めていなければ、
岡本も生きており氷室の家庭も平和だった、
すれば橘から金💰を取ろうとしなかった筈だ、と
思ったが、
脱税絡みなので
見過ごせないことだっただろう。
税務署長の癒着の酷さに呆れる、
現実は公明正大、清廉潔白な方だろう。
望月役川栄李奈、やはり熊沢の味方につくと思った、
あの炸裂トーク、頼もしい。
家では洗濯物畳む夫で嫁は隣でゴロ〜ン、
内野聖陽さん、やはりの演技巧者❗️
気弱そうな性格ながらも内に秘めた闘志を見せてくれた。
氷室の背景にも注視して発奮。
岡田将生さん、イッケメン‼️
7人目ずっと探してました
韓国でドラマ化された「元カレは天才詐欺師〜38師機動隊〜」の日本リメイク版。
全体を通して、テンポもよくてとても面白かったです。
冴えない公務員のおじさんが、仕事、家族、親友のために頑張って詐欺を行い、元の自分まで変化していく様子は素敵でした。
最後には少しカッコいいおじ様になってました。
まぁー詐欺は犯罪ですけど(笑)
とは言え、悪い人をギャフンと言わせるのは、見ていて楽しいですね。
税金10億円を徴収するのに、不動産詐欺を行います。
この映画を先に見ていたら、何も思わなかったと思いますが、昨年Netflixドラマ「地面師たち」を見てしまっていたので、そちらに比べると詰めが甘いというか、少し雑というか、面白さが半減してしまいましたね。
こちらはコメディ要素もあるので、そう感じるのかも知れないですが。
成功する事はわかってはいるものの、ビリヤード対決や、土地売買の瞬間は、ドキドキしながら観てしまいました(笑)
後は、サブタイトルの「7人の詐欺師」なのに、ずっと何回数えても6人だし(笑)
どこー?だれーーー!見えてない?幽霊?ってなってしまってました(笑)
ラストで「あーそう言うことなのね」ってなりました😊
サブタイトルなしの方が、きっともっと驚くかもしれないですね。
それにしても岡田将生くん、顔が小さいね。
詐欺映画は呪縛から抜け出した方が良い
内野聖陽さんが主役だけれど、実質的には岡田将生さんとダブル主演みたいなものでした。
タイトル通り、詐欺の映画です。
展開が安っぽくて、あまり面白くない。
詐欺映画を観る度に思うけれど、詐欺映画は「スティング」の呪縛から抜け出した方が良いと思います。
二転三転させる必要はないのでは。
内野さんは、最初は内野さんっぽくない演技で良かったけれど、最後は内野聖陽さんに戻っていました。
真矢みきさんは、役に合っていないかなと思いました。
タイトルはちょっと
最初に副題に人数を出さなかった方が良かった様に思います。どうしても7人目を探してしまうので。
虚を突くなら伏せて「詐欺師たち」とすれば最後のオチの部分がより爽快感を増す様に思えた。
それをおいてもよく練られた構図である。
もう一点残念なことは私腹を肥やした者への制裁が弱い点が、観てるものの爽快感を半減させている様に思えた。納税義務を怠ったものを納めた程度で屈服する様なことはあり得ないことが想像できるからだ。
巧みに仕掛けられた詐欺師の戦略
一見、何もつながりなく、ただ詐欺師の氷室に騙されて詐欺の片棒を担がされたように見えた主人公の熊沢だたが、氷室は元々主人公が脱税王に対して恨みを持っていることは調査済みでその関係性を利用しようとして近づいてきていた。
用意周到に張り巡らされた氷室の戦略の下、集合した詐欺師たちは作戦を遂行していく。
しかし、途中何度もピンチになりながらも、氷室たちは巧みにその場を切り抜け窮地を脱する。
後半の山場でも、脱税王にバレて警察に捕まったかと思ったが、実はそれも氷室が企てた芝居だったという展開。
初めは無理のある展開ではと思ったが、ある人物が氷室側だったとネタバレされて、それも合点がいく展開になった。
お金もメンバーの一人が偽札作りに精通しているという伏線をうまく回収し、脱税王から見ごと奪った流れもとても痛快だった。
氷室のバックグラウンドも、あえて全部説明せず、メンバーの一人や獄中にいる人物との関係性もうまく匂わせて見せていた演出もよかった。
さすがは、上田監督と思わさせる、まとまった話の展開には、本当に舌を巻く。
ただ、一点だけ気になったのは、熊沢の自害した同僚との関係性を表すシーンを部下が脱税王の話をしていた当たりから出していてもよかったかと思う。
脱税王からおとがめを受けたあたりから同僚の話が出てきて、なんとなく後付けにも思えてしまったので、その辺はもったいない気がした。
