Back to Black エイミーのすべてのレビュー・感想・評価
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「ただ歌う事が好きだった女の子が運命に翻弄され周りに食い物にされ...
「ただ歌う事が好きだった女の子が運命に翻弄され周りに食い物にされて」と云うのは恐らく美しすぎる見方で、「彼女の持つエネルギーが産み出した渦に彼女自身が巻き込まれてしまった」という運命だったのかな。そしてジャニス・ジョプリンと同じく、エイミー・ワインハウスは27歳でこの世を駆け抜けた。
男とのグダグダ共依存関係を「自分を痛めつけて相手をヘコませる競争」と表わす言葉にドキッとした。
本作に興味を持ったら、彼女のドキュメンタリー『AMY』(2016) も併せて観て欲しい。
85点ぐらい。響いた。
エイミー・ワインハウスの事は軽く知っていて、若くして死んだジャズ系ミュージシャン、それぐらい(笑)
以前ネトフリのドキュメンタリーを観ようとしたけど、少しだけ観て止めました(笑)
この映画を観るまでは、彼女の事はイギリス人じゃなくアメリカ人だと思ってた(笑)
そんな自分の感想だけど、自分の趣味嗜好に合い、響きました。
まずビジュアル、アメリカの50年代のピンナップガールみたいで、超オシャレ、超イケてる♪
そして音楽、ジャズっぽい、ブルースっぽい、黒っぽい音楽、好みです。
洋楽ファンお馴染みの、EMI、ヴァージン、アイランド、って単語も出てきて、
シャングリラスやスペシャルズも流れたりします。
シャングリラスの「Leader of the Pack」は歌詞の訳も字幕で出るんですが、あんな歌詞って初めて知った(笑)
そして、ロンドンって、やっぱりオシャレでイケてる♪
洋楽ファンは、マストでオススメです。
R.I.P. エイミー
結末がわかっているだけに辛い話です
花火のようにあっという間に輝いてそして消えてしまったエイミー・ワインハウス
彼女はその不器用さと頑なさと純粋さのため、とにかく愛する人にも自分の音楽にも真っ直ぐで一途です。それはずっと自分の心のスキマを埋め続けているようです
でも、決して埋め切ることのできない結果、彼女はどんどん酒とドラッグに溺れていきます
全編流れる彼女の曲が訳詞と共に流れてくるのですが、映画の内容と相まってとにかく身を削って作られたように響いてきます
とにかく27歳でその生涯を終えてしまうことは結末としてわかっているので、全てのシーンが悲しくつらく感じてしまいます
誰も彼女を救ってやることはできなかったのか、と思ってしまいます
そうそう、彼女はスペシャルズのカヴァーや、ステージで共演していたので「スペシャルズが好き」というようなセリフや彼らの曲が流れたりして少し嬉しかったです
【”君はエイミー・ワインハウスのソウルフルな情念の歌を聴いた事があるか!”今作は、彼女自身の生き様をそのまま歌にした、名曲テンコ盛りの華やかで哀しくも短き半生を描いた音楽伝記映画なのである。】
ー 最初に敢えて書くが、私は普段は殆どロックしか聴かない。が、エイミー・ワインハウスのややハスキーヴォイスで歌うソウルフルな曲は別で、好きである。
彼女の歌はロック&ソウル&ジャズって感じであるからである。
特に、今作でも歌われる超名曲"Back to Black"や”Rehab"”Me&Mr.Jones"が収録されているセカンド&涙のラストアルバム「Back to Black」は、今作の公開が発表されてから車中で爆音で聴いて来た。
それにしても、エイミー・ワインハウスの映画が製作、公開されるとはなあ・・。感無量である。-
◆感想<Caution!内容にやや触れています。>
・エイミー・ワインハウス(マリサ・アベラ)が小さい頃から歌が上手かった理由が、彼女の憧れで大好きな祖母シンシア(レスリー・マンヴィル:嬉しい。)がジャズシンガーだった事は知らなかったなあ。
