「詐欺プレイがかなりの無理スジ」アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師 キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
詐欺プレイがかなりの無理スジ
予備知識まったく無しで観賞しました。
最近岡田将生って悪人役多いね。
お話をコメディに寄せるためなのか何なのか、特に詐欺グループの仲間たちのやり取りがいちいちコント臭くて気になった。
この映画の中での詐欺は、観客を騙すのが主旨だと思うんだけど、仲間たちのそういうデフォルメしたやり取りのおかげでリアル感が薄く、主観的にのめり込めず、コントを眺める感じで観てた。
特にビリヤードのクダリは練習から実際の騙しシーンまで、もうずっとそんな感じ。ここで敵の橘がドン臭いアホを丸出しにした結果、後の逆転に「強敵を出し抜いた感」がなくなってしまった。
この詐欺にリアル感が稀薄なのは、かなり冒頭からで、自宅の車のエンジンが急に掛からなくなって、修理にも出さず、直後に投函された中古車屋のチラシに奥さんがすぐ飛び付いて購入とか絶対あり得ないでしょ。
詐欺グループのアジトに娘が入って来て、何とかごまかしたと思ったら、次のシーンでは自宅に連れて帰って一緒にメシ食ってる。ウソでしょ?家族を巻きこんじゃ絶対ダメじゃん。
てっきり、奥さんもグルなんだと最後まで思ってた。
あと、橘が詐欺グループを捕まえた後、橘が氷室を殴るってのも絶対あり得ない。
そう。作品通して、橘は悪党なんだけど、全然賢くないってのが、ずっと気になる。
で、物語が最後どうなったのか、よく分からなかったんだけど、橘がどんな悪党だとしても、その橘から金を奪ったのは完全な詐欺行為なワケでしょ?
橘が被害届けを出したら身元をさらしたイチ公務員である熊沢は捕まらないの?
逆に橘が被害届を警察に出さなかったとしたら、熊沢はあんな悪党に恨みを買うことになるけど、危険じゃないのかな。
全然「ギャフンと言わせてやったぜ」って飲み込める話じゃないと思うんだが。
ただ、映画タイトルが出るまでのケレンと盛り上げなんて超サイコーだったし、ラストの畳み掛けとタネ明かしも爽快感抜群。
映画の最初と最後を上手くまとめてくれているので、エンタメとして楽しむ分には十分な映画でした。