和製オーシャンズ11とも言うべき、最高のエンタメクライム映画
内容については全く知りませんでしたが、評価が高かったので期待しての鑑賞です。
結論としては、期待通りの作品でした。冴えないオジサンがひょんなことから詐欺グループの仲間となり、悪逆の限りを尽くす会社社長に復讐するというジャイアントキリング。登場人物の会話劇も面白く、ストーリーも巧みで、伏線回収も見事な傑作クライム映画でした。雰囲気としてはオーシャンズ11が近い気がします。老若男女問わず楽しめる映画だと思いますので、家族や友人同士で観に行く映画としては最高です。
ただし、不満点が無かったかと言えばウソになります。見え見えの伏線で先の展開が読めてしまう場面も多かったし、前日譚のドラマを聞いたこともないようなマイナーな動画配信サイトで有料公開していたりするのは個人的には不満です。
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真面目な税務署員である熊沢二郎(内野聖陽)は、優秀な部下の望月さくら(川栄李奈)とともに、巨額脱税の疑惑がある大企業社長の橘大和(小沢征悦)の開くパーティーに潜入する。熱血な望月は熊沢が静止するのも聞かず橘に詰め寄ったのだが、それによって二人は橘に目を付けられてしまい、税務署の上層部に根回しされて様々な冷遇を受けることになる。同時期、熊沢は詐欺の被害に遭い大金を騙し取られる事態になった。刑事の友人の協力によって犯人である天才詐欺師の氷室マコト(岡田将生)を捕まえる一歩手前まで迫ったとき、氷室から「見逃してくれたら、橘から金を奪い取る手伝いをしてあげる」と言われ、心が揺れる熊沢だった…。
・・・・・・・・・・・
冴えないオッサンが様々な悪事を働く巨悪に対して行うジャイアントキリング。オッサンが詐欺師たちとチームを結成し、難易度の高いミッションを遂行していく。他の作品に例えるのは失礼かもしれませんが、金城一紀の小説『フライ・ダディ・フライ』のような頑張るオッサンの泥臭い復讐劇と、『オーシャンズ11』や『キングスマン』のような爽快さやカッコ良さを両方味わえる映画だったと思います。軽妙な会話劇も面白い作品で、伊坂幸太郎の小説『陽気なギャングが地球を回す』のようなキャラクター同士の掛け合いが楽しいクライムエンタメになっていました。ストーリーも私は結構好みでしたね。物語がどこに進行しているのかが分かりやすく、様々なトラブルが起こってそれを解決する展開が続くため飽きずに最後まで鑑賞することができました。
ただし不満点が無いかと言えばそうではなく、物語の伏線が見え見えで先の展開が予想できてしまうところはちょっと不満でしたね。
例えば、氷室が刑務所にいる父親との面会から帰るシーン。刑務所から出ると、外にはバイクに乗った女性が待っていました。バイクに詳しくない人からすると「白石(森川葵)が迎えに来たのか」と思うかもしれませんが、バイクもヘルメットも序盤に登場した白石のものとは違ったため、私は登場していない詐欺グループのメンバーだということが分かってしまいました。ついでに言えば『7人の詐欺師』というタイトルなのに終盤まで詐欺師が6人しか出てこないことも、未知の1人がいるという論の補強になっていました。
また、詐欺を実行している時、外で待っていた熊沢が望月を連れて橘の手下から逃げるシーン。たまたま通りかかった宅配業者が道を塞いだことで熊沢たちは逃げ切ることができましたが、この宅配業者が明らかに橘の手下たちの行く手を阻む動きをしていたので、「こいつ詐欺師グループの誰かだろ」「体格良いから多分村井(後藤剛範)だろ」と気付くことができました。
上記以外にも分かりやすい伏線が結構多くて、先の展開が読めてしまう場面が結構ありました。「伏線をどれだけ分かりやすく(分かりにくく)するか」っていうのは匙加減が難しいところだと思うので、あくまで伏線回収モノ映画が大好きな私個人の意見にはなりますが、もう少し分かりづらい伏線の方が好みでした。
「伏線が見え見え」という不満点はありましたが、正直本作の面白さと比べればこんな不満点は吹けば飛ぶほど些細なもので、全体的に見れば満足度100点の良作映画だったと思います。上田監督の次回作にも期待しています。
娯楽映画とはこのこと
イケおじ好きの自分にとっては、岡田将生に興味なし!