彼女が年齢の割に”シャングリラス”を愛し(実は、私も知らなかったよ。)当時人気絶頂だった”スパイス・ガールズ”を貶す姿や、髪型を60年代に流行ったという”ビーハイブ”にする姿など、ホント影響を受けていたんだねえ。
そして、彼女はシンシアが亡くなった時に父ミッチ(エディ・マーサン:コレマタ、嬉しい。)と共に遺灰が収められた教会に行った時に”私の遺灰は、お婆ちゃんの隣。”というシーンも哀しいよなあ。
・エイミーが、パブで会って一目ぼれしたタトゥ男ブレイク(ジャック・オコンネル)。そして、エイミーは即座に胸に”ブレイク”とタトゥを入れるんだよねえ。その後、シンシアが亡くなった時にも、彼女のタトゥを入れていたなあ。ホント、大切なモノは肌に刻み込む人だったのだなあ。
けれども、ブレイクは元カノのベッキーの所に戻ってしまうのである・・。
二人は再び結婚するのだが、ブレイクは暴行罪で刑務所へ。で、破局。今でも英国ではブレイクはエイミーを不幸にした男として有名であるが・・。愛する人と一緒になって、子供も欲しかったのに。エイミーが可哀想過ぎるよ。勿論彼女にも原因はあるんだけど。そして、彼女はドンドン、アルコール、クスリに頼ってしまうんだよね。
■この作品は、エイミー・ワインハウスの音楽伝記映画であるので、当然彼女の曲が、劇場内にフルボリュームで掛かるシーンは、心中で物凄く盛り上がる。
特に、ブレイクが彼女の元を一時的に去った時に彼女がNYで"Back to Black"を歌うシーンは、凄かったな。
あの恨み節一杯の”男なんてもういらない。”と言う歌詞。本当にこの映画内でもエイミーが言っているが、彼女は実体験した事を歌っていたんだよね。
だから、”私はスパイス・ガールズじゃない!”と言い、曲が書けない時は、アルコールと大麻に頼っているんだよね。哀しき依存症である。
再後半のグラミー賞発表前のステージでリハビリ施設に入っていた時を歌にした”Rehab"を歌うシーンも凄くって、”リハビリ施設に行けっていうけど、No!No!No!”と、乗りとメロディの良い曲を歌う姿ね。
もう、彼女の最期が分かっているから、感動するんだよねえ、興奮と哀しさと・・。
<今作は、個人的な意見なんだけど、映画としては構成が粗いと思う。
けれども、エイミー・ワインハウスを演じたマリサ・アベラが、歌手を夢見る18歳のキラキラした姿から、酒と失恋とクスリでボロボロになって行く姿を、哀しくも見事に演じていたし、彼女の事を知らない人が観ても沁みるんじゃないかなと思ったな。歌もとても良かったよ。
それにしても、今更こんなことを書いても仕方がない事は重々承知しているが、もし存命だったら彼女が更に大歌手になっていたのは間違いないよなあ。
切ない今作であったが故に、最後半は可なり哀しく沁みてしまった作品だったよ。
嬉しかったのは、エンドロールで楽曲に”Nick Cave"の名が有った事だな。元気なんだね。
普段はこんな事は書かないんだけれど、この作品を見てエイミー・ワインハウスのファンになる人が居たら嬉しいなと思いながら、劇場を後にしたよ。>
故エイミー・ワインハウスの知られざる深淵
2011年に27歳の若さで他界した伝説の歌手”エイミー・ワインハウス”の光と影に迫る伝記ドラマでグラミー賞を受賞するなど若くして脚光を浴びる一方でアルコール依存症や離婚問題などに苦しんだ波乱の人生を描きだす。故エイミー・ワインハウスの知られざる深淵。また名前を聞くと真っ先にドキュメンタリ映画『AMY エイミー』(‘15)を連想したが、ドキュメンタリとは別軸からエイミーの知られざる真相を剥きだしに照らす。エイミーの本質をあくまで血が通った一人の人間として湧き上がるその感情をエモーショナルに描写する。監督がこの期に及んでなぜエイミーの作品を撮りたかったのかの解を導きだす。アルコールやドラッグに溺れながらも魂の火を燃やし続けるエイミーに祝杯だ。
エイミーのフロイト的運命について
