「品行方正感?漂うエンタメ佳作」アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師 TSさんの映画レビュー(感想・評価)
品行方正感?漂うエンタメ佳作
公務員と詐欺師がタッグを組むという、おそらく本邦初の設定。
監督があの上田監督。さて、どんな映画になっているのか、楽しみに観に行った。
エンタメとして良作、佳作。観て清涼感が得られる。
「脱税」、「癒着」、「詐欺」というアンモラルな行為満載の作品なのだが、邦画コンゲームの人気シリーズ「コンフィデンスマンJP」のようなぶっ飛び感やおちゃらけ感、同じ地面師詐欺を扱ったドラマ「地面師たち」のようなサスペンス、ハードボイルド感はなくて、フライヤーに書いてあるとおり、モラルを守って騙している感がした。
表現が不適切かもしれないが、品行方正感がした。
上に挙げた2作と比較すると。面白いんだけどね。
作品自体は、2時間きっかりの映画フォーマットでしっかり起承転結、テンポも良く、伏線回収も見事。
内野聖陽の税務署員ぶりはリアルだったし、ビリヤード姿も格好いい(もうちょっとあたふたする場面があったらよかった。決まりすぎ?)
岡田将生の終始スマートでクレバーな詐欺師っぷりも決まってます。
小澤征悦の外連味のある悪党っぷりも嫌な感じがしないのは、脚本と演技力のなせる技か。酒(ワイン)を頭の上からぶっかけるという古典的な芝居を久しぶりに見たが、「あ、一度これやってみたいし、やられてみたい」と思ってしまった私は異常?
その他の登場人物も個性的だけど主人公や話の筋を邪魔しない非常にバランスのとれた出番と演技だった。
展開はおおよそ見当が当たったが、7人目の詐欺師は、私は見抜けなかった。
まんまと心地よく騙されました。
(2024年映画館鑑賞33作目)
公務員と詐欺師がタッグを組むという設定は、韓国ドラマが原作だったからではないでしょうか。
日本では発想しづらいですが、かの国ならありなのかも。わからんけど。
仕掛けに注意を払い、構成に頭をなやませ、繋がった瞬間に驚きと興奮が…
ってヤツではないですよね。
ただ、エンタメとしてこういうライトなものも必ず必要だし、その方向でのレベルは高かったです。