アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師のレビュー・感想・評価
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十分楽しめるがコンゲームものとしてはいろいろと瑕疵あり
日本映画でコンゲームを題材とした作品といえば最近では「コンフィデンスマンJP」シリーズとかになるのだろうか。そちらは観ていないので評価できないのだが、本作が傑作だ、痛快作だという評価が多いのはよほど今までまともな作品がなかったということなのかも。
特に本作を貶めるつもりはなく十分楽しかったのだけどいくつか文句を言わせてもらう。
一つめ、まず10億円、15億円とかいうのは映画にまでなる詐欺の規模としてはやや小さくはないか?相手は名うての悪徳不動産業者である。何百億も儲けているのに違いない。現金で奪取するというスキームなのでこの金額が限度だったのかもしれないし脱税額という意味あいもあるのかもしれないが、ドラマの「地面師」が200億円の詐欺の話なのと比べてもややセコい感じは拭えない。
二つめ、コンゲームでよくある専門家によるチーム編成のスタイルとなっているが、例えば森川葵や上川周作の役割が、背景での専門性の紹介を超えて、なんでもかんでもやってしまう流れになってしまっていないか?専門家はその部分だけビシッとやってみせるからこそドラマが締まってくるのであってユーティリティプレイヤーの登場はご都合主義以外の何物でもない。いわんや詐欺の素人の熊沢(内野聖陽)にあれほどの演技ができるとはね。
三つめ、「スティング」以降、最も優れたコンゲームは相手がだまされたと気づかないことであると相場が決まっている。そして二番目に良いのはだまされたとわかっても手出しできないこと。例えばどこの誰にだまされたか分からないとか、犯人が圧倒的に優位にたっているとかで。この作品はそのどちらでもなく、橘(小澤征悦)がなぜ反撃に出ないのかがよくわからない。犯人のうち一人は熊沢であることはわかっているのにね。
最後に、橘が氷室(岡田将生)を、熊沢が橘を殴るシーンがあるのがやや興ざめ。コンゲームの映画は流血がないほうがいいね。後味が悪くなる。
これらのことから、私自身は、それほどまで手放しで褒める映画ではないような気がする。「カメラを止めるな」のヌケの良さを期待してご覧になるのであればそれはちょっとキツイよと言っておきます。
冷めたり熱したり
爽快感や感情を優先し過ぎた結末が残念。
物語の最後に主人公熊沢は同期の仇である脱税悪徳社長から詐欺師軍団と協力して金を騙しとり、彼と癒着していた税務署の所長の悪事もあばいて彼らに社会的制裁を下したまではスッキリ爽快なんですけど・・・エンディングの後のこと考えたらとてもじゃないけど大成功とはいえないのでは、と不安になりました。
確かに脱税で社長が捕まるだろうことは明白なんですけど社長が仮に実刑受けたとしても「巨額詐欺事件が無かったことにはならない」のですよね。
悪徳社長は脱税容疑者ですが、真っ当な商取引における詐欺被害者でもあるわけです。詐欺に関しては被害届を提出されて、おそらく重要参考人として熊沢に捜査の手が届くと思います。
天才詐欺師の氷室が熊沢が詐欺師の仲間ではないというアリバイやシナリオまで用意してたら話は別。しかし違法ビリヤードで沢山の目撃者が居る中、社長を騙す気満々で、架空の設定のかなり不審な人物を演じちゃった熊沢・・・捜査が順当にすすめば彼が「詐欺師達とは無関係です」ということを証明することはほぼ不可能でしょう。
いっそのこと熊沢が今の仕事を辞めて詐欺師になり身を隠す・・というのも彼には家族が居るから現実的ではありません。
彼はこれからどう真っ当な社会生活を営んでいくのか・・・どうやったって想像できません。
あと、タイミング的に14億の盗んだお金から10億が追徴課税で支払われたみたいですけど、制度的にもそんなのあり得ないんじゃ(笑)。
爽快感や感情優先で結末を作って、結果として辻褄合わなくなっちゃうという悪い例だと思います。
エンディング以外は本当に良く出来てたのに・・・なんとも詰めが甘いですね。
予想はできる。それでも楽しめる作品。
貧しくちゃエンタメも楽しめない
もう言わずもがな「カメ止め」の監督作品。
めちゃくちゃなプレッシャーの中、頑張ったんだろうなぁ。
と、思っただけで、なんか感極まります。
しっかり内容が練られていて良かったです。
今年旬な地面師の話も入ってきて
分かりやすくエンタメ。
フィクションとはいえ
リアルの線を微妙〜〜にバランス保っていたかなと思いました。
しかし、最近は103万の壁だなんだで揉めてるところ
そら脱税もしたくなるよってなもんで
小澤征悦は悪いやつは悪いやつなんだけど
もっと悪いやつ、居るじゃん!!!
って思ったりしちゃいました……。
貧困はエンタメを楽しむ心の余裕も奪う。
国の偉い人たちにはぜひ、頑張ってもらって
小澤征悦を心の底から憎めるようにして欲しいところです。
ここからちょいネタバレ
↓↓↓↓
なんとなく、「韓国っぽいなぁ」というテイストも感じましたが
やはり後から調べたら原作はそちらのようで。
韓国なら、ラストあの人に仕返し妄想シーンも、もうちょいハードに撮るのでしょうけど、そこは抑えめでしたね。
痛快!コンゲーム映画
さすが内野さん
シナリオは。
わお!
