アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師のレビュー・感想・評価
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アングリースクワッド
ストーリー展開や、詐欺のトリック、エンディングの作りには特に新規性はなく、スタンダードな詐欺師の物語ではあるが、上田監督らしいスピード感と、テンポの良さで最後までワクワクさせてくれました。
上田監督っぽい大胆なヲチを期待しましたが、これはこれでアリかなとも思います。
ありえなくても楽しい作品
一税務署員が、友人の復讐を目的に加えたとしたとしても、これだけの詐欺を働き、自分の懐には全く入れることなく税金を徴収する、ちょっと、いや、かなり無理があるストーリーですね。
ただ。
役者さんたちの演技が素晴らしい。
内野聖陽さんの表情での緩急、さすがです。八犬伝の北斎役と同様、引きつける演技です。
岡田将生さんは、ただのイケメンでした。
川栄李奈さんの鬱陶しい正義感と、小澤征悦さんのいやらしいまでの悪徳経営者感、あまりにも上手すぎて、セリフを聞く度にイライラして、スクリーンにポップコーンをぶん投げたい気分でした(笑)役作りに大拍手です。
日頃の税金に、高いなぁやだなぁ、と小言をつぶやく自分ですが、この映画中は、取ってやれ取ってやれ!!と税務署を応援しました。
スゴイ痛快だけど、やり方は好みじゃない。
時代劇では、仕事人より大岡越前や銭形平次が好き。
小説では、ルパンよりはホームズとポワロが好み。
だから、とっても真面目な主人公の熊沢が、目的のために手段を選ばないところが残念でした。
ただ、それを上回って、この映画を痛快と感じるのは、敵役の橘がホントにやな奴だから。
熊沢にワインぶっかけたり、自尊心を踏みにじったり、観ていた私が怒りで震えるほどの見事なヒール。
橘は、無自覚だろうけど、かわいそうな人だよな。
こういうおバカさんに出会ったら、関わらないのが一番なのですが、熊沢たちはチームを組んで橘と同じ土俵で戦うんですよね。
ラスト、想像で熊沢が橘をボコボコにするシーンがあります。
彼の悔しさの発露かもしれませんが、その暴力性が怖かったです。
熊沢は、奥さんに雑に使われているまじめで優しい人でいて欲しいです。
出演者が皆個性的で味わいがあって、ストーリーは既視感があるものの、ラスト前でハラハラが少し入り、最後は大円団に大満足。
何より、久々に、もうひとりの主人公、氷室役の岡田将生さんがイケメン全開!
眼福ー、こんなストレートにかっこいいの。
司法書士の神野さん(実は氷室の母親)ほどじゃないけど、「重力ピエロ以来のストレートなかっこよさ」に、何回もイケメン♡とつぶやいていました。
上田監督、すっかりメジャーになりましたね。
次回作も楽しみにしています♪
内野聖陽さんの演技力で魅せた一作
『八犬伝』の葛飾北斎、『Jin‐仁‐』の坂本龍馬、『ブラックペアン』の佐伯清剛など奔放無頼な役どころの多いイメージの内野さんを気弱で生真面目な税務職員役に抜擢した監督やプロデューサーに拍手を送りたい。
予告編を見た時「えっ!誰?光石研さん!?」と思ったほど印象が違っていて内野聖陽さんと知って「どんな演技をされるのだろう?」と興味津々で観に行きました。
ストーリーや映像表現的には大掛かりな仕掛けが有るわけでもなく、テレビスペシャル的な雰囲気の内容ですが、作品としての纏まりも良く十分楽しめの作品に仕上がっていました。
その中でも個人的には内野聖陽さんの役者としての新たな一面が観れた事が楽しめたポイントです。
これで『オーシャンズ』シリーズのような映像演出の仕掛けが有れば、もっと楽しめた気がします。
ソダーバーグ、伊丹十三に大きく及ばず。
おもしろかった!
気分爽快
ツッコミどころは、多々ありますが鑑賞後は、気分爽快です。小澤征爾さんの悪役が、はまってます。内野さんのいかにもありがちな税務署職員、岡田将生さんの詐欺師他皆さん適役だと思いました。現実の税務署職員の皆さんも、頑張って頂きたいです。
搾取される国民
ラストはモヤっとするものの面白かった。
どうやらリメイクらしく、韓国がオリジナルなのかな?Netflixで原作と同名の作品があった。
冒頭からガッツリ引き込まれる。
岡田氏と内野さんの好演に尽きると思われる。
税務署の一職員が職務を執行するでいいのかな?巨額の脱税者から追徴課税に成功する話。
その方法が詐欺であり、天才詐欺師の力を借りる。
この詐欺師の背景も味わい深く…さすがは韓国とニンマリしてしまう。
敵役の小澤氏も好演していて、その演出もハマるはリアクションする内野さんもさすがであった。
この手の話しは敵役の好感度が低ければ低い程、爽快感が増すので、序盤の小澤氏はとてもとても腹立たしい。失脚したであろう状態がもっと哀れだと良かったのだけど、その辺は好みなのであろう。
物語的には大逆転だし、気持ちいいどんでん返しも見せてくれる。
時計や母親の存在など、明確には説明しないのも粋だなぁとニヤニヤする。
味方同様、俺も騙されました。
序盤の内野さんと岡田氏のコントラストが見事で…特に岡田氏の聡明な雰囲気なんか絶品だ。おそらくは相乗効果みたいなものがあって、より引き立てられたのであろうけど、監督の手腕も素晴らしいと思われる。
話が話だけに強引だなぁと思う箇所もあるが、物語を追う内に忘れてしまえる。
展開が早いわけではないが、とても魅力的な展開だったのであろう。
詐欺師側の作戦がバレて、警察に捕まってしまい驚く。韓国脚本特有の屋台骨まで崩す破壊に見舞われて、後の展開を見失なう感じ。
終わってみれば予想通りなのだけれど、流れを急激に堰き止められた時のドギマギ感は毎度格別なのだ。
ちゃんと種明かしもしてくれるし、その種明かしがなかなかに趣き深い。
思わず「くぅぅぅぅ〜っ」と唸ってしまう。
モヤっとするのはラストの落としどころだ。
10億の追徴金が納付されたと告げる。
余罪云々の註釈はあったものの、熊沢の今後はどうなるのだろうか?