ただただ、内野聖陽さん目当てのみ!!
という気持ちのみで鑑賞。
最初は冴えないお父さんからスタート。
かっこよさ消せてないけどw
そして、岡田将生の手玉に乗せられ詐欺の片棒を担ぐことに…
それでも内野さんの目的は友人の敵討!!
そんなバカな…という仲間たちと共に仇を打つわけだけど…
監督特有の大ドン返しはおもしろかった。
けど、なんの目的で岡田将生は詐欺してるんだっけ?
置いてきぼりになりながら終わりました。
まぁ、でも惜しかったよね。
Netflixの地面師たちの前に公開できればねぇ。。
地面師詐欺の映画なんて新鮮!!って
気持ちで見れた人は少ないのでは?
あと、最後の最後のなに?
妄想とはいえ
ぐっちゃぐちゃに敵を殴るの何?w
笑いそうになった。
これのせいで星が減りました。
スリル感やサスペンス色があり、面白かったです。
辻褄が合わないところやあり得ないところはあったかもしれませんが、最後のどんでん返しまで爽快で、胸がすく終わり方で良かったです。
内野聖陽さんは直近に観た印象的な役はドラマの「ブラックペアン」でしたが、全く違うキャラで、やはり達者な俳優さんだなと思いました。
そのブラックペアンで共演した神野三鈴さんも全く違う役で、この共演が妙でした。
岡田将生さんはこの手の役が多いですが、上手いです。
(以下、少しネタバレ)
最後のどんでん返しはタイトルと照らして、詐欺師は7人?8人?と考えてしまいました。
ともすると誰かが殺されてしまうような話になるのでは、それは嫌だな、と思っていましたが、(回想を除いて)主要メンバーは誰も死なず、良かったです。
終演後に客席後方から上田監督が入ってこられて、クリスマスプレゼントでサイン入りチラシの配布がありました。サプライズでした。
痛快コン・ゲーム映画! 上田慎一郎はインディーズじゃなくても輝ける監督だった!
『2度目のはなればなれ』を観たついでに、下高井戸シネマで続けて『アングリースクワッド』を観る。
ケイパーものやコン・ゲームものは大好物だというのもあるが、年末に『侍タイムスリッパー』を観て、当然のことながら上田慎一郎を思い出し、彼がビッグ・バジェットを任されて撮った商業映画がどんな仕上がりになったか、純粋に興味が湧いたのだ。
結論からいうと、文句なしに素晴らしかった。
お正月から観られる気楽なケイパーもの/コン・ゲームものとしては、もうサイコーでした。
ちゃんと、お金と、キャストを与えられたら、
すげえきちんとしたエンタメ作れる人だったんだな!!
出来る人だとは思ってたけど、本当に出来る人でした!
