「何度も観たくなる映画です」男神 ROCK♾️Gさんの映画レビュー(感想・評価)
何度も観たくなる映画です
地域性なのか観客層は男性、年配の方が多かった印象でそこも意外でした。
男の子が生贄になるシーンから始まった物語は、ホラーのような怖い感覚ではなく、愛する親子が引き裂かれる悲しみが印象的でした。生贄になる子供の母親役の方の演技がとても素晴らしくて、愛する子供を連れて行かれた時の発狂が緊張と涙をそそりました。
お話は過去と現在を行き来するので初めは難しかったのですが、2回目はパンフレットを読んでから鑑賞したので、切り替わる映像が過去なのか現在なのかがよくわかりました。
パンフレットは映画の解説のような部分もあるので、購入して良かったなと思いました。
物語の中で勾玉、六芒星や大切に扱われる石だったり、地鎮祭など古くから伝わる日本の伝統が使われているので、海外の方に興味を持っていただける内容なのかもと感じました。実際私も興味がある分野です。
事件の解決のキーマンが海外の考古学者であったのは今の社会を感じました。海外の方とのやりとりにメインキャストでもある岩橋玄樹さんが英語で対話するシーンはとても素晴らしかったです。のちにあれがアドリブだったと聞いて更に驚きました。
そして愛する妻と子が失踪した戸惑いと苛立ちと、心の弱い部分の移り変わりがまた心苦しかったですが、取り戻すために立ち上がったところからの一家の主人という感じはとても勇ましかったです。
男神は正体が見えない設定でしたが、音響や風の動き、カメラワークで、実際に迫り来る男神の動きがわかり、緊迫感もすごかったです。
生贄になる家族を勇輝が決めなければいけない
シーンはきっと誰も置いて行かない強い意志で
守を差し出す演技をしたんだと感じました。
あの場面で誰か1人を犠牲にするなんて考えられません。
無事現代の世界に戻ってきた勇輝が穴を出てから全力ダッシュで男神をおびきよせるシーンは、周りで自分の身の危険を顧みずに祈りを捧げてくれていた方達の迫力もあって、感情が高まってしましたいた。
更に夏子が穴の前に立った時の表情は、まさに家族を守る強い母の顔でした。着物の似合う美しい人というセッティングも綺麗に魅せる技術なんだろうと納得でした。
夏子役の方は宝塚の男役をやられていた方だそうで今回の映画の上映挨拶のシーンなどではクールビューティーな印象だったので、役作りの素晴らしさにとても感動しました。映画では本当に母の柔らかい表情だったんです。
牧場での撮影も多かったようで羊や馬が登場するシーンがありますが上手に演技をしてくれていました。
そしてパンフレットの中で三城さんの考察に賛同したのが、ばばさまと男神は実は母と子供だという予想です。
さらに守は勇輝がロープで出入りしていたあの穴にどうやって入ったんだろう?などいろんな疑問も出てくるので、やはり何度も見て考えたくなる不思議な感覚の映画でした。
これがファンタジーホラーという枠なんですかね。
近隣の映画館での上映が終わってしまったのが本当に残念です。
ぜひまた続編を楽しみにしております。
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