劇中ではハッピーエンドになっていたけど、身元も割れ、公務員である熊沢にはその後のリスクが大き過ぎるのではないかと思われる。
橘的には丸裸にされ、落ちぶれていくのだろうとは思うけど、警察署長とは昵懇だし、裏社会とのコネもあるだろう。金の切れ目が縁の切れ目って事なのだろうか?
税務署の署長も在職し続けるっぽく、この辺は国税庁に栄転する望月が目を光らせてるって事になるのかな?この成果をもって国税局に抜擢なんて事になっていればこんな感想は抱かなかったのだろうけど、なんかラストの大団円の詰めが甘いようにも思う。
とは言え、詐欺に加担した主人公なので、手放しのハッピーエンドにせず、エグ味を残した結末にしたのかなぁとも感じる。
役者陣は皆様、好演で…
吹越さんのヌルッとした滑り感も、川栄さんの実直さも好感触だった。特に好きなのは神野さんで…ヘルメットを脱いだ時の屈託のなさと、咥えるタバコに曲者感が漂いまくる。なんだろ、ピンポイントを逃さない嗅覚があると言うか、キャスティングした意図を外さない安心感のようなものを感じる。
ああ「大いなる不在」にも出てらしたなあ。
あん時もホントにピンポイントながら、的を外さない存在感が際立ってたなぁ。
実は、物語が動き出すまでの世界観の説明に身の毛もよだつ思いで…税務署の現状が語られる。
弱き市民から税金をむしり取り、お目溢しをしようものなら出世に響く。
国税庁の職員は減税を提案したら左遷で、増税案を提案したら出世するとの話もある。
おいおい、ちょっと待てと小市民な俺なんかは思う。
今年度の使われなかった税金なのか予算なのか忘れたけど10兆を超える金が余ってるって報道もある。
オマケに強い者には擦り寄って、3000円の税金はふんだくるけど10億の脱税は見逃す。
「生きる為だ…」
劇中の熊沢が搾り出すようにそう話す。
この税金を取り囲む描写に身の毛もよだつ。
フィクションであって欲しいとは思うけど、政治家の脱税でも露呈したように、全くの中立な組織ではなく、組織の中に組み込まれるている部署である事は明白なのである。
どうにも絵空事と呑気に構えられるような空気感でもなく…この無さそうですありそうな世界線が物語に緊張感を付与し続けていたように思う。
憶測の域は越えないのだが、やってそうだし!
…そう思えてしまうのが1番厄介なのである。
真面目な税務署員と天才詐欺師の異色タッグ
税務署員の熊沢(内野聖陽)はいかにも公務員と言った感じの人物で職務を真面目にこなしつつも後輩が納税者と揉めそうになると事を穏便に済ませようとフォローして無難な日々を過ごしていた。
だが、正義感の強い後輩の望月(川栄李奈)が巨額脱税をしていると噂の実業家の橘(小澤征悦)の所に乗り込んで騒ぎを起こしてしまい、熊沢ともども処分を受けてしまう。
処分の撤回を求めて橘に謝罪して事が収まったかに思えたが、晴れぬ思いを抱き続ける中で偶然にも天才詐欺師の氷室(岡田将生)と知り合い、彼と組んで脱税分のお金を詐欺で奪い盗る計画に加わることに――
生真面目な公務員が正義のためとはいえ、詐欺に加担していく様がコミカル。
相手の実業家も権力者とつながっており一筋縄では行かない相手で、綱渡りのようなスリルに終始ハラハラさせられました。
やや現実離れした滑稽な部分もあるけど、詐欺のための下準備やタネ明かしがよく出来ていてなかなか楽しめました♪
近頃感じ悪い役どころが多い小澤氏
まあ普通に良い
オジサンも詐欺師
個人的には「カメラを止めるな!」(18)以来の上田監督作品でした。あの種明かしの衝撃が潜在意識の中でハードルを上げてたかもしれませんが、幕が開けるとたちまち引き込まれてました。主人公の冴えない公務員・熊沢二郎役が誰なのか、タイトルバックが出てくるまで内野聖陽とは気付きませんでしたが…(汗;)。ほとんど登場しないものの、矢柴俊博扮する岡本の笑顔(写真)も刺さりました。細切れに散りばめられたエピソードが巧みな編集で1つに集約されていくところは、ワンカットで魅せる「カメ止め」と手法は対照的でしたが、似たような快感がありました。小澤征悦もさすがですね。9ボールのシーンはドキドキでした。緩急の演出もいいですよね。岡田将生もよかったです。120分間、存分に楽しめるエンタメ映画でした。おまけにエンドロールで流れる「名前を忘れたままのあの日の鼓動」が作品の世界観にピッタリでじんわり余韻に浸れました!
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