とくにいいなと思ったところを箇条書きにて。
以下、完全にネタバレなので、未見の方はくれぐれもお気を付け下さい。
●まずは副題がいいよね。
『オーシャンと11人の仲間(オーシャンズ11)』とか、『テキサスの五人の仲間』といったコン・ゲーム映画の代表作を明確に意識したタイトルだとは思うのだが、実際と「数が微妙に合わない」ところがミソになっている。
要するに、タイトルで「今出てる詐欺師以外にも伏兵がいる」というのを、きちんと最初からオープンにしたうえで「その伏兵が誰か」を考えさせる作りになっているわけだ。
これは、とてもフェアなやり口だと思う。
しかも、その7人目が皆川猿時の刑事だと思わせておいて、そちらは「詐欺師」ではなくてじつは「公務員」のほうで(すなわち「同期の復讐」を目的に詐欺師に加わっている「公務員」が「2人」いる)、真の詐欺師であるところの「7人目」の神野三鈴が、最後にさっそうと登場するあたりが、とてもよい。
●神野三鈴のキャラクターは、物語における「仮想のリアリティ」を支えていて、このあたりの配置は本当によく出来ていると感心した。
まず、最初に岡田くんを迎えに来たバイカーが森川葵だったせいで、その後何度か出てくるバイカーが神野だと観客が気づけないという仕掛けが、気が利いている。
なぜ神野が、長期にわたる敵陣潜入という極端な重責を担っていたのかも、「家族だから」「母親だから」「むしろ彼女こそがこの復讐の主犯だから」と考えれば納得がいく。
そう、これは天才詐欺師の岡田くんがチームを結成して巨悪に挑む話ではなく、無実の罪で入獄した夫の復讐に燃える妻の一大計画を「天才詐欺師の息子が支援」する話なのだ。
また、この漫画チックな現金収奪計画成功のキモは、相手をいかにコントロールできるかに尽きるわけだが、相手の側近に(最も信頼できる)仲間が二重スパイとして潜入していれば、これほど安心な話もない。比較的自信をもって岡田くんが計画を推し進めていた最大の根拠、それが神野=ビッグ・ママの存在だったわけだ。
●森川葵が内野聖陽に引き合わされる掏摸のシーンで、「本当にスレる動きとタイミング」でちゃんと演出していたのは、リアリティがあってよかった。また、あの“ワイルドスピード”森川なら、「本当にできちゃう」感じがあったのも、キャスティングの妙だった気がする(笑)。
●内野聖陽演じる税務署員が、この途方もないコン・ゲームに加担し、のめり込んでいく過程もきわめて自然に描かれている。ごくふつうの、むしろ波風を立てることを良しとしない(僕と似たタイプの)公務員が、相手への怒りを増幅させ、いくつものセーフティを外し、戻ってこれないところまで関わって、やがて「コン・ゲーム自体の魅力」に取りつかれていく流れが、引っかかりなく構成されていて、さすがは上田慎一郎といった感じがした。上田と内野はさんざんキャラクターについて議論を重ねたらしく、そのへんのディスカッションがプラスに出ているのだろう。
●パンフを読んでいると、腕っこきの俳優たちが集められて、上田慎一郎監督のもとで大型のミッションに挑む様子が、まさに作品内での現金奪取計画の推移とダブって見えて仕方がない(上田監督が名の通った俳優たちと一緒に、相応の資金の用意された映画を撮るのはこれが初めてである)。実際この映画のなかで、内野の娘に密談現場を発見されたとき、彼らはこの詐欺計画の現場を「演劇」だ「ワークショップ」だと言い張るのだ。
さらにいうと、制作の経緯や、ベテラン俳優ががっつり噛んできたせいで監督が右往左往するところとか、そのおかげで「熱量の高い」みんな楽しめる「本物の」娯楽映画に仕上がっている点とか、全体に『侍タイムスリッパー』における安田監督と山口・冨家コンビの話ともダブっていて面白い。
●猛烈に悪い奴(ただし若干憎めないところがある)を、詐欺師集団が大がかりなコン・ゲームを仕掛けてやっつける痛快無比な物語という意味では、正統に『スティング』を引き継ぐ構造になっている。ただ細部に関しては、原作にあたる韓国ドラマを観ていないのでなんともいえないが、ビリヤードネタとか、最後の大ネタとか、個人的には『ルパン三世』の香りがすごくする感じがした。
●とくに、最後の大ネタやその後の展開は、良い感じで「漫画チック」で、しかもすっきりと腑に落ちる作りで、とてもうまくいっている。そこに巧い具合に「家族の再生物語」も絡めてあって、きわめて後味の良いエンターテインメントに仕上がっている印象。日本でつくられたケイパー映画、コン・ゲーム映画のなかでも、かなり上位に位置する完成度といえるのではないか。
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もちろん、わからない点や、気になるところもけっこうある。
半分くらいは、僕が何かを見逃しているせいかもしれないけど……。
●税務署員を愚弄するにしても、小澤征悦が内野聖陽に対して、わざわざワインをかけたりして挑発することに(観客のヘイトを集める以外の)なんの利得があるのか、理解に苦しむ部分がある。まして、税務署長のあっせんで会っている席上であんなことやったら「自分と税務署長はグルです」って公然と主張しているようなもので、やはり本人の一文の得にもならない。
●あれだけ「優秀」な詐欺師である岡田くんが、何をしくじって捕まっていたのか?(配信されている前日譚のドラマ版で描かれているのか?) その間、本作で展開される「計画」はどう進行していたのか?(お母さんはすでに先行して潜入していたはず) もしかして、服役まで含めて、すべて母子の計画どおりなのか?
