パドレ・プロジェクト 父の影を追ってのレビュー・感想・評価
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まさかのパート2。笑
一時、アメトーークの「ハーフ芸人」にはまり、定期的に出演者のその後が気になるようになっていた。その中でも、非・吉本枠で出演していた唯一の存在、ぶらっくさむらいさんのことは、最近とんと話題を聞かず、どうしているのか気になっていた。
そんな折、偶然知り合った方から「今は芸人ではなく、本名(武内 剛)で活動されている」と教えてもらった。ほどなくして、東京でドキュメンタリー映画を上映会をするという話を聞き、嬉々として観に行った。
映画の内容については、他の方の感想に譲るとして——。ただ一つ言えるのは、「竹内さんがこれまで生きてこられたのは、この映画を撮るためだったのか」と思うほどに、素晴らしい作品だったということ。
撮影のタイミングも結果的に絶妙で、こんな素敵な結末を迎え、生きた証を映画という形で残せた竹内さんの人生は、それだけで偉業だと感じた。でも、まだ40歳くらいなんですね。
最後に会場に来られたご本人、そして本編にも出演されている、同じくカメルーンハーフの漫画家・星野ルネさんも、本当に素敵な方だった。
そしてなんと星野さんも、先に「パドレプロジェクト」をやっていたそうで、「この映画は、“パドレプロジェクト2”なんですよ」と笑いを取っていたのが、とっても印象的。笑
観た方が良いですよ。
泣けた。おすすめ!
後半の核心部分について、ここに書けないのが残念。感動的な場面はひとつやふたつではないと言っておきたい。
40年前の情報しかないという無謀な状況。生きているかどうかさえ不明。父親のことを知っている唯一の人である母親は、認知症なので手掛かりはもう得られない。
でも、おそらく主役の武内剛は、「たぶん生きている」「イタリアに行けば会えるんじゃないか」という勘はあったのだろうと思う。
ソフィア・ローレンの「ひまわり」でも、生きているかどうかもわからないのに、ソビエトまで行って捜し回るけど、それと同じような無謀さだと思った。
そして、「LION 25年目のただいま」という映画(インドで5歳で迷子になり、Google Earthを使って、かつて住んでいた家を見つけて、25年後に帰る話)を思い起こすような驚きもあった。
父親を捜しに行く物語だけど、母親との場面もとても良い。母親は認知症で施設に入っていて、武内剛がお土産に買っていった花束を子供のように素直に喜ぶ。認知症でこんなにピュアないい人になるのは珍しいのではないか。黒人の子供との母子家庭で、苦労やいやな体験も多かったはずなのに。
主役の武内剛自身が、監督もやっている。話の展開の順序、状況説明の場面、音の使い方、場面の切り替え方など、とても良い映画で、監督としても高く評価したい。
良い映画でした お母さんから始まってお母さんに終わるとこ、 すごく...
良い映画でした
お母さんから始まってお母さんに終わるとこ、
すごくいい
芸人さんだからなのか、
ナレーションも聞きやすかった
雇わなくて正解
誕生日も知らないし、まず領事館とか行かないし、
その辺びっくりだけど、
いろんな人に手伝ってもらって、素敵な旅だった
最後の最後まで、良い
父を探して
2歳時に1度しか会ったことのないカメルーン人の父を探しにイタリアに行った男の話。
コロナ禍でイタリアで多くの人が亡くなり今会わなければ父に会えなくなるかもと危惧した男性が父を探すドキュメンタリー。
難題が次々起きて本当に父親に会えるのかドキドキしました。ラストのまさかの展開にはびっくりしました。
素敵な映画です
全米が泣いた、いや全カメルーンが泣いた
底抜けの明るさとフットワークの軽さからは想像できない、重たい「何か」をずっと背負っていた日本育ちの黒人芸人 ぶらっくさむらい。
彼とは芸人仲間として知り合い、付き合い自体は古い。
我々のライブフライヤーで使う民族衣装を貸してくれたり、単独ライブを見に来てくれたり、ライブ共演、コロナ禍におけるYouTubeコラボ、社会派映画を一緒に見に行ったこともある。
が、僕は彼のことを何も知らなかった。ことを映画を見て知った。
インディーズライブで育った芸人らしく、
分かりやすい設定とストーリーライン、だけど答えは見た人それぞれの受け取りかたができる、いい意味での粗さ健在。
気がつけば涙腺崩壊。同じ会場にいたパーマ大佐も泣いていたらしい。
誰でもファミリーヒストリーやナイトスクープが作れる現状
不惑を超えたハーフのお笑い芸人武内剛が、幼い頃に生き別れたカメルーン人の父を捜しにイタリアへ向かう旅を自ら記録。当初はCXの番組で密着予定もあったというだけあって、彼のバックボーンや売れない芸人という境遇も相まって、実にドキュメンタリー向きの題材だ。
被写体自身も知らない生い立ちを辿る番組だと『ファミリーヒストリー』や、時おり『探偵!ナイトスクープ』でもそうした依頼案件がある。いずれもテレビというメディアの強さがあるから顛末(「オチ」とも言い換えられる)に結びつきやすい。しかし本作はクラウドファンディングと武内の自腹で製作費を作り、いわばぶっつけ本番状態で捜索しているのがポイント。
ネタバレこそしないが、捜索の顛末はアッサリしている。ただ本作は、クラウドファンディングというシステムと目的を果たすという執念があれば、誰でもファミリーヒストリーやナイトスクープが作れるというお手本にもなっている。もっとも、被写体が観る者の興味を惹くほどのバックボーンの持ち主でないと成立しづらい、というのもあるが。
2つの番組のマンネリ化が顕著となっているのも、YouTubeやSNSで誰でも発信者=表現者になれる現状の裏返しなのかもしれない。
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