ひどくくすんだ赤のレビュー・感想・評価
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少し残念でした
今回の映画には、いくつかのパーツでリアリティの欠如を感じました。
コスチュームやロケーションなど、全体的に作り込みが甘く、細部に説得力が欠けていたのが残念です。やりたいこと、伝えたいテーマははっきりと伝わってきただけに、そのクオリティのばらつきが惜しく思えました。
作品全体に「予算不足」が透けて見える点。映像から伝わるリアリティの薄さは、企画段階でもう少し温めて時間をかけてから作っても良かったのではないかと思いますし、もっと金を出してあげてほしかった。
前作の「生まれる」は住宅地の公園、町並み、学校の教室、そして子どもと母親たちが登場するシーンには、明確なリアリティが宿っていました。これらの場所は、あまり予算をかけずとも成立しうる場であり、だからこそ監督の感情、特に「悲しみ」や「怒り」といった強い感情がバイオレンスによって昇華される過程がリアルに描く事ができたように思います。
幻想的な映像の美しさや技巧で勝負するタイプの監督ではないと思うので。復讐とか暴力をストレートに描くとき必要になるのはロケーションのリアルさ、その場の空気の凍り付くようなリアルさは圧倒的に大切になると思います。
役者の表情から痛みややるせなさを正面から捉えることで観客の感情を揺さぶる作風です。だからこそ、感情の描写の背景の積み重ねに“無理やり感”が見えてしまうと、一気に冷めてしまいます。
予算が届かないなら前作のようにもっとシンプルなテーマで模索してもいいのではと思います。
今作は、全体的に各パートの詰めの甘さが見えてしまい、肝心のバイオレンスシーンにも心を打たれることがありませんでした。
とはいえ、監督の持つ才能や情熱に揺るぎがないとも感じています。今後この監督を支えるスポンサーやプロデューサーには、ぜひ才能を掴んでほしいサポートしてあげてほしい、造りたいものを実現できる体制と予算を用意してあげてほしい。
題材としては良かったが…
戦隊ヒーローのその後
本部とは
“赤”に憧れた全ての者たちへ
幼い頃、画面越しに見る“赤”は、いつも強くそしてどの色よりも輝いて見えた。自分もいつかは“赤”の様になりたい!でも、社会はそんなに単純じゃない。悪の組織も助けてくれるヒーローもいないのに、いつも困難にぶち当たる。ならいっそ…自分の好きにやってみたらどうだろう
正直言って、本作の主人公 吉田は自分勝手な男。金も目的もなく、過去に縛られて生きている。唯一の強みは、“強い”こと。他の誰にも負けない力強さを持ち、そして支えてくれる仲間がいた。しかし吉田は、結果的に彼らを裏切った上に、トラウマを植え付けた。本作ではその“罪滅ぼし”が描かれるが、その内容も自分勝手である。
ただ、昨今何かとアイデア競争に走る戦隊に対し、吉田は純粋な強さと欲望を持つ“赤”の象徴であった。特に、吉田の最期は誰よりも“真”に赤いヒーローだった。
あと、赤は“不滅”だよね?
続編?期待してます!
短編であるが故に
レッドに嫌悪感を抱けば抱くほど監督の思惑通り
Youtubeの広告を見て鑑賞。まず主人公のレッドには全く共感を抱かない。生活を立て直そうとか人並みなことには無気力だけどクズがクズなりに考えた最終手段は道連れにかつての仲間を葬ること。これだけでもクズ度は増して行くが、戦隊発祥時の子役たちの芝居と画面が素晴らしい過ぎて、現在のレッドの置かれている状況と今のクズさを際立たせている。願わくは少年期のエピソードとか、ちゃんとした戦隊の活躍を見たかったが、このボリュームで描ききったと思う。作品について細かく設定とか考察すると主人公の年齢とか突っ込みたくなるが主人公のインパクトで消し飛びます。
余談ですが、公開日にテアトル梅田で観ましたが出演されていた金谷真由美さんが宣伝されていて『主人公にまったく共感できません』と語っておられたがその通りでした。
自己満足、自己陶酔
嘗て最強と言われた戦隊ヒーローのレッドが過去のやらかしの精算をする為に、昔の仲間を訪ねる話。
戦隊ヒーローが実在する世界で、解散して40年以上経ちいまだに歴代最強と言われる「稲妻戦隊サンダーファイブ」のリーダー、サンダーレッドが過去を振り返りつつ行動していくストーリー。
乾杯戦士アフターVやエアーズロックの様なオフザケヒーローだけど、コミカルさを排除して、シリアスな悲哀に全振りした感じで、強いて言うならやり過ぎ感がブラックなコメディという感じ?
もうちょい笑いを入れてくれたら最高なのに…。
個人的にはこの汚い世界の間違えたヒーローとか、落ちぶれた感じやどこまで行っても自分勝手な感じはなかなか好みだったけれど、ちゃんとヒーロー好きな人にはムリでしょうね。
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