●岡田くんの正体が簡単にばれて、内野聖陽が乗り込んでくるまでが、すべて岡田くんが彼を巻き込むために練った計画の一環だったことはよくわかったが、その場合、岡田くんの顔写真と現住所をさくっと教えてきた皆川猿時演じる刑事は、どういう役回りなのか。もとから岡田くんとグルだったと考えるのが自然な解釈のような? それともこの段階では偶然、出所したばかりだったので「簡単に詐欺犯の現住所がわかった」だけに過ぎなかったのか。
●なぜ共犯者として内野聖陽に的を絞ったのかが、今ひとつよくわからない。税務署での彼の立ち位置や秘めたる復讐心を、岡田くんに教える「スパイ」が税務署にいたということか? あるいはやはり皆川猿時の刑事が最初から岡田くんとグルで、彼なら大丈夫だと太鼓判を押して推挙でもしたのか?
一つ前の項目も含めて、最後のシーンで、刑事がどれくらい最初から関与していたかを見せる回想シーケンスでもあったら、ずいぶんと説得力が増した気がするんだが。
●いきなり新しく仲間に加えた素人(しかも法の番人に属する人種)を、詐欺師仲間たちに紹介してまわって、順番に会わせて犯罪者の面を次々と割っていくなんてこと、実際にあるのだろうか? ふつうは、よほど信頼を勝ち取った相手にしか、自分の犯罪仲間とその特技なんて絶対教えないと思うけど。やっぱりこの時点では内野聖陽を巻き込むことが「絶対のテーマ」になっていたということか。
●わざわざ「完全に素人」の内野聖陽に時間をかけて特訓させてまで、「ビリヤード勝負」にこだわる理由がよくわからない。相手を地面師詐欺に「釣る」のだけが目的なら、もっとローリスクな導入手段がいくらでもありそうな気がするが。
●クローズドの秘密クラブであるプール・バーに全員がスタッフとして潜入しているけど、実現可能性はかなり低いと思う(これがアニメとかなら『ルパン三世』でも変装してよくやってたけどw)。
●いくらリモコンを隠そうが飲み込もうが、本当に「自分はいかさまをされているのではないか」と相手が疑ったのなら、まずは「操作者」ではなく、「ボール」か「台」のほうに行くのが普通だと思うんだけど、そっちをケアする気配がないのはどうなんだろう?
●娘にGPSで尾行されちゃうのは、本当にありそうな話だからいいとして、地下室のドアが開きっぱなしとか、あのネタでホントに娘を騙せるものなのかとか、あのあとどういうフォローをすれば納得させられるのかとか。まあ……あのへんはギャグというか、漫画チックなネタとして半笑いで流すしかないような。実際、観客の「なんか演劇のワークショップみたいだよな」って印象と被ってるし。
カットが変わって、いきなり岡田くんが内野聖陽の家族とテーブル囲んで食事していたのが、本作で一番ゲラゲラ笑えたシーンなので、それでもう十分って気もする(笑)。あのあと、彼がいきなり自分の事情を「匂わせ」始めるのって、内野家の「家族」のナチュラルな感じと幸せな様子に当てられたからなんだろうなあ。結局、彼は自分の人生から奪われてしまった「父性」の代償を内野聖陽に求めていたってことなんだろう。
●地面師詐欺のパートは、Netflixのドラマも観ていないので基本スルーするけど、西園寺家の本物が絶対姿を現さない確固たる理由を、きちんと出しておいたほうが良かったのでは?