「フロイト的運命」は、エイミーがデビュー前(デビュー後の風体とは別人のようだ)に自室でギター一本で作る曲の歌詞にある。父母も離婚している、私は、男女関係、家族関係で繰り返し苦労するように精神的に刷り込まれているというようなことを言っているようだ。
彼女の人生はその予感通りとなった。夫のブレイク・フィルダー・シヴィルとは付かず離れずの関係が続いて命をすり減らし、そして強度のアルコール依存に命を奪われた。映画の中で彼女が「スパイスガールスとは違う」「私はフェミニストではない」と発言するところがある。90年代の終わりから00年代のはじめにかけてのガールパワーといわれるガールズバンドの活躍、これを独立独歩のフェミニズムの一環と捉える〜多分に表層的な〜コンセンサスがあった。エイミーも最初、ガールパワーの一人として売りだそうとしたことがこの映画から良くわかる。でもエイミーはそれには批判的だった。
エイミーはどちらかというと旧来の家族観や夫婦観寄りの人だったと思われる。それが現実の姿とのギャップを生み、彼女を苦しめ死に至らしめる遠因となった。
この映画はそのあたりをかなり平明にかみ砕いてみせている。もっとも人の心の闇はそんな簡単に整理できるのかという気もするが。
エイミーとブレイクが最初、ビリヤードのあるパブで出会うシーンは美しく、楽しい。世紀のクズ男として世界のエイミーファンから嫌われているブレイクだが、こんなに魅力的だったらエイミーも惚れるわなと思ってしまう。
あとエイミーの父親ミッチ(存命だそうです)を演じる「おみおくりの作法」のエディ・マーサン。この人が出てくると画面がいっぺんに英国調になるのが不思議ですね。映画はロンドンのシーンとN.Yのシーンが絡み合って出てきてちょっと分かりにくいがミッチがいるのが常にロンドンと思えばよい。アイコンみたいなものです。
27歳で急逝したエイミー。なんと、もったいない!良い曲が沢山ありま...
他人には理解されない愛のカタチ
エイミー・ワインハウスについては27歳で夭折したという事ぐらいしか知らない。なので、エイミー役のマリサ・アベラがどれだけ本人に寄せているかは比較できないが、少なくとも熱演である事は確か。終盤に近付くにつれ、顔からどんどん生気が失われていく様相は鬼気迫るものがある。
どんな伝記ものでもそうだが、実在した主人公にどれだけ感情移入できるかが内容にハマるカギ。そういう点では本作のエイミーはちょっと弱い。人気歌手となる前から酒や大麻を嗜好していたらしいが、家庭内不和に苦しんでいたというわけでもない彼女がなぜそうなったかの経緯が、本編を観る限りでは不明瞭だし、恋人ブレイクとの馴れ初めもなんか少女恋愛漫画のような唐突感がある。エイミーの遺族が立ち上げた財団公認で作られているので、あまりドロドロな内幕を描けなかったのが裏目と出たか。ドキュメンタリー映画『AMY エイミー』では身勝手なステージパパという印象で映っていた父親が、本作では良き理解者となっているあたりにも、何らかの思惑を感じずにはいられない。本作か『AMY エイミー』のどちらを先に観るかで、彼女や周辺人物に対する印象は大きく変わってくるかと思う。
ヤク中で定職も持たない(と見受けられる)ヒモ同然のバム(Bum=クズ)のブレイクだが、嗜好する音楽センスでエイミーのハートを射止める。別れを告げられても刑務所入りになっても一途に彼を想い続ける彼女の心情は、多くの人には理解しがたいだろう。まさに「愛は盲目」だが、これも愛のカタチ。そういえば監督のサム・テイラー=ジョンソンは、アブノーマルな恋愛を描いた『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』を手がけていた。
エイミーの心情を彼女の曲を用いて描くという、定番の作劇方法がこれほどまでにハマった作品もない。自らの喜怒哀楽を赤裸々に歌詞にぶつけるからこそ、ファンは共感する。そういう意味でもエイミー・ワインハウスは、まごうことなきシンガーソングライターだった。
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