「街」まる ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
街
"まる"を描いたアーティストが世間に翻弄されるというお話で奇怪な感じが上映中ずっと続いていて楽しかったです。
売れっ子芸術家の元でアシスタントをしている沢田がひょんな事で"まる"を描いて有名になるってのはXでのバズりに近いものを感じました。
美術に精通している人物が"まる"を評価した途端周りの人物の対応が変わったり、キャーキャー持て囃したりするところは現代の流行の移り変わりの早さと通ずるものがあるなと思いました。
全体的に憎たらしい人物が多く出てくるのも特徴的でした。
沢田は無気力だから側から見たらやる気がなさそうに見えますし、横山は面倒臭さが爆発してて厄介(人間味もありますが)ですし、売れっ子芸術家は自分で働かずアシスタント任せでデカい口を叩く典型的なおクズさん。
矢島はまだ演説するだけならまだしも美術展を破壊しにいっちゃうアクティブ派だし、美術屋の店主はコロッコロ対応を変えるし、大家は小うるさいし、最初のコンビニに来た若者2人の外国語いじりは一番嫌いでしたし、悪意が分散しているような作りはかえって面白く映り、それ故にモーくんの太陽のような優しさが緩衝材になっていました。
"まる"を真似する人物が横山はじめ少しずつ出てくるあたりは近年ではバンクシーで感じた事がありましたし、シンプルなまるなら自分でも行けるという心理はバチコリ分かるわ〜となってしまった自分も共犯者です。
そこからまるを纏った人たちに囲まれて、まるを描いた時にありが外に出られなくなったような状況に陥っていたときは悪い夢を見てるんじゃって映像が繰り広げられていて軽くホラーでした。
終わりそうで終わらないという展開がずーっと続いたので助長に感じる事が多く、ここでスパッと終わってれば終わってればが後半多かったのでそこは勿体無いし、引き伸ばししすぎだよなと思いました。
欠点こそあれど怪しげな雰囲気を纏いまくったオリジナル作品が観れただけでも十分収穫でした。
鑑賞日 10/24
鑑賞時間 12:20〜14:30
座席 L-2