●最後の大ネタはうまく決まっていたように思うが、万札でいっぱいの段ボール箱を乗せた台車を使って、小澤征悦の集めた兵隊たちや悪い税務署員たちを足止めしようとするのは、あまりに危険な賭けすぎて(実際、箱がいくつか地面に落ちていて超危ない)、さすがに無理があるような気がする。
●なんとなく流して見ちゃったけど、最後のパトカーとか、警察官とか、全員仕込みってこと? それとも皆川猿時が噛んでいるんだっけ?(運転してたような? よく覚えていないや) あの人数をコン・ゲームのキャストとして噛ませるとなると、実質的にかかわっている人間が多くなりすぎて、計画としてはかなり危なっかしい気がするけど。話の構造として、「ここでしか出てこないうえにその説明がない」というのも、いささかアンフェアな気がする。
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最後に俳優さんについて。
●俺、人の顔見分けるのがホントに苦手なんだな。
それともいよいよボケてきたのかな?
実はお恥ずかしながら、
最後まで主役が内野聖陽だと気づかずに観てました(笑)。
なんなら、光石研によく似た俳優さんだなあとか思って観てた。
頭のなかに固定された髪型のイメージってこわいわ。
てか、昔から、眼鏡かけたらクラーク・ケントの正体がバレないのって「ありえねーだろ、そんなん、バカじゃないの」とか思ってたけど、ぜんぜん笑えなくなりました……。
●岡田将生くんは、最近では間宮祥太朗くんと並ぶ僕の推しだが、まさに当たり役でした。というか、こういう役やってる岡田くん、よく見るよね。
本物の美形男優たちが、相応にふさわしい役を得て、今後も邦画の世界でますます活躍できることを心から祈りたい。
●このあいだ「格付け」で八重奏の問題外して爆笑を呼んだ小澤征悦。
本当に楽しそうに悪役を生き生きと演じていて、良い俳優さんだなあ、と。
というか、この映画をほぼ「支えている」といってもいいくらい。
彼がちゃんと観客に忌み嫌われつつ、一定の「愛嬌」を振りまいてくれないと、この映画は成立しないから。
最近仕事で知り合ったミリオネアの社長と「表の顔」の雰囲気がマジでそっくりで、ホントよくこういう手合いを研究して役作りしてるなあと感心。
あとはやっぱり、この手の役をやらせると、吹越満は本っ当に巧いね(笑)。
脱税者が蔓延る世の中、詐欺者たちに脱税王と共に私自身も騙され、大いなる爽快感を感じた
上田慎一郎監督による2024年製作(120分/G)日本映画。配給:ナカチカピクチャーズ、JR西日本コミュニケーションズ、劇場公開日:2024年11月22日。
「カメラを止めるな!」は抜群に面白かったが、劇団「PEACE」を主催していた和田亮一氏による原作アイデアが凄く秀逸で上田慎一郎監督の演出力はあまり感じられなかったが、本映画では、岩下悠子との共同脚本も含めて上田監督めちゃ力量あるじゃんと唸らされた。
勿論、痛快な逆転劇である韓国ハン・ジョンフン原作のアイデアがベースとしてとても秀逸である(観客である自分も、詐欺を警察に通報されてしまうことが計画だと気付かず綺麗に騙された)とは思うが、最初の詐欺や謎のオートバイ運転手等、伏線が気持ち良く回収され、俳優たちの演技もお見事と思わされた。
特に次第に標的を騙す演技に開眼していく生真面目な公務員をコミカルさも入れ込んで演じた内野聖陽には、笑わされ感心し驚かされて、拍手喝采。「八犬伝」で演じた偏屈ジジイ北斎もとても良い味を出していたが、コチラの演技は別人の様で、その演技の幅に圧倒された。
熱さをひめた天才的詐欺師を演じた岡田将生も、役柄にピタッリはまっていた印象。「ラストマイル」の平凡なサラリーマン役も含めて、今年は彼の年であった印象さえも。
税務署所長もお金の力でお仲間で大金を脱税していた小澤征悦から、岡田や内野たちが協力して大金をせしめたラストはとてもすっきりとした。ただ、不動産界隈で有名らしい西園寺家の屋敷を岡田ら詐欺師たちがどういう手続きで小澤らに案内できたかは分からずじまい。言わば、脚本の欠陥の様で、その点は残念だった。
