「これは面白い。こういう当たりがあるから、レイトショーで一日一回しか...」胴鳴り Jellyfishさんの映画レビュー(感想・評価)
これは面白い。こういう当たりがあるから、レイトショーで一日一回しか...
これは面白い。こういう当たりがあるから、レイトショーで一日一回しかやらない様な作品にもつい足を運んでしまう。
どうにも説明が難しい映画。多面的で多層的で、見る人によって受け取り方が変わるような映画。先の展開が読めないので、頭でエンタテインしながらもうじっと観入るしかない映画。
乾いたユーモアとシリアスさとを併せ持つ語り口で、どこかの解説にあるような「静謐なタッチ」の映画では全然ない (と思う)。全体のトーンや変なズームのシーンなどに、少し 濱口竜介 監督の影響を感じたりもする。
ちょっと仕事を舐めてる売れっ子脚本家を演じる 古屋隆太 が良い。長い手足を持て余すように思春期を持て余す娘を 三谷菜々美 が好演。本作はロードムービーでもある。ラスト、もう一人の主役である黄色いいすゞクーペは何処へ向かうのか。
岡田斗司夫の「歳をとることの利点は『孤独』が気にならなくなること」という言葉を思い出す。
タイトルの「胴鳴り」は、劇中でちゃんと聞ける。そういえば本作、環境音や音楽も面白い。冒頭のベッドシーンの背後で鳴り続けるあの音は一体何だったのだろう?
イビキとかも凄いし (でもコレは「胴鳴り」じゃないと思う)。カラオケで歌われる「さよならの向こう側」で『花腐し』を思い出す。
23時過ぎの終映後からトークセッションあり。登壇は、楫野裕 監督とスクリプトドクター 三宅隆太 氏。周知の通り三宅氏の話は解像度が高くて面白い。前作『阿吽』からの監督の進化を分析。こちらも観てみたくなった。
パンフ ¥1000 はコンパクトながら読み応えあり。しかも、劇中登場するあるプリント写真が挟まれているので買って損は無いと思う。
コメントする