「詐欺を止めるな!」アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師 9さんの映画レビュー(感想・評価)
詐欺を止めるな!
予告を見て面白そうなコンゲーム物かなと思ったのと 「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督ということで 観に行きました
実際の詐欺の内容はエンタメ活劇というか 「そうはならんやろ!」という箇所が多いのですが、テンポ感や映えが良くて面白かったです
「カメラを止めるな!」の印象が強いせいか、詐欺集団が作戦を練り進めていく工程が映画作りをする俳優達に重なって見え。『人を騙す』という共通が映画にあると頭によぎると この映画自体がメタ的な意味を持っているよう観えてしまいました。タイトルに詐欺師は七人となっている七人目が 登場人物の誰もがミスリードに見えてしまい。七人目の詐欺師は映画を観てる自分自身なのかな?と不思議な感覚になりました(いや もちろんそんな映画じゃありませんでしたが!)
一番心に残ったのは主人公家族の団欒のシーンです。最初 冷え切った家庭なのかと見えたのですが、特に娘さんの決して父親のことが嫌いなわけではなくむしろ好きなことを言葉やストーリーでなく演技で丁寧に重ねてからの団欒。
目の当たりにした相方の天才詐欺師は 特に必要のない身の上話の匂わせを唐突にぶっ込んできます。
真面目で不器用で進んで損をしにいってしまう主人公公務員に もしかしたら刑務所の父親を重ねていたのかもしれません。本当の目的の為に詐欺仲間にも本音は全部は話せない中 どこか誰かには心を許したい。人を騙す天才が一番難しいのは 大切な人を作ることなのかなと感じてしまいました。
子供の頃祖母に 「悪いことは頭の良い人がやることなんだからあなたには無理!」とボロカスに怒られたのを思い出させられた そんな映画でした
共感ありがとうございます。
岡田くんのちょっと緩む表情の演技は上手かったですね、川栄さんの葛藤する所も。
ただ終盤にかけてはルパン3世的な駆け足の幕引きで、しんみり感が無くなった気がしました、彼等はまだ詐欺を続けてるのか。