加えて、内野と部下の川栄李奈の関係性もとても良かったし、本店栄転を犠牲にした正義感からの彼女の逆転的な対応も、お見事と思わされた。元アイドルらしが、また是非見たい女優さんと思わされた。なお皆川猿時演ずる刑事も悪くなかったが、少し良い奴すぎて、川栄とのバランスも有り、キャラクター設定に少し物足りなさも感じた。
監督上田慎一郎、原作ハン・ジョンフン、脚本上田慎一郎 、岩下悠子、企画プロデュース
伊藤主税エグゼクティブプロデューサー、前野展啓ゼネラルプロデューサー西山剛史、プロデューサー内部健太郎 、門馬直人 、川端基夫ラインプロデューサー坂上也寸志、キャスティング伊藤尚哉、撮影山本周平、照明鳥内宏二、録音西條博介、特機佐川敬一、装飾前屋敷恵介、衣装松本人美、ヘアメイク菅原美和子、VFXスーパーバイザーエドリントン・バナード、カラリスト大西悠斗、編集上田慎一郎、 江橋佑太、音響効果柴崎憲治、音楽鈴木伸宏 伊藤翔磨、主題歌KERENMI 峯田和伸、監督補佐ふくだみゆき、助監督上野貴弘、制作担当石井修之、スクリプター中村愛由美。
出演
熊沢二郎内野聖陽、氷室マコト岡田将生、望月さくら川栄李奈、白石美麗森川葵、村井竜也後藤剛範、丸健太郎上川周作、五十嵐薫鈴木聖奈、五十嵐ルリ子真矢ミキ、八木晋平皆川猿時、酒井恵美子神野三鈴、安西元義吹越満、橘小澤征悦。
スゴイ痛快だけど、やり方は好みじゃない。
時代劇では、仕事人より大岡越前や銭形平次が好き。
小説では、ルパンよりはホームズとポワロが好み。
だから、とっても真面目な主人公の熊沢が、目的のために手段を選ばないところが残念でした。
ただ、それを上回って、この映画を痛快と感じるのは、敵役の橘がホントにやな奴だから。
熊沢にワインぶっかけたり、自尊心を踏みにじったり、観ていた私が怒りで震えるほどの見事なヒール。
橘は、無自覚だろうけど、かわいそうな人だよな。
こういうおバカさんに出会ったら、関わらないのが一番なのですが、熊沢たちはチームを組んで橘と同じ土俵で戦うんですよね。
ラスト、想像で熊沢が橘をボコボコにするシーンがあります。
彼の悔しさの発露かもしれませんが、その暴力性が怖かったです。
熊沢は、奥さんに雑に使われているまじめで優しい人でいて欲しいです。
出演者が皆個性的で味わいがあって、ストーリーは既視感があるものの、ラスト前でハラハラが少し入り、最後は大円団に大満足。
何より、久々に、もうひとりの主人公、氷室役の岡田将生さんがイケメン全開!
眼福ー、こんなストレートにかっこいいの。
司法書士の神野さん(実は氷室の母親)ほどじゃないけど、「重力ピエロ以来のストレートなかっこよさ」に、何回もイケメン♡とつぶやいていました。
上田監督、すっかりメジャーになりましたね。
次回作も楽しみにしています♪
気分爽快
ツッコミどころは、多々ありますが鑑賞後は、気分爽快です。小澤征爾さんの悪役が、はまってます。内野さんのいかにもありがちな税務署職員、岡田将生さんの詐欺師他皆さん適役だと思いました。現実の税務署職員の皆さんも、頑張って頂きたいです。
搾取される国民
ラストはモヤっとするものの面白かった。
どうやらリメイクらしく、韓国がオリジナルなのかな?Netflixで原作と同名の作品があった。
冒頭からガッツリ引き込まれる。
岡田氏と内野さんの好演に尽きると思われる。
税務署の一職員が職務を執行するでいいのかな?巨額の脱税者から追徴課税に成功する話。
その方法が詐欺であり、天才詐欺師の力を借りる。
この詐欺師の背景も味わい深く…さすがは韓国とニンマリしてしまう。
敵役の小澤氏も好演していて、その演出もハマるはリアクションする内野さんもさすがであった。
この手の話しは敵役の好感度が低ければ低い程、爽快感が増すので、序盤の小澤氏はとてもとても腹立たしい。失脚したであろう状態がもっと哀れだと良かったのだけど、その辺は好みなのであろう。
物語的には大逆転だし、気持ちいいどんでん返しも見せてくれる。