上田監督売れて制作費、俳優も潤沢にカメラ回せるようになったらこんんなん撮っちゃうんだ!
何でも演れる岡田クンに真矢みきだぞ、過去作からは飛躍的にゴージャスでキッチリ大衆向けエンタメ映画してた。
ラストのどんでん返しシナリオにも観客へのビックリにサービス大盛りで、やっぱこの人上田監督、人を喜ばせたい人なんだな。と再実感。
思えばカメ止めん時も、スペアクもそうだったわ。
この人は他者を喜ばせたい人なんだよ、観客も役者も、関わった人全てを、人生のちょっとの時間、2時間くらいだけど幸せに喜ばせたい、気持ち良くさせたい。
無名の役者なカメ止めから、全員シロウトなスペアク。
今作ドメジャー俳優が、この人のカメラに芝居したい!ってスクリーンに立ってくれたのが何よりの証明でしょ。
やっぱさ、映画の魅力って、人の魅力そのものだよな。
こんな人が撮った七人の侍を見れるなんて思わなかったよ。
ラストの破滅的なバイオレンスシーンも気持ち良くて切なくてファイトクラブの高層ビルから見る虚しさも有って、映画の後味が今もちょい残ってる良い作品に思い出し安酒も美味い。
続編あるよね?
詐欺師って繊細なプロなのね
始まってすぐ内野聖陽演じる税務署に勤める公務員の熊沢が岡田将生演じる氷室の詐欺に遭う。いなくなった氷室を友人の警官に見つけてもらい会って話しをすると、高額脱税者の社長を詐欺ってお金を徴収するプランを進める事にする。その社長は小澤征悦演じる橘。10億も脱税だなんて凄い金持ち、現金一括でそんな額払えるなんてね。川栄李奈演じる税務署の部下の望月はとっても真面目で可愛かったな。最初から怪しく感じたは税務署の所長さん、こいつが1番の悪じゃないかと想像しちゃった。だって詐欺師達、悪い奴に見えなかったんだもん、暴力的な女子以外はね。なんで熊沢が公務員なのに、こんなに詐欺を続けてるのか不思議だったんだけど、まさかのオチで伏線回収。何で橘を殴りまくったのかは理解できなかったけどね。予想を超える見事な脚本にキャラの強い登場人物達。めっちゃ楽しかったです。
楽しめた
ネトフリと被った地面師詐欺の話だったけど、楽しく見れる娯楽作品でした
なんと地面師詐欺の話でした。
Netflixで『地面師たち』を見ていたのでパクリかぁと一瞬思ったけど、ネトフリで公開された時には撮影は終わっていたから単純にかぶってしまっただけなんでしょうね。
こちらの話はプロの地面師ではなくて、寄せ集めのメンバーで地面師詐欺を行うという話。
あそこまでバイオレンスでシリアスな内容ではないです。
詐欺の話なので、コメディ要素もあって楽しんで見れました。
途中で詐欺がバレてからは、この後どういう展開になるんだろうと思いながら見ているのが楽しかった。
単純に失敗して終わるわけは無いし、展開が読めないというのは見ていて楽しいですよね。
最後はハッピーエンドだし、アラを探せば突っ込みたくなる点はいくつかあるけど、そんなのは気にせず楽しめる娯楽作品だと思います。
主演の内野聖陽は凄い役者さんですね。
最近だとドラマの『きのう何食べた?』、先月見た映画の『八犬伝』、まったく違う演技が出来る人です。
今回も頼りない税務署員の役を演じきっていました。
森川葵をもっとクローズアップして欲しかったかな。
『渇き。』を見てから注目してました。
バラエテイの『それって!?実際どうなの課』でも活躍してましたね。
久しぶりに見た川栄李奈は若く見えますねー。
彼女はホント童顔っていうでしょうね。
ちょっとググったら、もうすぐ30歳みたい。
産休の後に最近は映画に結構出てるようです。
ポップコーンムービーにはなってない
『オーシャンズ11』とか古くは『スティング』みたいな、ダークじゃない洒落た「犯罪エンタテインメント」を、内野と岡田将生でつくってくれたら楽しかっただろうけど、そうはなってない。ゆえに「あー面白かった!」とはならない。
基本はドキドキさせて時々笑わせて、なんだけど、内野や岡田については参加動機も描かれ、特に内野演ずる税務署員の背景ストーリーが悲惨すぎる。家族のシーンなどはコメディに振っているのに、そこだけシリアスで社会派的な雰囲気が漂う(内野の演技も一瞬、コメディタッチから変わって「素が出た」みたいな感じがするところがある)。この何となく韓国映画っぽいバランスは、もちろん意図しているのだろうが、ダークな要素は入れないで洒落た「極上エンタメ」にしたらよかったのに、と思う。
で、その犯罪大作戦。そう来たか!と楽しませてもらったけれど、『地面師たち』の後だと既視感がある。それとちょっとショボい。①イーロン・マスクとか大谷翔平とかの話ばっかり聞いてるうちに麻痺しちゃって、今じゃ「10億」はそんなにスケール大きく感じない。②セットがショボくて金持ち感が不足。③キャストがちょっと。犯罪集団のうち、内野、岡田、真矢みき、以外は映画館のスクリーンを背負えてない感。
さいごに、本筋から外れたキャラだけど川栄李奈がすごく良かった!望月さくらの『マルサの女』が見たい!
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