「巧みに仕掛けられた詐欺師の戦略」アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師 由良さんの映画レビュー(感想・評価)
巧みに仕掛けられた詐欺師の戦略
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一見、何もつながりなく、ただ詐欺師の氷室に騙されて詐欺の片棒を担がされたように見えた主人公の熊沢だたが、氷室は元々主人公が脱税王に対して恨みを持っていることは調査済みでその関係性を利用しようとして近づいてきていた。
用意周到に張り巡らされた氷室の戦略の下、集合した詐欺師たちは作戦を遂行していく。
しかし、途中何度もピンチになりながらも、氷室たちは巧みにその場を切り抜け窮地を脱する。
後半の山場でも、脱税王にバレて警察に捕まったかと思ったが、実はそれも氷室が企てた芝居だったという展開。
初めは無理のある展開ではと思ったが、ある人物が氷室側だったとネタバレされて、それも合点がいく展開になった。
お金もメンバーの一人が偽札作りに精通しているという伏線をうまく回収し、脱税王から見ごと奪った流れもとても痛快だった。
氷室のバックグラウンドも、あえて全部説明せず、メンバーの一人や獄中にいる人物との関係性もうまく匂わせて見せていた演出もよかった。
さすがは、上田監督と思わさせる、まとまった話の展開には、本当に舌を巻く。
ただ、一点だけ気になったのは、熊沢の自害した同僚との関係性を表すシーンを部下が脱税王の話をしていた当たりから出していてもよかったかと思う。
脱税王からおとがめを受けたあたりから同僚の話が出てきて、なんとなく後付けにも思えてしまったので、その辺はもったいない気がした。
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