時計や母親の存在など、明確には説明しないのも粋だなぁとニヤニヤする。
味方同様、俺も騙されました。
序盤の内野さんと岡田氏のコントラストが見事で…特に岡田氏の聡明な雰囲気なんか絶品だ。おそらくは相乗効果みたいなものがあって、より引き立てられたのであろうけど、監督の手腕も素晴らしいと思われる。
話が話だけに強引だなぁと思う箇所もあるが、物語を追う内に忘れてしまえる。
展開が早いわけではないが、とても魅力的な展開だったのであろう。
詐欺師側の作戦がバレて、警察に捕まってしまい驚く。韓国脚本特有の屋台骨まで崩す破壊に見舞われて、後の展開を見失なう感じ。
終わってみれば予想通りなのだけれど、流れを急激に堰き止められた時のドギマギ感は毎度格別なのだ。
ちゃんと種明かしもしてくれるし、その種明かしがなかなかに趣き深い。
思わず「くぅぅぅぅ〜っ」と唸ってしまう。
モヤっとするのはラストの落としどころだ。
10億の追徴金が納付されたと告げる。
余罪云々の註釈はあったものの、熊沢の今後はどうなるのだろうか?
劇中ではハッピーエンドになっていたけど、身元も割れ、公務員である熊沢にはその後のリスクが大き過ぎるのではないかと思われる。
橘的には丸裸にされ、落ちぶれていくのだろうとは思うけど、警察署長とは昵懇だし、裏社会とのコネもあるだろう。金の切れ目が縁の切れ目って事なのだろうか?
税務署の署長も在職し続けるっぽく、この辺は国税庁に栄転する望月が目を光らせてるって事になるのかな?この成果をもって国税局に抜擢なんて事になっていればこんな感想は抱かなかったのだろうけど、なんかラストの大団円の詰めが甘いようにも思う。
とは言え、詐欺に加担した主人公なので、手放しのハッピーエンドにせず、エグ味を残した結末にしたのかなぁとも感じる。
役者陣は皆様、好演で…
吹越さんのヌルッとした滑り感も、川栄さんの実直さも好感触だった。特に好きなのは神野さんで…ヘルメットを脱いだ時の屈託のなさと、咥えるタバコに曲者感が漂いまくる。なんだろ、ピンポイントを逃さない嗅覚があると言うか、キャスティングした意図を外さない安心感のようなものを感じる。
ああ「大いなる不在」にも出てらしたなあ。
あん時もホントにピンポイントながら、的を外さない存在感が際立ってたなぁ。
実は、物語が動き出すまでの世界観の説明に身の毛もよだつ思いで…税務署の現状が語られる。
弱き市民から税金をむしり取り、お目溢しをしようものなら出世に響く。
国税庁の職員は減税を提案したら左遷で、増税案を提案したら出世するとの話もある。
おいおい、ちょっと待てと小市民な俺なんかは思う。
今年度の使われなかった税金なのか予算なのか忘れたけど10兆を超える金が余ってるって報道もある。
オマケに強い者には擦り寄って、3000円の税金はふんだくるけど10億の脱税は見逃す。
「生きる為だ…」
劇中の熊沢が搾り出すようにそう話す。
この税金を取り囲む描写に身の毛もよだつ。
フィクションであって欲しいとは思うけど、政治家の脱税でも露呈したように、全くの中立な組織ではなく、組織の中に組み込まれるている部署である事は明白なのである。
どうにも絵空事と呑気に構えられるような空気感でもなく…この無さそうですありそうな世界線が物語に緊張感を付与し続けていたように思う。
憶測の域は越えないのだが、やってそうだし!
…そう思えてしまうのが1番厄介なのである。
6人しかいない
サブタイトルには7人って書いてあるのに…
あー、やっぱりね
そんなことだろうと思った
あの偽警察の人たちはバイト???
いろいろと疑問点はあるけど、いい流れのストーリー展開でおもしろかった
もっと出来そう ◎○○◎○
見やすさ◎
ストーリー○
キャラクター○
没入感◎
個人的好み○
タイミングが悪かった
内容は面白いけど、ネタが地面師だし、トリックも見たことある感がある
全体的に弱い
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